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グラフィック、テキストおよびカラーを使用したレポートの作成
この章では、グラフィック、テキストおよびカラーを使用するレポートについて学習します。この章の手順に従うと、図18-1に示すようなレポート出力を生成できます。
図18-1 グラフィック、テキストおよびカラーを使用したレポートの出力
画像の説明
概要
- Reports Builderでは、レポートの外観を複数の方法で変更できます。この例では、レポートを作成して、マージンへイメージ、タイトルおよび境界線を追加して、レポートを拡張します。また、異なるフォントとテキスト・スタイルを適用して、レポートの外観も変更します。
- このレポートでは、グラフィックを使用したレポートを、次のようなやり方で拡張する方法を説明します。
- ペーパー・レイアウト・ビューの描画ツールの使用
- 出力に表示されるボイラープレート・テキストのハイライト
- ボイラープレート・テキストへの様々なカラー(利用可能な場合)およびパターンの使用
- レポートの外観の拡張の詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。
データ・リレーションシップ
これは、1つの問合せを使用したグループ左レポートです。
レイアウト
このレポートでは、グループ上レイアウトを使用します。このレイアウトをペーパー・レイアウト・ビューで変更し、タイトルと会社のロゴを入れるスペースを確保します。次に、ロゴをインポートしてレポート・タイトルを作成し、前述のイメージに表示したグラフィックの残りを作成します。
使用例
このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。
グラフィックを使用し、テキストをハイライト表示したレポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダgraphics
を開き、Oracle Reportsのサンプルgraphics.rdf
を開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。
18.1 この例の前提条件
この章の例を作成するには、Oracle Database付属のHuman Resourcesサンプル・スキーマ(HR)に対するアクセス権が必要です。このサンプル・スキーマに対するアクセス権の有無が不明のときは、データベース管理者に問い合せてください。
18.2 簡単なレポート定義の作成
レポートは、レポート・ウィザードを使用して作成するか、または独自に作成できます。この例では、レポート・ウィザードを使用して、問合せと基本的なレポート・レイアウトを作成します。
レポート定義を作成するには:
- Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。
- 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「レポート・ウィザードを使う」を選択して「OK」をクリックします。
- 「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。
- 「レポート・タイプ」ページで、「ペーパー・レイアウトのみ作成」を選択し、「次へ」をクリックします。
- 「スタイル」ページでレポートのタイトルを入力し、「グループ上」を選択して、「次へ」をクリックします。
- 「データ・ソース」ページで、「SQL問合せ」をクリックし、「次へ」をクリックします。
- 「データ」ページの「データ・ソース定義」フィールドに次のSELECT文を入力します。
SELECT ALL DEPARTMENTS.DEPARTMENT_ID, EMPLOYEES.FIRST_NAME, EMPLOYEES.LAST_
NAME, EMPLOYEES.JOB_ID, EMPLOYEES.SALARY, JOBS.JOB_TITLE
FROM DEPARTMENTS, EMPLOYEES, JOBS
WHERE ((DEPARTMENTS.DEPARTMENT_ID = EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID)
AND (EMPLOYEES.JOB_ID = JOBS.JOB_ID))
ORDER BY DEPARTMENTS.DEPARTMENT_ID
注意
この問合せは、次のいずれかの方法で入力できます。
- 提供されているテキスト・ファイル
graphics_code.txt からコードをコピーして「データ・ソース定義」フィールドに貼り付けます。
- 「クエリー・ビルダー」をクリックして、コードを入力せずに問合せを作成します。
- 「データ・ソース定義」フィールドにコードを入力します。
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- 「次へ」をクリックします。
注意
データベースにまだ接続していない場合は、「クエリー・ビルダー」または「次へ」をクリックしたときに、データベースに接続するよう求められます。この例に該当するスキーマが含まれるデータベースに接続してください。第18.1項「この例の前提条件」に、この例のサンプル・スキーマの要件に関する説明があります。
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- 「グループ」ページで、「DEPARTMENT_ID」をクリックし、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「グループ・フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。
- 「フィールド」ページで、JOB_IDを除くすべてのフィールドを「表示フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。
- 「合計」ページで「次へ」をクリックします。
- 「ラベル」ページで、ラベル「Department Id」を
Department
に変更し、「次へ」をクリックします。
- 「テンプレート」ページで、「事前定義テンプレート」を選択し、「Blue」をクリックします。次に「終了」をクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポート出力を表示します。表示は次のようになります。
図18-2 1つの問合せを使用したグラフィック・レポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
18.3 ペーパー・レイアウト・ビューでのレポートの変更
この項の手順では、ペーパー・レイアウト・ビューの各種ツールを使用して、レポートの外観を変更する方法を説明します。まず、変更にあわせて既存の枠を移動します。次に、レポートにタイトルを追加し、各レコードの周りに境界線を引き、テキスト・カラーを変更します。
レポートを変更するには:
- ツールバーの「ペーパー・レイアウト」ボタンをクリックして、ペーパー・レイアウト・ビューを表示します。
- ツールバーの「制限オン」ボタンをクリックして、制限モードをオンにします。これで、ペーパー・レイアウト・ビューのオブジェクトを、キャンバスの周囲に移動できるようになります。
- オブジェクト・ナビゲータで、「ペーパー・レイアウト」→「メイン・セクション」→「ボディ」を選択し、項目「M_G_DEPARTMENT_ID_GRPFR」をクリックします。
ペーパー・レイアウト・ビューで、一番外側にある枠が選択されたことがわかります。
- 矢印キーを使用して、枠を下に約2インチ(5 cm)、右に約1インチ(2.5 cm)移動します。
目安として、ペーパー・レイアウト・ビューの縁にある定規を使用できます。これで、ペーパー・レイアウトの表示は次のようになります。
図18-3 レポート・レイアウトを調整したペーパー・レイアウト・ビュー
画像の説明
- 今度は、フレックス・モードをオンにし、ツールバーの「制限オフ」ボタンをクリックして制限モードをオフにします。
- 各レコードの周囲に、境界線を作成するための空間を確保します。オブジェクト・ナビゲータで、「M_G_DEPARTMENT_ID_GRPFR」をもう一度選択します。
- それぞれの隅をドラッグして、内側の繰返し枠の周囲に空間を設けます。これでレイアウトは次のイメージのようになります。グループの周囲に空白ができました。
図18-4 繰返し枠を延長したペーパー・レイアウト・ビュー
画像の説明
- ここで、各レコードの間に空間を設けて、後でレコード間に水平線を入れられるようにします。オブジェクト・ナビゲータで「R_G_DEPARTMENT_ID」をクリックします。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、右下隅をクリックし、下に約0.5インチ(1.5 cm)ドラッグします。これでレイアウトは次のようになります。
図18-5 R_G_DEPARTMENT_ID繰返し枠を延長したペーパー・レイアウト・ビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.3.1 レポートの周囲への境界線の追加
レイアウトの設定が終了したので、新しい項目を追加できるようになりました。この項では、レポート全体の周囲に境界線を追加します。
境界線を追加するには:
- オブジェクト・ナビゲータで、「M_G_DEPARTMENT_ID_GRPFR」枠を選択します。
- ペーパー・レイアウト・ビューで、M_G_DEPARTMENT_ID_GRPFR枠が選択されている状態で「線カラー」ツールをクリックします。このツールは、ツール・パレットの一番下にあります。
- 表示されるカラー・パレットで、黒い正方形を選択して境界線を黒にします。
- 線が選択されている状態で、「書式」→「線」→「線幅」→「2ポイント」を選択します。
- それではレイアウトをプレビューしてみましょう。ツールバーの「ペーパー・デザイン」ボタンをクリックして、ペーパーにレポートを実行します。表示は次のようになります。
図18-6 境界線を付けたレポートのプレビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.3.2 フォントのサイズとスタイルの変更
ペーパー・レイアウト・ビューでは、テキストのフォントとスタイルも変更できます。この項の手順では、部門番号(DEPARTMENT_ID)のテキストを変更する方法を説明します。
フォントを変更するには:
- ペーパー・デザイン・ビューで、ツールバーの「ペーパー・レイアウト」ボタンをクリックします。
- オブジェクト・ナビゲータで、「B_DEPARTMENT_ID」フィールドと「F_DEPARTMENT_ID」フィールドを選択し、ラベルおよびテキスト「Department ID」のフォントを変更できるようにします。
注意
B_DEPARTMENT_IDはボイラープレート・テキスト"Department ID"を示し、これがF_DEPARTMENT_IDフィールドのラベルになります。
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- ペーパー・レイアウト・ビューのタイトル・バーをクリックして、アクティブなウィンドウにします。
- 2つのフィールドが選択されている状態で、「書式」→「フォント」を選択します。
- 「フォント」ダイアログ・ボックスで、異なるフォントとサイズを選択します。この例では、「Times New Roman」と「12」ポイントを選択します。
- 変更が完了したら「OK」をクリックします。
注意
選択するフォントやフォント・サイズに応じ、テキストにあわせてフィールドのサイズを変更する必要があります。この例では、フォントを大きくしたので、ボイラープレート・テキスト・フィールドを選択して拡大しました。
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- ペーパー・デザイン・ビューにレポートを表示して、どのように見えるかを確認します。次に例を示します。
図18-7 新しいフォントを使用したレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.3.3 レポートへの箇条書きのドットの追加
この項の手順では、各部門IDの横に箇条書きのドットが表示されるように、箇条書きのドットを追加する方法を説明します。
レポートに箇条書きのドットを追加するには:
- ペーパー・レイアウト・ビューで、B_DEPARTMENT_IDフィールドの横に十分な空間を設けて、箇条書きのドットを追加できるようにしてください。箇条書きのドットはR_G_DEPARTMENT_ID繰返し枠の中に配置して、レコードごとに表示する必要があります。
- ツール・パレットの「楕円」ツールをクリックします。
- [Shift]キーを押して、ボイラープレート・テキスト"Department"の横に楕円を描きます。
注意
[Shift]キーを押しながら楕円を描くと、このツールは制約モードになります。このモードで楕円を作成すると、円を作成できます。他のツールも同様で、たとえば、「四角形」ツールを制約すると正方形が作成されます。これらのツールの使用法の詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。
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- これで、繰返し枠に円が表示されます。円の中を塗りつぶすには、円を選択し、ツール・パレットの「塗りつぶしカラー」ツールをクリックします。
- 表示されるカラー・パレットで、黒を選択します。
- ペーパー・デザイン・ビューにレポートを表示して、どのように見えるかを確認します。
注意
レイアウトをチェックするときに、楕円がR_G_DEPARTMENT_ID繰返し枠の内側に表示されていることを確認してください。
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図18-8 箇条書きのドットを付けたレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.3.4 各レコード間の線の表示
データが多い場合、情報の関連性を明確にして各レコードを区別できるようにする必要がある場合があります。この項では、レイアウトに水平線を追加して、各部門レコードの間に表示します。
線セパレータを追加するには:
- ペーパー・レイアウト・ビューで、ツール・パレットの「線」ツールをクリックします。
- [Shift]キーを押し、フィールド下のR_G_DEPARTMENT_ID枠内で、次のように線を描きます。
図18-9 線セパレータを使用したペーパー・レイアウト・ビュー
画像の説明
- 目的の表示になるように、線の書式を設定します。この例では、「書式」→「線」→「線幅」→「2ポイント」を選択しました。次に、カラーを黒に変更しました。
- ペーパー・デザイン・ビューにレポートを実行します。これで、表示は次のようになります。
図18-10 線セパレータを使用したレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.3.5 レポートへのタイトルの追加
この項の手順では、ツール・パレットのツールを使用して、レポートのタイトルを作成する方法を説明します。塗りつぶしカラーを使用して、黒の背景と白のテキストを作成し、項目が正しく表示されるように調整します。
レポートにタイトルを追加するには:
- ペーパー・レイアウト・ビューで、ツール・パレットの「四角形」ツールをクリックします。
- タイトルを表示する場所に四角形を描きます。この例では、繰返し枠の上に四角形を描き、タイトルがすべてのデータの上に1度のみ表示されるようにしました。
- ツール・パレットの「テキスト」ツールをクリックして、四角形の中をクリックしてタイトル(
Employee Details
など)を入力します。
- テキスト・オブジェクトが選択されている状態で、「テキスト・カラー」ツールをクリックし、白を選択します。
- 四角形オブジェクトが選択されている状態で、ツール・パレットの「塗りつぶしカラー」ツールをクリックし、黒を選択します。
- オブジェクト・ナビゲータで、作成したテキスト・オブジェクトが「ボディ」の下に表示されていることを確認します。名前の横にある「A」アイコンによって、どのオブジェクトがテキスト・オブジェクトであるかを判断できます。この場合、テキスト・オブジェクトはB_3です。
- オブジェクトを選択したら、ペーパー・デザイン・ビューのタイトル・バーをクリックしてペーパー・デザイン・ビューを選択します。
- 「レイアウト」→「最前面へ移動」を選択します。
- ペーパー・デザイン・ビューにレポートを実行します。これで、表示は次のようになります。
図18-11 タイトルを付けたレポートのペーパー・デザイン・ビュー
画像の説明
- レポートを
graphics_<自分のイニシャル>.rdf
という名前で保存します。
18.4 まとめ
これで、すべての作業が完了しました。ペーパー・レポートが正常に作成され、テキスト・カラーと塗りつぶしカラーを変更し、グラフィックを追加しました。この章で学習した内容は次のとおりです。
- レポート・ウィザードで単純なレポート定義を作成する。
- レポートのオブジェクトのレイアウトを変更する。
- レポートに境界線を追加する。
- 各レコードに箇条書きのドットを追加する。
- 各レコード間に水平セパレータを追加する。
- 塗りつぶしカラーとレイアウト機能を使用して、レポートにタイトルを追加する。
この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。