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Oracle Database プラットフォーム・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(64-bit)on Intel Itanium

B25021-03
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5 Windowsでのデータベースの管理

この章では、Oracle Database for Windowsを管理する方法について説明します。

この章の項目は次のとおりです。

Oracle Databaseサービスの管理

この項では、Oracle Databaseによりコンピュータにインストールされるサービスの管理方法を説明します。

この項では、次の内容について説明します。

複数のOracleホームに対するOracle Databaseサービスのネーミング規則

Oracle Database for Windowsでは、1台のコンピュータで複数のOracleホームを使用できます。この機能は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドの付録「Optimal Flexible Architecture」で説明されていますが、Oracleサービスのネーミング規則に影響します。Oracleホーム・ディレクトリへのインストールを実行する場合は、次の処理が必要です。

Oracle Databaseサービスの開始

Oracle Databaseとその製品を使用するには、Oracle Databaseサービスが開始されている必要があります。Oracle Databaseサービスは、3つの異なる場所から開始できます。

コントロール パネル

コントロール パネルからOracle Databaseサービスを開始するには、次のようにします。

  1. Windowsの「サービス」ダイアログにアクセスします。

    関連資料

    詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照 

  2. 開始するサービスをリスト内で探して選択し、「開始」をクリックします。

    リストにOracleServiceSIDがない場合は、ORADIMを使用して作成します。

  3. 「閉じる」をクリックして「サービス」ダイアログを終了します。

コマンド・プロンプト

コマンド・プロンプトからOracle Databaseサービスを開始するには、次のように入力します。

C:¥> NET START service

serviceは、OracleServiceORCLなどの特定のサービス名です。

Oracle Administration Assistant for Windows

Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを開始するには、次のようにします。

  1. 「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Configuration and Migration Tools」「Administration Assistant for Windows」を選択します。

  2. SIDを右クリックします。

    SIDは、orclなどの特定のインスタンス名です。

  3. 「サービスの起動」をクリックします。

    これにより、サービスOracleServiceORCLが開始されます。

Oracle Databaseサービスの停止

場合によっては(たとえば、Oracle Databaseを再インストールする場合)、Oracle Databaseサービスを停止する必要があります。Oracle Databaseサービスは、3つの異なる場所から停止できます。

コントロール パネル

コントロール パネルからOracle Databaseサービスを停止するには、次のようにします。

  1. Windowsの「サービス」ダイアログにアクセスします。

    関連資料

    詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照 

  2. OracleHOME_NAMETNSListenerを選択し、「停止」をクリックします。

    OracleHOME_NAMETNSListenerが停止します。

  3. OracleServiceSIDを選択して「停止」をクリックします。

  4. 「OK」をクリックします。

    OracleServiceSIDが停止します。

コマンド・プロンプト

コマンド・プロンプトからOracle Databaseサービスを停止するには、次のように入力します。

C:¥> net STOP service

serviceは、OracleServiceORCLなどの特定のサービス名です。

Oracle Administration Assistant for Windows

Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを停止するには、次のようにします。

  1. 「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Configuration and Migration Tools」「Administration Assistant for Windows」を選択します。

  2. SIDを右クリックします。

    SIDは、orclなどの特定のインスタンス名です。

  3. 「サービスの停止」をクリックします。

    これにより、サービスOracleServiceORCLが停止します。

Oracle Databaseサービスの自動開始

Oracle Databaseサービスは、Windowsコンピュータが再起動されるたびに自動的に開始されるよう設定できます。自動開始は、2つの異なる場所からオンまたはオフに設定できます。

コントロール パネル

コントロール パネルを使用して、いつどのようにOracle Databaseを起動するかを設定するには、次のようにします。

  1. Windowsの「サービス」ダイアログにアクセスします。

    関連資料

    詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照 

  2. OracleServiceSIDサービスを選択し、「開始」をクリックします。

  3. 「スタートアップの種類」フィールドで「自動」を選択します。

  4. 「OK」をクリックします。

  5. 「閉じる」をクリックして「サービス」ダイアログを終了します。

Oracle Administration Assistant for Windows

Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを自動的に開始するには、次のようにします。

  1. 「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Configuration and Migration Tools」「Administration Assistant for Windows」を選択します。

  2. SIDを右クリックします。

    SIDは、orclなどの特定のインスタンス名です。

  3. 「起動/停止オプション」を選択します。

  4. 「Oracle NTサービス」タブを選択します。

  5. 「Oracle NTサービス起動タイプ」「自動」を選択します。

  6. 「適用」をクリックします。

  7. 「OK」をクリックします。


    画像の説明

SQL*Plusを使用したデータベースの起動および停止

次の説明では、データベース・インスタンスが作成されていることを想定しています。


注意

この章のディレクトリ・パスの例は、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに準拠しています。インストール時にOFAに準拠していないディレクトリを指定した場合、ディレクトリ・パスは異なったものになります。詳細は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドの付録「Optimal Flexible Architecture」を参照してください。 


Oracle Databaseを起動または停止するには、次のようにします。

  1. Oracle Databaseサーバーに移動します。

  2. コマンド・プロンプトからSQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  3. Oracle Databaseにユーザー名SYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA 
    
    
  4. データベースを起動するには、次のように入力します。

    SQL> STARTUP [PFILE=path¥filename]
    
    

    このコマンドでは、path¥filenameで指定した初期化パラメータ・ファイルが使用されます。次の場所にあるinit2.oraという名前のファイルを使用してデータベースを起動するとします。

    C:oracle¥product¥10.2.0¥admin¥orcl¥pfile
    
    

    この場合、次のように入力します。

    SQL> STARTUP PFILE=C:oracle¥product¥10.2.0¥admin¥orcl¥pfile¥init2.ora
    
    

    PFILEが指定されていない場合、コマンドでは、ORACLE_HOME¥databaseにあるSPFILEが検索されます。このファイルが見つかった場合は、データベースの起動にこのファイルが使用されます。SPFILEが見つからない場合は、ORACLE_BASE¥ADMIN¥db_name¥pfileにあるデフォルトの初期化パラメータ・ファイルが使用されます。

  5. データベースを停止するには、次のように入力します。

    SQL> SHUTDOWN [mode]
    
    

    modeは、normalimmediateまたはabortです。

    normalの停止では、Oracle Databaseは停止する前に、現在接続しているすべてのユーザーが切断するまで待機し、新しい接続を禁止します。これがデフォルト・モードです。

    immediateの停止では、Oracle Databaseは、アクティブ・トランザクションを終了してロールバックし、クライアントを切断して、停止します。

    abortの停止では、Oracle Databaseは、アクティブ・トランザクションを終了してユーザーを切断します。トランザクションのロールバックは行いません。データベースは、次に起動したときに自動リカバリおよびロールバックを実行します。このモードは緊急な場合にのみ使用してください。

    関連資料

    Oracle Databaseを起動できるその他のツールのリストは第2章「Windowsでのデータベース・ツール」、データベースの起動時に指定できるオプションの詳細はこのマニュアルを参照 

サービスを使用したデータベースの起動および停止

Oracle Databaseは、コントロール パネルからサービスOracleServiceSIDを開始または停止することにより、起動または停止できます。OracleServiceSIDを開始するには、STARTUPコマンドを使用するか、次のコマンドを手動で入力します。

C:¥> oradim -STARTUP -SID SID [-STARTTYPE srvc | inst | srvc,inst] [-PFILE 
filename | -SPFILE]

OracleServiceSIDを停止するには、SHUTDOWNコマンドを使用するか、次のコマンドを手動で入力します。

C:¥> oradim -SHUTDOWN -SID SID [-SHUTTYPE srvc | inst | srvc,inst] [-SHUTMODE 
normal | immediate | abort]

Oracle Databaseは、OracleServiceSIDを使用した次の2通りの方法で起動および停止できます。

Oracle Administration Assistant for Windows

Oracle Administration Assistant for WindowsからOracle Databaseサービスを使用してデータベースを起動または停止するには、次のようにします。

  1. 「スタート」「プログラム」「Oracle - HOME_NAME「Configuration and Migration Tools」「Administration Assistant for Windows」を選択します。

  2. SIDを右クリックします。

    SIDは、ORCLなどの特定のインスタンス名です。

  3. 「起動/停止オプション」を選択します。

  4. 「Oracleインスタンス」タブを選択します。

  5. 「サービス開始時にインスタンスを起動」「サービス停止時にインスタンスを停止」またはその両方を選択します。


    画像の説明

レジストリ・パラメータの設定

Oracle Databaseサービスを使用してOracle Databaseを起動または停止するには、次のレジストリ・パラメータを示されている値に設定します。

次の2つのレジストリ・パラメータはオプションです。

これらの必須およびオプションのパラメータのレジストリの場所は、使用しているコンピュータのOracleホーム・ディレクトリ数によって異なります。Oracleホーム・ディレクトリが1つのみの場合、これらのパラメータは次の場所にあります。

HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLE¥HOME0

複数のOracleホーム・ディレクトリがある場合、これらのパラメータは次の場所にあります。

HKEY_LOCAL_MACHINE¥SOFTWARE¥ORACLE¥HOMEID 

IDは、コンピュータにOracleホーム・ディレクトリを追加するたびに数字が大きくなります。


注意

ORADIMを使用してインスタンスを作成または編集する場合は、関連するレジストリ・パラメータが適切な値に自動的に設定されます。 


関連項目

レジストリ・パラメータの追加および編集方法の詳細は、第14章「パラメータおよびレジストリの構成」を参照 

コントロール パネルからのOracleServiceSIDの開始または停止

  1. データベースを起動するには、OracleServiceSIDを開始します。

    これにより、ORADIMが自動的に起動し、ORA_SID_PFILEで指定された初期化パラメータ・ファイルを使用して-STARTUPコマンドが発行されます。

  2. データベースを停止するには、OracleServiceSIDを停止します。

    これによりORADIMが自動的に起動し、ORA_SID_SHUTDOWNTYPEで指定されたモードで-SHUTDOWNコマンドが発行され、Oracle Databaseが停止します。

    関連資料

    サービスの開始と停止の方法は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照 

複数インスタンスの起動

  1. ORADIMまたは「コントロール パネル」の「サービス」ダイアログを使用して、各インスタンスのサービスを開始します。

  2. コマンド・プロンプトで、ORACLE_SID構成パラメータを、最初に実行するインスタンスのSIDに設定します。

    C:¥> SET ORACLE_SID=SID
    
    

    SIDはOracle Databaseインスタンス名です。

  3. SQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  4. SYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  5. 最初のインスタンスを起動します。

    SQL> STARTUP PFILE=ORACLE_BASE¥admin¥db_name¥pfile¥init.ora
    
    

    ORACLE_BASEは、(インストール時に変更しないかぎり)c:¥oracle¥product¥10.2.0です。db_nameはインスタンス名です。

  6. 実行するその他のインスタンスに対して、手順2〜5を繰り返します。

パスワード・ファイルの作成および移入

パスワード・ユーティリティを使用してパスワード・ファイルを作成します。パスワード・ユーティリティは、Oracle Databaseユーティリティとともに自動的にインストールされます。パスワード・ファイルは、ディレクトリORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥DATABASEにあり、PWDsid.ORAという名前が付けられています。SIDはOracle Databaseインスタンスを示します。パスワード・ファイルは、Oracle Databaseへのローカル接続またはリモート接続に使用されます。

パスワード・ファイルを作成および移入するには、次のようにします。

  1. パスワード・ユーティリティを使用してパスワード・ファイルを作成します。

    C:¥> orapwd FILE=PWDsid.ora PASSWORD=password ENTRIES=max_users
    
    

    それぞれの意味は次のとおりです。

    • FILEは、パスワード・ファイル名を指定します。

    • SIDは、データベース・インスタンスを示します。

    • PASSWORDは、アカウントSYSのパスワードを設定します。

    • ENTRIESは、パスワード・ファイルのエントリの最大数を設定します。この数は、SYSDBAまたはSYSOPER DBA権限でデータベースに同時に接続できる個々のユーザーの最大数になります。

  2. 初期化パラメータ・ファイルのパラメータREMOTE_LOGIN_PASSWORDFILEexclusivesharedまたはnoneに設定します。

    exclusive値は、1つのインスタンスのみがパスワード・ファイルを使用でき、パスワード・ファイルにはSYS以外の名前が含まれることを指定します。パスワード・ファイルの検索で、Oracle Databaseはレジストリを検索してパラメータORA_SID_PWFILEの値を調べます。値が指定されていない場合は、レジストリを検索してパラメータORA_PWFILEの値を調べます。このパラメータはユーザー名、パスワードおよび権限を含むファイルを指定します。このパラメータが設定されていない場合は、次のデフォルトが使用されます。

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥DATABASE¥PWDsid.ORA
    
    

    デフォルト値はsharedです。複数のインスタンス(Real Application Clusters環境など)がパスワード・ファイルを使用できることを指定します。ただし、パスワード・ファイルによって認識されるユーザーはSYSのみです。他のユーザーは、SYSOPERまたはSYSDBA権限がパスワード・ファイルで付与されている場合でも、それらの権限を使用してログオンすることはできません。このパラメータのshared値は、旧リリースのOracleとの下位互換性があります。Oracle Databaseは、値がexclusiveの場合と同じファイルを検索します。

    noneは、Oracle Databaseでパスワード・ファイルが無視され、特権ユーザーはWindowsオペレーティング・システムで認証されることを指定します。

  3. SQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  4. AS SYSDBAを指定して接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  5. Oracle Databaseを起動します。

    SQL> STARTUP
    
    
  6. 各ユーザーに適切な権限を付与します。たとえば、データベース管理を実行する必要のあるユーザーには、権限SYSDBAが付与されます。

    SQL> GRANT SYSDBA TO db_administrator;
    
    

    権限付与が正常に実行された場合は、次のメッセージが表示されます。

    Statement Processed.
    
    

    scottは、パスワード・ファイルに追加され、SYSDBA権限でデータベースに接続できるようになります。パスワード・ファイルにユーザー名、ユーザー・パスワードおよびユーザー権限を追加または削除するには、SQL*Plusを使用します。


    注意

    パスワード・ファイルをコピーしたり手動で移動したりすると、ORADIMで、インスタンスを起動するパスワードが検索できなくなる可能性があります。 


パスワード・ファイルの表示および非表示

パスワード・ファイルは、自動的には非表示になりません。2つの異なる場所から、非表示と表示を切り替えることができます。

コマンド・プロンプト

  1. パスワード・ファイルを表示するには、次のように入力します。

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib
    
    

    パスワード・ファイルは、PWDsid.oraとして表示されます。

    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥oradba.exe
    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥OraDim.Log
    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥PWDsid.ora
    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥SPFILEsid.ora
    
    
  2. パスワード・ファイルを非表示にするには、次のように入力します。

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib +H PWDsid.ora
    
    
  3. 変更の結果を表示するには、次のように入力します。

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib
    
    

    パスワード・ファイルが非表示になっています。

    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥oradba.exe
    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥OraDim.Log
    A   H   ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥PWDsid.ora
    A       ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database¥SPFILEsid.ora
    
    
  4. パスワード・ファイルを再び表示するには、次のように入力します。

    ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥database> attrib -H PWDsid.ora
    

Windowsエクスプローラ

パスワード・ファイルを非表示または再表示するには、次のようにします。

  1. ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥databaseディレクトリに移動します。

  2. PWDsid.oraを右クリックします。

  3. 「プロパティ」を選択します。

    PWDsid.oraのプロパティ」ダイアログが開きます。

  4. 「属性」で、「隠しファイル」の隣にあるチェック・ボックスを選択するか選択を解除します。

  5. 「OK」をクリックします。

表示されないパスワード・ファイルを表示または非表示にするには、次のようにします。

  1. ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥databaseディレクトリに移動します。

  2. メイン・メニューの「ツール」メニューから「フォルダ オプション」を選択します。

  3. 「表示」タブを選択します。

  4. 非表示のパスワード・ファイルを表示するには、「すべてのファイルとフォルダを表示する」を選択します。

  5. 表示されているパスワード・ファイルを非表示にするには、「隠しファイルおよび隠しフォルダを表示しない」を選択します。

  6. 「OK」をクリックします。

SYSでのデータベースへのリモート接続

SYSとしてリモート・コンピュータから初期データベースに接続する際に、SYSDBA権限でログオンする場合は、Oracle Databaseのインストレーション・ガイドで説明されているパスワードとは別のパスワードを使用する必要があります。これは、この場合はパスワード・ファイルによりデータベース・アクセスが可能になり、パスワードoracleが必要になるからです。

自動的に暗号化されたデータベース・パスワード

Oracle Databaseでは、リモート・データベース接続の検証に使用されるパスワードは自動的に暗号化されます。ユーザーがリモート・ログインを試行するたびに、Oracle Databaseはパスワードをリモート・データベースに送信する前に暗号化します。接続に失敗した場合は、エラーがオペレーティング・システム監査ログに記録されます。


注意

構成パラメータORA_ENCRYPT_LOGINは、下位互換性を保つために保持されており、デフォルトでtrueに設定されます。レジストリの構成パラメータを追加および設定する方法は、第14章「パラメータおよびレジストリの構成」を参照してください。 


リモート・コンピュータでの制御ファイル、データファイルおよびログ・ファイルの作成

Oracle Databaseでは、汎用命名規則(UNC)を使用してリモート・コンピュータのデータベース・ファイルにアクセスできますが、この方法ではデータベースのパフォーマンスとネットワークの信頼性が低下する可能性があります。UNCは、Local Area Network上のリソースの場所を指定するためのPCの形式です。UNCでは、次の形式を使用します。

¥¥server-name¥shared-resource-path-name

たとえば、共有サーバーargon上のディレクトリC:¥oracle¥product¥10.2.0¥oradata¥orclsystem01.dbfファイルのUNC指定は、次のとおりです。

¥¥argon¥oracle¥product¥10.2.0¥oradata¥orcl¥system01.dbf

制御ファイル、データファイル、オンラインREDOログ・ファイルおよびアーカイブ・ログ・ファイルの場所は、汎用命名規則(UNC)を使用して指定できないことに注意してください。初期化パラメータLOG_ARCHIVE_DEST_nは、常に、マップされたドライブに設定します。UNC指定に設定されていると、Oracle Databaseは起動せず、次のエラーが表示されます。

ORA-00256: アーカイブ先文字列'¥meldell¥rmdrive'を変換できません。
ORA-09291: sksachk: invalid device specified for archive destination 
OSD-04018: Unable to access the specified directory or device
O/S-Error: (OS 2) The system cannot find the file specified

ORA-00256エラーは、¥¥¥meldell¥rmdriveまたは¥¥¥meldell¥¥rmdriveと入力した場合にも発生します。Oracle8リリース8.0.4では、制御ファイルには追加の円記号が必要ですが、REDOログ・ファイルおよびデータファイルには必要ありません。

REDOログ・ファイルのアーカイブ

Oracle Databaseを「標準」でインストールすると、データベースはNOARCHIVELOGモードで作成されます。データベース・コンフィギュレーション・アシスタントの「カスタム」オプションでデータベースを作成した場合は、ARCHIVELOGNOARCHIVELOGのいずれかを選択します。

NOARCHIVELOGモードでは、REDOログはアーカイブされません。アーカイブ・モードをARCHIVELOGに設定して自動アーカイブを使用できるようにすると、REDOログ・ファイルがアーカイブされます。その結果、インスタンスとディスクの両方の障害からOracle Databaseを保護できます。

この項では、アーカイブ・モードをARCHIVELOGに変更して、自動アーカイブを可能にする方法について説明します。

関連資料

ARCHIVELOGモードおよびNOARCHIVELOGモードの詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』の「アーカイブREDOログの管理」を参照 

アーカイブ・モードのARCHIVELOGへの変更

  1. コマンド・プロンプトからSQL*Plusを起動します。

    C:¥> sqlplus /NOLOG
    
    
  2. Oracle DatabaseにSYSDBAで接続します。

    SQL> CONNECT / AS SYSDBA
    
    
  3. データベースがオープンしている場合は、停止します。

    SQL> SHUTDOWN
    
    
  4. 次に、データベースをマウントします。

    SQL> STARTUP MOUNT
    
    
  5. 次のコマンドを入力します。

    SQL> ARCHIVE LOG LIST
    
    

    データベースがアーカイブ・モードでない場合は、次の結果が出力されます。

    Database log mode              No Archive Mode
    Automatic archival             Disabled
    Archive destination            %RDBMS%¥
    Oldest online log sequence     34
    Current log sequence           37
    
    
  6. アーカイブ・モードをARCHIVELOGに変更します。

    SQL> ALTER DATABASE ARCHIVELOG;
    
    
  7. 次のコマンドを入力します。

    SQL> ARCHIVE LOG LIST
    
    

    データベースがアーカイブ・モードになったことが、次の出力で示されます。

    Database log mode              Archive Mode
    Automatic archival             Disabled
    Archive destination            %RDBMS%¥
    Oldest online log sequence     34
    Current log sequence           37
    
    
  8. データベースをオープンします。

    SQL> ALTER DATABASE OPEN;
    
    

自動アーカイブを使用可能に設定

  1. ORACLE_BASE¥admin¥db_name¥pfile¥init.oraファイルを開きます。

  2. 次の3つの初期化パラメータを検索します。

    # LOG_ARCHIVE_START = true
    # LOG_ARCHIVE_DEST_1 = %ORACLE_HOME%¥database¥archive
    # LOG_ARCHIVE_FORMAT = "%%ORACLE_SID%%T%TS%S.ARC"
    
    


    注意

    LOG_ARCHIVE_DEST_nパラメータでは、LOCATION属性でローカルの宛先を指定するときにのみ、Oracle Standard Editionを実行しているスタンバイ宛先を指定できます。詳細は、『Oracle Data Guard概要および管理』のOracleソフトウェア要件に関する項を参照してください。 


  3. 各パラメータの先頭にあるコメント記号(#)を削除します。


    注意

    LOG_ARCHIVE_FORMATは二重引用符で囲んでください。 


  4. LOG_ARCHIVE_DEST_nの値を編集し、いっぱいになったREDOログのアーカイブ先の既存ドライブとディレクトリを指定します。


    注意

    REDOログのデフォルト・サイズは約100MBです。 


  5. LOG_ARCHIVE_FORMATの値を編集し、適切なアーカイブ形式を指定します。

    • %%ORACLE_SID%%%T.ARC

      この形式でスレッド番号を指定します。この番号の左側には0が埋め込まれます。デフォルト値は、最大3桁で表される1です。たとえば、SID0001.ARCとなります。

    • %%ORACLE_SID%%%S.ARC

      この形式でログ順序番号を指定します。この番号の左側には0が埋め込まれます。デフォルト値は、最大5桁で表される1です。たとえば、SID0001.ARCとなります。

    • %%ORACLE_SID%%%t.ARC

      この形式でスレッド番号を指定します。左側に文字は埋め込まれません。デフォルト値は、桁数に制限のない1です。たとえば、SID1.ARCとなります。

    • %%ORACLE_SID%%%s.ARC

      この形式でログ順序番号を指定します。左側に文字は埋め込まれません。デフォルト値は、桁数に制限のない1です。たとえば、SID1.ARCとなります。

  6. 変更を保存します。

  7. ファイルを終了します。

  8. データベースを停止します。

    SQL> SHUTDOWN
    
    
  9. データベースを再起動します。

    SQL> STARTUP
    
    
  10. 次のコマンドを入力します。

    SQL> ARCHIVE LOG LIST
    
    

    REDOログ・ファイルの自動アーカイブが使用可能であり、かつアーカイブ先が指定されている場合は、次の結果が出力されます。

    Database log mode              Archive Mode
    Automatic archival             Enabled
    Archive destination            C:¥BACKUP
    Oldest online log sequence     34
    Current log sequence           37
    

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