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Oracle Reports レポート作成ガイド
10gリリース2(10.1.2)
B25068-01
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ラップ・フィールド・レポートの作成

この章では、テキストの折り返しがあるフィールドを含むレポートについて学習します。この章の手順に従うと、図15-1に示すようなレポート出力を生成できます。

図15-1    ラップ・フィールド・レポートの出力


画像の説明

概要

データ・リレーションシップ

これは、1つの問合せを使用した単純なブレーク・レポートです。さらに、サマリー列を3つ追加します。

レイアウト

使用例

このサンプル・レポートの作成過程では、次を行います。

ラップ・フィールド・レポートのサンプルを表示するには、サンプル・フォルダwrappedbreakを開き、Oracle Reportsのサンプル・レポートwrappedbreak.rdfを開きます。このファイルの開き方の詳細は、「はじめに」の「サンプル・レポートへのアクセス」を参照してください。

15.1 この例の前提条件

この章の例を作成するには、Oracle Database付属のOrder Entryサンプル・スキーマに対するアクセス権が必要です。このサンプル・スキーマに対するアクセス権の有無が不明のときは、データベース管理者に問い合せてください。

15.2 データ・モデル・ビューでの問合せの作成

レポートは、レポート・ウィザードを使用して作成するか、または独自に作成できます。この例では、データ・モデル・ビューを使用して2つの問合せを作成します。次に、ツール・パレットを使用して、この2つの問合せ間にデータ・リンクを作成し、データ表を関連付けます。

問合せを作成するには:

  1. Reports Builderを起動します。すでに起動している場合は、「ファイル」→「新規」→「レポート」を選択します。

  2. 「ようこそ」ダイアログ・ボックスまたは「新規レポート」ダイアログ・ボックスで、「新規レポートを手動で作成」を選択して「OK」をクリックします。

  3. 表示されたデータ・モデル・ビューで、ツール・パレットの「SQL問合せ」ツールをクリックし、データ・モデル・ビューの空き領域をクリックして、「SQL問合せ文」ダイアログ・ボックスを表示します。

  4. 「SQL問合せ文」フィールドに、次のSELECT文を入力します。

    SELECT ALL CUSTOMERS_A1.CUST_FIRST_NAME,
      CUSTOMERS_A1.CUST_LAST_NAME, ORDERS.ORDER_ID, ORDERS.ORDER_TOTAL
    FROM CUSTOMERS CUSTOMERS_A1, ORDERS
    WHERE (ORDERS.CUSTOMER_ID = CUSTOMERS_A1.CUSTOMER_ID)
    ORDER BY CUSTOMERS_A1.CUST_LAST_NAME
    


    注意

    この問合せは、次のいずれかの方法で入力できます。

    • 提供されているテキスト・ファイルwrappedbreak_code.txtからコードをコピーして「SQL問合せ文」フィールドに貼り付けます。

    • 「クエリー・ビルダー」をクリックして、コードを入力せずに問合せを作成します。

    • 「SQL問合せ文」フィールドにコードを入力します。

     

  5. 「OK」をクリックして、新しい問合せのデータ・モデルをデータ・モデル・ビューに表示します。表示は次のようになります。

    図15-2    問合せのデータ・モデル


    画像の説明

  6. G_CUST_FIRST_NAMEグループの「CUST_FIRST_NAME」をクリックし、それをこのグループの上にドラッグして別のグループを作成します。

  7. 「CUST_LAST_NAME」をクリックし、それを新しいグループにドラッグします。これで、データ・モデルは次のようになります。

    図15-3    グループを持つデータ・モデル


    画像の説明

  8. 新しいグループ(G_1)をダブルクリックして、プロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。

    • 「一般情報」で、「名前」プロパティを「G_Name」に設定します。

    作成したデータ・モデルは次のようになります。

    図15-4    新しいG_Nameグループを持つデータ・モデル


    画像の説明

  9. レポートをwrappedbreak_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

15.3 3つのサマリー列の作成

この項の手順では、データ・モデル・ビューで「サマリー列」ツールを使用して、3つのサマリー列を作成する方法を説明します。これらの列では、顧客が購入した各発注合計額のパーセント、顧客の合計購入金額、および全顧客の売上合計のパーセントを計算します。

サマリー列を作成するには:

  1. データ・モデル・ビューで、ツール・パレットの「サマリー列」ツールをクリックし、「G_CUST_FIRST_NAME」グループ内をクリックしてサマリー列を作成します。

  2. 新しいサマリー列オブジェクト(CS_1)をダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示し、次のプロパティを設定します。

    • 「一般情報」で、「名前」プロパティを「PCT」に設定します。

    • 「サマリー」で、「ファンクション」プロパティを「割合(%)」、「ソース」プロパティを「ORDER_TOTAL」、「リセット位置」プロパティを「G_CUST_FIRST_NAME」、「計算位置」プロパティを「Report」に設定します。

  3. グループG_NAMEに、次のプロパティを持つ2番目のサマリー列を作成します。

    • 「一般情報」で、「名前」プロパティを「CUST_TOTAL」に設定します。

    • 「サマリー」で、「ファンクション」プロパティを「合計」、「ソース」プロパティを「ORDER_TOTAL」、「リセット位置」プロパティを「G_NAME」に設定します。

  4. グループG_NAMEに、次のプロパティを持つ3番目のサマリー列を作成します。

    • 「一般情報」で、「名前」プロパティを「PCT_TOTAL_SALES」に設定します。

    • 「サマリー」で、「ファンクション」プロパティを「合計」、「ソース」プロパティを「PCT」、「リセット位置」プロパティを「G_NAME」に設定します。

    その結果、データ・モデルは次のようになります。

    図15-5    3つのサマリー列を持つデータ・モデル


    画像の説明

  5. レポートをwrappedbreak_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

15.4 レポート・ウィザードを使用したデフォルト・レイアウトの作成

この項の手順では、レポート・ウィザードを使用してレイアウトを作成し、レポートにおけるデータ表示形式を選択する方法を説明します。ここでは、作成するレポートのスタイルを選択し、レポートでデータを横に表示することにします(したがって、横グループ・レポートの作成)。

レポート・ウィザードを使用してデフォルトのレイアウトを作成できます。この場合、レポートにレイアウトが存在していれば削除され、新しいレイアウトに置き換えられます。

デフォルト・レイアウトを作成するには:

  1. データ・モデル・ビューで、キャンバスを右クリックして「レポート・ウィザード」を選択します。

  2. レポート・ウィザードの「レポート・タイプ」ページで、「ペーパー・レイアウトのみ作成」を選択します。

  3. 「スタイル」ページで「グループ上」を選択します。

  4. 「フィールド」ページで、「>>」ボタンをクリックして、すべてのフィールドを「表示フィールド」リストに移動します。

  5. 「ラベル」ページで、フィールド幅を次のように変更します。

    フィールド   

    CUST_FIRST_NAME 

    2 

    CUST_LAST_NAME 

    2 

  6. 「終了」をクリックして、レポート出力をペーパー・デザイン・ビューに表示します。表示は次のようになります。

    図15-6    ラップ・フィールド・レポートのペーパー・デザイン・ビュー


    画像の説明

名前が完全に表示されないのがわかります。次の項の手順では、この問題を速く解決する方法を説明します。

15.5 レポートのレイアウトの変更

この項では、ブレーク・フィールドの内容が指定された幅よりも長い場合に、フィールドを変更して縦方向に拡大します。図15-6に示すように、フィールド幅を固定すると、名前の表示が不完全になります。また、レポートの各レコード間に表示する空間を追加することもできます。

レイアウトを変更するには:

  1. オブジェクト・ナビゲータで、「ペーパー・レイアウト」→「メイン・セクション」→「ボディ」→「M_G_Name_GRPFR」の下の「R_G_NAME」ノードの横の繰返し枠アイコンをダブルクリックしてプロパティ・インスペクタを表示します。

  2. 「繰返し枠」で、「枠間の垂直間隔」を「0.25」に変更して[Enter]を押します。

  3. プロパティ・インスペクタを閉じます。

  4. オブジェクト・ナビゲータの「ペーパー・レイアウト」ノードで、「メイン・セクション」→「ボディ」→「M_G_NAME_GRPFR」→「R_G_NAME」を選択します。

  5. 「F_CUST_LAST_NAME」フィールドの横のアイコンをダブルクリックして、プロパティ・インスペクタを表示します。

  6. 「標準レイアウト」で、「垂直拡張度」プロパティが「拡張」に設定されていることを確認し、プロパティ・インスペクタを閉じて変更を受け入れます。

  7. 「F_CUST_FIRST_NAME」フィールドに対して手順5と6を実行します。

これで、すべてのテキストが折返しフィールドに表示されるようにレポートのレイアウトが変更され、レコード間に空白が追加されました。

15.6 ペーパーを対象としたレポートの実行

この項では、ペーパー・デザイン・ビューに対してレポートを実行し、レポートの表示状態を確認します。

ツールバーの「ペーパー・デザイン」ボタンをクリックし、ペーパー・デザイン・ビューを表示します。レポートが実行され、ペーパー・デザイン・ビューに表示されます。表示は次のようになります。

図15-7    ラップ・フィールド・レポートのペーパー・デザイン・ビュー


画像の説明

レポートをwrappedbreak_<自分のイニシャル>.rdfという名前で保存します。

15.7 まとめ

これで、すべての作業が完了しました。ラップ・フィールドのペーパー・レポートは正常に作成されました。この章で学習した内容は次のとおりです。

この例で使用されているウィザード、ビュー、プロパティの詳細は、Oracle Reportsオンライン・ヘルプを参照してください。このヘルプは、第3.1.1項「Oracle Reportsオンライン・ヘルプの使用」で説明しているとおり、Reports BuilderまたはOracle Technology Network(OTN)から表示できます。


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