コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成

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Oracle Service Bus ドメインの JDBC および JMS 設定のカスタマイズ

ドメインまたはテンプレートで JDBC データ ソースおよび JMS ファイル ストアの設定がすでに定義されている場合、コンフィグレーション ウィザードを使用してドメインを作成または拡張するときにこれらの設定を変更することができます。

以下のトピックでは、ドメイン内の JDBC および JMS ファイル ストアの設定を変更する手順を説明します。

JDBC データ ソースのコンフィグレーション

JDBC データ ソースにはデータベース接続のプールが含まれます。データベース接続は、データ ソース インスタンスの作成時 (デプロイ時または対象指定時) に作成されるか、サーバ起動時に作成されます。アプリケーションは JNDI ツリーでデータ ソースをルックアップしてから、接続を要求します。接続が完了すると、アプリケーションは接続をデータ ソースの接続プールに戻します。

[JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウでは、ドメイン ソースに定義されている JDBC データ ソースをコンフィグレーションします。この手順は省略可能です。必要に応じて、[接続のテスト] ボタンを使用してデータベースへの接続をテストすることもできます。

注意 : このウィンドウでデータベースに指定する値は、データベースの実際のコンフィグレーションと同じ値にする必要があります。たとえば、このウィンドウの [DBMS name] フィールドで、事前にコンフィグレーションされたドメインの PointBase データベースの名前を変更する場合は、その名前でコンフィグレーションされた実際の PointBase データベースが存在している必要があります。

JDBC データ ソースをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. JDBC データ ソースの現在のリストを確認します。データ ソースごとにタブが表示されます。特定のデータ ソースに関する情報を表示するには、該当するタブを選択します。[ドメイン ソースの選択] ウィンドウで選択したドメイン ソースによってデフォルト値を異なる場合があります。
  2. 以下の表のガイドラインに従って、ドメインに必要なエントリを追加または修正します。設定を変更し終わったら、次のいずれかの操作を行います。
    • 指定したデータベースへのデータ ソースの接続をテストするには、[接続のテスト] をクリックします。[データ ソース接続のテスト] ウィンドウが表示されます。詳細については、「データ ソースの接続のテスト」を参照してください。
    • データベースへの接続をテストしない場合は、[次へ] をクリックします。

図 8-1 は、Oracle Service Bus ドメイン用 [JDBC データ ソース] ウィンドウを示しています。

図 8-1 [JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウ

[JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウ

注意 : アスタリスクが付いているフィールドは必須フィールドです。
表 8-1 [JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウのフィールド
フィールド
実行する操作
[Name*]
JDBC データ ソースの有効な名前 (文字列) を入力する。スペースも使用可。
JDBC データ ストアの名前は、ドメイン内のすべてのコンポーネント名の間でユニークであることが必要。
[JNDI name*]
このデータ ソースにバインドされる JNDI 名をドロップダウン リストから選択する。
新しい JNDI 名を追加するには、[新規追加] を選択し、有効な JNDI パス名を入力する。
既存の JNDI 名を変更するには、名前を選択し、必要に応じて編集する。

注意 : 単一のデータ ソースに複数の JNDI 名を関連付けることができる。

アプリケーションが JNDI パスをルックアップすると、データ ソースに対応する javax.sql.DataSource インスタンスが返される。
[Database Types*]
接続するデータベースのタイプをドロップダウン リストから選択する。使用している DBMS がリストにない場合は [Other] を選択する。
[Driver*]
データベースへの接続に使用する JDBC ドライバをドロップダウン リストから選択する。リストには選択した DBMS に使用する一般的な JDBC ドライバが表示される。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドは使用できない。
[Class name*]
[Database Types] フィールドで DBMS を選択した場合、操作は不要。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合は、DBMS の java.sql.Driver インタフェースを実装するクラスの完全なパッケージ名を入力する。
[DBMS name*]
データベースの名前を入力する。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドは使用できない。
[DBMS host*]
データベースをホストするサーバ マシンの名前を入力する。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドは使用できない。
[DBMS port*]
サーバへの接続に使用するポートを入力する。選択したデータベースと関連付けられているデフォルトの設定が表示される。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドは使用できない。
[JDBC URL*]
[Database Types] フィールドで DBMS を選択した場合、操作は不要。ドライバ名を設定し、デフォルトの URL が存在する場合は、その URL がこのフィールドの値として使用される。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合は、データ ソースの接続プール内の接続を作成するために使用されるデータベースの URL を入力する。
[User name*]
データベースへの接続に必要なアカウントのログイン名を入力する。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドは使用できない。この値は [Additional Properties] フィールドに指定できる。
[User password*]
データベースへのアクセスに有効なパスワードを入力する。有効な値は、英数字の文字列で構成される。ハイフン (-) およびアンダースコア (_) 文字を使用できる。
このパスワードは、JDBC Properties の一部として入力されるパスワードよりも優先される。
この値は暗号化される。
[Confirm user password*]
ユーザ パスワードを再入力する。
[Known properties]
[Database Types] フィールドで DBMS を選択した場合、操作は不要。このフィールドには、物理データベース接続の作成時に使用するために JDBC ドライバに渡されるプロパティ リストが表示される。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、このフィールドはブランクになる。
[Additional properties]
JDBC ドライバに渡される追加のプロパティを入力する。
[Database Types] フィールドで [Other] を選択した場合、JDBC ドライバに渡すプロパティがあれば入力する (ユーザを指定するために必要なプロパティなど)。
[Supports global transactions]
[Driver] フィールドで XA ドライバを選択した場合
  • [Supports global transactions] および [Two-phase commit] プロトコルがデフォルトで選択され、変更することはできない。
[Driver] フィールドで XA ドライバ以外を選択した場合
  • 必要に応じて、[Supports global transactions] を選択できる。
  • [Supports global transactions] を選択した場合は、次のいずれかのプロトコルを選択する。
[Logging Last Resource] - このオプションを使用すると、接続が使用されているトランザクション ブランチが、トランザクションの最後のリソースとして処理され、1 フェーズ コミット処理として処理される。その処理の結果がリソース自体のログ ファイルに書き込まれ、トランザクションの準備フェーズが正常終了したか失敗したかを決定する。このオプションには、[2 フェーズ コミットのエミュレート] よりもデータの安全性が高いというパフォーマンス上のメリットがある。ただし、いくつか制限事項もある。詳細については、『WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の「ロギング ラスト リソース トランザクション オプションについて」
(http://download.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/jdbc_admin/jdbc_datasources.html#llr) を参照。
[Emulate two-phase commit] - このオプションを使用すると、接続が使用されているトランザクション ブランチは、トランザクションの準備フェーズに対して常に正常終了コードを返す。パフォーマンス上のメリットがあるが、エラーが発生した場合はデータを損なうリスクがある。アプリケーションがヒューリスティックな状況に耐えられる場合にのみ、このオプションを選択する。詳細については、『WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の「2 フェーズ コミットのエミュレート トランザクション オプションについて」
(http://download.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/jdbc_admin/jdbc_datasources.html#emulate2pc) を参照。
[One-phase commit] (デフォルト) - このオプションを使用すると、データ ソースからの接続がグローバル トランザクションの唯一の参加リソースとなることができ、トランザクションは 1 フェーズ コミットの最適化を使用して完了する。複数のリソースがトランザクションに参加する場合は、例外が送出される。

関連トピック

WebLogic JDBC のコンフィグレーションと管理』の「JDBC データ ソースのコンフィグレーション」
(http://download.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/jdbc_admin/jdbc_datasources.html)

データ ソースの接続のテスト

[データ ソース接続のテスト] ウィンドウでは、ドメインに定義した各データ ソースについて、データベースへの接続をテストできます。テストには、データベースに対して定義した JDBC URL を使用します。このウィンドウは、[JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウで [接続のテスト] をクリックした場合にのみ表示されます。

データ ソースおよび関連する JDBC URL のリストが表示されます。

データベースへの接続をテストするには、次の手順に従います。

  1. 接続をテストするデータベースが実行中であることを確認します。
  2. テストするデータ ソース接続に対して [テスト] をクリックします。
  3. 注意 : データ ソースに対して [テスト] をクリックすると、ボタンは [取り消し] に変わります。いつでも [取り消し] をクリックしてテストを中止できます。テスト進行中は、その他すべての [テスト] ボタンは使用できません。

    ステータス フィールドが空の場合、テストは開始されていません。

  4. [接続結果ログ] ペインでテストの結果を確認します。
  5. 必要に応じて、各データ ソースについて手順を繰り返します。
  6. [OK] をクリックして [JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ウィンドウに戻ります。

データベース スクリプトの実行

[データベース スクリプトの実行] ウィンドウでは、既存の SQL ファイルまたはデータベース ロード ファイルを使用して、ドメインに定義されている各データ ソースのデータベース コンテンツをセットアップします。データベース タイプ別に分類された SQL ファイル セットをドメイン テンプレートに含めることができます。このウィンドウは、ドメイン テンプレートに 1 つまたは複数の SQL ファイルが含まれている場合にのみ表示されます。

注意 : wls.jar にデータベースが定義されていないため、ドメインを作成するために WLS テンプレートを選択した場合、[JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ダイアログ ボックスは表示されません。Oracle WebLogic Platform テンプレートを選択した場合、[JDBC データ ソースのコンフィグレーション] ダイアログ ボックスは表示されますが、[データベースをロード] ダイアログ ボックスは表示されません。

注意 : 開発モードで PointBase を使用する場合、[スクリプトの実行] をクリックしてスクリプトをロードする操作は省略可能ですが、プロダクション モードで [スクリプトの実行] をクリックしてスクリプトをロードする操作は必須です。
注意 : デフォルトの PointBase データベースを使用している場合、スクリプトの実行前にデータベース サーバを起動する必要はありません。その他のデータベースを使用している場合、SQL スクリプトを実行するにはデータベース サーバが実行している必要があります。

データベース コンテンツを設定するには、次の手順に従います。

  1. [利用できる JDBC データ ソース] ペインで、スクリプトを実行するデータ ソースを選択します。実行されるスクリプトが [利用できる SQL ファイルおよびデータベース ロードのオプション] に表示されます。
    • Portal テンプレートを使用する場合
      • p13n DataSource を選択し、[スクリプトの実行] をクリックする。
      • 別のデータベースにアプリケーション GroupSpace データを保持する場合は、[appsGroupSpaceDataSource] を選択し、[スクリプトの実行] をクリックする。
    • Oracle WebLogic Service Bus 拡張 (Oracle Service Bus テンプレート) を使用する場合、wlsjmsrpDataSource を選択します。
    • 作成してアプリケーションと共にロード済みのスクリプトを使用する場合は、使用可能ないずれかのデータ ソースを選択する。
  2. [DB バージョン] ドロップダウン メニューからデータベースのバージョンを選択します。
  3. [スクリプトの実行] をクリックします。
  4. 選択したデータ ソースについて、[利用できる SQL ファイルおよびデータベース ロードのオプション] ペインに表示されたすべてのスクリプトが実行され、結果が [結果] ペインに表示されます。テスト出力をログ ファイルに書き込む場合は、[ログ ファイル] チェック ボックスをチェックして、ログ ファイルの場所を手動で入力するか、[参照] をクリックして目的のログ ファイル名を検索します。

  5. SQL スクリプトを実行する各データ ソースに対して、手順 1 から 3 を繰り返します。
  6. [次へ] をクリックして次のコンフィグレーション ウィンドウに進みます。

JMS ファイル ストアのコンフィグレーション

JMS ファイル ストアは、永続メッセージを格納するためのディスクベースのファイルです。

[JMS ファイル ストアのコンフィグレーション] ウィンドウでは、ドメインにコンフィグレーションされている JMS ファイル ストアを修正できます。この手順は省略可能です。

JMS ファイル ストアをコンフィグレーションするには、次の手順に従います。

  1. JMS ファイル ストアの現在のリストを確認します。前の手順で選択したドメイン ソースによってデフォルト値は異なります。
  2. 注意 : 2 種類の表示モードがあります。すべての定義済みコンポーネントを簡潔な表形式で表示する方法と、1 つのコンポーネントを 1 つのタブに個別に表示する方法です。個別表示で特定のコンポーネントを表示するには、該当するタブを選択します。表形式とタブ形式の表示モードを切り替えるには、[表示の切り替え] をクリックします。
  3. 以下の表のガイドラインに従って、ドメインの要件に合わせてエントリを修正します。設定を変更し終わったら、[次へ] をクリックします。

注意 : アスタリスクが付いているフィールドは必須フィールドです。

表 8-2 [JMS ファイル ストアのコンフィグレーション] ウィンドウ
フィールド
実行する操作
[Name*]
JMS ファイル ストアの名前 (文字列) を入力する。スペースも使用可。
JMS ファイル ストアの名前は、ドメイン内のすべてのコンポーネント名の間でユニークであることが必要。
[Directory]
JMS ファイル ストアを保持するファイル システム上のディレクトリのパス名を入力する。このディレクトリはローカル システムに存在しなければならない。
[Synchronous]
ドロップダウン リストから以下のいずれかの同期書き込みポリシーを選択して、ファイル ストアのデータをディスクに書き込む方法を指定する。
  • Cache-Flush - すべての書き込み処理がディスクにフラッシュされるまでトランザクションは完了できない。
  • Disabled - トランザクションは書き込みがメモリにキャッシュされると同時に完了する。このポリシーを有効にした場合、トランザクションは書き込みがディスクに格納されるのを待たずに完了する。
  • Direct-Write - 書き込み処理はディスクに直接書き込まれる。このポリシーは、Solaris および Windows でサポートされている。このポリシーをサポートしていないプラットフォームに対して設定すると、ファイル ストアは自動的に [Cache-Flush] ポリシーに切り替わる。
  • 未指定 (デフォルト)
このパラメータ設定は、パフォーマンス、スケーラビリティ、および信頼性に影響する。

注意 : [Direct-Write] ポリシーを使用したトランザクション処理は、Solaris システムでは信頼性の高い処理だが、Windows システムでは、トランザクション データがディスクにただちに書き込まれず、ディスク上のキャッシュに残ったままになることがある。これは信頼性の高いトランザクション処理とは言えない。電源障害によってディスク上のキャッシュ データが失われ、その結果、メッセージの消失や重複が発生する可能性がある。Windows で [Direct-Write] を使用して信頼性のある書き込みを実現するには、ディスクの書き込みキャッシュをすべて無効にするか (デフォルトでは有効)、またはバッテリー バックアップ キャッシュのあるディスクを使用する。ただし、ファイル システムによってはこの値を変更できない (たとえば、信頼性の高いキャッシュを持つ RAID システムなど)。

注意 : ディスクへの非永続メッセージのページングに JMS ファイル ストアを排他的に使用すると、同期書き込みポリシーは無視される。

関連トピック

WebLogic Server 環境のコンフィグレーション』の「カスタム (ユーザ定義) ファイル ストアの作成」
(http://download.oracle.com/docs/cd/E12840_01/wls/docs103/config_wls/store.html#CreatingaCustomFileStore)

ドメインの設定の確認

[WebLogic ドメインの確認] ウィンドウでは、コンフィグレーション ウィザードでドメインを作成する前に、ドメインの詳細なコンフィグレーション設定を確認できます。

ドメインの設定を確認するには、次の手順に従います。

  1. 左側の [ドメインのサマリ] ペインで項目を選択し、関連する詳細を右側の [詳細] ペインで確認します。[前へ] をクリックして前のウィンドウに戻り、限られた範囲で調整を行うことができます。
  2. 注意 : [ビュー] ドロップダウン リストでフィルタを選択すると、[ドメインのサマリ] ペインに表示する情報の種類を制限できます。
  3. [次へ] をクリックして、次のコンフィグレーション ウィンドウ (WebLogic ドメインの作成) に進みます。

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