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Oracle Reports レポート作成ガイド
10gリリース2(10.1.2)
B25068-01
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29
スプレッドシート出力のレポートの作成

この章では、スプレッドシート・レポートについて学習します。この章の手順に従うと、図29-1に示すようなレポート出力を生成できます。

図29-1    スプレッドシート・レポートの出力


画像の説明

概要

使用例

この例では、Microsoft Excelにレポートを出力します。レポートのWebソースを変更し、ペーパー・レイアウトをWebレイアウトに統合してから、出力を生成します。

このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。

レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダpapertoexcelを開き、Oracle Reportsのサンプルmypaperreport.rdfを開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」 を参照してください。この章で使用されているサンプル・ファイルのリストと説明を表29-1に示します。

表29-1    レポートのサンプル・ファイル 
ファイル  説明 

Examples

¥papertoexcel¥mypaperreport.rdf 

ペーパー・レポートのサンプル。Reports BuilderでこのRDFを実行すると、ペーパー・レポートの結果がペーパー・デザイン・ビューに表示されます。 

Examples

¥papertoexcel¥myexcelreport.jsp 

このJSPベースのWebレポートには、Reports Builderで行うペーパー・レポートに対する変更が含まれています。 

Examples

¥papertoexcel¥papertoexceldata_code.txt 

入力する必要がある問合せのSQL。 

29.1 この例の前提条件

この章の例を作成するには、サンプル・ファイルが必要です(前述の「使用例」を参照)。また、Oracle Database付属のHuman Resourcesサンプル・スキーマ(HR)へのアクセスが必要です。このサンプル・スキーマに対するアクセス権の有無が不明のときは、データベース管理者に問い合せてください。この例を完了するには、Microsoft Excel 2000以上が必要です。

29.2 問合せとレイアウトの作成

この項の手順では、レポート・ウィザードで単純なデータ・モデルとレポート・レイアウトを作成する方法を説明します。これらを使用して、JSPベースのWebレポートやペーパー・レポートを生成できます。次の項では、JSPを変更し、Webレポートで適切な情報が表示されるようにします。

データ・モデルとレイアウトを作成するには:

  1. Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。

  2. 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「レポート・ウィザードを使う」を選択して「OK」をクリックします。

  3. 「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。

  4. 「レポート・タイプ」ページで、「ペーパー・レイアウトのみ作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「スタイル」ページで、「表形式」を選択し、「次へ」をクリックします。

  6. 「データ・ソース」ページで、「SQL問合せ」をクリックし、「次へ」をクリックします。

  7. 「データ」ページの「データ・ソース定義」フィールドに次のSELECT文を入力します。

    SELECT EMPLOYEES.EMPLOYEE_ID, EMPLOYEES.FIRST_NAME, EMPLOYEES.LAST_NAME,
      EMPLOYEES.HIRE_DATE, EMPLOYEES.SALARY, DEPARTMENTS.DEPARTMENT_NAME,
      LOCATIONS.CITY
      FROM EMPLOYEES, DEPARTMENTS, LOCATIONS
      WHERE EMPLOYEES.DEPARTMENT_ID=DEPARTMENTS.DEPARTMENT_ID
      AND DEPARTMENTS.LOCATION_ID=LOCATIONS.LOCATION_ID
      ORDER BY CITY
    


    注意

    この問合せは、次のいずれかの方法で入力できます。

    • 提供されているテキスト・ファイルpapertoexceldata_code.txtからコードをコピーして「データ・ソース定義」フィールドに貼り付けます。

    • 「クエリー・ビルダー」をクリックして、コードを入力せずに問合せを作成します。

    • 「データ・ソース定義」フィールドにコードを入力します。

     

  8. 「次へ」をクリックします。


    注意

    データベースにまだ接続していない場合は、「クエリー・ビルダー」または「次へ」をクリックしたときに、データベースに接続するよう求められます。この例に該当するスキーマが含まれるデータベースに接続してください。第29.1項「この例の前提条件」に、この例のサンプル・スキーマの要件に関する説明があります。 


  9. 「フィールド」ページで、「>>」ボタンをクリックしてすべてのフィールドを「表示フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  10. 「合計」ページで「次へ」をクリックします。

  11. 「ラベル」ページで「次へ」をクリックします。

  12. 「テンプレート」ページで、「事前定義テンプレート」を選択し、「Wine」をクリックします。次に「終了」をクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポート出力を表示します。表示は次のようになります。

    図29-2    ペーパー・デザインの出力


    画像の説明

  13. レポートをmypaperreport_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

29.3 JSPレポートのWebソースの変更

ペーパー・レポートのレイアウトが作成されたので、同じレポートを使用して、ペーパー・レポートと同じように表示されるJSPベースのWebレポートを生成する方法を学習します。

JSPベースのWebレポートを変更するには:

  1. レポート・エディタで、ツールバーの「Webソース」ボタンをクリックして、Webソース・ビューを表示します。

    Webソース・ビューで、Reports Builderによって作成されたダミーのJSPコードを変更します。

  2. Webソース・ビューで、次のテキストを検索します。

    <rw:dataArea id="yourDataArea">
       <!-- Report Wizard inserts the default jsp here -->
    </rw:dataArea>
    
    

    ヒント

    「編集」→「検索と置換」を選択し、「検索文字列」テキスト・ボックスにdataAreaと入力します。 

  3. <rw:dataArea>の開始タグと終了タグの間にカーソルを置き、「挿入」→「枠」を選択します。これによって、Webソース・ビューに次のコードが挿入されます。

    <rw:include id="include" src="..."> </rw:include>
    
    


    注意

    rw:includeタグを使用すると、ペーパー・レイアウトの外枠を、JSPコードとしてWebソース・ビューに挿入できます。rw:dataAreaタグにrw:includeタグを追加することで、既存のペーパー・レイアウトをWebレイアウトに挿入して再利用できます。 


  4. オブジェクト・ナビゲータで、ペーパー・レイアウトのトップ・レベルのレイアウト・オブジェクト枠を調べます。その名前をrw:includeタグのsrc属性に指定します。行は次のようになります。

    <rw:dataArea id="yourDataArea">
       <!-- Report Wizard inserts the default jsp here -->
    <rw:include id="mypaperreport_id" src="M_G_EMPLOYEE_ID_GRPFR">
    </rw:include>
    </rw:dataArea>
    
    
  5. ツールバーの「Webレイアウトを実行」ボタンをクリックして、ブラウザに新しいJSPベースのWebレポートを表示します。レポートは次のように表示されます。

    図29-3    Webデザインでの出力


    画像の説明

    レポートに指定した従業員データがWeb形式で表示されます。ここでは、名前、電子メール、雇用日、給与、所属部門、勤務場所などの従業員データの詳細を参照できます。

  6. レポートをmyexcelreport_<自分のイニシャル>.jspという名前で保存します。

29.4 Microsoft Excelで表示するためのJSPレポートに対する変更

ペーパー・レポートと同様に表示されるJSPベースのWebレポートを作成したので、このレポートをさらに変更して、Webブラウザ内にMicrosoft Excelで表示されるようにします。

最初に、myexcelreport_<自分のイニシャル>.jspを、アプリケーション・サーバーの配布ディレクトリにコピーします。この例では、テスト用として、Oracle Developer Suite付属のOC4Jインスタンスを使用します。

JSPベースのWebレポートの配布の詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』の「レポート要求の実行」のレポートの配布に関する項を参照してください。このマニュアルは、Oracle Technology NetworkのOracle Reportsのドキュメント・ページ(http://www.oracle.com/technology/documentation/reports.html)から入手できます。

Microsoft Excelで表示するようにJSPレポートを変更するには:
  1. レポート・エディタで、ツールバーの「Webソース」ボタンをクリックして、Webソース・ビューを表示します。

    Webソース・ビューで、JSPディレクティブのcontentTypeを使用してHTTPレスポンスのコンテンツ・タイプを変更して、ブラウザがMicrosoft Excelを起動してレポート出力を表示するようにします。

  2. Webソース・ビューで、次のテキストを検索します。

    <%@ taglib uri="/WEB-INF/lib/reports_tld.jar" prefix="rw" %>
    <%@ page language="java" import="java.io.*" errorPage="/rwerror.jsp"
    session="false" %>
    <%@ page contentType="text/html;charset=ISO-8859-1" %>
    <rw:report id="report">
    <rw:objects id="objects">
    </rw:objects>
    
    

    この箇所を次のように変更します。

    <%@ taglib uri="/WEB-INF/lib/reports_tld.jar" prefix="rw" %>
    <%@ page language="java" import="java.io.*" errorPage="/rwerror.jsp"
    session="false" %>
    <%@ page contentType="application/vnd.ms-excel;charset=ISO-8859-1" %>
    <rw:report id="report">
    <rw:objects id="objects">
    </rw:objects>
    
    
  3. レポートを保存します。

  4. Webレポート(myexcelreport_<自分のイニシャル>.jsp)を次のディレクトリにコピーします。

    ORACLE_HOME¥reports¥j2ee¥reports_ids¥web
    
    


    注意

    ORACLE_HOMEは、Developer Suiteがインストールされているディレクトリです。 


  5. OC4Jインスタンスを起動して、レポートを配布可能にします。

    • Windowsの場合は、次のいずれかの操作を行います。

      • 「スタート」メニューで、「プログラム」→「Oracle Developer Suite - oracle_home_name」→「Reports Developer」→「Start OC4J Instance」を選択します。

      • コマンドラインから、次のファイルを実行します。

        IDS_HOME¥j2ee¥DevSuite¥startinst.bat(Developer Suiteインストールの場合)

        または

        ORACLE_HOME¥j2ee¥home¥runoc4j.bat(スタンドアロン・インストールのReports Serverの場合)

    • UNIXの場合は、コマンドラインから次のシェル・スクリプトを実行します。

  6. 次のURLを入力して、WebブラウザにMicrosoft Excelでレポートを表示します。

    http://your_computer:port/reports/yourexcelreportname.jsp?userid=hr/hr@db
    
    

    この例では、次のURLを使用します。

    http://mycomputer-pc:8888/reports/my_excel_report.jsp?userid=hr/hr@orcl
    
    


    注意

    URLに入力する接続文字列は、第29.2項「問合せとレイアウトの作成」でデータ・モデルの作成に使用したデータベースを対象としたものです。この例の本来の目的に焦点を絞るため、接続文字列の受渡しには平文を使用しています。セキュリティを確保する方法の詳細は、Oracle Technology Network(OTN)のOracle Reports 10gのページ(http://www.oracle.com/technology/products/reports/index.html)にあるホワイト・ペーパー「Securing Oracle Reports」を参照してください。それには、「Getting Started」をクリックし、「Getting Started with Oracle Reports」ホームページを表示します。左側にあるトピックのリストの中から「Index」をクリックします。「Collateral Type」リストで「White Papers & How To Documents」を選択し、「Search」をクリックします。表示されたリストの中から、「Securing Oracle Reports」をクリックします。 


  7. レポートが実行され、レポートがブラウザにMicrosoft Excelで表示されます。


    注意

    Excelのレポートの色を、レポートに定義した色と同色にするには、Excelのカラー・パレットでサポートされている色を使用する必要があります。サポートされていない色が指定されている場合は、できるかぎり近い色が使用されますが、期待した色にならない場合もあります。 


    最終的なレポート出力は次のようになります。

    図29-4    レポートのMicrosoft Excel出力


    画像の説明

29.5 まとめ

これで、すべての作業が完了しました。レポートのExcel出力が作成されました。この章で学習した内容は次のとおりです。

この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。


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