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JRockit SDK ユーザーズ ガイド

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他の WebLogic アプリケーションでの BEA JRockit JVM の使用

このユーザーズ ガイドの他の節で説明したコンフィグレーション オプションを設定して、BEA WebLogic Server および BEA WebLogic Workshop での BEA JRockit JVM のパフォーマンスを最適化できます。この章では、最適な設定を定義し、これらのアプリケーションでの JVM の使用方法について説明します。内容は以下のとおりです。

 


BEA WebLogic Server での BEA JRockit JVM の使用

BEA JRockit JVM は BEA WebLogic Server での使用が保証されています。この節の内容は以下のとおりです。

動作確認されたバージョン

WebLogic Server と BEA JRockit の動作確認済みでサポートされるプラットフォームの組み合わせについては、以下の Web サイトを参照してください。

http://www.beasys.co.jp/products/weblogic/server/index.html

または

http://www.beasys.co.jp/products/weblogic/jrockit/index.html 

実行中の JVM が BEA JRockit かどうかの確認

BEA JRockit は WebLogic Server に付属しているデフォルトのプロダクション JVM ですが、開発用 VM として、Sun Microsystems の HotSpot JVM などの他の VM を使用できます。WebLogic Server インスタンスと共に動作しているのが BEA JRockit JVM であることを確認するには、コマンドラインで次のように入力します。

java -version

BEA JRockit が動作している場合、次のように表示されます。

java version "1.4.2_04"
Java(TM) 2 Runtime Environment, Standard Edition (build 1.4.2_04-b05)
BEA JRockit(TM) 1.4.2_04 JVM (build ari-29212-20040415-1348-win-ia32, Native Threads, GC strategy: parallel)

注意 : この例は、ネイティブ スレッド モデル (デフォルト) と世代別コンカレント ガベージ コレクタ (最大ヒープ サイズが 128MB 以上の場合のデフォルト) を使用していることを前提としています。

ノード マネージャからの JRockit の起動

WLS ノード マネージャから BEA JRockit JVM を起動する場合、[リモート スタート] ページの [Java ホーム] フィールドに、絶対パスを入力する必要があります。次に例を示します。

¥bea¥jrockit81_141¥bin¥java 

ノード マネージャからの管理サーバの有効化

次の操作を行うと、WLS ノード マネージャから管理サーバを有効にできます。

  1. コマンドまたはスクリプトを使用したノード マネージャの起動」の説明のとおりにノード マネージャを起動します。[リモート スタート] ページに移動します。
  2. [Java ホーム] フィールドで、BEA JRockit JVM の最上位ディレクトリの絶対パス名が指定されていることを確認します。
  3. [引数] に -Xmanagement と入力します。

ノード マネージャの使用の詳細については、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「ノード マネージャの概要」を参照してください。

ノード マネージャを使用したオプションの設定

ノード マネージャでサーバまたはサーバのクラスタを起動して、ノード マネージャの [リモート スタート] ページにある [Java ホーム] フィールドで BEA JRockit JVM の絶対パス名を指定した場合は、このページからオプションを設定することもできます。[引数] フィールドにオプションと引数を入力するだけです。

ノード マネージャの使用の詳細については、『WebLogic Server のコンフィグレーションと管理』の「ノード マネージャの概要」を参照してください。

WebLogic Server 用の BEA JRockit のチューニング

デフォルトでは、パラレル ガベージ コレクタ方式が使用されます (明示的に設定するには -Xgc:parallel を指定します)。BEA JRockit のパフォーマンスを向上させるには、以下のいずれかの方法を試してください。ただし、すべてのアプリケーションはそれぞれ異なるため、パフォーマンスを高める上でどの設定が最も有効かはアプリケーションごとに個別に検証する必要があります。

注意 : パラレル ガベージ コレクタは一世代の方式であるため、-Xns の設定は処理に影響を与えません (「ナーサリのサイズの設定」を参照)。

BEA JRockit のチューニングの詳細については、『BEA JRockit JVM チューニング ガイド』を参照してください。

WebLogic Server からの BEA JRockit JVM のモニタ

BEA JRockit JVM で WebLogic Server を実行する場合、WebLogic Server Administration Console を使用して、VM と、VM をホストするコンピュータ上のメモリやプロセッサに関する実行時データを表示できます。

BEA JRockit JVM をモニタするには、次の手順に従います。

  1. VM として BEA JRockit JVM を 使用し、WebLogic Server を起動します。
  2. Administration Console の左ペインで [サーバ] フォルダを展開します。
  3. BEA JRockit JVM を使用しているサーバをクリックします。
  4. 右ペインで、[モニタ] タブをクリックします。次に [JRockit] タブを選択します。
  5. [JRockit] タブにモニタ情報が表示されます。

    表 7-1 WebLogic Server Administration Console でモニタされる BEA JRockit の属性

    属性

    説明

    [Total Nursery Size]

    現在ナーサリに割り当てられているメモリの容量 (バイト単位) を示します。ナーサリは、オブジェクトが最初に割り当てられる Java ヒープの領域です。ヒープ全体をガベージ コレクションする代わりに、世代別コレクタはナーサリを中心に扱います。ほとんどのオブジェクトは若い世代で期限切れになるため、通常はヒープ全体ではなくナーサリをガベージ コレクションするだけで十分です。世代別ガベージ コレクタを使用しない場合、ナーサリ サイズは 0 になります。

    [Max Heap Size]

    VM が Java ヒープに割り当てられるメモリの最大容量 (バイト単位) を示します。通常、この数値は VM の起動時に -Xmx オプションで設定します。

    [Gc Algorithm]

    BEA JRockit JVM が使用するガベージ コレクタのタイプを示します。

    [Total Garbage Collection Count]

    VM が起動してから発生したガベージ コレクションの実行回数を示します。

    [GCHandles Compaction]

    VM のガベージ コレクタが Java ヒープを圧縮するかどうかを示します。通常、ヒープは利用可能なメモリ全体に拡散しています。ヒープを圧縮するガベージ コレクタは、メモリ領域をデフラグすると共に、未使用のオブジェクトを削除します。

    値 :

    • true

    • false

    [Concurrent]

    JRockit のガベージ コレクタを、他の Java スレッドと同時に、別個の Java スレッドで実行するかどうかを示します。

    値 :

    • true

    • false

    [Generational]

    JRockit のガベージ コレクタがナーサリ領域を使用するかどうかを示します。ヒープ全体をガベージ コレクションする代わりに、世代別コレクタはナーサリを中心に扱います。ほとんどのオブジェクトは若い世代で期限切れになるため、通常はヒープ全体ではなくナーサリをガベージ コレクションするだけで十分です。

    値 :

    • true

    • false

    [Incremental]

    JRockit のガベージ コレクタが、毎回のコレクション時にヒープの一部のみ収集する (増分) か、ヒープ全体を収集する (非増分) かを示します。

    値 :

    • true

    • false

    [Parallel]

    JRockit のガベージ コレクタが、複数のプロセッサが利用可能な場合に、その複数のプロセッサ上で並行して実行可能であるかどうかを示します。

    値 :

    • true

    • false

    [Number Of Processors]

    JRockit のホスト コンピュータに搭載されているプロセッサの数を示します。対称型マルチ プロセッサ (SMP) でない場合、この値は 1 となります。

    [Total Number Of Threads]

    JRockit で全プロセッサにわたって現在実行中の Java スレッド (デーモンおよび非デーモン) の数を示します。

    [Number Of Daemon Threads]

    JRockit で全プロセッサにわたって現在実行中のデーモン Java スレッドの数を示します。

特定のメソッドにかかる時間の長さなど、BEA JRockit に関するその他のデータを表示するには、「BEA JRockit Management Console の使い方」で説明するように、BEA JRockit Management Console を使用します。

WebLogic Server での BEA JRockit JVM への切り替え

WebLogic Server で BEA JRockit JVM に切り替える場合、VM と起動設定に対する変更は、WLS コンフィグレーション ウィザードで行う必要があります。また、切り替えのために、インストール全体に関わるスクリプトを更新する必要がある場合は、その更新も WLS コンフィグレーション ウィザードで行います。

BEA JRockit JVM へ切り替える場合は、以下のような情報を変更する必要があります。

現在実行しているすべてのサーバを再起動する必要があります。

他の JVM から BEA JRockit JVM への切り替えの詳細については、「BEA JRockit への移行」を参照してください。BEA JRockit に切り替える際のコンフィグレーション ウィザードの使い方については、「サーバを実行する JVM の変更」を参照してください。

WebLogic Server をサービスとして実行している場合の VM の切り替え

WebLogic Server をサービスとして実行している場合に仮想マシンを切り替えるには、次の手順に従います。

  1. サービスを停止します。
  2. regedit を起動して、以下のサービスに対応するサービス キーを見つけます。
(HKEY_LOCAL_MACHINE/SYSTEM/ControlSet001/Services/{ServiceName})
  1. Parameters フォルダで、JavaHome キーの値をデフォルトの VM から BEA JRockit SDK ディレクトリに変更します。
  2. ここで、CmdLine キーの値を編集して、VM に渡される引数を変更することもできます。
  3. サーバを再起動します。

  4.  

 


BEA WebLogic Workshop 用の JRockit のコンフィグレーション

BEA WebLogic Workshop で JRockit を実行する場合は、「WebLogic Server 用の BEA JRockit のチューニング」で WebLogic Server 用に指定したものと同じコンフィグレーション パラメータを使用することをお勧めします。

 

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