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Oracle Reports レポート作成ガイド
10gリリース2(10.1.2)
B25068-01
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時系列計算レポートの作成

この章では、特定の期間の計算結果に基づいてデータを表示するレポートについて学習します。この章の手順に従うと、図28-1に示すようなレポート出力を生成できます。

図28-1    時系列計算レポートの出力


画像の説明

概要

時系列計算レポートでは、指定した期間に基づいて値が計算されます。このレポートで説明する方法は、別の形式の時系列計算を作成する場合にも使用できます。

データ・リレーションシップ

この時系列計算レポートでは、顧客の購入金額に対して4か月間の移動平均を計算する問合せを使用します。SELECT文では、顧客の現在の購入金額(TOTAL)と過去4か月間の購入金額を合計し、自己結合を使用してその合計の平均を計算します。たとえば、問い合せたデータが30-JUL-00の場合、Oracle Reportsでは30-MAR-00から30-JUL-00の間の顧客の総購入金額の平均を計算します。

使用例

この例では、レポート・ウィザードを使用して、各顧客の購入金額の4か月間の平均値を計算し、ペーパーとWebの両方に出力する、単純な時系列計算レポートを作成します。JSPベースのWebレポートの場合、Webソースを修正してラベルを変更し、書式マスクを追加します。

このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。

時系列計算レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダtimeseriesを開き、Oracle Reportsのサンプルtimeseries.rdfを開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。

28.1 この例の前提条件

この章の例を作成するには、Summit Sporting Goods(SUMMIT)スキーマに対するアクセス権が必要です。このスキーマをインストールするSQLスクリプトをダウンロードするには、「はじめに」の「データ・ソースへのアクセス」を参照してください。

28.2 問合せとレイアウトの作成

この項の手順では、レポート・ウィザードで単純なデータ・モデルとレポート・レイアウトを作成する方法を説明します。これらを使用して、JSPベースのWebレポートやペーパー・レポートを生成できます。次の項では、JSPを変更し、Webレポートで適切な情報が表示されるようにします。

この例のように、単一問合せレポートを作成する場合、レポート・ウィザードを使用して、データ・モデルとレイアウトを同時に作成できます。

データ・モデルとレイアウトを作成するには:

  1. Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。

  2. 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「レポート・ウィザードを使う」を選択して「OK」をクリックします。

  3. 「ようこそ」ページが表示されたら、「次へ」をクリックします。

  4. 「レポート・タイプ」ページで、「Webおよびペーパー・レイアウトの両方を作成」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「スタイル」ページでレポートのタイトルを入力し、「グループ左」を選択して「次へ」をクリックします。

  6. 「データ・ソース」ページで、「SQL問合せ」をクリックし、「次へ」をクリックします。

  7. 「データ」ページの「データ・ソース定義」フィールドに次のSELECT文を入力します。

    SELECT O.CUSTID, O.SHIPDATE, O.TOTAL,
    AVG(A.TOTAL) MAVG
    FROM ORD O, ORD A
    WHERE A.CUSTID = O.CUSTID
    AND A.SHIPDATE BETWEEN O.SHIPDATE -123 AND O.SHIPDATE
    GROUP BY O.CUSTID, O.SHIPDATE, O.TOTAL
    
    


    注意

    この問合せは、次のいずれかの方法で入力できます。

    • 提供されているテキスト・ファイルtimeseries_code.txtからコードをコピーして「データ・ソース定義」フィールドに貼り付けます。

    • 「クエリー・ビルダー」をクリックして、コードを入力せずに問合せを作成します。

    • 「データ・ソース定義」フィールドにコードを入力します。

     

  8. 「次へ」をクリックします。


    注意

    データベースにまだ接続していない場合は、「クエリー・ビルダー」または「次へ」をクリックしたときに、データベースに接続するよう求められます。この例に該当するスキーマが含まれるデータベースに接続してください。第28.1項「この例の前提条件」に、この例のサンプル・スキーマの要件に関する説明があります。 


  9. 「グループ」ページで、「CUSTID」をクリックし、「>」ボタンをクリックして、このフィールドを「グループ・フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  10. 「フィールド」ページで、「>>」ボタンをクリックしてすべてのフィールドを「表示フィールド」リストに移動し、「次へ」をクリックします。

  11. 「合計」ページで「次へ」をクリックします。

  12. 「ラベル」ページで、MAVGのラベルを4-Month Moving Averageに変更し、「次へ」をクリックします。

  13. 「テンプレート」ページで、「事前定義テンプレート」を選択し、「Beige」をクリックします。次に「終了」をクリックして、ペーパー・デザイン・ビューにレポート出力を表示します。

  14. ペーパー・デザイン・ビューで、「F_MAVG」フィールドをダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。

    • 「フィールド」で、「書式マスク」プロパティを「LNNNGNN0D00」に設定します。

  15. 「F_TOTAL」フィールドにも同じ手順を繰り返します。

  16. 「Total」ラベルの下に表示されている最初の数値を選択します。これですべての値が即座に選択されます。

  17. 「4-Month Moving Average」ラベルの下に表示されている最初の数値を[Shift]を押しながらクリックします。

  18. 「右に整列」ボタンをクリックします。すべての値が右詰めになります。

  19. ペーパー・デザイン・ビューのレポートは次のようになります。

    図28-2    時系列計算レポートのペーパー・デザイン・ビュー


    画像の説明

  20. レポート・ウィザードを使用して作成したデータ・モデルを表示するには、ツールバーの「データ・モデル」ボタンをクリックします。このデータ・モデルは、ペーパー・レポートとJSPベースのWebレポートのどちらにも使用できます。

    作成したデータ・モデルは次のようになります。

    図28-3    時系列計算レポートのデータ・モデル・ビュー


    画像の説明

  21. レポートをtimeseries_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

28.3 JSPレポートのWebソースの変更

ペーパー・レポートのレイアウトが作成されたので、同じレポートを使用して、ペーパー・レポートと同じように表示されるJSPベースのWebレポートを生成できます。

JSPベースのWebレポートを変更するには:

  1. レポートtimeseries_<自分のイニシャル>.rdfを、同じ名前でJSPとして保存します(timeseries_<自分のイニシャル>.jsp)。

  2. ツールバーの「Webソース」ボタンをクリックして、Webソース・ビューを表示します。

    Webソースで、ペーパー・レポートにあわせて書式マスクを変更する必要があります。

  3. Webソース・ビューで、次のテキストを検索します。

    <td <rw:headers id="HFtotal" src="HBtotal, HBcustid, HFcustid"/>
    class="OraCellNumber"><rw:field id="F_total" src="total" nullValue="&nbsp;"> F_
    total </rw:field></td>
    
  4. この行にタグformatMask="LNNNGNN0D00"を追加します。これで、次のような行になります。

    <td <rw:headers id="HFtotal" src="HBtotal, HBcustid, HFcustid"/>
    class="OraCellNumber"><rw:field id="F_total" src="total"
    formatMask="LNNNGNN0D00" nullValue="&nbsp;"> F_total </rw:field></td>
    


    注意

    太字のテキストは、「合計」フィールドに追加した新しい書式マスクのタグです。 


  5. 「MAVG」フィールドの書式マスクを変更します。変更すると、Webソースの行は次のようになります。

    <td <rw:headers id="HFmavg" src="HBmavg, HBcustid, HFcustid"/>
    class="OraCellNumber"><rw:field id="F_mavg" src="mavg" formatMask="LNNNGNN0D00"
    nullValue="&nbsp;"> F_mavg </rw:field></td>
    
  6. レポートをJSPとして保存します。

  7. ツールバーの「Webレイアウトを実行」ボタンをクリックして、ブラウザに新しいJSPベースのWebレポートを表示します。レポートは次のように表示されます。


    注意

    • デフォルトのブラウザがNetscape 7.0で、ブラウザが表示されない場合、レジストリ・キーHKEY_CURRENT_USERS¥Software¥Oracle¥Toolkit¥Tkbrowserをデフォルトのブラウザの場所に設定します。BrowserNameキーおよびBrowserPathキーが正しい値を反映していることを確認してください。たとえば、次のようになります。
      BrowserName=Netscape 7; BrowserPath=
      C:¥Program Files¥Netscape¥Netscape¥Netscp.exe

    • major.minorバージョン関連のエラーで「Webレイアウトを実行」が失敗した場合、CLASSPATH環境変数またはREPORTS_CLASSPATH環境変数を次のように更新する必要があります。oc4j.jarファイル・パス内の9.0.x ORACLE_HOMEの指定を削除します(oc4j.jarファイル・パスは10gリリース2(10.1.2) ORACLE_HOMEのみを指定している必要があります)。

     

    図28-4    時系列計算のJSPベースのWebレポート


    画像の説明

    このレポートでは、各顧客の合計と、過去4か月間の平均が表示されます。


    注意

    JSPベースのWebレポートのパラメータ・フォームの作成方法の詳細は、Oracle Technology Network(OTN)を参照してください。Oracle Reports 10gのページ(http://www.oracle.com/technology/products/reports/index.html)で、「Getting Started」をクリックして「Getting Started with Oracle Reports」ホームページを表示します。左側にあるトピックのリストの中から「Index」をクリックします。「Collateral Type」リストで、「Documentation」を選択し、「Search」をクリックします。表示された例のリストから、「Building a JSP-based Web Report with a Parameter Form」をクリックします。 


28.4 まとめ

これで、すべての作業が完了しました。ペーパー出力用とWeb用に時系列計算レポートは正常に作成されました。この章で学習した内容は次のとおりです。

この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。


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