Oracle JRockit Mission Control の概要

     前  次    目次     
コンテンツの開始位置

Eclipse IDE との統合

ツールセットは、スタンドアロンの Rich Client Platform (RCP) バージョンの Oracle JRockit Mission Control 3.1.0 に加えて、Eclipse IDE (Eclipse 3.3 またはそれ以降) のプラグインとしても使用できます。JRockit Mission Control のこのバージョンでは、Eclipse 開発プラットフォームと JRockit Mission Control のアプリケーションのプロファイリングとモニタリングのツールセットのシームレス統合が用意されています。JRockit Mission Control Client を Eclipse と統合することにより、Eclipse の機能を JRockit Mission Control の強力なツールセットと組み合わせることができます。

このドキュメントでは、この統合について説明し、JRockit Mission Control Client を Eclipse と統合することによって有効になる特別な機能の使用手順を示します。以下のトピックがあります。

 


統合の利点

JRockit Mission Control Client は Eclipse IDE 内で実行する場合、ツールセットにある IDE 機能にアクセスできます。これらの機能は、スタンドアロン Rich Client Platform (RCP) アプリケーションで実行する場合利用不可です。これらの機能のうち最も重要な機能は、実行中のアプリケーションを開いて Mission Control から特定のコードを直接確認できることです。この機能は「ソースへ移動」と呼ばれます。

JRockit Mission Control Client と Eclipse IDE との統合によるもう 1 つの明白な利点は、プロダクション フェーズの場合と同じように、開発フェーズにおいてもアプリケーションのプロファイルとモニタが可能になることです。これにより、プロダクション環境にアプリケーションを実際にデプロイする前に実行時の潜在的な問題を見つけることが可能になります。たとえば、開発中のアプリケーションをモニタすることでメモリ リークを見つけることがあります。開発中にメモリ リークを発見できることにより、アプリケーションをプロダクション環境に移行する前にこれを修正できます。

 


Eclipse バージョンと RCP バージョン間の違い

一般に、Eclipse バージョンの JRockit Mission Control Client は、RCP バージョンと同じ様に動作します。Eclipse バージョンの任意のコンポーネントは、RCP バージョンと一緒に提供された比較可能なコンポーネントと同じ様な機能とユーザ インタフェースが用意されます。

Eclipse バージョンの JRockit Mission Control Client と RCP バージョンの間の最も大きいな違いは、「アプリケーション ソースへのジャンプ」に説明したソースへ移動機能です。この機能を使用して、JRockit Mission Control Client で表示される「Problem」クラス名またはメソッド名だけではなく、表示された名前からそのクラスまたはメソッドのソースに直接ジャンプすることができます。ここで、コードを評価して、問題の原因を検討することができます。ソースへ移動機能は、Management Console、JRockit Runtime Analyzer、および Memory Leak Detector で有効です。

 


JVM として JRockit JVM の使用

JRockit Mission Control は多くの種類の Java Virtual Machine で動作しますが、Eclipse プラットフォーム上で Mission Control を実行する場合、JVM として Oracle JRockit JVM を使用することを強くお勧めします。この JVM を使用すると、JRockit JVM の優れたパフォーマンスを堪能できるばかりではなく、Mission Control の自動検出機能が有効になるので、ローカルで実行しているアプリケーションに Mission Control を容易に接続することができます。

Eclipse (JRockit Mission Control Client) を JRockit JVM に実行するには
  1. ファイル システムのブラウザ (たとえば Windows エクスプローラ) を起動します。
  2. Eclipse のインストール フォルダ (たとえば、C:\Program Files\Eclipse) に移動し、メモ帳以外のファイル エディタでファイル eclipse.ini を開きます。このファイルの内容は、コード リスト 4-1 に示した例のようになっています。
  3. コード リスト 4-1 eclipse.ini の例
    -showsplash
    org.eclipse.platform
    --launcher.XXMaxPermSize
    256M
    -vmargs
    -Dosgi.requiredJavaVersion=1.5
    -Xms40m
    -Xmx512m
  4. eclipse.ini に対して次の変更を行います。
    • 非 Oracle JRockit JVM (たとえば、--launcher.XXMaxPermSize 256M) に関係するすべてのフラグを削除します。
    • 3 行目 (org.eclipse.platform の後) に以下を追加します。
    • -vm
      <JRockit JVMjavaw ファイルへの絶対パス>

      JRockit の javaw ファイルへの絶対パスは Windows の場合は次のようになります。

      C:\Program Files\Java\jrockit-R27.4.0-jdk1.6.0_02\bin\javaw.exe

      Linux や Solaris の場合は次のようになります。

      $HOME/jrockit-R27.4.0-jdk1.6.0_02/bin/javaw

    • 個別の JRockit JVM の実装と、この実装上で実行されるアプリケーションに応じて、任意の有効な JRockit JVM のコマンドライン オプションを設定できます。たとえば、-XgcPrio: オプションを使用してシステムの優先順位に一致するガベージ コレクタを設定したり、または -Xms-Xmx の値を変更することで、ヒープ サイズの初期値と最大値を増加 (または減少) するような場合があります。
    • JVM のチューニングの詳細については、Oracle JRockit JVM の『診断ガイド』にある「プロファイリングおよびパフォーマンス チューニング」を参照してください。

      使用できるコマンドライン オプションの詳細については、Oracle JRockit JVM の『コマンドライン リファレンス』を参照してください。

  5. eclipse.ini に対して必要な変更が終了したら、ファイルを保存して閉じます。コード リスト 4-2 に、JVM として Oracle JRockit JVM を指定するために更新された eclipse.ini ファイルの例を示します。
  6. コード リスト 4-2 Windows の実装用に更新された eclipse.ini ファイル
    -showsplash
    org.eclipse.platform
    -vm
    C:\Program Files\Java\jrockit-R27.4.0-jdk1.6.0_02\bin\javaw.exe
    -vmargs
    -Dosgi.requiredJavaVersion=1.5
    -Xms256m
    -Xmx512m
    -XgcPrio:pausetime

 


パースペクティブの選択

「パースペクティブ」とは、Eclipse ウィンドウ内の一連のビューとこれに関係する位置を定義するものです。言い換えると、パースペクティブは、Eclipse で異なる種類の情報をグラフィカルに表示するときのテンプレートです。たとえば、Java パースペクティブは、Java のソース ファイルを編集するときに通常使用されるビューの組み合わせであり、デバッグ パースペクティブには、Java プログラムをデバッグするときに使用されるビューが含まれます。

Eclipse 用 JRockit Mission Control には、JRockit Mission Control と呼ばれる、あらかじめ定義されたパースペクティブが付属します。このパースペクティブには JRockit Mission Control Client インタフェースが表示されるので、Eclipse でアプリケーションの開発中にアプリケーションのプロファイルを行うために JRockit Mission Control を構成するツールを使用できます。

このトピックでは、次の手順について説明します。

Mission Control パースペクティブを開くには
  1. Eclipse ウィンドウの右上隅にある [Open Perspective] アイコン (図 4-1) をクリックします。
  2. 図 4-1 [Open Perspective] アイコン


    [Open Perspective] アイコン

    [Open Perspective] コンテキスト メニュー (図 4-2) が表示されます。

    図 4-2 [Open Perspective] コンテキスト メニュー


    [Open Perspective] コンテキスト メニュー

  3. [Other...] を選択します。
  4. [Open Perspective] ダイアログ ボックス (図 4-3) が表示されます。

    図 4-3 [Open Perspective] ダイアログ ボックス


    [Open Perspective] ダイアログ ボックス

  5. [Mission Control] を選択し、[OK] をクリックします。
  6. Mission Control 標準パースペクティブ (図 4-4) を表示するように Eclipse ウィンドウが再構成されます。

    図 4-4 Mission Control 標準パースペクティブ


    Mission Control 標準パースペクティブ

Mission Control からパースペクティブを変更するには

Mission Control から他のパースペクティブにパースペクティブを変更するには、表 4-1 で説明する方法のいずれかを使用します。

表 4-1 パースペクティブの変更
状態
手順
パースペクティブをまだ 1 度も開いていない場合
  1. [Open Perspective] アイコンをクリックします。
  2. 次のいずれかを行います。
    • 開くパースペクティブを選択します。
    • コンテキスト メニューにパースペクティブ名が表示されない場合は、[Other...] を選択して [Open Perspective] ダイアログ ボックスを開き、こここからパースペクティブを選択します。
以前にパースペクティブを開いたことがある場合
以前に開いたことのあるパースペクティブの場合は、パースペクティブのボタンが標準 Mission Control パースペクティブの右上隅にある [Open Perspective] アイコンの近くに表示されます。このボタンをクリックするだけで、目的のパースペクティブが開かれます。

Mission Control 標準パースペクティブを再び開くには

このプロジェクトの Mission Control 標準パースペクティブを開いたことがある場合、Eclipse ウィンドウの右上隅にある [Open Perspective] ボタンの横に [Mission Control] ボタンが表示されます (図 4-5)。

図 4-5 [Open Standard Mission Control Perspective] ボタン

[Open Standard Mission Control Perspective] ボタン

このボタンをクリックするだけで、パースペクティブが開きます。

 


アプリケーション ソースへのジャンプ

Eclipse IDE で Rockit Mission Control を実行する場合、メソッドまたはクラスを選択して JRockit Mission Control Client からそのメソッドまたはクラスが宣言されているソースコードに直接ジャンプすることができます。つまり、ソース ファイルを表示するエディタが起動されます。このソースへの移動機能は、JRA、Console、Management Console、および Memory Leak Detector で使用できます。

このトピックでは、以下について説明します。

ソースへ移動機能の使用

JRockit Mission Control Client からソース コードにジャンプするには
注意 : 次に示すのは、一般的な手順です。この機能が有効なプラグインの一覧については、「ソースへ移動機能が有効である JRockit Mission Control プラグイン」を参照してください。
  1. テーブル、ツリー、またはクラスやメソッドを一覧表示しているその他の GUI コンポーネントで、ソース コードを表示するクラスまたはメソッドを右クリックします。
  2. コンテキスト メニュー (図 4-6) が表示されます。

    図 4-6 コンテキスト メニューの [Jump to Source] コマンド


    コンテキスト メニューの [Jump to Source] コマンド

  3. [メソッドを開く] (クラスの呼び出へジャンプする場合は [タイプを開く]) を選択します。
  4. 関連付けられたソース コードが新しいエディタで開きます。

ソースへ移動機能が有効である JRockit Mission Control プラグイン

注意 : この機能は Eclipse IDE に統合されたバージョンの JRockit Mission Control Client でのみ動作します。

表 4-2 にソースへの移動機能が有効な Oracle JRockit Mission Control プラグインを示します。

表 4-2 ソースへの移動機能が有効なプラグイン
プラグイン
コンポーネント
Management Console
  • [スレッド] タブ
    • 選択したスレッドのスタック トレース
  • 例外カウンタ
    • プロファイリング情報テーブル
JRA
  • [メソッド] タブ
    • テーブルと 2 つのツリー
  • [GC] タブ
    • ガベージ コレクションの GC メソッド呼び出しツリー
  • [GC 全般] タブ
    • ガベージ コレクション呼び出しツリー
  • [オブジェクト] タブ
    • [記録の開始] と [記録終了] の両方
  • 最適化
    • テーブル内
  • ロック
    • Java ロック
  • レイテンシ ログ
    • イベントの詳細
    • イベントのプロパティ
    • スタック トレース
  • レイテンシ ログ
    • イベント プロパティのヒストグラム
  • レイテンシ トレース
    • トレース ツリー
Memory Leak Detector
  • 傾向テーブル
  • アプリケーション スタック トレース


  ページの先頭       前  次