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データ トランスフォーメーションは、あるフォーマットから別のフォーマットにデータをマッピングおよび変換する操作です。たとえば、ある XML スキーマで有効な XML データを別の XML スキーマで有効な XML ドキュメントに変換することができます。その他の例には、非 XML データから XML データへのデータ トランスフォーメーションがあります。このチュートリアルでは、Oracle Workshop for WebLogic を使用して、XML から XML へのデータ トランスフォーメーションを作成およびテストする方法を説明することにより、データ トランスフォーメーション構築の基本を紹介します。
Oracle WebLogic Integration ビジネス プロセスでは、データ トランスフォーメーションはクエリ (XQuery 言語で記述) を使用してデータを変換します。このチュートリアルでは、XQuery 言語でクエリを構築する手順について説明します。この言語は、XML データのクエリと取得を行うためのベンダに依存しない言語を提供する World Wide Web Consortium (W3C) によって定義されています。
XQuery 言語については、「XQuery 1.0: An XML Query Language Specification -W3C Recommendation 23 January 2007」を参照してください。
このチュートリアルで作成するデータ トランスフォーメーションは、RequestQuote ビジネス プロセスで呼び出されます。このビジネス プロセスは、企業のビジネス ニーズを満たすように作成されています。企業は、顧客から見積り要求を受け取ってビジネス プロセスを開始し、企業の在庫システムと価格設定システムをチェックして、注文を受けることができるかどうかを判断し、顧客から要求された品目に対する見積もりを送付します。ビジネス プロセスの作成と RequestQuote ビジネス プロセスの詳細については、「チュートリアル : 初めてのビジネス プロセス設計」を参照してください。
次の図は、チュートリアル プロセス アプリケーションの RequestQuote ビジネス プロセスにおけるデータの流れを示しています。
RequestQuote ビジネス プロセスの目的は、ウィジェットのセットの価格情報と在庫情報を提供することにあります。RequestQuote ビジネス プロセス内のデータの流れは、次の手順で表されます。
taxRate
浮動小数点ビジネス プロセス変数に格納します。priceQuote
ビジネス プロセス変数に格納します。この XML データは、PriceQuote.xsd
ファイルの XML スキーマに対して有効です。availQuote
ビジネス プロセス変数に格納します。この XML データは、AvailQuote.xsd
ファイルの XML スキーマに対して有効です。MyTutorialJoin.java
という名前のトランスフォーメーション ファイルに格納されている myJoin
トランスフォーメーション メソッドを呼び出します。ビジネス プロセスは、priceQuote
、availQuote
、および taxRate
の各ビジネス プロセス変数の値を myJoin
メソッドに渡します。myJoin
メソッドは、XQuery 言語で記述され、myJoin.xq
ファイルに格納されているクエリを呼び出します。クエリは、価格、在庫、税率のすべての情報を XML データの単一のセットに結合し、結果を myJoin
メソッドの戻り値として返します。この myJoin
メソッドから返されるデータは、Quote.xsd
ファイルの XML スキーマに対して有効です。myJoin
メソッドを呼び出した後、Combine Price and Avail Quotes ノードは結果の XML データを Quote
ビジネス プロセス変数に割り当てます。
このチュートリアルは、Oracle Workshop for WebLogic に用意されているグラフィカルな設計環境を使用してトランスフォーメーションの作成とテストを行う手順を説明します。具体的には、このチュートリアルで以下のものを作成します。
このチュートリアルの手順に従って、データ トランスフォーメーションの作成とテストを行います。手順は以下のとおりです。