Oracle JRockit Mission Control の概要

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JRockit Mission Control Client 3.1.0 の概要

Oracle JRockit Mission Control 3.1.0 ツール スイートには、Java アプリケーションのモニタ、管理、プロファイリング、メモリ リークの解消などを行うツールが含まれています。この種のツールにつきもののパフォーマンスのオーバーヘッドは発生しません。

この節の内容は以下のとおりです。

 


JRockit Mission Control 3.1.0 の新機能

JRockit Mission Control 3.1.0 には、より多くの情報をより透過的に提供し、ユーザ操作全体を強化する多数の新機能が含まれています。 これらの機能の詳細については、以下の「JRockit Mission Control の新機能および改善事項」を参照してください。


http://download.oracle.com/docs/cd/E13150_01/jrockit_jvm/jrockit/tools/relnotestools/relnotestools3.html#wp1091816

 


JRockit Mission Control 3.1.0 のアーキテクチャの概要

Rich Client Platform (RCP) ベースの新しい JRockit Mission Control を使用すると、Memory Leak Detector、JRockit Runtime Analyzer、JRockit Management Console を BEA JRockit Mission Control 内から起動することができます。図 5-1 に、すべてのツールをロードした場合の JRockit Mission Control の外観を示します。

図 5-1 JRockit Mission Control 3.1.0 のアーキテクチャの概要

JRockit Mission Control 3.1.0 のアーキテクチャの概要

JRockit Mission Control Client から JRA 記録を開始すると、指定した期間にわたって JRockit JVM プロセスの状態が記録され、記録データの入った XML ファイル (さらに、必要に応じて、レイテンシ データの入ったバイナリ ファイルとそれに対応するデータ プロデューサ仕様ファイル) を含んだ ZIP ファイルが作成されます。ZIP ファイルは、JDK レベル 1.5 以上で有効とされる (図 5-1 の「5」) 記録の終了後自動的に JRockit Runtime Analyzer ツールで開かれます。JRA の記録で記録される一般的な情報として、Java ヒープの分散状況、ガベージ コレクション、メソッドのサンプル、およびロック プロファイリングの情報があります (省略可能)。Oracle JRockit Mission Control 3.1.0 リリースの新しい機能として、スレッドのレイテンシ データを記録できることです。JRA ツールでレイテンシ データを表示するときに、レイテンシ イベントの詳細を表示できるようになりました (図 5-1 の「2」)。

アプリケーションや Oracle JRockit JVM のリアルタイムの動作を確認するために、JRockit JVM のインスタンスに接続して、JRockit Management Console からリアルタイムの情報を表示できます (図 5-1 の「4」)。表示できる一般的な情報としては、スレッドの使用状況、CPU の使用状況、メモリの使用状況があります。すべてのグラフはコンフィグレーション可能であり、独自の属性を追加したり、それぞれのラベルを再定義したりできます。Management Console では、たとえば、CPU の使用率がサイズの 90% に達した場合にメールを送信するなど、特定のイベントをトリガするルールを作成することもできます。

JMX エージェントを介して、プラットフォーム MBean サーバにデプロイされたすべての MBean にアクセスできます。これらの MBean からは、ガベージ コレクションによる休止時間などの属性情報を読み込むことができます。

Java アプリケーションのメモリ リークを見つけるには、実行中の JRockit JVM プロセスに JRockit Memory Leak Detector を接続します。Memory Leak Detector は JMX (RMP) エージェントに接続し、JMX エージェントが Memory Leak サーバの起動を指示します。それ以降の通信はすべてこのサーバとの間で行われます。

 


JRockit Mission Control の起動

JRockit Mission Control Client の実行可能ファイルは JROCKIT_HOME/bin にあります。このディレクトリがシステム パス上にある場合は、コマンド (シェル) プロンプトで jrmc と入力するだけで JRockit Mission Control Client を起動できます。
それ以外の場合は、次のように実行可能ファイルの絶対パスを入力する必要があります。

JROCKIT_HOME\bin\jrmc.exe (Windows)
JROCKIT_HOME/bin/jrmc (Linux)

Windows では、[スタート] メニューから JRockit Mission Control を起動できます。

 


JRockit ブラウザ

JRockit ブラウザ (図 5-2 を参照) は JRockit Mission Control 2.0 リリースで新たに追加されたものです。このツールを使用すると、システム上で実行している JRockit JVM のすべてのインスタンスを設定および管理することができます。JRA 記録の開始、Management Console への接続、メモリ リーク検出の開始など、JRockit ブラウザからさまざまなツールをアクティブにします。各 JRockit JVM インスタンスは「コネクタ」と呼ばれます。

図 5-2 JRockit ブラウザ

JRockit ブラウザ

 


JRockit Management Console

JRockit Management Console (図 5-3 を参照) を使用すると、JRockit JVM インスタンスをモニタすることができます。複数の Management Console を同時に並べて実行できます。ツールでは、メモリや CPU 使用率など、実行時の指標についての実データが収集および表示されます。Oracle JRockit JDK 5.0 に接続した Management Console には、JRockit JVM の内部 MBean サーバにデプロイされた JMX MBean に含まれる情報も表示されます。Oracle JRockit JDK 1.4 に接続されるコンソールの場合、JMX プロキシによる RMP 機能が表示されます。JVM の管理には、CPU アフィニティ、ガベージ コレクション方式、メモリ プールのサイズなどに対する動的な制御が含まれます。

図 5-3 JRockit Management Console

JRockit Management Console

 


JRockit Runtime Analyzer (JRA)

JRockit Runtime Analyzer (図 5-4) は、オンデマンドの「フライト レコーダー」として、JVM および JVM が実行しているアプリケーションに関する詳細な記録を生成します。記録されたプロファイルは、後から JRA を使ってオフラインで分析することができます。記録されるデータには、メソッドとロックのプロファイリングのほかに、ガベージ コレクションの統計、最適化の判断、イベントのレイテンシなどがあります。

図 5-4 JRockit Runtime Analyzer

JRockit Runtime Analyzer

 


JRockit Memory Leak Detector

注意 : Memory Leak Detector は暗号化されないため、公共のネットワークでは絶対に使用しないでください。将来の改訂版で暗号化プロトコルが利用できるようになります。

JRockit Memory Leak Detector (図 5-5 を参照) は、Java アプリケーションのメモリ リークを検出し、その原因を突き止めるためのツールです。JRockit Memory Leak Detector の傾向分析により、進行の遅いリークを発見します。Memory Leak Detector には詳細なヒープの統計 (リークしているオブジェクトを指し示すタイプとインスタンスを含む)、割り当てられている場所が表示され、メモリ リークの原因をすばやく絞り込むことができます。Memory Leak Detector では高度なグラフィカル表示手法が使われているため、時として複雑な情報をより簡単に操作し、把握することができます。

図 5-5 JRockit Memory Leak Detector

JRockit Memory Leak Detector


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