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Oracle Business Intelligence Discoverer 管理ガイド
10gリリース2(10.1.2.1)
B25101-01
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End User Layerの作成とメンテナンス

この章では、Discoverer Administratorを使用してEnd User Layerを作成およびメンテナンスする方法について説明します。項目は次のとおりです。

End User Layer

End User Layer(EUL)とは、Discovererエンド・ユーザーにとって理解しやすい単純なメタデータ(データベースの実際のデータに関するデータ)です。ユーザーがDiscovererのデータに簡単にアクセスできるように、Discoverer Administratorを使用してこのビューをユーザー用に作成、カスタマイズおよびメンテナンスします。Discovererを使用するには、少なくとも1つのEULに対するアクセス権が必要です。アクセス権は、第7章「情報に対するアクセス制御」で説明する「権限」ダイアログを使用して付与します。

End User Layerが便利な理由

EULにより、Discovererエンド・ユーザーはデータベースに関連する複雑な概念から解放されます。Discovererエンド・ユーザーにとって使い慣れた理解しやすい用語を使用して、直観的でビジネスに焦点が合ったデータベースのビューが提供されます。このため、Discovererエンド・ユーザーはデータ・アクセスの問題ではなくビジネスの問題に集中できます。

注意

End User Layer所有者

End User Layer(EUL)所有者とは、EULの作成対象となるデータベース・ユーザーです。

1人のデータベース・ユーザーが所有できるEULは、1つのみです。自分のEULに接続している場合に新規EULを作成しようとすると、Discoverer Administratorによって既存のEULを削除するようにプロンプトが表示されます。すでにEULを所有しているデータベース・ユーザーにEULを作成する場合は、Discoverer Administratorによって既存のEULを削除してから新規EULを作成するようにプロンプトが表示されます。

EUL所有者は各自のEULをメンテナンスおよび変更し、他のユーザーに対してEULへのアクセス権を付与できます。付与される権限に応じて、他のユーザーはEULを使用したり、そのEULを変更できます。

EULの作成時には、アクセス権を持つユーザーを次のように指定します。

注意: セキュリティを重視する場合は、PRIVATEアクセスの指定をお薦めします。ユーザーおよびロールに対するビジネスエリアのアクセス権および権限は、必要に応じて後から定義できます。

既存EULへのアクセス権を変更する場合は、そのEULの所有者あるいは次のDiscoverer作業権限を持つユーザーとしてログインしている必要があります。

詳細は、第7章「情報に対するアクセス制御」を参照してください。

OracleデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限

OracleデータベースでEnd User Layerを作成するには、EULの作成対象となるデータベース・ユーザーに次のデータベース権限が必要となります。

また、データベース・ユーザーには次の項目も指定する必要があります。

Oracle Enterprise Editionデータベースに対してDiscovererを実行している場合、データベース・ユーザーがDiscovererの手動サマリー管理および自動サマリー管理(ASM)の機能を使用するには、さらに権限を追加する必要があります。詳細は、次の項目を参照してください。

「EULマネージャ」ダイアログでは、次の操作を実行できます。

新規Oracleデータベース・ユーザーに対してEULを作成する場合、Discovererによって必要な権限が付与され、デフォルト表領域と割当て制限が設定されます。

End User Layerのメンテナンスに必要な権限

データベース・ユーザーに管理権限がある場合は、Discoverer AdministratorでEULをメンテナンスできます。

データベース・ユーザーに管理権限を適用するには、「特定の作業を実行するユーザーまたはロール(職責)の指定方法」を参照してください。

EULゲートウェイ

EULゲートウェイでは、DiscovererでOracle Designerなどの他のソースのメタデータをEULに移入する方法が提供されます。EULゲートウェイを使用すると、他のツールまたはアプリケーションで定義されたメタデータをEULに直接ロードできます。

EULゲートウェイを設定する手順は、<ORACLE_HOME>¥discoverer¥kitsディレクトリにあるドキュメントeulgatew.docを参照してください。

EULゲートウェイからビジネスエリアをロードする方法の詳細は、「ロード・ウィザードによるビジネスエリアの作成方法」を参照してください。

既存データベース・ユーザーに対するEnd User Layerの作成方法

既存データベース・ユーザーに対してEULを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択すると、「EULマネージャ」ダイアログが表示されます。

    図4-1    「EULマネージャ」ダイアログ


    画像の説明

  2. 「新しいEULを作成」をクリックすると、「EUL作成ウィザード」ダイアログが表示されます。

    図4-2    「EUL作成ウィザード: ステップ1」ダイアログ


    画像の説明

  3. 「既存のユーザーを指定」ラジオ・ボタンを選択します。

  4. 必要に応じて、「パブリック・シノニムにアクセスを許可する」チェックボックスを選択または選択解除します。

    • 現行データベースのすべてのユーザーに新規EULへのアクセスを許可する場合は、このチェックボックスを選択します。

    • 新規EULによるデータの表示をEUL所有者にのみ許可する場合は、このチェックボックスを選択解除します。

    注意: セキュリティを重視する場合は、このチェックボックスを選択解除することをお薦めします。

  5. 必要に応じて、「新規EULはOracle Applicationsユーザー用のみ」チェックボックスを選択または選択解除します。

    注意: ここでの選択は、最終的な選択です。標準的なEULをOracle Applications EULに変更することはできません(逆の変更もできません)。

  6. 「選択」ボタンをクリックすると、「ユーザー/ロールの選択」ダイアログが表示されます。このダイアログで、新しいEULを所有するデータベース・ユーザーを検索および選択します。

  7. 現行ユーザー以外のデータベース・ユーザーをEUL所有者に指定した場合は、データベース・ユーザーのパスワードを指定する必要があります。

  8. 「終了」をクリックします。

    Discoverer AdministratorによってEULの作成を示す進行状況バーが表示され、指定されたデータベース・ユーザーに対して新規EULが作成されます。

    新規EULが作成されると、新規EULにDiscovererのサンプル・データをインストールするオプションが提供されます。詳細は、第27章「Discovererのサンプル・データEUL、データおよびワークブック」を参照してください。

新規データベース・ユーザーに対するEnd User Layerの作成方法

注意: この機能は、Oracle以外のデータベースでは使用できません。Oracle以外のデータベースを使用している場合は、データベース管理者に連絡してデータベースに必要なユーザーIDを作成するように依頼してください。

新規データベース・ユーザーに対するEULの作成に必要な権限の詳細は、「OracleデータベースにおけるEnd User Layerの作成に必要な権限」を参照してください。

新規データベース・ユーザーにEULを作成する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択すると、「EULマネージャ」ダイアログが表示されます。

  2. 「新しいEULを作成」をクリックすると、「EUL作成ウィザード」ダイアログが表示されます。

  3. 「新規ユーザーを作成」ラジオ・ボタンを選択します。

    「新規ユーザーを作成」ラジオ・ボタンが使用できない場合は、データベース管理者に連絡してCREATE USER権限の付与を依頼してください。

  4. 「パブリック・シノニムにアクセスを許可する」チェックボックスを、次のように選択または選択解除します。

    • 現行データベースのすべてのユーザーに新規EULへのアクセスを許可する場合は、このチェックボックスを選択します。

    • 新規EULによるデータの表示をEUL所有者にのみ許可する場合は、このチェックボックスを選択解除します。

    注意: セキュリティを重視する場合は、このチェックボックスを選択解除することをお薦めします。

  5. 必要に応じて、「新規EULはOracle Applicationsユーザー用のみ」チェックボックスを選択または選択解除します。

    • 新規EULの使用をOracle Applicationsユーザーのみに制限する場合は、このチェックボックスを選択します(アプリケーション・モードEULの詳細は、「Oracle Applications」を参照)。

    • 標準EULを作成する場合は、このチェックボックスを選択解除します。

    注意: ここでの選択は、最終的な選択です。標準的なEULをOracle Applications EULに変更することはできません(逆の変更もできません)。

  6. 「ユーザー」フィールドに新規データベース・ユーザーの名前を指定します。

  7. 「パスワード」フィールドに新規データベース・ユーザーのパスワードを指定します。

  8. 「確認パスワード」フィールドに、新規データベース・ユーザーのパスワードを再度指定します。

  9. 「次へ」をクリックして、「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログを表示します。

    図4-3    「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログ


    画像の説明

  10. 新規データベース・ユーザーのデフォルト表領域および一時表領域を指定します。

    どれを選択するか不明な場合は、データベース管理者に問い合せてください。詳細は、「「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログ」を参照してください。

  11. 「終了」をクリックします。

    Discoverer AdministratorによってEULの作成を示す進行状況バーが表示され、新規データベース・ユーザーとそのデータベース・ユーザーに対する新規EULが作成されます。

    新規データベース・ユーザーとEULが作成されると、新規EULにDiscovererのサンプル・データをインストールするオプションが提供されます。詳細は、第27章「Discovererのサンプル・データEUL、データおよびワークブック」を参照してください。

End User Layerの削除方法

様々な理由から、EULの削除が必要になる場合があります。たとえば、古いEULやテストEULの場合です。

注意: 削除するEULの所有者として接続する必要があります。

EULを削除する手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「接続」を選択すると、「接続」ダイアログが表示されます。

  2. 削除するEULの所有者のユーザー名、パスワードおよび接続文字列を指定して「接続」をクリックすると、「ロード・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

  3. 「取消」をクリックしてロード・ウィザードを終了します。

  4. 「ツール」→「EULマネージャ」を選択します。

  5. 「既存のEULを削除」をクリックすると、「EULの削除」ダイアログが表示されます。

    現行のEULを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。

  6. 「EUL」フィールドに指定されたEULが削除対象のEULであることを確認して、「OK」をクリックします。

    表示されたEUL名が正しくない場合はステップ2に戻って、正しい接続文字列を使用してEUL所有者として接続します。

    「OK」をクリックすると、すべてのEULテーブルを削除するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。これにより、データベース内のすべてのEUL情報およびワークブックが削除されます。サマリー・データとサマリー情報もすべて削除されます。

  7. 「はい」をクリックして続行します。

  8. 「OK」をクリックしてEULを削除します。

    Discovererによって、現行データベース・ユーザーのEULオブジェクトが削除されます。

デフォルトEnd User Layerを表示または変更する方法

現行データベース・ユーザーのデフォルトEUL(つまり、現行データベース・ユーザーがDiscoverer Administratorに接続するときに使用されるEUL)を表示したり、どのEULをデフォルトEULにするかを変更できます。

注意: データベース・ユーザーが複数のEULへのアクセス権を持っている場合は、代替EULのみを選択できます。

デフォルトEULを表示または変更する手順は、次のとおりです。

  1. 「ツール」→「オプション」→「デフォルトEUL」タブを選択すると、「オプション」ダイアログ: 「接続」タブが表示されます。

  2. (オプション)次に現行データベース・ユーザーとして接続するときに使用するEULをクリックして、「OK」をクリックします。

エクスポートとインポートによるEULおよびEULオブジェクトのコピー

通常は、次の操作を行います。

次の操作を行うかどうかに応じて、EULおよびEULオブジェクトをコピーする方法が異なります。

3つのケースいずれの場合も、インポート操作の後にエクスポート操作を実行します。詳細は、「使用するエクスポート/インポート方法」を参照してください。

Discoverer Administratorを使用してEULまたはEULオブジェクトをエクスポートする場合は、Discoverer EULエクスポート・ファイルを(拡張子.EEXで)作成します。.EEXファイルを作成すると、次にDiscoverer Administratorを使用して.EEXファイルをインポートできます。

次のような.EEXファイルをインポートできることに注意してください。

使用するエクスポート/インポート方法

EUL間でEULオブジェクトをコピーするには、まずEULオブジェクトをファイルにエクスポートしてから、新規EULまたは新規データベースにインポートします。

次のものを使用して、EUL間でEULオブジェクトをコピーします。

Discovererのエクスポート・ウィザードおよびインポート・ウィザードの使用

Discovererのエクスポート・ウィザードを使用して、EULオブジェクトをEULエクスポート・ファイル(拡張子.EEX)にエクスポートします。オブジェクトをエクスポートすると、次にDiscovererのインポート・ウィザードを使用して.EEXファイルをインポートできます。

(.EEXファイルに)エクスポートするEULオブジェクトとしては、ビジネスエリア、フォルダ、アイテム階層、日付階層、アイテム・クラス、ワークブック定義(Discoverer DesktopおよびDiscoverer Plusで作成)、PL/SQLファンクション登録情報、サマリー・フォルダおよび自動サマリー管理(ASM)ポリシーなどがあります。

Discovererのユーザー・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートまたはインポート方法については、次の項目を参照してください。

注意: エクスポート・ウィザードでは、データベース、EULテーブルまたはEULによって参照されるデータベース・オブジェクトはエクスポートされません。これらのオブジェクトをエクスポートするには、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従う必要があります。

Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポート/インポート

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用して、Discovererのユーザー・インタフェースを使用せずにEULオブジェクトをエクスポート/インポートします。Discovererコマンドライン・インタフェースの詳細は、「Oracle Business Intelligence Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照してください。

Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートおよびインポート方法については、次の項目を参照してください。

注意: Discovererコマンドライン・インタフェースのエクスポート機能では、データベース、EULテーブルまたはEUL定義によって参照されるデータベース・オブジェクトはエクスポートされません。これらのオブジェクトをエクスポートするには、「標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法」の手順に従う必要があります。

標準データベース・エクスポート/インポート・コマンドによる完全なEULのエクスポート/インポート

標準データベース・エクスポート/インポート・コマンドを使用して、データベース、EULテーブルおよびEUL定義によって参照されるデータベース・オブジェクトをエクスポート/インポートします。

次の作業を実行して、EULをユーザー間でエクスポート/インポートします。

EULのエクスポート方法またはインポート方法は、次の項目に応じて異なります。

OracleデータベースのリリースとユーザーのマシンにインストールされたOracleデータベース・クライアント・ソフトウェアのリリースを同じにすることをお薦めします。リリースが異なる場合(EULがOracle9iデータベースにあり、Oracle10gクライアント・ソフトウェアがマシンにインストールされている場合など)は、以降の指示に従うことができない可能性があります。EULをエクスポートできない場合は、データベース管理者に連絡し、EULをエクスポートするように依頼してください。

Discovererのエクスポート・ウィザードによるEUL全体のエクスポート方法

このオプションは、EULのオブジェクトを新規EULにコピーするとき、あるいはバックアップを作成するときにEUL全体をファイルにエクスポートする場合に使用します。

Discovererのエクスポート・ウィザードを使用してEUL全体をエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-4    「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ


    画像の説明

  2. 「End User Layer全体」ラジオ・ボタンを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2/3」ダイアログが表示されます。

    図4-5    「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ


    画像の説明

    前述のダイアログを使用して、エクスポート・ファイルの名前と場所を指定します。

  3. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    このダイアログで、EULエクスポート・ファイルを保存する場所を参照できます。

  4. エクスポートするEULの適切な名前を入力します。

  5. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェックボックスを選択して、XMLフォーマットのワークブック定義をすべて保存します。

    これによって、ワークブック定義をXMLブラウザで表示できます。

    注意: エクスポート・ファイル(*.EEX)は常にXMLフォーマットですが、時間と領域を節約するため、ワークブックはデフォルトではエクスポート・ファイル内部にバイナリ・フォーマットで保存されます。ワークブック定義をエクスポート・ファイル内部にXMLとして追加保存するには、このチェックボックスを選択します。

  6. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェックボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加ファイルが作成され、ファイル拡張子.txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Oracle Business Intelligence Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  7. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-6    「エクスポート・ログ」ダイアログ


    画像の説明

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  8. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  9. 「閉じる」をクリックして完了します。

エクスポート・ウィザードによる選択されたビジネスエリアのエクスポート方法

このオプションは、エクスポート・ファイルを使用して、既存EULを選択したビジネスエリアで更新する場合に使用します。

エクスポート・ウィザードを使用して選択したビジネスエリアをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-7    「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ


    画像の説明

  2. 「選択したビジネスエリア」ラジオ・ボタンを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したビジネスエリアのエクスポート)が表示されます。

  3. エクスポートするビジネスエリアを「選択可能」リストから「選択済」リストに移動します。

    [Ctrl]キーを押しながら他のビジネスエリアをクリックすると、一度に複数のビジネスエリアを選択できます。

  4. 「次へ」をクリックして、「エクスポート・ウィザード: ステップ2/3」ダイアログを表示します。

  5. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    このダイアログで、ビジネスエリアのエクスポート・ファイルを保存する場所を参照できます。

  6. エクスポートするビジネスエリアの適切な名前を入力します。

  7. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェックボックスを選択して、XMLフォーマットのワークブック定義をすべて保存します。

    これによって、ワークブック定義をXMLブラウザで表示できます。

    注意: エクスポート・ファイル(*.EEX)は常にXMLフォーマットですが、時間と領域を節約するため、ワークブックはデフォルトではエクスポート・ファイル内部にバイナリ・フォーマットで保存されます。ワークブック定義をエクスポート・ファイル内部にXMLとして追加保存するには、このチェックボックスを選択します。

  8. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェックボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加テキスト・ファイルが作成され、ファイル拡張子.txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Oracle Business Intelligence Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  9. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-8    「エクスポート・ログ」ダイアログ


    画像の説明

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  10. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  11. 「閉じる」をクリックして完了します。

    注意: EUL間でビジネスエリアをコピーしている場合は、「EUL間のビジネスエリアのコピー方法」のステップ2に進んでください。

エクスポート・ウィザードによる選択されたEULオブジェクトのエクスポート方法

このオプションは、エクスポート・ファイルを使用して、既存EULを選択したEULオブジェクトで更新する場合に使用します。たとえば、運用中のビジネスエリアに小規模な変更を適用するときなどです。

エクスポート・ウィザードを使用して選択したオブジェクトをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「エクスポート」を選択すると、「エクスポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

  2. 「End User Layer上の選択したオブジェクト」オプションを選択して「次へ」をクリックすると、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したオブジェクトのエクスポート)が表示されます。

    図4-9    「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ


    画像の説明

  3. 「エクスポートするオブジェクトを指定してください」ドロップダウン・リストを使用して、ファイルにエクスポートするEULオブジェクト・タイプを表示します。

    たとえば、フォルダ、アイテム・クラスおよびアイテム階層です。

    注意: 前述のビジネスエリアを選択すると、Discovererではビジネスエリアの定義のみがエクスポートされ、フォルダとアイテムはエクスポートされません。ビジネスエリアのフォルダとアイテムをエクスポートするには、明示的に選択する必要があります。

  4. エクスポートするオブジェクトを「選択可能」リストから「選択済」リストに移動します。

    [Ctrl]キーを押しながら他のオブジェクトをクリックすると、一度に複数のオブジェクトを選択できます。

  5. 「次へ」をクリックして、「エクスポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ(選択したビジネスエリアのエクスポート)を表示します。

  6. 「参照」をクリックすると、「名前を付けて保存」ダイアログが表示されます。

    このダイアログで、エクスポート・ファイルを保存する場所を参照できます。

  7. エクスポートするオブジェクトの適切な名前を入力します。

  8. (オプション)「エクスポートしたワークブックのXMLを生成」チェックボックスを選択して、XMLフォーマットのワークブックをすべて保存します。

    注意: エクスポート・ファイル(*.EEX)は常にXMLフォーマットですが、時間と領域を節約するため、ワークブックはデフォルトではエクスポート・ファイル内部にバイナリ・フォーマットで保存されます。ワークブック定義をエクスポート・ファイル内部にXMLとして追加保存するには、このチェックボックスを選択します。

  9. (オプション)「エクスポート・コマンドをテキスト・ファイル(*.txt)に保存」チェックボックスを選択して、このエクスポートを作成したエクスポート・コマンドをテキスト・ファイルに保存します。

    これによって、このエクスポート作成に使用されたコマンドを含む追加テキスト・ファイルが作成され、拡張子.txtが適用されます。その後、このファイルはコマンドライン・インタフェースと併用できるようになります(コマンドライン・インタフェースの詳細は、第22章「Oracle Business Intelligence Discovererコマンドライン・インタフェース」を参照)。

  10. 「終了」をクリックすると、指定された場所にエクスポート・ファイル(および選択された追加ファイル)が作成され、「エクスポート・ログ」が表示されます。

    図4-10    「エクスポート・ログ」ダイアログ


    画像の説明

    「エクスポート・ログ」には、エクスポート内容の情報が表示されます。

  11. (オプション)「保存」をクリックして名前と場所を指定し、ログ・ファイルを保存します。

  12. 「閉じる」をクリックして完了します。

Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのエクスポート方法

このオプションは、コマンドライン・インタフェースを使用して、EULオブジェクトを一般的なDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートし、次にこの.EEXファイルを(使用できる他のデータベースに)インポートすることにより、EULオブジェクトを1つのデータベースから他のデータベースにコピーする場合に使用します。これは、EULオブジェクトのコピーを可能にする2つの作業のうち、最初の作業です。EULオブジェクトをインポートするには、このエクスポート作業を完了する必要があります。

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用してEULオブジェクトをエクスポートする手順は、次のとおりです。

  1. Discovererコマンドライン・インタフェースの/exportオプションを使用して、必要なEULオブジェクトをDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートします。

    たとえば、Video Store Tutorialビジネスエリアと2つのワークブック(「Vidstr5 - Video Tutorial Workbook」および「Vidaf5 - Analytic Function Examples」)をvidstr.eexファイルにエクスポートするには、次のように入力します。

    D:¥orant¥bin¥dis51adm.exe /connect eulowner/eulowner@orcl.world /export 
    "D:¥vidstr.eex" "Video Store Tutorial" /workbook "Vidstr5 - Video Tutorial 
    Workbook" /workbook "Vidaf5 - Analytic Function Examples"

    Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのエクスポートの詳細は、「/export(EULオブジェクト)」を参照してください。

注意

Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのインポート方法

このオプションは、EULオブジェクトを使用可能な新規データベースにインポートする場合に使用します。この作業を完了する前に、EULオブジェクトをDiscovererエクスポート・ファイル(.EEX)にエクスポートする必要があります(詳細は、「Discovererコマンドライン・インタフェースによるEnd User Layerオブジェクトのエクスポート方法」を参照)。これは、EULオブジェクトのコピーを可能にする2つの作業のうち、2番目の作業です。

Discovererコマンドライン・インタフェースを使用してEnd User Layerオブジェクトをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. Discovererコマンドライン・インタフェースの/importオプションを使用して、新規EUL所有者にEULオブジェクトをインポートします。

    たとえば、前述の方法で作成されたvidstr.eexファイルをインポートするには、次のように入力します。

    D:¥orant¥bin¥dis51adm.exe /connect eulowner/eulowner@orcl.world /import 
    "D:¥vidstr.eex"

    Discovererコマンドライン・インタフェースによるEULオブジェクトのインポートの詳細は、「/import(EULオブジェクト)」を参照してください。

標準データベース・エクスポート・ユーティリティによるEULのエクスポート方法

このオプションは、すべてのビジネスエリア、EULテーブルおよび保存済ワークブックをデータベース・ダンプ・ファイル(.DMP)にエクスポートする場合に使用します。

標準データベース・エクスポート・ユーティリティを使用してEULをエクスポートする手順は、次のとおりです(EULがOracle9i以上のデータベース上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)。

  1. コマンドライン・ウィンドウを表示します(例: Windowsの「スタート」メニューから「コマンド プロンプト」を選択)。

  2. EULをエクスポートする場所までナビゲートします。

    たとえば、EULをD:¥ORACLE10にエクスポートする場合に、コマンド・プロンプト・ウィンドウが現在C:を表示しているときは、次のようにします。

    • 「D:」と入力して[Enter]キーを押す

    • 「cd ¥ORACLE10」と入力して[Enter]キーを押す

  3. 次のコマンドを入力します。

    exp <eulowner>/<password>@<dbname> file=<filename.dmp> owner=<eulowner>
    
    

    たとえば、データベース・ユーザーhrmgrが所有するEULをhreul.dmpファイルにエクスポートするには、次のように入力します。

    exp hrmgr/hrpswrd@HRDB file=hreul.dmp owner=hrmgr
    
    

    EULテーブル(および関連するシノニム、ビューおよびその他の定義)がD:¥ORACLE10ディレクトリの指定された.dmpファイルにエクスポートされます。

    エクスポートが完了すると、Discovererによって次のメッセージが表示されます。

    「エクスポートは警告なしで正常に終了しました。」

  4. コマンドライン・ウィンドウを閉じます。

EULがエクスポートされ、EULを新規データベース・ユーザーにインポートする準備が整いました。

標準データベース・インポート・ユーティリティによるEULのインポート方法

このオプションは、データベースのダンプ・ファイル(.DMP)からEULビジネスエリア、EULテーブルおよび保存済ワークブックを新規データベースの新規EUL所有者にインポートする場合に使用します。

注意: このデータベース・ユーザーには他のテーブルを所有させないことをお薦めします。

標準データベース・インポート・ユーティリティを使用してEULをインポートする手順は、次のとおりです(EULがOracle9iデータベース上に存在し、Oracle Developer Suiteをインストール済のマシンを使用していることを前提とします)。

  1. コマンドライン・ウィンドウを表示します(例: Windowsの「スタート」メニューから「コマンド プロンプト」を選択)。

  2. EULをインポートする場所までナビゲートします。

    たとえば、EULをD:¥ORACLE10にインポートする場合に、コマンド・プロンプト・ウィンドウが現在C:を表示しているときは、次のようにします。

    • 「D:」と入力して[Enter]キーを押す

    • 「cd ¥ORACLE10」と入力して[Enter]キーを押す

  3. 次のコマンドを入力します。

    imp <eulowner>/<password>@<dbname> file=<filename.dmp> fromuser=<old_eul_owner> 
    touser=<new_eul_owner>
    
    

    たとえば、データベース・ユーザーhrmgrが所有するhreul.dmpファイルのEULを新規ユーザーhrmgr2にインポートするには、次のように入力します。

    imp hrmgr2/hrpswrd@HRDB file=hreul.dmp fromuser=hrmgr touser=hrmgr2
    
    

    EULテーブル(および関連するシノニム、ビューおよびその他の定義)がD:¥ORACLE10ディレクトリの指定された.dmpファイルからインポートされます。

    インポートが完了すると、Discovererによって次のメッセージが表示されます。

    「インポートは警告なしで正常に終了しました。」

  4. コマンドライン・ウィンドウを閉じます。

    注意: Discovererでは、一意の参照番号を使用してEULを識別します。しかし、データベース・エクスポート/インポート・ユーティリティを使用してEULをコピーすると、新規EULは(参照番号も含めて)コピー元のEULと同一になります。複数のEULが同じ参照番号を所有すると、次の操作を両方行った場合に、EULの整合性の問題が起こることがあります。

    • コピー元のEULと新規EULの両方でオブジェクトを変更する。

    • 両方のEULでオブジェクトを変更した後、Discovererのエクスポート・ウィザードおよびインポート・ウィザード(あるいはDiscovererの/exportコマンドおよび/importコマンド)を使用して、2つのEUL間でオブジェクトをコピーしようとする。

    EULの整合性の問題が起こる可能性を回避するには、新規EULの所有者としてeul5_id.sqlスクリプトを実行します。eul5_id.sqlスクリプトによって新規EULに新しい参照番号が与えられることにより、EULの整合性の問題が起こる可能性が回避されます。

  5. 次の手順に従ってeul5_id.sqlスクリプトを実行します。

    1. SQL*Plusを起動し(まだ実行されていない場合)、新規EULの所有者として接続します。

      SQL*Plusがすでに実行されている場合は、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      SQL> connect hrmgr2/hrmgr2@database;
      
      

      hrmgr2はEUL所有者、hrmgr2はEUL所有者のパスワードです。

    2. eul5_id.sqlスクリプトを実行します。

      たとえば、コマンド・プロンプトで次のように入力します。

      SQL> start d:¥<ORACLE_ HOME>¥discoverer¥util¥eul5_id.sql
      
      

      <ORACLE_HOME>はDiscoverer Administratorがインストールされている場所です。

      eul5_id.sqlスクリプトによって新規EULに新しい一意の参照番号が与えられることにより、EULの整合性の問題が起こる可能性が回避されます。

    3. SQL*Plusセッションを終了します。

注意

インポート・ウィザードによるファイルからのEULオブジェクトのインポート方法

このオプションは、EULオブジェクト(ビジネスエリア、フォルダ、階層、ユーザー定義アイテムなど)を1つのEULからインポートして他のEULで再利用する場合に使用します。選択したEULオブジェクトで既存EULを更新するには、エクスポート・ファイル(.EEX)を使用します。たとえば、運用中のビジネスエリアに変更を適用するときなどです。EULオブジェクトのエクスポートの詳細は、「エクスポートとインポートによるEULおよびEULオブジェクトのコピー」を参照してください。

インポート・ウィザードを使用してファイルからEULオブジェクトをインポートする手順は、次のとおりです。

  1. 「ファイル」→「インポート」を選択すると、「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログが表示されます。

    図4-11    「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログ


    画像の説明

  2. 「ファイルの追加」をクリックすると、「開く」ダイアログが表示されます。

  3. 1つ以上のファイルの位置を特定して選択し、「開く」をクリックして「インポート・ウィザード: ステップ1」ダイアログに戻ります。

    選択されたファイルが「インポート・ファイル」リストに表示されます。

  4. 「次へ」をクリックして、「インポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログを表示します。

    図4-12    「インポート・ウィザード: ステップ2」ダイアログ


    画像の説明

    このダイアログでは、Discoverer Administratorが他のEULからの一致オブジェクトを処理する方法を指定できます。他のEULからの一致オブジェクトの詳細は、「識別子」を参照してください。

  5. 2つのオブジェクトが一致した場合に発生する処理を指定します。

    オブジェクトとは、フォルダ、アイテム、ユーザー定義アイテムなどの任意のEULオブジェクトです。

  6. プロパティに関する表示を保持するかどうかを指定します(「オブジェクトをリフレッシュ」ラジオ・ボタンが選択されている場合のみ使用可能)。

  7. オブジェクトの比較方法を指定します。

  8. 現行ユーザーがインポートされたワークブックを所有するかどうかを指定します。

  9. 「次へ」をクリックして、「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログを表示します。

    図4-13    「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログ


    画像の説明

    このダイアログでは、インポートを開始して、各EULオブジェクトが処理されるときの状態を監視できます。

  10. 「開始」をクリックしてインポートを開始します。

    ヒント: 「取消」をクリックすると、インポートをいつでも中断できます。たとえば、「インポート・ログ」に警告メッセージが表示された場合などは、インポートの中断が必要になることがあります。

  11. (オプション)インポートの完了後に「ログの保存」をクリックすると、ログ情報が指定した場所にテキスト・ファイルとして保存されます。

  12. 「終了」をクリックして、「インポート・ウィザード: ステップ3」ダイアログを閉じます。

注意

EULの作成とメンテナンスに関する注意

この項では、EULの作成とメンテナンスに関する注意について説明します。

識別子

識別子とは、Discoverer Administratorが一意なEULオブジェクト(およびDiscoverer PlusとDiscoverer Viewerのワークブック・オブジェクト)を識別するために使用する一意な名前です。

Discoverer Administratorは、他のEULからインポートされたオブジェクトがインポート先のEULの同じビジネス・オブジェクトを参照している場合に、識別子を使用して認識します。これによって、カスタマイズ(またはパッチ)が行われたEULオブジェクトが保持されます。たとえば、EUL Aの「Sales」という名前のフォルダが、EUL Bの「Sales Figures」という名前の同じフォルダを参照する場合があります。両方のフォルダは同じ識別子を持っているため、同じEULオブジェクトを参照しているものと認識されます。

識別子はDiscoverer Administratorでは表示されますが、Discoverer Plusユーザーには表示されません。

一般に、識別子を変更する必要はありません。むしろ、EULオブジェクト間の関係に影響する可能性があるため、識別子は変更しないでください。ただし、識別子の変更が必要となる場合もあります。たとえば次のような場合です。

Discovererの今後のリリースでは、識別子に使用できる有効な文字が変更されます。次の各文字は、Discovererの今後のリリースでも識別子での使用がサポートされます。

次の各文字は、Discovererの今後のリリースではサポートされません。

このリリースに関する注意事項

サポートされない文字を使用した識別子は変更不要です。今後のリリースでは、これらの識別子が自動的に変更されるようになります。

注意: Discoverer Plusのワークブックまたはワークシートの識別子の位置を特定するには、『Oracle Business Intelligence Discoverer Plusユーザーズ・ガイド』を参照してください。

一般的なEULの領域要件および記憶域パラメータ

「EUL作成ウィザード: ステップ2」ダイアログで推奨されるデフォルト表領域の最小値である3MBは、EULに対するデータベース・オブジェクトの作成時にEULが指定した記憶域パラメータに基づいています。チュートリアルをインストール済の場合は、3MBを超えます。

新しく作成されたEULには、次の領域要件があります。

実際に使用される領域は、EULが作成される表領域に指定されたブロック・サイズなどの他の要因によって異なります。

目安として、一般的なビジネスエリアをEULに追加すると、EULのサイズが1MB増加します。ビジネスエリアが複雑なほど(サマリー・フォルダが多く、複雑なアイテムが含まれる場合など)、ビジネスエリアで必要とされる領域も多くなります。

通常は10〜20MBのデフォルト表領域で十分ですが、必要なデフォルト表領域はEULを定義するメタデータの量によって決定されます。したがって、必要なデフォルト表領域は、選択した表領域で使用できる量とは異なる場合があります。

EULテーブルのデータベース・テーブル記憶域パラメータは、次のとおりです。

EUL索引のデータベース索引記憶域パラメータは、次のとおりです。

STORAGE (

INITIAL 4096

NEXT 8192

PCTINCREASE 0

EULが領域を多く使用する原因には2つの要素があります。

最初のEUL開発および継続的なメンテナンスの推奨ワークフロー

EULの作成およびメンテナンスのライフサイクルには、一般に3つの手順があります。

ステップ1: 開発環境での新規EULのプロトタイプ作成および設計

Discovererマネージャは通常、新規EULの最初の部分の作成を、本番データベース上ではなく開発環境で行うことを望みます。そのためには、本番データベースで使用するものと同じデータ・テーブルが、開発環境に用意されている必要があります。

EULを開発環境で作成することにより、本番システムのパフォーマンスを低下させずにビジネスエリア設計を開発できます。

ビジネスエリア、フォルダおよびアイテムの作成後は、プロトタイプ・ワークブックを作成できます。これらのプロトタイプは、開発環境でエンド・ユーザーの代表者に確認してもらいます。ワークブック定義で合意が得られたら、開発環境データベースに保存します。

ステップ2: 開発環境から本番環境への新規EULの移動

作成者とエンド・ユーザー代表者の双方がEULに満足したら、EULを開発環境から本番データベースに移動する準備が整います。

初めてEULを開発環境から本番データベースに移動するときは、データベース・エクスポート/インポート・ツールの使用をお薦めします。開発環境データベースからEULスキーマのデータベース・エクスポートを行い、このEULスキーマを本番データベースにインポートします。

EULを本番データベースにインポートできたら、eul5_id.sqlスクリプトを実行して新規EULに一意の参照番号を付けます。eul5_id.sqlスクリプトの実行方法の詳細は、「標準データベース・インポート・ユーティリティによるEULのインポート方法」を参照してください。

eul5_id.sqlスクリプトを実行することにより、Discovererのエンド・ユーザー・コミュニティ全体に、このEULへのアクセス権を付与できます。

ステップ3: 新規要望に応じるためのEULの変更

組織内でEULをロールアウトすると、通常EUL定義の変更に対する要望が出されるようになります。

EULを変更する場合は、開発環境で変更を行ってから、Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、変更を本番環境に移動することをお薦めします。

EULのメンテナンス方法としては前述の手順をお薦めしますが、失いたくない更新が本番環境で行われていることもあります。その場合は、次の手順に従ってください。

  1. Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、更新を本番環境から開発環境に移動します。

    注意: この時点以降に本番環境に対して行われた変更は失われます。したがって、移動期間中は本番環境を読取り専用モードで使用することをお薦めします。

  2. 開発環境で必要な変更を行います。

  3. Discovererのエクスポート/インポート・ツールを使用して、変更を本番環境に戻します。

Discovererワークブック・ダンプ・ユーティリティの使用

Discoverer Administratorには、ワークブック・ダンプ・ユーティリティ(d51wkdmp.exe)が付属しています。このユーティリティを使用すると、Discoverer Desktopでワークブックを開かずに、ワークブックで使用するEUL要素を検査できます。このユーティリティは、ワークブックが開かない(結合の欠落など)場合は特に便利です。

ワークブックを分析するには、コマンド・プロンプト・ウィンドウからd51wkdmp.exeファイルを実行します。d51wkdmp.exeファイルは、%ORACLE_HOME%¥binディレクトリにあります。

ワークブック・ダンプ・ユーティリティを使用するための構文は、次のとおりです。

d51wkdmp <Workbook_Name> <Output_File> <DB|FS> <Connect_String> <Eul_Schema> -f

次の表に、パラメータの詳細を示します。

パラメータ  必須/オプション  説明 

<Workbook_Name> 

「必須」 

検査するワークブックの名前(ワークブックがファイル・システムに格納されている場合は、パスを指定します)。 

<Output_File> 

「必須」 

出力を書き込むファイル。 

<DB|FS> 

「必須」 

DB = データベースからワークブックを開く。

FS = ファイル・システムからワークブックを開く。 

<Connect_String> 

「必須」 

ユーザー名、パスワードおよびデータベースSIDの組合せ(user/passwd@databaseなど)。 

<Eul_Schema> 

「必須」 

EULテーブルを所有するデータベース・ユーザーの名前。 

-f 

「オプション」 

指定されたEULで要素を検索できるかどうかを含め、ワークブックで使用するEULオブジェクトに関する詳細を出力するためのパラメータ。 

次の点に注意してください。

次の例では、Discovererチュートリアルの一部として付属しているVideo Tutorial Workbookを使用して、ワークブック・ダンプ・ユーティリティの出力を示します。

例1: 次のコマンドは、Video Tutorial Workbookの内容をvideo.txtファイルに出力します。この例では、-fオプションを使用しません。

d51wkdmp "Video Tutorial Workbook" video.txt DB disco/disco@orcl.world disco

video.txtファイルの内容は、次のとおりです。

///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
Sheet Number 1
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 Sheet Name = Tabular Layout
 Sheet Unique Name = {8690F66A-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89}
 Query(s) used =
 Query 1
  Items :-
  EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
  EUL Item - Video Analysis Information.Department
  EUL Item - Video Analysis Information.Region
  Calculation - Profit SUM
  Sort On   EUL Item - Video Analysis Information.Region
  Filters :-
  EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video Sale
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
Sheet Number 2
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 Sheet Name = Crosstab Layout
 Sheet Unique Name = {8690F66B-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89}
 Query(s) used =
 Query 2
  Items :-
  EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
  EUL Item - Video Analysis Information.Department
  EUL Item - Video Analysis Information.Region
  Calculation - Profit SUM
  Filters :-
  EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video Sale
///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

例2: 次のコマンドは、Video Tutorial Workbookの内容をvideo.txtファイルに出力します。この例では、-fオプションを使用します。

d51wkdmp "Video Tutorial Workbook" video.txt DB disco/disco@orcl.world disco -f

video.txtファイルの内容は、次のとおりです。

EUL Item Reference
   IoId = 16
   Id = 100177
   Identifier = REGION
   Name = Region
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION
   Folder Name = Video Analysis Information
   *** Found in EUL by Identifier ***
  EUL Item Reference
   IoId = 24
   Id = 100153
   Identifier = DEPARTMENT
   Name = Department
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION
   Folder Name = Video Analysis Information
   *** Found in EUL by Identifier ***
  EUL Item Reference
   IoId = 32
   Id = 100175
   Identifier = PROFIT
   Name = Profit
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION
   Folder Name = Video Analysis Information
   *** Found in EUL by Identifier ***
  EUL Private Item
   Id = -105
   Name = Profit SUM
   Identifier = 1
   Desc = Total profit for one store, one product in one day
   DataType = 2
   Placement = 1
   Hidden = 0
   IsACalc = 0
   IOFormula = [1,1]([6,32])
   DisplayFormula = SUM(Profit) 
  EUL Item Reference
   IoId = 41
   Id = 100139
   Identifier = CALENDAR_YEAR
   Name = Calendar Year
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION
   Folder Name = Video Analysis Information
   *** Found in EUL by Identifier ***
  EUL Filter Reference
   Id = 100218
   Identifier = DEPARTMENT_IS_VIDEO_RENTAL_OR_VIDEO_SALE
   Name = Department is Video Rental or Video Sale
   Folder Identifier = DC_VIDEO_ANALYSIS_INFORMATION
   Folder Name = Video Analysis Information
   *** Found in EUL by Identifier ***
  EUL Sort Item Reference
   Item =   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Identifier = 14
   Direction = 1
  Query Request QR1
   Distinct = 1
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Department
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Measure Item Usage -  Name =   Calculation - Profit SUM
   Sort Item Usage -  Name =   Sort On   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Filter Usage -  Name =   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video 
Rental or
 Video Sale
   Identifier = 58
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 Sheet Number 1
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
  Sheet Name = Tabular Layout
  Sheet Unique Name = {8690F66A-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89}
  Sheet Identifier = 7
  Query(s) used =
  Query 1
   Items :-
   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
   EUL Item - Video Analysis Information.Department
   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Calculation - Profit SUM
   Sort On   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Filters :-
   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video Sale
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
  Query Request QR2
   Distinct = 1
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Department
   Axis Item Usage -   Name =   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Measure Item Usage -  Name =   Calculation - Profit SUM
   Filter Usage -  Name =   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video 
Rental or
 Video Sale
   Identifier = 95
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
 Sheet Number 2
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
  Sheet Name = Crosstab Layout
  Sheet Unique Name = {8690F66B-B9C8-11D1-ADB2-0080C7CDEA89}
  Sheet Identifier = 12
  Query(s) used =
  Query 2
   Items :-
   EUL Item - Video Analysis Information.Calendar Year
   EUL Item - Video Analysis Information.Department
   EUL Item - Video Analysis Information.Region
   Calculation - Profit SUM
   Filters :-
   EUL Filter - Video Analysis Information.Department is Video Rental or Video Sale
 ///////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

ロジカル・スタンバイ(読取り専用)データベースでのEULの作成

Discovererでは、パフォーマンスを向上させるために、エンド・ユーザーのクエリーに関する統計がEULに格納されます。そのため、EULが格納されているデータベースは書込み可能でなければなりません。つまり、ロジカル・スタンバイ(読取り専用)データベースでのEULの作成はサポートされていません。エンド・ユーザーには、次のものへの書込みアクセス権限を拒否します。


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