Oracle Content Management SDKインストレーションおよび構成ガイド 10g (9.0.4.2) for UNIX Systems B15639-04 |
|
この付録は、Oracle CM SDKの構成および配置を決定するときの計画に役立つ情報を提供します。
この付録の項目は次のとおりです。
Oracle CM SDKのアーキテクチャおよび主要なOracleテクノロジーとの統合の詳細は、『Oracle Content Management SDK管理者ガイド』の第1章「概要」を参照してください。
表A-1「単一コンピュータの配置の最小ハードウェア要件」および表A-2「複数コンピュータの配置の場合(本番環境)の最小ハードウェア要件」に示す要件は、Oracle CM SDK中間層のインストールを使用することを基準にしています。
表A-1の情報は、Oracle CM SDKを専用の中間層コンピュータにインストールし、Oracle Ultra SearchおよびOracle Emailも配置する場合には、それらを別のコンピュータで実行することを前提にしています。
表A-1および表A-2には、Oracle Internet Directoryのための要件は含まれていません。Oracle Internet Directoryは、別のコンピュータにおいてインストール、構成および実行することをお薦めします。
摘要 | 要件 |
---|---|
コンピュータの数 |
1 |
サポートされるOracle CM SDKユーザー |
同時接続で2ユーザー1 |
CPUの数 |
1(Oracle Textを索引付けに使用する場合はさらに1つ) |
最小プロセッサ・タイプ |
HP CPU: HP-UX 11.0(64-bit)用HP 9000シリーズHP-UXプロセッサ HP-UX Itanium CPU: HP-UX Itanium 64-bitプロセッサ Solaris: Ultra 60 |
RAM |
1GB |
ハードディスク・ドライブ領域およびスワップ領域 |
最小8.5GBのハードディスク・ドライブ領域が必要。そのうちの6GBはOracle DatabaseおよびOracle Collaboration Suite中間層のインストール、2GBはスワップ領域に使用。 |
1
同時接続ユーザーは、ある特定の時間内に操作を実行するユーザーです。 |
表A-1のハードウェア要件は、過度なアクセスがなく2つのプロトコルを使用する2人程度のOracle CM SDK同時接続ユーザーに対応します。
表A-2のハードウェア要件は、約50人のOracle CM SDK同時接続ユーザーがすべてのプロトコルを適度に使用してアクセスするという環境をサポートします。
本番環境では、次のガイドラインに従ってOracle CM SDKおよびOracle Application Serverを配置することをお薦めします。
詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。
資格証明管理にOracle Internet Directoryを使用しない場合、Oracle CM SDKはOracle Application Server Infrastructureを必要としません。Oracle CM SDKでOracle Internet Directoryを使用する場合は、次のガイドラインに従います。
OidCredentialManager
を構成するには、orcladmin
のパスワード、コンピュータ名、ポート番号(389がデフォルトのLDAPポート番号)およびOracle Internet DirectoryのルートOracleコンテキストを知る必要があります。
system
、guest
およびscott
ユーザー・アカウントをどのようにOracle Internet Directoryにマップするかを事前に決定します。OidCredentialManager
の構成プロセスでは、これらのユーザーの新規アカウントを作成する(Oracle Internet Directoryに同名のアカウントが存在しない場合)ことも、これらのアカウントを任意のOracle Internet Directoryアカウントにマップすることもできます。詳細は、第3章「インストールと構成」を参照してください。
Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドおよび『Oracle Internet Directory管理者ガイド』で、追加の推奨事項および要件を参照してください。
Oracle CM SDKは、Oracle Application Serverによってサポートされる中間層アプリケーション・サーバー・ソフトウェアとして動作するように設計されています。最高のパフォーマンスを得るため、および管理を容易にするために、階層は別の物理コンピュータに配置する必要があります。すなわち、データベースを1台のコンピュータで実行し、Oracle Application ServerおよびOracle CM SDKソフトウェアを別のコンピュータで実行します。
Oracle Internet Directoryを使用してOracle CM SDKのユーザー資格証明を管理するには、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Application Server Infrastructureを実行するための要件を満たす3台目のコンピュータにOracle Application Server Infrastructureをインストールおよび構成する必要があります。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。
配置の作業の概要は、次のとおりです。
データベース層には、Oracle9i Database Serverリリース2(9.2.0.4)以上またはOracle Database 10g を使用する必要があります。データベース・インスタンスは、「Oracle Database要件および推奨事項」に示す要件を満たしている必要があります。
Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlコンソールに対してOracle Internet DirectoryではなくOracle Management Agentの使用を計画している場合、そのコンピュータにGrid Controlコンソールをインストールします。オプションとして、Oracle Databaseを使用するようにこれを構成することもできます。
新規データベースを作成する場合の情報の設定については、付録B「Oracle Databaseの作成」を参照してください。
オプションとして、Oracle Application Server Infrastructureデータベースを使用するようにGrid Controlコンソールを構成することもできます。
$ORACLE_HOME/ifs/cmsdk/custom_classes
コンピュータがハードウェアおよびソフトウェアの要件を満たしている場合、Oracle CM SDKを単一のコンピュータにインストールできます。推奨する要件を満たさないコンピュータで構成すると、期待するパフォーマンスを得られません。
単一コンピュータの配置のハードウェア要件は、2つのプロトコルで同時にアクセスする2人までのOracle CM SDKユーザーに対応します。資格証明管理にOracle Internet Directoryを使用する場合、コンピュータにはOracleホーム・インスタンスが3つ必要です。このため、開発用または評価のみが目的の場合は、単一コンピュータの配置を使用することをお薦めします。
$ORACLE_HOME/ifs/cmsdk/custom_classes
パフォーマンスおよびスケーラビリティに関して最も重要なのは、Oracle CM SDKへのアクセスに使用するプロトコルの選択です。
Oracle CM SDKへのアクセスには、可能なかぎりWide Area Network(WAN)のプロトコルを第1のメカニズムとして使用することをお薦めします。Local Area Network(LAN)のプロトコルは、2次的に使用するか、WANプロトコルを使用できないユーザーの場合にのみ使用します。
WANには次のプロトコルがあります。
LANには次のプロトコルがあります。
WANプロトコルは、一般にネットワーク・ラウンドトリップの点で効率がよく、エンド・ユーザーのリクエストを完了するのに少ないサーバー操作の実行で済みます。このため、エンド・ユーザーに対するパフォーマンスが向上します。
たとえば、Windowsコンピュータでドキュメントを表示または編集するには、SMBではなく、Microsoft Office 2000/XPでWebフォルダを使用することをお薦めします。
SMB、AFPまたはNFSと比較したWebフォルダのメリットは、次のとおりです(例としてSMBを挙げています)。
ユーザー・セッションごとに約1MBのサーバー・メモリーが占有されるため、SMBの場合は同時実行性の比率が10倍高いためにセッション・メモリーがおよそ10倍増大します。
Webフォルダを使用する場合のデメリットは、次のとおりです。
この項では、Oracle CM SDKのサンプル配置に対するハードウェア要件、および実際の組織にOracle CM SDKを配置するのに必要なハードウェア構成を決定するための計算式について説明します。
この項には次の項目があります。
Oracle CM SDKのハードウェア要件は、主に表A-3に示す要素によって決定します。
ハードウェア資源 | 中間層コンピュータの要件の決定要素 | データベース・コンピュータの要件の決定要素 |
---|---|---|
CPU |
||
メモリー |
||
ディスク・サイズ |
該当なし |
|
(このマニュアルでは触れていません) |
該当なし |
ハードウェア要件を決定するためには、ユーザーが実行する作業の種類を想定する必要があります。次に示す数値は、ユーザー40,000人以上のオラクル社におけるOracle Files(Oracle CM SDKを使用して構築されたアプリケーション)の配置から補外される平均であり、Oracle CM SDKの使用計画の基準として使用できます。
ユーザー・タスク | 接続ユーザーの操作の数(1時間当たり) |
---|---|
フォルダを開く |
8 |
ドキュメントの読取りおよび書込み |
10 |
問合せ |
0.1 |
注意: 目的のユーザー・プロファイルが表A-4に示す平均値と比べて著しく大きい場合、またはOracle CM SDKアプリケーションが一般的なファイル・サーバーの代替として使用されない場合、このサイジング・ガイドラインは適切でない可能性があります。 |
このサイジング・ガイドラインは、Sun Microsystemsハードウェアの同時接続ユーザー10,000人のベンチマークに基づいています。従業員数40,000人、ドキュメント数1,700万、コンテンツ量4TBに及ぶオラクル社におけるOracle Filesの本番環境での使用から得られた数値に対しても、このガイドラインを検証しています。そのシステムには、中間層コンピュータにIntel Linuxハードウェア、データベースにSun社製ハードウェアが使用されています。
この項目では、各中間層コンピュータの特定ハードウェアのサイジングを決定するために使用する計算式を示します。
次の表は、サイジング計算式の概要を示します。
構成要素 | サイジング推奨事項 |
---|---|
CPUの数 |
|
必要な使用可能ディスク領域 |
ソフトウェアに最低500MB |
マシンの合計メモリー |
HTTPがプライマリ・プロトコルの場合、
HTTPがプライマリ・プロトコルでない場合、または目的のユーザー・プロファイルが表A-4に示す平均値と異なる場合、 |
必要なCPUの数を決定するための計算式は、次のとおりです。
roundup(peak concurrent connected users / 250 + 33% headroom)
最高の効率にするためには、CPUの75%のみを割り当てます。
この計算式は次の想定に基づきます。
ソフトウェアに最低500MBを割り当てます。これには次の点は考慮されていません。
HTTPがプライマリ・プロトコルである場合、コンピュータに必要な合計メモリーを決定するための計算式は、次のとおりです。
480MB + (3.6MB * peak concurrent connected users)
480MBは最初のOracle CM SDK中間層コンピュータ用です。3.6MBという値は次のように想定して計算されています。
HTTPがプライマリ・プロトコルではない場合、または目的のユーザー・プロファイルが表A-4に示す平均値と異なる場合、次の計算式を使用してコンピュータに必要な合計メモリーを決定します。
480MB + (1MB * peak concurrent connected users * average number of sessions in use by each concurrent connected user) + (3KB * number of objects desired in the Java object cache) + (8MB * number of connections to the database)
480MBは最初のOracle CM SDK中間層コンピュータ用です。他の値は次のように想定して計算されています。
IFS.SERVICE.MaximumConcurrentSessions
パラメータによってピーク時の同時ユーザーのセッション数を制限することをお薦めします。オラクル社でテストしたのは、最大2GBのJavaヒープの場合です。次の点に合致する場合、この制約によって、1ノード当たり最大約700の同時接続ユーザー、および合計サイズが1986MBになります。
同じコンピュータにノードを追加するごとに、ノードのオーバーヘッドをサイジングに含める必要があります。詳細は、表A-7を参照してください。
HTTP/WebDAVのメモリー・オーバーヘッドには、10の同時ゲスト・ユーザー・リクエストに対するメモリーが含まれます。そのため、ゲスト・ユーザーは、HTTP/WebDAVアクセスの接続ユーザーとして計算されません。
(number of folder opens in the peak hour) * (number of objects per folder) * (number peak concurrent connected users)
この結果を使用してIFS.SERVICE.DATACACHE.Size
パラメータの値を設定します。
IFS.SERVICE.CONNECTIONPOOL.WRITEABLE.MaximumSize
とIFS.SERVICE.CONNECTIONPOOL.READONLY.MaximumSize
の合計です。
この項目では、各データベース・コンピュータの特定ハードウェアのサイジングを決定するために使用する計算式を示します。
次の表は、サイジング計算式の概要を示します。
必要なCPUの数を決定するための計算式は、次のとおりです。
roundup(peak concurrent connected users / 250 + 33% headroom)
最高の効率にするためには、CPUの75%のみを割り当てます。Oracle Text索引付けを使用する場合、1つの追加CPUが新規ドキュメント・コンテンツのバックグラウンドOracle Text索引付け用に使用されます。
この計算式は次の想定に基づきます。
必要な使用可能ディスク領域を決定するための計算式は、次のとおりです。
4.5GB + total raw file size + (total raw file size * 20%)
4.5GBは、Oracleソフトウェアおよび初期データベース構成に必要な領域です。コンテンツの索引付けにOracle Textを使用しない場合、生ファイルの合計サイズに20%ではなく15%を乗じます。
必要なコンピュータの合計メモリーを決定するための計算式は、次のとおりです。
64MB + 128MB + database buffer cache + (1MB * number of connections to the database) + (500 bytes * number of documents) + (100KB * peak concurrent connected users)
この計算式は次の想定に基づきます。
各構成要素の中間層コンピュータのおおよその最小メモリー・オーバーヘッドは、表A-7に示すとおりです。
表A-8は、Oracle CM SDKに格納される様々なデータのタイプ、および各表領域の目的を示します。カスタム表領域の作成については、付録B「Oracle Databaseの作成」を参照してください。
代表的な表領域の記憶域およびディスクI/Oを、表A-9に示します。
表領域 | I/Oスループット要件の合計に対する割合 | ディスク領域の要件に対する割合 |
---|---|---|
|
50% |
2% |
|
20% |
1% |
|
10% |
1% |
|
8% |
35% |
|
5% |
55% |
その他 |
5% |
1% |
|
1% |
4% |
|
1% |
1% |
合計 |
100% |
100 |
表A-9に関して次の点に注意してください。
db_block_cache
のサイズに大きく依存します。その数値は、8GBのdb_block_cache
、1,700万のドキュメントおよび40,000人の名前付きユーザーの規模となるオラクル社内部のOracle Files実装を基にしました。
IFS_MAIN
表領域は、最大限のI/Oキャパシティのためにディスク全体に及ぶ最も重要な表領域です。
IFS_CTX_I
、IFS_CTX_X
およびIFS_CTX_K
表領域のディスクI/Oは、大部分がOracle Textバッチ・プロセス(ctx_ddl.sync_index
およびctx_ddl.optimize_index
)から発生しますが、エンド・ユーザーのパフォーマンスにとって重大ではありません。したがって、必要に応じて、これらの表領域は低いI/Oキャパシティのままディスクにあって構いません。
ディスク領域の最も大きな消費は、Oracle CM SDK内にあるドキュメント(索引付けされたメディアの表領域、索引付けされていないメディアの表領域およびinterMediaの表領域)を実際に収めているディスクにおいて発生します。この項では、ドキュメントの格納方法およびそのドキュメントが必要とする領域の算出方法について説明します。
前述のとおり、Oracle CM SDKに格納されるドキュメントは、実際にはデータベース表領域に格納されます。Oracle CM SDKは、Oracleデータベースのラージ・オブジェクト(LOB)機能を使用しています。データベースが提供するLOBの1タイプであるバイナリ・ラージ・オブジェクト(BLOB)として、すべてのドキュメントが格納されます。LOBは、データベースに格納される通常データと同様にトランザクション・セマンティクスを規定します。セマンティクスを規定するために、それぞれで変更およびリカバリできる小さな部分にLOBを分割する必要があります。この小さな部分はチャンクと呼ばれます。チャンクは、LOB列を含む表領域のうちの、1つ以上の連続したデータベース・ブロックからなるグループです。
ブロック内のデータベース・ブロック情報およびチャンク情報の両方(BlockOverhead)が、格納されるデータのオーバーヘッドになります。現在のBlockOverheadは、ブロック当たり60バイトで、ブロック・ヘッダー、LOBヘッダーおよびブロック・チェックサムで構成されています。Oracle CM SDKは、LOBを32KBのチャンク・サイズに構成しています。
たとえば、データベースのDB_BLOCK_SIZEパラメータを8192(8KB)に設定すると想定します。1つのチャンクには、4つの連続したブロックが必要で、オーバーヘッドは240バイトです。このチャンクで使用可能な領域は、32768-240=32528バイトです。
Oracle CM SDKに格納される各ドキュメントは、整数値のチャンクで構成されます。たとえば前の例の場合、500KBのドキュメントは512000/32528=15.74=16のチャンクを使用します。16のチャンクは16*32K = 524288バイトです。このドキュメントを格納するチャンク・オーバーヘッドは524288-512000=12288バイトであり、元のドキュメント・サイズの2.4%に相当します。
Oracle CM SDKが使用するチャンク・サイズは、ドキュメントに対して最適のアクセス時間になるように設定されています。1つのチャンクより小さなドキュメントの場合、少なくても1つのチャンクが使用されるので、オーバーヘッドがディスク領域の多くの部分を占めることになります。
LOBのトランザクション・セマンティクスに必要なもう1つの構造は、LOB索引です。LOB索引の各エントリは、特定LOBオブジェクトのうちの8つのチャンクを指すことができます(NumLobPerIndexEntry = 8)。前述の例である16のチャンクを使用する500KBのドキュメントの場合、そのオブジェクトに対して2つの索引エントリが必要です。各エントリは、46バイト(LobIndexEntryOverhead)でOracle B*ツリー索引に格納されます。この索引にも、どのように断片化されるかによってそれ自体のオーバーヘッドがあります。
LOB領域の使用に影響する最後の要素は、LOB列の作成時に使用されるPCTVERSIONパラメータです。PCTVERSIONの機能については、『Oracle9i SQLリファレンス』を参照してください。
Oracle CM SDKは、作成するLOB列に対してデフォルトで10%のPCTVERSIONを使用します。これにより、読込み一貫性ビューでの「ORA-22924スナップショットが古すぎる」というエラーの発生の可能性が低減します。このようにデフォルトで、最小のチャンク領域の10%増加を所定のディスク使用量に加えて、永続的なPCTVERSIONチャンクを可能にする必要があります。
ディスク領域が問題となる大規模システムでは、ディスク記憶域の要件を減らすために、PCTVERSIONを1に減らすことをお薦めします。これは、次のSQLコマンドを使用して、実行中のシステムでいつでも変更できます。
alter table odmm_contentstore modify lob (globalindexedblob) (pctversion 1); alter table odmm_contentstore modify lob (emailindexedblob) (pctversion 1); alter table odmm_contentstore modify lob (emailindexedblob_t) (pctversion 1); alter table odmm_contentstore modify lob (intermediablob) (pctversion 1); alter table odmm_contentstore modify lob (intermediablob_t) (pctversion 1); alter table odmm_nonindexedstore modify lob (nonindexedblob2) (pctversion 1);
LOB表領域の使用量を計算するには、次の手順に従います。
chunks = roundup(FileSize/(ChunkSize-((ChunkSize/BlockSize)*BlockOverhead)))
たとえば、FileSize = 100,000、ChunkSize = 32768、Blocksize = 8192、BlockOverhead = 60の場合、次のとおりです。
chunks = roundup (100000 /(32768 - ((32768 / 8192) * 60)))= 4 Chunks
FileDiskSpaceInBytes = roundup(chunks*ChunkSize*PctversionFactor) + roundup(chunks/NumLobPerIndexEntry*LobIndexEntryOverhead)
たとえば、chunks = 4、ChunkSize = 32768、PctversionFactor = 1.1、NumLobPerIndexEntry = 8、LobIndexEntryOverhead = 46の場合、次のとおりです。
FileDiskSpaceInBytes = roundup (4 * 32768 * 1.1) + (roundup(4/8) * 46) = 144226 FileDiskSpaceInBytes
TableSpaceUsage = sum(FileDiskSpaceInBytes) for all files stored
Oracle CM SDKは、複数のLOB列を作成します。領域計算は、表領域への格納に適したコンテンツの容量に基づいて表領域ごとに行う必要があります。
Oracle CM SDKサーバーは、ファイル・システムとそのファイル・システムのコンテンツに関する永続的な情報をデータベース表に保持します。その表とそれに関連する構造は、Oracle CM SDKプライマリ表領域に格納されます。この表領域には、およそ300の表および500の索引が含まれています。ファイル・システムとそのファイル・システムを使用する様々なプロトコルおよびユーザー・インタフェースをサポートするために、このような構造が必要になっています。
この領域の管理および計画の作業は、通常のOracle Databaseのインストールでの操作に類似しています。システムの管理者は、表領域から使用するドキュメントごとに約6KBのオーバーヘッドまたはコンテンツ全体の約2%を考慮しておく必要があります。カテゴリなどの大量のカスタム・メタデータがある場合は、このオーバーヘッドはさらに大きくなります。
表領域に割り当てられる初期ディスク領域は、デフォルト・インストールで約50MBです。50MBのうちの16MBが、インストールの完了で実際に使用されます。その中には、すべての必要な表と索引、およびインストールの一部としてOracle CM SDKにロードされる約700のファイルに必要なメタデータが含まれます。それぞれのインストールで使用されるOracle CM SDKの機能によって、この表領域内の様々な表および索引が様々な割合で増大します。
Oracle CM SDKがOracle Textとともに動作する場合、ユーザーはOracle CM SDKに格納されたドキュメントを対象とした強力な検索機能へアクセスできます。この機能のためのディスク領域は、最高のパフォーマンスを得るために、3つの異なる表領域に分割されます。
Oracle Textデータ表領域には、索引付けされた様々なドキュメントにあるテキスト・トークン(個々の単語)を保持する表が含まれます。このテキスト・トークンの記憶域は、ドキュメントのASCIIコンテンツにほぼ比例します。
ASCIIコンテンツの割合は、元のドキュメントの形式によって異なります。テキスト・ファイルのみにASCII以外のコンテンツとして空白があるので、テキスト・ファイルはドキュメント当たりの割合のオーバーヘッドが大きくなります。Microsoft WordまたはPowerPointなどのドキュメント・タイプには、テキスト・トークンに相当しないフォーマットに必要な大量のデータが含まれます。そのため、このタイプのドキュメントに関するドキュメント当たりの割合は小さくなります。様々なコンテンツ・タイプがあるシステムにおけるオーバーヘッドの予測値は、索引付けされたドキュメントの元のサイズの合計の約8%です。
表A-10は、一般的なファイル形式のドキュメントにおけるASCIIテキストの容量のガイドラインです。
形式 | プレーンASCIIコンテンツ(ファイル・サイズの割合) | すべてのドキュメント・コンテンツに対する一般的な割合1 |
---|---|---|
Microsoft Excel2 |
250% |
4% |
ASCII |
100% |
2% |
HTML |
90% |
10% |
リッチ・テキスト形式 |
80% |
2 |
Microsoft Word |
70% |
13% |
Acrobat PDF |
10% |
18% |
Microsoft PowerPoint |
1% |
3% |
イメージ(JPEG、BMP)、圧縮ファイル(Zip、TAR)、バイナリ・ファイルなど |
0% |
50% |
合計 |
|
100% |
1
オラクル社におけるOracle CM SDKの内部利用の統計より。 2 デフォルトで、Oracle Textは、Excelドキュメントの各数値を別個の単語として索引付けします。ExcelはASCIIの場合より効率的に数値を格納するので、ファイル・サイズの割合から見たASCIIコンテンツは100%を超えます。 |
Oracle Textキーマップ表領域には、ドキュメントのOracle CM SDKロケータ(Oracle CM SDK DocID)から同じドキュメントのOracle Textロケータ(Oracle Text DocID)に変換するために必要な表および索引が含まれます。この表領域の領域使用の予測値は、索引付けされたドキュメントごとに約70バイトです。
Oracle Text索引表領域には、Oracle Textデータ表領域に格納されたテキスト・トークン情報と照合して使用されるB*ツリー・データベース索引が含まれます。この表領域は、Oracle Textデータ表領域の場合と同様にASCIIコンテンツに比例して増えます。様々なコンテンツ・タイプがあるシステムにおけるオーバーヘッドの期待値は、ドキュメントのASCIIコンテンツの合計の約4%、または索引付けされたドキュメントの合計サイズの合計の約1%です。
この項目では、ディスク領域の要件を示し、サーバーにドキュメントが追加されると必要なディスク領域が増大することを明らかにします。
オラクル社の社内利用のためにOracle CM SDKを実行した実績に基づく、大規模システム(数百GBのファイル・コンテンツ)のOracle CM SDKのディスク・オーバーヘッドは、表A-11に示すとおりです。
表領域オーバーヘッド・タイプ | 生ファイル・コンテンツの合計に対するオーバーヘッド1 | 主な決定要素 |
---|---|---|
ドキュメント・ストレージ |
12% |
チャンク・サイズ(デフォルト32KB)を基準とするドキュメントのサイズ |
Oracle Text |
5% |
すべてのドキュメントのASCIIコンテンツの量 |
メタデータ |
2% |
フォルダ、ドキュメントなどの数 |
一般Oracleストレージ |
1% |
|
合計 |
20% |
|
1
これには次の領域は含まれていません。バックアップおよび信頼性のためのミラー化。挿入されるドキュメント数およびドキュメントのサイズによって決まるREDOログ・サイズ、各データベース・ファイルの最後のエクステントの未使用部分(事前作成されたデータベースの未使用部分はこれに該当します。また、エクステント拡大率が大きく設定されている場合にはこのサイズが大きくなる場合があります)。 |
ラージ・オブジェクト(LOB)、表領域、チャンク・サイズおよびエクステントの用語の説明は、『Oracle9i データベース概要』を参照してください。
オーバーヘッドのうちの多くの割合をLOBのオーバーヘッドが占める場合、Oracle CM SDKインスタンスのオーバーヘッドは、ドキュメント・サイズの平均値および中央値によって異なります。
|
Copyright © 2007 Oracle Corporation. All Rights Reserved. |
|