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Oracle Database Companion CDインストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2) for Microsoft Windows(32-bit)

B25257-03
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B レスポンス・ファイルを使用したOracle Database Companion CDのインストール

この付録の内容は、次のとおりです。

レスポンス・ファイルの使用方法

Oracle Universal Installerの起動時にレスポンス・ファイルを指定することで、Oracleソフトウェアのインストールおよび構成を完全または部分的に自動化できます。Oracle Universal Installerでは、一部またはすべてのプロンプトに対する応答にレスポンス・ファイル内の値が使用されます。

通常、Oracle Universal Installerは対話型モードで実行されます。つまり、グラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)画面で情報の入力を要求されます。レスポンス・ファイルを使用してこの情報を入力する場合は、次のいずれかのモードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。

レスポンス・ファイルにリストされている変数に値を入力して、サイレントまたは非対話型インストールの設定を定義します。たとえば、Oracleホーム名を指定するには、次の例に示すように、ORACLE_HOME_NAME変数に適切な値を入力します。

ORACLE_HOME_NAME="OraDBHome1

レスポンス・ファイルの変数の設定を指定する別の方法は、その設定をOracle Universal Installerの実行時にコマンドラインの引数として渡す方法です。次に例を示します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -silent "ORACLE_HOME_NAME=OraDBHome1" ...

この方法は、パスワードなどの機密情報をレスポンス・ファイルに埋め込まない場合に特に役立ちます。次に例を示します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -silent "s_sysPwdFresh=binks342" ...

変数とその設定値は必ず引用符で囲んでください。

関連項目

レスポンス・ファイルの形式の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。 

サイレントまたは非対話型モードを使用する理由

表B-1に、Oracle Universal Installerをサイレントまたは非対話型モードで実行する理由をいくつか示します。

表B-1    サイレントまたは非対話型モードを使用する理由 
モード  使用方法 

サイレント 

次の場合にサイレント・モードを使用します。

  • アンアテンド・インストールを実行する場合

  • ユーザーとの対話なしで複数のシステムに同様のインストールを複数実行する場合

Oracle Universal Installerでは、起動に使用したウィンドウに進捗情報が表示されますが、Oracle Universal Installerの画面は表示されません。 

非対話型 

類似したOracleソフトウェアを複数のシステムにインストールし、Oracle Universal Installerプロンプトのすべてではなく一部にのみデフォルトの応答を指定する場合は、非対話型モードを使用します。

特定のインストーラ画面に必要な情報をレスポンス・ファイルに指定しない場合、Oracle Universal Installerでその画面が表示されます。必要な情報をすべて指定した画面は表示されません。 

レスポンス・ファイルの一般的な使用手順

レスポンス・ファイルを使用してOracle Database Companion CD製品をインストールする一般的な手順は、次のとおりです。

  1. 必要なインストール設定用にレスポンス・ファイルをカスタマイズするか、または作成します。

    レスポンス・ファイルは、次のいずれかの方法で作成できます。

    • 製品に同梱されているサンプル・レスポンス・ファイルを変更する方法

    • 記録モードを使用してコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行する方法

    レスポンス・ファイルをカスタマイズまたは作成する方法は、「レスポンス・ファイルの準備」を参照してください。

  2. このレスポンス・ファイルを指定して、サイレントまたは非対話型モードでコマンド・プロンプトからOracle Universal Installerを実行します。


    注意

    Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトでAdministrator権限が必要です。 


    レスポンス・ファイルを使用してOracle Universal Installerを実行する方法は、「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」を参照してください。

レスポンス・ファイルの準備

この項では、サイレントまたは非対話型モードのインストール時に使用するレスポンス・ファイルの準備に使用できる方法について説明します。

レスポンス・ファイル・テンプレートの編集

Oracleには、製品、インストール・タイプおよび構成ツールごとに、レスポンス・ファイルのテンプレートが用意されています。これらのファイルは、Oracle Databaseインストール・メディアのcompanion¥responseディレクトリにあります。

レスポンス・ファイル・テンプレートを使用してレスポンス・ファイルを作成する方法は、Enterprise EditionまたはStandard Editionインストール・タイプの場合に使用すると便利です。

表B-2に、使用可能なサンプル・レスポンス・ファイルを示します。

表B-2    レスポンス・ファイル 
レスポンス・ファイル名  このファイルでサイレントに実行するインストール・タイプ 

companionCD.db.rsp  

「Oracle Database 10g Products」インストール・タイプ 

companionCD.midtier.rsp  

Oracle Database Companion CDインストール・タイプ 

htmldb.HTMLDBONLY 

Oracle HTML DBインストール・タイプのOracle HTML DBのみのインストール 

htmldb.HTMLDBwithOHS.rsp 

Oracle HTML DBインストール・タイプのOracle HTML DBとOracle HTTP Serverのインストール 

レスポンス・ファイルをコピーおよび変更する手順は、次のとおりです。

  1. Oracle Databaseメディアにあるcompanion¥Responseディレクトリから、適切なレスポンス・ファイルをハード・ドライブにコピーします。

  2. テキスト・ファイル・エディタを使用してレスポンス・ファイルを変更します。

    Oracle Database Companion CD製品のインストール固有の設定を編集するのみでなく、FROM_LOCATIONパスが正しく、インストール・メディアのstageディレクトリにあるproducts.xmlファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。

    FROM_LOCATION="¥¥myserver¥companion¥stage¥products.xml"
    

    パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。

    関連項目

    レスポンス・ファイルの作成方法の詳細は、『Oracle Universal InstallerおよびOpatchユーザーズ・ガイド』を参照してください。インストール済のOracle Databaseで、「スタート」「プログラム」→「Oracle - HOME_NAME」→「Oracle Installation Products」「Universal Installer Concepts Guide」を選択します。このマニュアルはHTML形式で表示されます。 

  3. 「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」の項にある指示に従って、レスポンス・ファイルを実行します。

レスポンス・ファイルの記録

レスポンス・ファイルを作成するには、記録モードを使用してOracle Universal Installerを対話型モードで実行します。この方法は、カスタム・インストールまたはソフトウェアのみのインストールの場合に使用すると便利です。

レスポンス・ファイルを記録すると「サマリー」ウィンドウを完了した直後にレスポンス・ファイルが生成されるため、Oracle Database Companion CD製品をインストールしてレスポンス・ファイルを作成する必要がなくなります。この方法でレスポンス・ファイルを作成した後は、必要に応じてその内容をカスタマイズできます。

非対話型モードのインストール中に記録モードを使用する場合、Oracle Universal Installerは、元のソース・レスポンス・ファイルで指定された変数値を新規レスポンス・ファイルに記録します。


注意

記録モードを使用して、基本インストール・タイプに基づくレスポンス・ファイルを作成することはできません。 


レスポンス・ファイルを記録する手順は、次のとおりです。

  1. レスポンス・ファイルを作成しているコンピュータが、第2章で説明した要件を満たしていることを確認します。

  2. コマンド プロンプトで、cdコマンドを使用して、Oracle Universal Installerのsetup.exe実行可能ファイルが格納されているディレクトリに変更します。


    注意

    Windows Vistaでは、コマンド・プロンプトでAdministrator権限が必要です。 


    setup.exeは、インストールDVDのdbディレクトリにあります。あるいは、インストール・ファイルをダウンロードまたはコピーしたディレクトリに移動します。

  3. 次のコマンドを入力します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -record -destinationFile response_file_name
    

    response_file_nameを新規のレスポンス・ファイルの完全なパス名に置き換えます。次に例を示します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -record -destinationFile 
    c:¥response_files¥install_oracle10_2.rsp
    
  4. Oracle Universal Installerが起動した後、インストールの設定を入力します。この設定はレスポンス・ファイルに記録されます。

  5. 「サマリー」ウィンドウが表示された後、次のいずれかを実行します。

    • 「インストール」をクリックしてレスポンス・ファイルを作成してから、インストールを続行します。

    • レスポンス・ファイルのみを作成し、インストールは続行しない場合は、「取消」をクリックします。インストールは停止しますが、入力した設定はレスポンス・ファイルに記録されます。

    その後、Oracle Universal Installerによりコマンドラインで指定したパスとファイル名を使用して新規レスポンス・ファイルが保存されます。

  6. 新規レスポンス・ファイルを編集して、レスポンス・ファイルを実行するコンピュータの環境固有の変更を行います。

    Oracle Database Companion CD製品のインストール固有の設定を編集するのみでなく、FROM_LOCATIONパスが正しく、インストール・メディアのstageディレクトリにあるproducts.xmlファイルを指していることを確認します。この変数は、次に示すような絶対パスを指すように設定することもできます。

    FROM_LOCATION="¥¥myserver¥companion¥response¥stage¥products.xml"
    

    パスワードなどの機密情報は、レスポンス・ファイル内ではなく、コマンドラインから指定できます。この方法については、「レスポンス・ファイルの使用方法」を参照してください。

  7. 次の「レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行」の指示に従い、レスポンス・ファイルを実行します。

レスポンス・ファイルを使用したOracle Universal Installerの実行

この段階では、作成したレスポンス・ファイルを指定してコマンドラインからOracle Universal Installerを実行し、インストールを実行する準備ができています。Windows Vistaでは、Administrator権限を使用してコマンド・プロンプトを開く必要があります。Oracle Universal Installerの実行可能ファイルsetup.exeでは、いくつかのオプションが用意されています。これらのオプションについてのヘルプ情報を表示するには、次のように-helpオプションを指定してsetup.exeを実行します。

SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup -help

新規のコマンド・ウィンドウが表示され、「起動を準備中...」というメッセージが表示されます。まもなく、このウィンドウにヘルプ情報が表示されます。

Oracle Universal Installerを実行し、レスポンス・ファイルを指定するには、次のようにします。

  1. Oracle Database Companion CD製品をインストールするコンピュータにレスポンス・ファイルを配置します。

  2. コマンド・プロンプトから、適切なレスポンス・ファイルを指定して、Oracle Universal Installerを実行します。Windows Vistaでは、Administrator権限を使用してコマンド・プロンプトを開く必要があります。

    次に例を示します。

    SYSTEM_DRIVEsetup.exe_location> setup [-silent] "variable=setting" [-nowelcome] 
    [-noconfig] [-nowait] -responseFile filename 
    

    各項目の意味は次のとおりです。

非対話型モードでのOracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントの実行

構成パラメータの設定をWorkflowコンフィギュレーション・アシスタントのwfinstall.batスクリプトに直接入力して、非対話型モードでWorkflowコンフィギュレーション・アシスタントを実行できます。必須の全パラメータ、および使用する機能に対して必須のパラメータを指定する必要があります。

非対話型モードでOracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントを実行する手順は、次のとおりです。

  1. wfinstall.batスクリプトのデフォルトのディレクトリであるORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥wf¥installディレクトリに進みます。

  2. テキスト・エディタでwfinstall.batスクリプトを開き、次のような行を検索します。

    . . . repository.jar" WorkflowCA /wfdir workflow_directory /orahome 
    oracle_home 
    

    次に例を示します。

    . . . repository.jar" WorkflowCA /wfdir /d1/iasinstall/m21pw1/wf 
    /orahome /d1/iasinstall/m21pw1
    
  3. スクリプトを編集して、/wfdir/orahomeおよび/ospathの各パラメータの後に、独自のパラメータを追加します。すべてのパラメータを同じ行に入力してください。それ以外の場合は、スクリプトは正常に実行されません。

    . . . repository.jar" WorkflowCA /wfdir workflow_directory /orahome 
    oracle_home /wfacct workflow_schema /instype installation_type 
    /tnsconndesc connection_string
    

    各項目の意味は次のとおりです。

  4. /instypeパラメータにadd_languageを指定した場合、追加する言語とともに/nlsoptパラメータを入力します。

    追加する言語を引用符で囲みます。たとえば、アラビア語、ドイツ語およびデンマーク語を指定するには、次の値を入力します。

    "ar d dk"
    

    使用可能な言語をすべて使用するには、nlsopallに設定します。Oracle Workflow Serverは、Oracle Databaseがサポートするすべての言語をサポートします。

    関連項目

    標準言語の略語の一覧は、『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』のロケール・データに関する項を参照してください。 

  5. /instypeパラメータにserverを指定した場合、Oracle Workflowディレクトリ・サービスとしてOracle Internet Directoryを統合するには次のパラメータを入力します。

    • /ldaphost - LDAPホスト名

    • /ldapport - LDAP非SSLポート

    • /ldapuser - LDAP管理ユーザー名

    • /ldaplogbase - 変更ログDN

    • /ldapuserbase - ユーザー・ベース
      (たとえば、/ldapuserbase cn=Users,dc=us,dc=oracle,dc=com

    この場合、Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントはデータベースで定義された既存のLDAPパラメータを使用してOracle Internet Directory統合を構成します。ただし、ここで新しいLDAPパラメータを指定すると、Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントは設定を更新します。

  6. /instypeパラメータにserverまたはallを指定した場合、Oracle Workflow通知メーラーを使用するにはこれらのパラメータを入力します。

    • /mailserver - 電子メール・アカウントのインバウンド: サーバー名

    • /mailuser - 電子メール・アカウントのインバウンド: ユーザー名

    • /mailhost - 電子メール・アカウントのアウトバウンド: サーバー名

    • /htmlagent - メッセージ生成: HTMLエージェント

    • /mailreply - メッセージ生成: 返信先アドレス

    • /processfolder - 電子メール処理: 処理フォルダ名

    • /discardfolder - 電子メール処理: 廃棄フォルダ名

  7. /instypeパラメータにserverを指定した場合、Oracle Workflowデータベース・アカウントに割り当てた表領域を変更するには/tablespaceパラメータを有効な既存の表領域名に設定します。

  8. Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントによるログ情報の書込み方法を制御するには、次のパラメータを設定します。

    • /debug - Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントがworkflow.logファイルにデバッグ情報を書き込む場合は、trueを指定します。デフォルトでは、Oracle Workflowでデバッグ情報は記録されません。

    • /logdir - Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントが書き込むworkflow.logファイルのあるディレクトリへのパスを指定します。またはログ・ファイルを作成しない場合は、nologを指定します。デフォルトでは、このログ・ファイルはORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥wf¥installディレクトリに書き込まれます。

  9. 変更を保存してwfinstall.batスクリプトを終了します。

wfinstall.batスクリプトを実行するには、次のコマンドを入力します。

ORACLE_BASE¥ORACLE_HOME¥wf¥install¥wfinstall.bat

wfinstall.batスクリプトに最小パラメータが含まれる場合(ファイルにすべてを1行で入力)、Oracle Workflow Assistantウィンドウを表示せずに非対話型モードで構成を実行します。ただし、セキュリティ対策として、サイトが使用するインストール・オプションによってスクリプトは実行時に次のパスワードの入力を求めることがあります。


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