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Oracle Expressデータを使用したレポートの作成
この章では、Oracle Reports付属のOracle Expressプラッガブル・データ・ソースのデータを含むレポートについて学習します。この章の手順に従うと、図47-1に示すようなレポート出力を生成できます。
図47-1 Expressレポート出力
画像の説明
注意
Oracle Express PDSは、Oracle Reports 10gリリース2(10.1.2)では非推奨となりました。詳細は、A Guide to Functional Changes Between Oracle Reports 6i and 10gを参照してください。このドキュメントは、Oracle Technology Networkの Oracle Reports 10gのページ(http://www.oracle.com/technology/products/reports/index.html)から入手できます。Oracle Expressプラッガブル・データ・ソース(PDS)は、UNIXプラットフォームのOracle Developer Suiteでは機能しません。
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概要
Oracle Expressでは、多次元データ・モデルを使用したオンライン分析処理(OLAP)を実現できます。このモデルは、企業データ(売上、マーケティング、財務変数など)を交差させて、その傾向やパターンを分析できるように最適化されています。
使用例
この例では、売上レポートを作成します。キューブにはデータが入っていて、この中から抽出するデータを決定します。キューブの各面は、カテゴリ(製品など)に含まれる可変データのリストを表します。このカテゴリとその値リストをあわせてディメンションと呼びます。各ディメンションの部分を選択して、選択部分と他のディメンションとの相互作用を分析します。このような分析をメジャーと言います。
売上を分析するメジャーの例では、時間、製品、地域区分、経路の各ディメンションからデータを選択します。Oracle Expressでは、クエリーを作成するときに、表示する情報の範囲を広げること(たとえば、全域で販売された製品の年間直接売上および間接売上)も、狭めること(たとえば、カリフォルニア州で販売されたテレビの月次直接売上)もできます。
ここでは、ある製品区分について地域および販売経路別の年間売上予測と実績をまとめたレポートを作成します。レポート・ウィザードを使用して初期データ・モデルとレポート・レイアウトを作成します。次に、データ・モデルとExpressクエリーを修正します。最後に、ペーパー・レイアウト・ビューとペーパー・デザイン・ビューでレポートの外観を調整します。
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
OLAP Express PDSを使用するレポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダExpress
を開き、result¥xprs.rdf
を開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。この章で使用されているサンプル・ファイルのリストと説明を、表47-1に示します。
表47-1 レポートのサンプル・ファイル
注意
Expressデータに関するヒントの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「Express PDS」を参照してください。
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47.1 この例の前提条件
この章の例を作成するには、サンプル・ファイルが必要です(前述の「使用例」を参照)。また、Oracle Expressデータ・ソースへのアクセス権も必要です。
このExpressレポートを作成する前に、OLAP Serverと連携するようにReports Builderを構成する必要があります。
注意
詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「Expressデータ・ソースの構成について」を参照してください。
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47.2 レポート・ウィザードを使用したExpressクエリーの定義
この項の手順は、各製品区分に関する地域、経路別の月次売上予測および実績を提示する初期レポートを作成する方法を説明します。Expressクエリーでは2つのメジャーを使用します。それぞれのメジャーは製品、時間、地域および経路のディメンションで構成されます。
- Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。
- 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「レポート・ウィザードを使う」を選択して「OK」をクリックします。
- 「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。
- 「レポート・タイプ」ページで、「ペーパー・レイアウトのみ作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「スタイル」ページで、「タイトル」に
Sales Report
と入力し、レポート・スタイルとして「グループ別マトリックス」を選択して、「次へ」をクリックします。
- 「データ・ソース」ページで「OLAP Server Query」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「データ」ページで「問合せ定義」をクリックします。
注意
まだOLAP Serverに接続していない場合は、「接続」ダイアログ・ボックスが表示されます。アクセスするOLAP Serverインスタンスを選択します。「OK」をクリックします。
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- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで、このセッションで接続するデータベースの名前とパスを選択するため、「データベースのアタッチ」を選択します。
- 「データベースのアタッチ」ダイアログ・ボックスで、
/oec632/
というラベルの付いたディレクトリを選択します。 xademo.db
を選択します。これは、OLAP Server付属のサンプル・データベースです。
- 「開く」をクリックすると、セッションにデータベースが接続されます。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで[Ctrl]を押しながらマウスをクリックして、「使用可能なメジャー」リストから「Sales」と「Projected Sales」を選択します。
- 「>」ボタンをクリックして、「Sales」と「Projected Sales」を「選択されたメジャー」リストに移動します。「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスの外観は、次のようになります。
図47-2 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックス
画像の説明
- Expressクエリーの選択内容を受け入れるには、「OK」をクリックします。この後の手順で、「Sales」および「Projected Sales」メジャーに関連するディメンション値を修正するときにこのダイアログ・ボックスに戻ります。
- 「データ」ページで「次へ」をクリックします。
- 「グループ」ページで次の操作を行います。
- 「使用可能フィールド」リストの「Product」を選択し、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「マトリックス・グループ・フィールド」リストに移動します。
- 「Level1」、「Time」の順にクリックし、「>」ボタンをクリックして、「マトリックス・グループ・フィールド」リストを次のように表示します。
図47-3 マトリックス・グループ・フィールド
画像の説明
- 「次へ」をクリックします。
- 「行」ページで、「使用可能フィールド」リストの「Geog_Area」をクリックし、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「マトリックス行フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。
- 「列」ページで、「使用可能フィールド」リストの「Channel」をクリックし、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「マトリックス列フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。
- 「セル」ページで、「使用可能フィールド」リストの「Projected_Sales」をクリックし、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「マトリックス・セル・フィールド」リストに移動します。
- 「Sales」でもこの手順を繰り返してから、「次へ」をクリックします。
- 「合計」ページで「次へ」をクリックします。
サマリー合計の追加は、この後の手順で行います。
- 「ラベル」ページで、ラベルとフィールド幅を次のように変更し、「次へ」をクリックします。
表47-2 「ラベル」ページのフィールドの説明
この後の手順で新しいレイアウト列を追加するので、ラベルの幅はここで変更してください。現行のデフォルト幅では、列が次のページに渡ってしまいます。
- 「テンプレート」ページで、「事前定義テンプレート」を選択し、「Gray」をクリックします。次に「終了」をクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポート出力を表示します。表示は次のようになります。
図47-4 Expressレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
xprs_910.rdf
という名前で保存します。
注意
レポートの設計段階では、レポートを異なるファイル名で頻繁に保存することをお薦めします。そうすれば、エラーが生じたり、変更した内容に問題がある場合でも、前に保存したファイルに簡単に戻ることができるので、その時点からの修正を加えるだけで済みます。
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47.3 Expressクエリーの修正
この項に示す手順に従って、Expressクエリーを修正します。ここまでの作業で、ある製品カテゴリに関する地域、経路別の月次売上予測および実績を示すレポートを作成しました。しかし実際は、ある製品区分について経路、地域別の年間売上予測および実績が知りたいとします。これを実現するには、表示するディメンションの値を制限します。
注意
詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプの「データの選択」を参照してください。
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この例では、「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで次のディメンション値を指定します。
- 1997年の売上予測および実績
- 地域(アジア、アメリカ大陸など)
- 製品区分(アクセサリ、オーディオ区分など)
Expressクエリーを修正するには:
- ペーパー・レイアウト・ビューで、「ツール」→「レポート・ウィザード」を選択して、レポート・ウィザードを再実行します。
- レポート・ウィザードの「データ」ページで、「問合せ定義」をクリックします。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで「セレクタ」をクリックします。
- 「セレクタ」ダイアログ・ボックスで、「ディメンション」オプションの「期間」を選択します。
- ツールバーの「リスト」をクリックして、リスト・ツールを選択します。
- 「リスト」ダイアログ・ボックスで、使用可能な期間のリストから「1997」を選択します。
- 「選択」をクリックします。それまでの選択内容にかわって「1997」が表示されます。
- 「OK」をクリックします。
- 「セレクタ」ダイアログ・ボックスで、「ディメンション」オプションの「Geographical Area」を選択します。
- ツールバーの「レベル」ボタンをクリックして、レベル・ツールを選択します。
- 「レベルで選択」ダイアログ・ボックスで、「レベル」リストの「Continents/Regions」を選択します。
- 「OK」をクリックします。
- 「セレクタ」ダイアログ・ボックスで、「ディメンション」オプションの「製品」を選択します。
- 「レベル」ボタンをクリックします。
- 「レベルで選択」ダイアログ・ボックスで、「レベル」リスト内の「Divisions」を選択します。
- 「OK」をクリックします。
- 「セレクタ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
- レポート・ウィザードの「グループ」ページで、「マトリックス・グループ・フィールド」リストの「Time」をクリックし、「<」ボタンをクリックしてこのフィールドを「使用可能フィールド」リストに移動します。このExpressクエリーでは1997年度の集約データのみを取り出すので、「Time」をブレーク・グループとして使用する必要はなくなりました。「マトリックス・グループ・フィールド」リストに一覧表示されるディメンションは「Product」のみになります。
- 「スタイル」ページで、「タイトル」を
1997 Sales Report
に変更します。
- 「終了」をクリックして、レポート出力をペーパー・デザイン・ビューに表示します。表示は次のようになります。
図47-5 Expressレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
xprs_920.rdf
という名前で保存します。
- 必要に応じて、このレポートを、前に
xprs_910.rdf
という名前で保存したレポートと比較できます。
その際、売上予測と実績に注目します。新しいレポートの各セルには、ある製品区分に関する地域と経路の1997年度年間売上が示されています。一方、前のレポートでは、ある製品区分に関する地域と経路の月次売上データが表示されます。
47.4 データ・モデルへのサマリー列およびカスタム・メジャーの追加
この項に示す手順に従って、ある製品区分に関する経路別サマリー合計が含まれるようにデータ・モデルを調整します。さらに、売上実績に対して売上予測がどのくらい正確だったかを知りたいとします。そのために、売上が売上予測を上回ったパーセントを計算するカスタム・メジャーを作成します。
まず、データ・モデル・ビューでサマリー・ツールを使用してサマリー列を作成します。
次に、「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスでカスタム・メジャー・ツールを使用してカスタム・メジャーを作成します。
作業を始める前に、データ・モデルについて概説します。
図47-6 サマリー列のデータ・モデル
画像の説明
データ・モデル・ビューを見ると、S_GEOG_AREAやS_CHANNELなどの列が追加されていることがわかります。これらはディメンション・ソート列です。ディメンション・ソート列はデータ・モデルにのみ表示され、ディメンションをアルファベット順ではなく論理順序でソートするときに使用する索引です。列を新規グループに移動するときは、関連するソート列もそのグループに移動させる必要があります。
この後の手順では、「問合せ編集」ダイアログ・ボックスでソート・ツールを使用してディメンション値をソートします。
47.4.1 データ・オブジェクト名の変更
- オブジェクト・ナビゲータで、レポートの「データ・モデル」ノードの横にあるビュー・アイコンをダブルクリックして、データ・モデル・ビューを表示します。
- データ・モデル・ビューで、「QP_1」をダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。
- 問合せ定義を変更するには、「問合せ定義」プロパティ値のフィールドをクリックします。
- 「一般情報」で、「名前」プロパティを「QP_SALES」に設定します。
- 前述の手順を繰り返して、「G_PROJECTED SALES」グループの名前をG_SALES_DATAに変更します。
- レポートを
xprs_931.rdf
という名前で保存します。
47.4.2 サマリー列の作成
この例では、G_Crossグループにサマリー列を2つ追加します。各サマリー列では、ある製品区分に関する経路ごと(すべての経路、直接、間接)の売上予測および実績の合計を計算します。
- データ・モデル・ビューで、ツール・パレットの「サマリー列」ツールをクリックし、「G_Cross」グループ内をクリックしてサマリー列を作成します。
- 新しいサマリー列オブジェクト(CS_1)をダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。
- 「一般情報」で、「名前」プロパティを「CS_PjSalesPerChannel」に設定します。
- 「列」で、「積順序」プロパティを「G_CHANNEL」に設定します。
- 「サマリー」で、「ソース」プロパティを「PROJECTED_SALES」、「リセット位置」プロパティを「G_CHANNEL」に設定します。
- 前述の手順を繰り返し、プロパティを次のように設定して、売上実績のサマリー列を作成します。
- 「一般情報」で、「名前」プロパティを「CS_SalesPerChannel」に設定します。
- 「列」で、「積順序」プロパティを「G_CHANNEL」に設定します。
- 「サマリー」で、「ソース」プロパティを「SALES」、「リセット位置」プロパティを「G_CHANNEL」に設定します。
- レポートを
xprs_932.rdf
という名前で保存します。
47.4.3 カスタム・メジャーの作成
この例では、各製品区分について地域ごとに売上実績が売上予測を上回ったパーセントを計算するカスタム・メジャーを作成します。作業としては、「Expressクエリー」ダイアログ・ボックス内のカスタム・メジャー・ツールを使用して「Increase」という新規メジャーを作成します。
- データ・モデル・ビューで、「QP_SALES」問合せオブジェクトをダブルクリックして「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスを表示します。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスの下部にある「カスタム・メジャー」をクリックします。
- 「新規」をクリックして、「カスタム・メジャー -- 新規」ダイアログ・ボックスを表示します。
- 「名前」フィールドに
INCREASE
と入力します。
- 「説明」フィールドに
Increase
と入力します。
- 「カテゴリ」リストで、「演算子」の下にある「テンプレート」をクリックします。「選択」の下にテンプレートのリストが表示されます。
- 「選択」リストで、左カッコをクリックしてから「挿入」をクリックします。「式」フィールドに左カッコが表示されます。
- 「カテゴリ」リストで、「Expressオブジェクト」の下にある「メジャー」を選択します。
- 「選択」リストで、「F.SALES」をクリックし、「挿入」をクリックします。
- 次の表のとおりに式を作成します。
表47-3 式の作成
- 「式」フィールドで、アスタリスクの後ろに100を入力します。
- ここまで終了すると、式は次の図のようになります。
図47-7 カスタム・メジャーの式
画像の説明
- 「OK」をクリックします。「カスタム・メジャー」ダイアログ・ボックスの「カスタム・メジャー」テキスト・ボックスに、「Increase」というテキストが表示されます。
- 「閉じる」をクリックします。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで、「使用可能なメジャー」リストをスクロールします。今度は、「Increase」がアルファベット順に表示されます。「Increase」をクリックしてから「>」ボタンをクリックし、「Projected Sales」と「Sales」の下にある「選択されたメジャー」リストに、「Increase」を移動します。
- 「OK」をクリックしてデータ・モデル・ビューに戻ります。
作成したカスタム・メジャーINCREASEが、グループG_SALES_DATAに表示されます。
- ツールバーの「ペーパー・レイアウトを実行」ボタンをクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポートを表示します。作成したサマリー列もカスタム・メジャーもこのレポートでは使用できません。これは、レポート・レイアウトにフィールドとして追加されていないためです。レポート・レイアウトへの追加は次の作業で行います。
- レポートを
xprs_933.rdf
という名前で保存します。
47.5 レポート・レイアウトの拡張
この項ではレポート・レイアウトの再配置、第47.3項「Expressクエリーの修正」で作成したサマリー列とカスタム・メジャー列の追加、およびオブジェクトの書式設定を行って、レポートの外観を拡張します。これらの変更作業には、ペーパー・レイアウト・ビューとペーパー・デザイン・ビューを使用します。
47.5.1 レポートへのサマリー・フィールド挿入
- オブジェクト・ナビゲータで、「ペーパー・レイアウト」ノードの横のビュー・アイコンをダブルクリックして、ペーパー・レイアウト・ビューを表示します。
- オブジェクト・ナビゲータとペーパー・レイアウト・ビューが横に並ぶように、ウィンドウの位置を調整してください。
- オブジェクト・ナビゲータで、「ペーパー・レイアウト」ノードを完全に展開して、「ペーパー・レイアウト」→「メイン・セクション」→「ボディ」の下にある「M_G_PRODUCT_GRPFR」ノードや「R_G_PRODUCT」ノードなど、ネストされたノードを表示します。
注意
「M_G_TIME_GRPFR」および「R_G_TIME」が「ボディ」で枠または繰返し枠である場合は、プロパティ・インスペクタを使用して、これらの名前をそれぞれ「M_G_PRODUCT_GRPFR」および「R_G_PRODUCT」に変更することができます。
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- オブジェクト・ナビゲータの「検索」フィールドに
M_G_CROSS_GRPFR
と入力して、このオブジェクトを検索します。ペーパー・レイアウト・ビューで、マスター・クロス・マトリックス枠が選択されます。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、選択された枠を下に約6ミリ拡張します。
- オブジェクト・ナビゲータで「F_CHANNEL」をクリックします。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、ツールバーの「親枠を選択」ボタンをクリックして、親枠である「R_G_CHANNEL」を選択します。
注意
「親枠を選択」ボタンはツールバーの右端にあるので、このボタンが表示されていない場合はペーパー・レイアウト・ウィンドウのサイズを変更する必要があります。
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- 選択された枠を下に約6ミリ拡張します。
- ツール・パレットの「フィールド」ツールをクリックします。
- 四角形をクリックして、そのまま「F_PROJECTED_SALES」フィールドのすぐ下の領域にドラッグします。これによってフィールド・オブジェクトが挿入されます。
- 新しいフィールド・オブジェクトをダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。
- 「一般情報」で、「名前」プロパティを「F_PjSalesPerChannel」に設定します。
- 「フィールド」で、「ソース」プロパティを「CS_PjSalesPerChannel」に設定します。
- フィールドの書式を次のように変更します。
- 前述の手順を繰り返して、F_SALESのすぐ下に別のフィールド・オブジェクトを作成します。
- 新しいフィールド・オブジェクトをダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。
- ツール・パレットの「テキスト」ツールをクリックし、四角形をクリックして、「F_GEO_AREA」のすぐ下の領域へドラッグして、新しいボイラープレート・テキスト・オブジェクトを作成します。
- 新しいボイラープレート・テキスト・オブジェクトに、
Totals:
と入力します。
- ツールバーの「中央に整列」ボタンをクリックして、さきほど作成したサマリー・フィールドと同じ書式に変更します。
- ツールバーの「ペーパー・デザイン」ボタンをクリックして、ペーパー・デザイン・ビューに変更内容を表示します。
- レポートを
xprs_941.rdf
という名前で保存します。
47.5.2 レポートへのカスタム・メジャー・フィールド挿入
この項では、レポート・レイアウトにフィールド・オブジェクトを挿入することにより、第47.4.3項「カスタム・メジャーの作成」で作成したカスタム・メジャーを表示する列を追加します。
作業としては、まずレポートのレイアウトに新規列を追加し、その列にフィールド・オブジェクトを挿入します。
ヒント
新規フィールド・オブジェクトの頻度は、F_PROJECTED_SALESおよびF_SALESと同じである必要があります。フィールド・オブジェクトの頻度が異なると、レポートを実行できません。
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レポートへカスタム・メジャー・フィールドを挿入するには:
- ペーパー・デザイン・ビューで、ツールバーの「ペーパー・レイアウト」ボタンをクリックして、ペーパー・レイアウト・ビューを表示します。ペーパー・レイアウト・ビューとオブジェクト・ナビゲータが横に並ぶように調整します。
- オブジェクト・ナビゲータで、[Ctrl]を押しながら「M_G_PRODUCT_GRPFR」と「R_G_PRODUCT」をクリックします。
ヒント
M_G_PRODUCT_GRPFRは、基準となるマスター・グループです。この時点では、R_G_PRODUCTの下に隠れていて見えません。そのため、ペーパー・レイアウト・ビューでは選択されているグループが1つのみに見えますが、実際には両方の枠が選択されています。
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- ペーパー・レイアウト・ビューで、選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
注意
ツールバーの「フレックス・オン」ボタンをクリックして、フレックス・モードをオンにします。オブジェクトのサイズ変更や移動ができないときは、「フレックス・オフ」ボタンをクリックしてフレックス・モードをオフにします。
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- オブジェクト・ナビゲータで、「M_G_CROSS_GRPFR」をクリックします。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- 枠オブジェクト「F_GEOG_AREA」をクリックし、ツールバーの「親枠を選択」ボタンをクリックして親枠「R_G_GEOG_AREA」を選択します。選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- 「F_CHANNEL」をクリックし、次にツールバーの「親枠を選択」ボタンをクリックして親枠「R_G_CHANNEL」を選択します。
- 選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- もう一度「F_CHANNEL」をクリックして、このオブジェクトの幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- ツール・パレットの「フィールド」ツールをクリックし、四角形をクリックして、F_SALESオブジェクトの右へドラッグして、新しいフィールド・オブジェクトを作成します。
- 新しいフィールド・オブジェクトをダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。
- 「一般情報」で、「名前」プロパティを「F_Increase」に設定します。
- 「フィールド」で、「ソース」プロパティを「INCREASE」に設定します。
- ツールバーの「ペーパー・レイアウトを実行」ボタンをクリックして、レポートを実行します。F_IncreaseがINCREASEを参照する頻度が所属グループよりも低いことを示すエラーが表示されます。このためレポートは実行できません。
エラーの原因を確認するため、オブジェクト・ナビゲータで「F_INCREASE」を検索してください。F_INCREASEが、「R_G_PROJECTED_SALES」よりも上位レベル(低い頻度)に配置されているはずです。INCREASEは、売上実績が売上予測を上回ったパーセントを計算する列です。このレポートを実行するには、F_INCREASEをF_PROJECTED_SALESおよびF_SALESと同じ頻度にして、値の計算に必要なデータを参照できるようにする必要があります。
- 「OK」をクリックしてエラー・メッセージを閉じます。
- ツールバーの「ペーパー・レイアウト」ボタンをクリックして、ペーパー・レイアウト・ビューを表示します。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、「F_INCREASE」フィールドをクリックして削除します。
- 「F_SALES」をクリックし、ツールバーの「親枠を選択」ボタンをクリックして、親枠である「R_G_PROJECTED_SALES」を選択します。
- 選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- 手順10〜11を繰り返して、フィールド・オブジェクトを作成します。
- 「F_PROJECTED_SALES」および「F_SALES」と同じ頻度であることを確認するため、F_Increaseオブジェクトを選択したままオブジェクト・ナビゲータで「F_INCREASE」を検索します。
- 「F_INCREASE」フィールドの書式を次のように変更します。
- ツール・パレットの「塗りつぶしカラー」ツールをクリックして、塗りつぶしカラーをライト・イエローに変更します。
- 「テキスト・カラー」ツールをクリックして、テキスト・カラーをダーク・ブラウンに変更します。
- 「線カラー」ツールをクリックして、フィールド周囲の境界線をダーク・ブラウンにします。
- ツールバーの「太字」ボタンをクリックして、目立つようにテキストを太字にします。
- オブジェクト・ナビゲータで、枠「M_G_PROJECTED_SALES_HDR」を検索して選択します。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、選択された枠の幅を約4.75インチ(約12センチメートル)に拡張します。
- ツール・パレットの「テキスト」ツールをクリックし、四角形をクリックして、「F_INCREASE」のすぐ上へドラッグして、列タイトルの新しいボイラープレート・テキスト・オブジェクトを追加します。
- 新しいボイラープレート・テキスト・オブジェクトの中に、
Increase
と入力します。
- この列にテキスト・オブジェクトを配置し、左にある「Actual Sales」フィールドと同じ書式に変更します。
注意
「グリッド指定」(「表示」→「グリッド指定」)をオフに切り替えると、テキスト・オブジェクトをフィールド全体に拡張できるようになります。書式設定を適用するときは、目的のテキスト・オブジェクトが選択されていることを確認してください。選択されていないと書式設定は無効になります。
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- ツールバーの「ペーパー・レイアウトを実行」ボタンをクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポートを表示します。
- レポートを
xprs_942.rdf
という名前で保存します。
47.5.3 ディメンション値のソート
この例では、レポートで配布経路のソート順を変更するとします。この例では、「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスのセレクタを使用して、経路ディメンションのソート基準を変更します。デフォルト経路階層(最上位から最下位)の順序で表示するのではなく、階層の最下位経路から最上位経路の順にデータを表示します。階層は、「All Channels」が先頭で「Indirect」が最後になるようにデータベースに事前定義されています。
レポートのディメンションの値をソートするには:
- データ・モデル・ビューで、「QP_SALES」問合せオブジェクトをダブルクリックして「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスを表示します。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで「セレクタ」をクリックします。
- 「ディメンション」リストで、「Distribution Channel」を選択して「ソート」ボタンをクリックします。
- 「セレクションのソート」ダイアログ・ボックスで、次の値を選択します。
表47-4 「セレクションのソート」ダイアログ・ボックスの値
- 「セレクションのソート」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
- 「セレクタ」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
- 「Expressクエリー」ダイアログ・ボックスで「OK」をクリックします。
- ツールバーの「ペーパー・レイアウトを実行」ボタンをクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポートを表示します。
- レポートを
xprs_943.rdf
という名前で保存します。
47.5.4 ペーパー・デザイン・ビューでの書式変更
- ペーパー・デザイン・ビューで、[Shift]キーを押しながら「Projected Sales」と「Actual Sales」の下の列、および「Projected Sales total」と「Sales total」の両フィールドをクリックします。
- ツールバーの「通貨」ボタンをクリックして、書式マスクを通貨に変更します。
- 「右に整列」ボタンをクリックして、値を右揃えにします。
- 「10進桁を追加」ボタンを2回クリックして、小数点以下2桁を追加します。
- 「Increase」の下の列をクリックします。
- 「パーセント」ボタンをクリックして、書式マスクをパーセンテージに変更します。
- 「中央に整列」ボタンをクリックして、値を中央揃えにします。
レポートは次のようになります。
図47-8 ペーパー・デザインの出力
画像の説明
- レポートを
xprs_944.rdf
という名前で保存します。
47.6 まとめ
これで、すべての作業が完了しました。Expressのサンプル・レポートが完成しました。この章で学習した内容は次のとおりです。
- レポート・ウィザードを使用して、データ・モデルおよびレイアウトを定義する。
- ディメンション値を制限してExpressクエリーを変更する。
- データ・モデル・ビューを使用して、レポートにサマリーおよびカスタム・メジャー列を追加する。
- ペーパー・レイアウト・ビューを使用して、フィールドの挿入およびレイアウトの再配置を行う。
- ペーパー・デザイン・ビューを使用して、レポートの外観を拡張する。
この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。