Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersインストレーション・ガイド 10g リリース2(10.2) for Microsoft Windows B25248-06 |
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この付録では、Oracle Database 10g のシングル・インスタンスのデータベースからReal Application Clusters(Oracle RAC)データベースに変換する方法について説明します。この付録の内容は次のとおりです。
Oracle Parallel ServerからOracle RACにアップグレードする場合または以前のバージョンのOracle RACからアップグレードする場合は、データベース・アップグレード・アシスタント(DBUA)を使用します。この付録の手順は、元のシングル・インスタンス・データベースとターゲットのOracle RACデータベースが同じリリースのOracle 10g で、同じプラットフォーム上で実行されていることを前提としています。
Oracle RACに変換するには、システムが次のハードウェアとソフトウェアの要件を満たしている必要があります。
変換前に、次の管理上の問題点に注意してください。
シングル・インスタンスのOracleデータベースからOracle RACへの変換には、データベース・コンフィギュレーション・アシスタント(DBCA)を使用することをお薦めします。DBCAを使用すると、制御ファイル属性が自動的に構成され、UNDO表領域とREDOログが作成されて、クラスタ対応環境用の初期化パラメータ・ファイルのエントリが作成されるためです。また、DBCAは、Oracle Enterprise ManagerまたはSRVCTLユーティリティで使用するために、Oracle Net ServicesとOracle Clusterwareリソースの構成およびOracle RACデータベース管理用の構成を行います。この項の内容は次のとおりです。
クラスタ・コンピュータ以外のコンピュータ上にあるシングル・インスタンスのOracleデータベースをOracle RACに変換するには、次の項に説明する手順を、その順序で実行します。
次の手順を実行し、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成します。
デフォルトでは、テンプレート・ファイルはWindows-Based Systemsの%ORACLE_HOME%¥assistants¥dbca¥templates
ディレクトリに生成されます。必要に応じて、「説明」フィールドにファイルの説明を入力したり、「テンプレート・データファイル」フィールドでテンプレート・ファイルの位置を変更できます。
入力が完了したら、「次へ」をクリックします。
DBCAは、データベース構造ファイル(template_name
.dbc
)およびデータベースの事前構成済イメージ・ファイル(template_name
.dfb
)の2つのファイルを生成します。
このマニュアルの第II部の第2章「サーバーおよびネットワークのインストール前の作業」および第3章「記憶域のインストール前の作業」で説明する、インストール前の手順を実行します。
ハードウェア・ベンダーのマニュアルに従って、必要な数のノードでクラスタを作成します。クラスタ内のすべてのノードを構成したら、ベンダーのクラスタウェアを使用するかどうかにかかわらず、Oracle Clusterwareをインストールし、第4章「Windows-Based SystemsへのOracle Clusterwareのインストール」の手順を実行してクラスタのコンポーネントを検証します。
クラスタ検証ユーティリティを使用し、第5章「Oracle Database 10g およびOracle Real Application Clustersのインストール」の説明に従ってクラスタの構成を検証します。
事前構成済データベース・イメージをコピーします。前述の手順「元のシングル・インスタンス・データベースのバックアップ」でDBCAを使用して作成したデータベース構造ファイル(*.dbc
)およびデータベースの事前構成済イメージ・ファイル(*.dfb
)を、DBCAを実行するクラスタのノード上の一時的な位置にコピーします。
Oracleソフトウェアのインストール後、OUIはインストール後の構成ツール(ネットワーク・コンフィギュレーション・アシスタント(NetCA)、DBCAなど)を実行します。
DBCA_RAW_CONFIG
を設定していない場合は、DBCAの「初期化パラメータ」ページの「ファイルの位置」タブで、データ・ファイル、制御ファイル、ログ・ファイルなどを対応するRAWデバイス・ファイルと置き換えます。「記憶域」ページでもデフォルトのデータベース・ファイルをRAWデバイスに置き換える必要があります。SYSDBA
とSYSOPER
のロールを持ち、データベース権限を付与されたユーザーのパスワードを変更する必要があります。DBCAを終了すると、変換処理が完了します。
これらのすべてのシナリオについては、次の手順を実行して、クラスタ・コンピュータ上のシングル・インスタンス・データベースをOracle RACに変換します。
次の手順を実行して、クラスタがインストールされた(Oracle Database 10g およびOracle RACの)Oracleホームから実行されている、クラスタ上のシングル・インスタンス・データベースを変換します。
「元のシングル・インスタンス・データベースのバックアップ」の説明に従ってシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成した場合は、DBCAを使用して次の手順を実行し、Oracle RACデータベースへの変換を行います。
Oracle RACデータベースを作成すると、「パスワード管理」ページが表示されます。このページでは、SYSDBA
とSYSOPER
のロールを持ち、データベース権限を付与されたユーザーのパスワードを変更する必要があります。DBCAを終了すると、変換処理が完了します。
手順1で、DBCAを使用してシングル・インスタンス・データベースの事前構成済イメージを作成していない場合は、次の手順を実行して変換を実行します。
OCOPY
コマンドを使用して、データベースのデータ・ファイル、制御ファイル、REDOログおよびサーバー・パラメータ・ファイルを対応するRAWデバイスにコピーします。それ以外の場合は、次の手順に進みます。
CREATE CONTROLFILE
をREUSE
キーワード付きで実行して制御ファイルを再作成し、Oracle RAC構成に必要なMAXINSTANCES
やMAXLOGFILES
などを指定します。MAXINSTANCES
のデフォルト値は、32に指定することをお薦めします。
CREATE PFILE='pfile_name' from spfile='spfile_name'
CLUSTER_DATABASE
パラメータをTRUE
に設定し、sid
.
parameter
=
value
構文を使用して、INSTANCE_NUMBER
パラメータをインスタンスごとに一意の値に設定します。シングル・インスタンス・データベースのメモリ使用量を最適化していた場合は、SGAのサイズを調整して、Oracle RACへの変換時にスワップおよびページングが発生しないようにします。この調整が必要な理由は、Oracle RACでは、グローバル・キャッシュ・サービス(GCS)用に、各バッファに約350バイトずつ必要になるためです。たとえば、バッファが10000ある場合、Oracle RACは約350×10000バイトの追加メモリーを必要とします。したがって、DB_CACHE_SIZE
パラメータとDB_nK_CACHE_SIZE
パラメータをこれに応じて変更し、SGAのサイズを調整します。
CREATE UNDO TABLESPACE
SQL文を使用して、追加インスタンスごとにUNDO表領域を作成します。RAWデバイスを使用している場合は、UNDO表領域用のデータ・ファイルがRAWデバイス上にあることを確認します。
ALTER DATABASE
を使用して、新しいREDOスレッドを使用可能にします。次に、データベース・インスタンスを停止します。
ORACLE_SID
名が適切に置換されていることを、追加ノードごとに確認します。
REMOTE_LISTENER=LISTENERS_
DB_NAME
パラメータおよびsid
.LOCAL_LISTENER=LISTENER_
SID
パラメータをPFILEに追加します。
LOCAL_LISTENER
のアドレス・エントリ、およびtnsnames.ora
ファイルのREMOTE_LISTENER
を構成し、すべてのノードにコピーします。
%ORACLE_HOME%¥database¥initSID.ora
ファイルをWindows-Based Systemsに作成します。
spfile='spfile_path_name'
spfile_path_name
は、SPFILEの完全パス名です。
SRVCTLを使用してデータベースを起動すると、変換処理は完了します。たとえば、次のSQL文を実行すると、Oracle RACデータベースのすべてのインスタンスの状態を確認できます。
select * from gv$active_instances
変換の終了後は、Oracle RACドキュメントで説明されているとおり、Oracle RAC環境に関する次の推奨事項に注意してください。
Oracle RACでのバッファ・キャッシュおよび共有プールの容量に関する要件は、シングル・インスタンスのOracleデータベースでの要件よりもわずかに大きくなります。このため、バッファ・キャッシュのサイズを約10%、共有プールのサイズを約15%増加する必要があります。
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