Oracle JRockit Mission Control の概要

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JRockit Mission Control 2.0 の概要

Oracle JRockit Mission Control 2.0 ツール スイートには、Java アプリケーションのモニタ、管理、プロファイリング、メモリ リークの解消などを行うツールが含まれています。この種のツールにつきもののパフォーマンスのオーバーヘッドは発生しません。

この節の内容は以下のとおりです。

 


JRockit Mission Control 2.0 のアーキテクチャの概要

Rich Client Platform (RCP) ベースの新しい JRockit Mission Control を使用すると、Memory Leak Detector、JRockit Runtime Analyzer、JRockit Management Console を JRockit Mission Control 内から起動することができます (図 6-1 を参照)。

図 6-1 JRockit Mission Control 2.0 のアーキテクチャの概要

JRockit Mission Control 2.0 のアーキテクチャの概要

JMX エージェントを介して、プラットフォーム MBean サーバにデプロイされたすべての MBean にアクセスできます。これらの MBean からは、ガベージ コレクションによる休止時間などの属性情報を読み込むことができます。

JRockit Mission Control 内から JRA の記録を開始すると、指定した時間にわたって JRockit JVM プロセスの状態が記録され、XML ファイルが作成されます。このファイルは JRockit Runtime Analyzer で自動的に開きます。JRA の記録で記録される一般的な情報として、Java ヒープの分散状況、ガベージ コレクション、メソッドの最適化、およびメソッド プロファイリングの情報があります。

Java アプリケーションのメモリ リークを見つけるには、JRockit JVM の実行中のプロセスに JRockit Memory Leak Detector を接続します。Memory Leak Detector は JMX (RMP) エージェントに接続し、JMX エージェントが Memory Leak サーバの起動を指示します。それ以降の通信はすべてこのサーバとの間で行われます。

 


JRockit Mission Control の起動

JRockit Mission Control の実行可能ファイルは JROCKIT_HOME/bin にあります。このディレクトリがシステム パス上にある場合は、コマンド (シェル) プロンプトで jrmc と入力するだけで JRockit Mission Control を起動できます。
それ以外の場合は、次のように実行可能ファイルの絶対パスを入力する必要があります。

JROCKIT_HOME/bin/jrmc.exe (Windows)
JROCKIT_HOME\bin\jrmc (Linux)

Windows では、[スタート] メニューから JRockit Mission Control を起動できます。

 


JRockit ブラウザ

JRockit ブラウザ (図 6-2 を参照) は JRockit Mission Control 2.0 リリースで新しく追加されました。このツールを使用すると、システム上で実行している JRockit JVM のすべてのインスタンスを設定および管理することができます。JRockit ブラウザを使用して、記録のアクティブ化、さまざまな JRockit JVM インスタンスをモニタするツリー ビューの設定、その他の JRockit Mission Control ツールの起動などを行うことができます。各 JRockit JVM インスタンスは「コネクタ」と呼ばれます。

図 6-2 JRockit ブラウザ

JRockit ブラウザ

 


JRockit Management Console

JRockit Management Console (図 6-3 を参照) を使用して、JRockit JVM インスタンスをモニタすることができます。複数の Management Console を同時に並べて実行できます。ツールでは、メモリや CPU 使用率など、実行時の指標についての実データが収集および表示されます。Oracle JRockit JDK 5.0 に接続した Management Console には、JRockit JVM の内部 MBean サーバにデプロイされた JMX MBean に含まれる情報も表示されます。Oracle JRockit JDK 1.4 に接続されるコンソールの場合、JMX プロキシによる RMP 機能が表示されます。JVM の管理には、CPU アフィニティ、ガベージ コレクション方式、メモリ プールのサイズなどに対する動的な制御が含まれます。

図 6-3 JRockit Management Console

JRockit Management Console

 


JRockit Runtime Analyzer (JRA)

JRockit Runtime Analyzer (図 6-4) は、オンデマンドの「フライト レコーダー」として、JVM および JVM が実行しているアプリケーションに関する詳細な記録を生成します。記録されたプロファイルは、後から JRA ツールを使ってオフラインで分析することができます。記録されるデータには、メソッドとロックのプロファイリングのほかに、ガベージ コレクションの統計、最適化の判断、オブジェクトの統計などがあります。

図 6-4 JRockit Runtime Analyzer

JRockit Runtime Analyzer

 


JRockit Memory Leak Detector

JRockit Memory Leak Detector (図 6-5 を参照) は、Java アプリケーションのメモリ リークを検出し、その原因を突き止めるためのツールです。JRockit Memory Leak Detector の傾向分析により、進行の遅いリークを発見します。Memory Leak Detector には詳細なヒープの統計 (リークしているオブジェクトを指し示すタイプとインスタンスを含む)、割り当てられている場所が表示され、メモリ リークの原因をすばやく絞り込むことができます。Memory Leak Detector では高度なグラフィカル表示手法が使われているため、時として複雑な情報をより簡単に操作し、把握することができます。

図 6-5 JRockit Memory Leak Detector

JRockit Memory Leak Detector


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