アップグレード ガイド

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アップグレード プロセス

このドキュメントでは、WebLogic Integration 8.1.x、8.5.x、9.x、または 10.2 から Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へのアップグレードに関する情報を説明します。次のトピックが含まれます。

 


前提条件

アップグレード プロセスを開始する前に、『Oracle WebLogic のアプリケーション環境のアップグレード』を読んでおいてください。このガイドでは、アプリケーション環境を Oracle WebLogic 10g Release 3 (10.3) にアップグレードする手順を説明しています。アプリケーション環境には、アプリケーション、アプリケーションがデプロイされている WebLogic ドメイン、そのドメインに関連するすべてのアプリケーション データが含まれます。また、データベース サーバ、ファイアウォール、ロード バランサ、LDAP サーバなどの外部リソースが含まれることもあります。

 


WebLogic Integration ドメインを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードする

Oracle WebLogic のアップグレード ウィザードでアップグレードできるのは、8.1.x 以降の WebLogic Integration で作成されたドメインのみです。WLI ドメイン アップグレード プラグインでは、クラスタが有効化されたドメインがサポートされます。

8.1.x から 10g Release 3 (10.3) へのドメイン アップグレード

ドメインのアップグレード時に Oracle WebLogic Integration で実行される手順の概要を次に示します。

9.x または 10.2 から 10g Release 3 (10.3) へのドメイン アップグレード

ドメインのアップグレード時に Oracle WebLogic Integration で実行される手順の概要を次に示します。

ドメイン アップグレード プロセスの詳細およびアップグレード時の留意事項については、「Oracle WebLogic ドメインのアップグレード」を参照してください。

プロダクション モードで作成したドメインは、WLI 9.2 または 10.2 から Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へのアップグレード時に開発モードで開きます。開発ドメインからプロダクション ドメインへの更新に対処するには、以下の手順を実行します。

  1. ドメインのアップグレード後に setDomainEnv.cmd ファイルを編集し、PRODUCTION_MODE=true を設定します。
  2. サーバを起動する前に、JAVA_VENDOR=Sun を設定 (または setDomainEnv.cmd を編集して set WL_HOME=.... 行の後にこの設定を追加) します。

jrockit/Sun JDK をプロダクション モードで選択するロジックは、BEA_HOME\wlserver_10.3\common\bin\commEnv.cmd ファイルで定義します。

 


アップグレード モード

ドメイン アップグレード ウィザードでは、次のアップグレード モードがサポートされています。

以降の節では、次の手順について説明します。

グラフィカル モードでドメインをアップグレードする

以降の節では、グラフィカル モードで Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを使用して WebLogic ドメインをアップグレードする方法について説明します。

注意 : グラフィカル モードでアップグレード ウィザードを実行するコンソールでは、Java ベースの GUI をサポートしている必要があります。グラフィカル表示をサポートできないシステム上でグラフィカル モードでアップグレード ウィザードを開始しようとすると、アップグレード ウィザードの呼び出しに失敗し、エラー メッセージが表示されます。

グラフィカル モードで Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを開始してドメインをアップグレードする

Windows プラットフォーム上でグラフィカル モードで Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを開始して WebLogic ドメインをアップグレードするには、Windows の [スタート] メニューから [Domain Upgrade Wizard] を選択します。

[スタートすべてのプログラムOracle WebLogicWebLogic Server 10gR3ToolsDomain Upgrade Wizard]

注意 : この方法は、JDBC ドライバ クラスを指定するために環境をカスタマイズする必要がない場合にのみ使用できます。

Windows のコマンド プロンプトまたは UNIX プラットフォーム上で Oracle WebLogic アップグレード ウィザードをグラフィカル モードで開始して WebLogic ドメインをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. WebLogic ドメインが稼動していないことを確認します。
  2. ドメインのアップグレードに関する重要な注意事項」を読んでおきます。
  3. 必要に応じて、JMS ストアをバックアップします。
  4. コマンド プロンプト ウィンドウ (Windows の場合) またはコマンド シェル (UNIX の場合) を開き、次のように環境を設定します。
    • Oracle WebLogic Server クラスを CLASSPATH 環境変数に、WL_HOME\server\binPATH 環境変数に追加する。ここで、WL_HOME は Oracle WebLogic Server のインストール ディレクトリの最上位レベルを指します。
      これらの変数の設定には、WL_HOME\server\bin\setWLSenv スクリプトを使用できます。
    • JMS JDBC ストアを使用する場合 :
      • JDBC ドライバ クラスが CLASSPATH 環境変数に追加されていることを確認する。
      • 対応するデータベースを開始する。
  5. 次のスクリプトを実行してドメインをアップグレードします。
    • Windows の場合 : WL_HOME\common\bin\upgrade.cmd
    • UNIX の場合 : WL_HOME/common/bin/upgrade.sh
    • ログ ファイルは BEA_HOME/user_projects/upgrade_logs ディレクトリに格納されます。

      ドメインのアップグレードには次のコマンドも利用できます。

      java weblogic.Upgrade [-type domain] [-out file]

      -type および -out の 2 つの引数は省略可能です。これらの引数は、次のデフォルト値をオーバーライドする場合に指定します。

    • 実行するアップグレードのタイプ。-type オプションでタイプを指定しない場合、ドメインのアップグレードが実行されます。
    • すべての標準出力 (stdout) およびエラー メッセージが書き込まれる出力ファイル。-out オプションでファイルを指定しない場合、これらのメッセージはコマンド ウィンドウに書き込まれ、アップグレード プロセスの終了時にその概要が表示されます。
    • このコマンドを実行すると、次の図のように Oracle WebLogic アップグレード ウィザードが起動します。



  6. JMS JDBC ストアが使用されている場合、対応するデータベースが実行中であることを確認します。PointBase データベースの起動およびシャットダウンは、Oracle ドメイン アップグレード ウィザードによって自動的に行われます。
  7. [次へ] をクリックして次のウィンドウに進みます。

WebLogic ドメインのアップグレード手順

次の表に、Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを使用してドメインをアップグレードする手順の概要を示します。

表 2-1 WebLogic ドメインをアップグレードする手順
手順
実行内容
WebLogic バージョンの選択
アップグレードするドメインの WebLogic バージョンを選択する。
[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
アップグレードするドメインの選択
ローカルのディレクトリ階層を移動して、アップグレード対象の WebLogic ドメインが格納されているディレクトリを選択する。
[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
ドメインの調査
ウィザードによるドメインの調査状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。
カスタム セキュリティ プロバイダが使用されているドメインを、そのセキュリティ プロバイダより先にアップグレードしようとすると、エラー メッセージが表示され、ウィザードが終了する。
このエラー メッセージが表示されたら、カスタム セキュリティ プロバイダをアップグレードしてから、ドメインのアップグレード手順を再開する。
調査が完了し、エラーが発生しなかった場合は、次のウィンドウが自動的に表示される。
管理サーバの選択
新しいドメインで管理サーバとして機能するサーバを選択する。

注意 : ドメインで定義されているサーバが 1 つのみである場合、このウィンドウはスキップされる。このウィンドウは、アップグレードしているドメインに複数のサーバが存在する場合にのみ表示される。

[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
ノード マネージャ資格の入力
ノード マネージャの認可を得るため、ユーザ名とパスワード (および確認パスワード) を入力する。
Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) のノード マネージャでは、ドメインごとにユーザ名とパスワードを指定する必要がある。デフォルトのユーザ名とパスワードは weblogic に設定されている。ノード マネージャを使用しない場合、デフォルトの値は変更せずにそのままにしておく。
[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
アップグレード オプションの選択
  • [現在のドメインのバックアップ](推奨) : これを選択すると、元のドメインのディレクトリがバックアップされ、zip ファイルに格納される。このオプションはデフォルトで選択されている。

注意 : バックアップされるのはドメインのディレクトリのみで、ファイルのパーミッションは保存されない。ドメインや外部アプリケーション、およびアプリケーション データベース リソースは別々のプロセスでバックアップしておくことが推奨される。

  • [ログ ファイルをバックアップ用の zip に追加] : これを選択すると、バックアップ zip ファイルにログ ファイルが含まれる。ログ ファイルは数が増えたりサイズが膨大になる可能性があるため、このオプションを無効にしてバックアップ ファイルから除外することが推奨される。デフォルトでは、ログ ファイルはバックアップ ファイルに含まれる。
  • [下位互換性フラグを設定しない] : WebLogic Server 9.0 より、以前にサポートされていた一部の動作が J2EE 1.4 に準拠するように変更されている。デフォルトでは、新しいドメインで以前の動作が有効になるようにフラグが設定される。このオプションを選択すると、下位互換性用のこれらのフラグは設定されない。
ディレクトリ選択の解析と任意のタスク
ウィザードによるドメイン情報や設定オプションの処理状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。
処理が完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
ドメインのバックアップ
ウィザードによるドメインのバックアップ準備状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。
処理が完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
ドメインのバックアップ ディレクトリの選択
このウィンドウでは、次の値を設定する。
  • [バックアップ ディレクトリ] : ローカル階層を移動し、バックアップ zip ファイルを保存するディレクトリを選択する。デフォルトでは、元のドメインのディレクトリが使用される。
  • [バックアップ ファイル名] : テキスト ボックスにバックアップ ファイルの名前を入力する。デフォルトのファイル名は weblogic-domain-backup-domain.zip (domain はドメインの名前)。
[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
ドメインのバックアップ
ウィザードによるドメインのバックアップ状況を確認する。進行状況バーにバックアップ プロセスの完了割合が表示され、ウィンドウには進行状況のメッセージが表示される。

注意 : ウィザードで作成されるバックアップ ファイルは機密情報を含む場合があるため、ユーザが保護する必要がある。

バックアップ プロセスが完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
ドメイン ディレクトリのリストラクチャ
ウィザードによるドメイン ディレクトリの再構築状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。
処理が完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
コンフィグレーション設定のアップグレード
ウィザードによるコンフィグレーション設定のアップグレード状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。
コンフィグレーション情報は後の手順まで保持されない。
コンフィグレーションのアップグレードが完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
保存されているメッセージおよびトランザクション ログ フォーマットのアップグレード
ドメインに存在する永続メッセージ (JMS ファイルと JDBC ストア) およびトランザクション (JTA) ログのウィザードによるアップグレード状況を確認する。進行状況バーに完了割合が表示され、ウィンドウには進行状況のメッセージが表示される。
永続メッセージとトランザクション ログのアップグレード プロセスが完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
P13n 必須コンポーネントのアップグレードの実行
ウィザードによるパーソナライゼーション コンポーネントの更新状況を確認する。
[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
RDBMS Authenticator セキュリティ プロバイダのアップグレード
非推奨の RDBMSAuthenticator を SQLAuthenticator に置換するかどうかを指定する。

注意 : このウィンドウは、アップグレード対象のドメインに RDBMSAuthenticator セキュリティ プロバイダが存在する場合にのみ表示される。

[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。

WLI ドメイン アップグレード プラグインの準備
ここで、ドメイン内の Oracle WebLogic Integration 固有リソースがアップグレードされる。
[次へ] をクリックしてプロセスを開始する。
WLI ドメイン アップグレード プラグインの実行
ドメイン内の Oracle WebLogic Integration リソースのウィザードによるアップグレード状況を確認する。
[次へ] をクリックして続行する。
ドメイン アップグレードの最終処理
ウィザードによるアップグレード済みコンフィグレーションの保存状況と、アップグレード プロセスで作成された一時ファイルの削除状況を確認する。進行状況メッセージがウィンドウに表示される。

注意 : リモートの管理対象サーバをアップグレードする際、そのコンフィグレーション情報は保存されない。

この処理が完了したら、[次へ] をクリックして次のウィンドウに進む。
データベース アップグレードの選択
次に進む前にドメイン データベースをアップグレードするかどうかを指定する。
ドメイン データベースはバックアップされない。ドメイン データベースのバックアップは、ドメインのアップグレードを開始する前に実行する必要がある。
オプションを選択したら、[次へ] をクリックして次に進む。
DB カテゴリをデータソースに関連付ける
データベースのカテゴリと関連するデータ ソースが表に表示される。カテゴリは、ドメイン データベースを初期化する際に関連するデータ ソースとともに使用される。データ ソースが未定義と表示された場合、正しいデータ ソースを使用してカテゴリを更新できる。未定義のデータ ソースはスキップされ、アップグレードされない。ほとんどの場合、関連付けは正しいため、その他の変更は必要ない。

注意 : DB カテゴリをアップグレードするには、データ ソースがそのカテゴリに関連付けられ、未定義でないことを確認する必要がある。未定義のデータ ソースはスキップされ、アップグレードされない。

[次へ] をクリックして次に進む。
カテゴリ/データソース テーブルの初期化

注意 : このウィンドウは、ドメイン データベースのアップグレードを選択した場合にのみ表示される。

ドメイン データベース スキーマ オブジェクトのアップグレードに向けたウィザードによる準備状況を確認する。
処理が完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
データベースのアップグレード

注意 : このウィンドウは、ドメイン データベースのアップグレードを選択した場合にのみ表示される。

ウィザードによるドメイン データベースのアップグレード状況を確認する。
処理が完了すると、次のウィンドウが自動的に表示される。
アップグレード完了
さらなる検討を要する重要なメッセージなど、アップグレードの結果を確認する。
[完了] をクリックして Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを閉じる。

WLI 10.2 ドメインをアップグレードする

WLI 10.2 の WLI ドメインは WebLogic Porta 10.2 付きの WLI 10.2 にアップグレードできます。

WLP 10.2 がない WLI 10.2 ドメイン
  1. WLP 10.2 なしで WLI 10.2 をインストールします。
  2. コンフィグレーション ウィザードを使用して WLI ドメインを作成します。このドメインは、WLS 10.0 MP1 の軽量ポータル フレームワーク ライブラリを使用します。
  3. インストールされている WLI 10.2 の上に WLP 10.2 のインストールを追加します。新しいインストールには新しい軽量ポータル フレームワーク ライブラリが含まれているため、作成済みの WLI 10.2 ドメインはこの新しいインストールでは機能しません。ただし、ここで新たに作成したドメインはこのインストールで問題なく機能します。
  4. 作成済みの WLI ドメインに対してドメイン アップグレードを実行します。config.xml ファイルが 10.2 の軽量ポータル フレームワーク参照で更新されていることを確認します。
WLP 10.2 がある WLI 10.2 ドメイン

WLI 10.2 と WLP 10.2 の両方をインストールした上で新たに作成したドメインに関しては、何の問題も発生しません。

注意 : デフォルトでは、Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) は、Oracle WebLogic Portal とともにインストールされます。

サイレント モードでドメインをアップグレードする

注意 : サイレント モードでは、Oracle WebLogic Server ドメインのみがアップグレードできます。

たとえば、ドメインがリモート マシンにある場合などに、Oracle WebLogic アップグレード ウィザードをグラフィカル モードで使用するのは合理的ではありません。このような場合、ウィザードをサイレント モードで使用して、WebLogic ドメインをアップグレードすることができます。

サイレント モードで Oracle WebLogic アップグレード ウィザードを起動して WebLogic ドメインをアップグレードするには、次の手順に従います。

  1. WebLogic ドメインが稼動していないことを確認します。
  2. ドメインのアップグレードに関する重要な注意事項」を読んでおきます。
  3. MS-DOS コマンド プロンプト ウィンドウ (Windows) またはコマンド シェル (UNIX) を開き、次のように環境を設定します。
    • Oracle WebLogic Server クラスを CLASSPATH 環境変数に、WL_HOME\server\binPATH 環境変数に追加する。ここで、WL_HOME は Oracle WebLogic Server のインストール ディレクトリの最上位レベルを指します。
      これらの変数の設定には、WL_HOME\server\bin\setWLSenv スクリプトを使用できます。
    • JMS JDBC ストアを使用する場合 :
      • JDBC ドライバ クラスが CLASSPATH 環境変数に追加されていることを確認する。
      • 対応するデータベースを開始する。
  4. (省略可能) アップグレード要件を定義する XML スクリプトを作成します。詳細については、「サイレント アップグレード用 XML スクリプト リファレンス」を参照してください。
  5. アップグレードする WebLogic ドメインが格納されているディレクトリに移動します。以下に例を示します。
  6. cd c:\bea\user_projects\domains\domain

    ここで、domain はドメインの名前です。

  7. コマンド プロンプトで次のコマンドを入力します。
  8. java weblogic.Upgrade -mode silent -type domain [-responses xmlfile] [-out file]

    -responses 引数と -out 引数は省略可能です。これらの引数は、次のデフォルト値をオーバーライドする場合に指定します。

    • アップグレード要件を定義する XML ファイルの場所。-responses オプションでファイルを指定しない場合、アップグレード プロセスではデフォルト値が使用されます。XML ファイル形式とデフォルト値の詳細については、「サイレント アップグレード用 XML スクリプト リファレンス」を参照してください。
    • すべての標準出力 (stdout) およびエラー メッセージが書き込まれる出力ファイル。-out 引数でファイルを指定しない場合、これらのメッセージはコマンド ウィンドウに書き込まれます。

ドメインのアップグレードにおいて確認済みの制限事項

WebLogic Integration 9.x のステートフル JPD アプリケーションをアップグレードする際に次のエラー メッセージが表示されることがあります。

java.io.InvalidClassException: javax.xml.namespace.QName; local class 
incompatible: stream classdesc serialVersionUID = 4418622981026545151, local class serialVersionUID = -9120448754896609940

これは確認済みの問題であり、JDK のバグです。

ドメインをアップグレードし、そのサーバを再起動する前に、使用しているシステムに応じて次のソリューションを実行することが推奨されます。

 


アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードする

Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) では、8.1.x、8.5.x、9.x、および 10.2 アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードするための一連のユーティリティが提供されます。この節では、Oracle WebLogic Integration を使用して構築されたアプリケーションをアップグレードする方法について説明します。

アップグレード時には、アプリケーションのロジックや目的は変更されません。Oracle WebLogic Integration によって、Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) に対応するようにコードが移行されます。このとき、アプリケーションが Eclipse フレームワークと互換性を持つようにしたり、Javadoc アノテーションを JSR-175 準拠のアノテーションに変換したりといった変更が行われることもあります。

注意 : コードが移行されるのは、8.1.x または 8.5.x アプリケーションから 10g Release 3 (10.3) にアップグレードする場合のみです。9.x または 10.2 からアップグレードする場合は移行されません。

始める前に

次のタスクを完了していることを確認します。

アップグレード プロセス

アプリケーションのアップグレードは 3 段階のプロセスです。アップグレード対象項目のリストを確認し、アプリケーションのアップグレードを実行し、ログに報告されたエラーを修正してアプリケーションが WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) で問題なく実行できるようにします。

ユーザ アプリケーションのアップグレードでは、インポート ウィザードまたはコマンドライン ユーティリティの使用を選択できます。これらはいずれも Oracle Workshop for WebLogic で提供されます。または、Ant タスクを使用することもできます。この後の節ではこれら 3 つの方法について説明します。

注意 :

インポート ウィザードを使用して 8.1.x または 8.5.x アプリケーションをアップグレードする

Oracle Workshop for WebLogic に含まれるインポート ウィザードを使用して、アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードすることができます。このウィザードでは、既存の 8.1.x または 8.5.x アプリケーションのロジックや目的は変更されません。また、ソース リポジトリからアプリケーションが抽出されることもありません。8.1.x または 8.5.x のソース情報が Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) のソースとプロジェクト モデルに移行されます。ただし、8.1.x または 8.5.x の Javadoc アノテーションは、Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) で特別な処理が必要ないためそのまま保持されます。また、残ったアノテーションは、アプリケーションのアップグレード後に手動で処理を行う必要がある場合にも使用できます。

インポート ウィザードで実行されるタスクを以下に示します。

注意 : JPD または Process Proxy を使用してビジネス プロセスへの RMI コールを行う EJB プロジェクト、非 Web プロジェクト、または非ユーティリティ プロジェクトを含む 8.1.x または 8.5.x アプリケーションをアップグレードするとき、すべての非 Web プロジェクトまたは非ユーティリティ プロジェクトにプロセス ファセットを追加しないでください。かわりに、ライブラリ (プロセス ライブラリ) をプロジェクトの java ビルド パスに次のように追加します。
注意 : アップグレード後にアプリケーションをビルドすると、WLI 8.1.x または 8.5.x から Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へアップグレードしたアプリケーションについて Eclipse のログに InvocationTargetException が記録されます。この例外を再現する手順は次のとおりです。
注意 : この例外を回避する手順は次のとおりです。

8.1.x または 8.5.x アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へアップグレードするための詳細な手順については、「チュートリアル : WLI 8.1 または WLI 8.5 アプリケーション ソースのアップグレード」を参照してください。

9.x アプリケーションをアップグレードする

9.x から Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へのアップグレードでは、プロジェクトのメタデータの更新とバージョン Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へのファセットの移動が行われ、バージョン 10.0 サーバが必要になります。プロジェクト ファイルは Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) に更新されますが、ソースは更新されません。

アップグレード時の主な変更点は次のとおりです。

9.x アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードする詳細な手順については、「チュートリアル : WLI 9.2 アプリケーション ソースのアップグレード」を参照してください。

注意 : Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) へのアップグレードが完了したら、アップグレード前に 9.x プロジェクトに対して手動で行ったすべての変更を再実行する必要があります。

コマンドラインを使用して 8.1.x または 8.5.x アプリケーションをアップグレードする

Oracle Workshop for WebLogic には、Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) で機能するように 8.1.x または 8.5.x アプリケーション全体を変換するコマンドライン ユーティリティも用意されています。

このユーティリティではファイルのチェック アウトや削除は行われません。新たにアップグレードされたファイルの自動チェック インも行われません。移行のために、基本的なファイルが Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) ワークスペースにコピーされるだけです。

注意 : コマンドライン ユーティリティを実行するときは、JRE の 1.5 実装を使用します。クラスパスに <%ECLIPSE_HOME%>/eclipse/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_1.0.1.R33x_v20080118.jar が含まれていることを確認してください。

アプリケーションをアップグレードするコマンドを次に示します。

java – cp <%ECLIPSE_HOME%>/eclipse/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_1.0.1.R33x_v20080118.jar 
-Dwlw.application=%WORK_FILE%
-Dweblogic.home=%WL_HOME%
org.eclipse.core.launcher.Main
-application com.bea.workshop.upgrade81.upgradeStarter
-data %WORKSPACE%
-pluginCustomization %PREFS_FILE%

各値の説明は次のとおりです。

ECLIPSE_HOME
Eclipse ディレクトリ <%BEA_HOME%>\tools\eclipse_pkgs\2.0\eclipse_3.2.2
-Dweblogic.home=WL_HOME
Oracle WebLogic Server ルート フォルダの場所。デフォルトを次に示します。
BEA_HOME/wlserver_10.3
-Dwlw.application=WORK_FILE
アップグレードが必要なアプリケーション。アップグレードする Oracle Workshop for WebLogic 8.1 に対応する作業ファイル名で WORK_FILE を置き換えます。
-application com.bea.workshop.upgrade81.upgradeStarter
このコマンドの実行に使用される Eclipse プラグインの拡張ポイント。
-data WORKSPACE
アップグレードしたアプリケーションを移動するターゲット ワークスペースの名前。バージョン 10g Release 3 (10.3) のアプリケーション ファイルを生成する任意のディレクトリを指定できます。
[-pluginCustomization PREFS_FILE]
アップグレードのオプションを設定するために使用されるプロパティ ファイルを指定します。複数のキーと値のペアを含むプロパティ ファイルの名前で PREFS_FILE を置き換えます。次のプロパティを指定できます。
  • application には、実行時のプラグイン拡張ポイントを指定する。
  • weblogic.home には、Oracle WebLogic Server ルート フォルダの場所を指定する。
  • data には、アップグレードしたアプリケーションを配置するターゲット ワークスペースの名前を指定する。このパラメータの名前は Eclipse で提供され、上書きできません。
  • wlw.application には、アプリケーション作業ファイルの名前を指定する。
  • pluginCustomization には、複数のキーと値のペアを含むプロパティ ファイルの名前を指定する。
オプション パラメータ
 
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeHarnessAbortOnError=true/false
この属性を指定しないと、デフォルトは false になります。この場合、エラーの後もアップグレードの続行が試行されます。true に設定すると、エラーを検出したときにアップグレード プロセスが失敗します。このようなエラーはログ ファイルに出力されます。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeHarnessMessageLevel
この属性はメッセージ レベルを指定します。この属性を指定しない場合、アップグレード ツールではすべてのメッセージのログが記録されます。この属性には次の値を指定できます。
  • INFO : すべてのメッセージを表示。
  • WARNING : 警告、エラー、および致命的メッセージを表示し、情報メッセージを表示しない。
  • ERROR : エラーおよび致命的メッセージのみ表示。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/migrateJSPPreference=true/false
この属性を指定しないと、デフォルトは false になります。true に設定すると、アップグレード プロセスによって JSP ファイルが新しい Beehive アノテーションに移行されます。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/useJ2EESharedLibraries=true/false
この属性を false に設定すると、アップグレードの際に Web アプリケーション ライブラリが WEB-INF/lib にコピーされます。デフォルトではアップグレード時に J2EE 共有ライブラリが使用されます。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeHarnessReportOnly=true/false
この属性を true に設定すると、アップグレード レポートが生成されます。デフォルト設定の false では、レポート生成とアップグレードの両方が実行されます。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeHarnessLogFile=<log file location>
この属性を使用して、アップグレード ログ ファイルの場所を指定します。デフォルト値は <workspace location>/.metadata/upgrade.log です。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeProjectImportOverwrite=true/false
この属性を使用して、プロジェクト名が競合したときに既存のプロジェクトを上書きするかどうかを指定します。デフォルト値は false です。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgradeProjectImportPrefix
この属性を使用して、インポートされるすべてのプロジェクトに付けるオプションのプレフィックスを指定します。
com.bea.wlw.workshop.upgrade81/upgraderPrefMoveResourceBundle = true/false
この属性を使用して、拡張子が .properties のファイルを Web コンテンツ フォルダからソース ファイル フォルダにコピーするか移動するかを指定します。デフォルト値は false です。

注意 : 9.x アプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードするには、利用できるコマンドライン ユーティリティがないため、Oracle Workshop for WebLogic を使用する必要があります。メタデータは IDE でプロジェクトを開くとアップグレードされます。

Ant タスクを使用して 8.1.x または 8.5.x アプリケーションをアップグレードする

Ant タスクを使用して WLI 8.1.x または 8.5.x から Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードすることができます。

コマンドラインからのアップグレードには Ant タスクが含まれます。Ant タスクのクラスは %BEA_HOME%/tools/eclipse_pkgs/2.0/pkgs/eclipse/plugins/com.bea.workshop.upgrade81_1.0.100.CR376510 フォルダにデプロイされた wlw-upgrade.jar にあります。

注意 : Ant タスクを実行するときは、次の Ant タスク例の classpathref 属性で指定されているように、<%ECLIPSE_HOME%>/eclipse/plugins/org.eclipse.equinox.launcher_1.0.1.R33x_v20080118.jar がタスクのクラスパスにあることを確認してください。

次に Ant タスク (upgrade.xml) のサンプル コンテンツを示します。

<!-- Upgrade.xml : 8.1.x または 8.5.x アプリケーションを Darjeeling にアップグレードするターゲット -->
<target name="workshopUpgrade"> 
<echo message="Upgrading 8.1.x or 8.5.x located at ${WORK_FILE} to ${WORKSPACE}" />
<path id="eclipse.classpath">
<pathelement path="${env.CLASSPATH}" />
<fileset dir="${PKGS.HOME}/eclipse/plugins/" includes="com.bea.workshop.**/wlw-upgrade.jar" />
</path>
<taskdef name="upgradeTask"
classname="com.bea.workshop.upgrade81.cmdline.UpgradeTask"
classpathref="eclipse.classpath" />
<upgradeTask data=%WORKSPACE%
eclipseHome=%ECLIPSE_HOME%
weblogicHome=%WL_HOME%
pluginCustomization=%PREFS_FILE%
wlwApplication=%WORK_FILE%/>
</target>

次に、コマンドラインから Ant タスクを呼び出してアプリケーションのアップグレードを実行する方法の例を示します。

ant -f Upgrade.xml workshopUpgrade -DWORK_FILE=C:\xyz\allWorkflows3.work -DWORKSPACE=C:\tempcmdupgrade

各値の説明は次のとおりです。

WORKSPACE
WebLogic Integration 8.1.x または 8.5.x アプリケーションのインポートとアップグレードが行われる Eclipse ワークスペース。
ECLIPSE_HOME
Eclipse ディレクトリ <%BEA_HOME%>\tools\eclipse_pkgs\2.0\eclipse_3.2.2
PKGS.HOME
Eclipse パッケージの場所。
<%BEA_HOME%>\tools\eclipse_pkgs\1.1\pkgs
WL_HOME
Oracle WebLogic Server ルート フォルダの場所。
<%BEA_HOME%>\wlserver_10.3
PREFS_FILE
インポートまたはアップグレード時に使用されるオプションの環境設定ファイルの場所。
WORK_FILE
Workshop for WebLogic 8.1.x または 8.5.x アプリケーションをインポートまたはアップグレードするための作業ファイルの場所。

注意 : WLI 9.x のアプリケーションを Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) にアップグレードできる Ant タスクは存在しません。

アップグレードのログについて

Oracle WebLogic Integration 10g Release 3 (10.3) では、選択したアップグレード プロセスに関係なく、アップグレードによる変更、エラー、および警告に関してログが生成されます。ウィザードを使用した場合は、このログがダイアログに表示されるため、プロセスの完了前に確認することができます。

ログ ファイルはアップグレードの完了後に生成され、次の場所に保存されます。

UPGRADE_WORKSPACE_HOME\.metadata\upgrade.log

ファイルではログ メッセージが次のように記録されています。

!SUBENTRY 1 com.bea.workshop.upgrade81 severity_level date time

!MESSAGE Upgrade-related message.

重大度レベルには同じ意味の 2 つの数字が含まれます。日付と時刻のエントリは、アップグレードがいつ試行されたかを示します。アップグレード関連のメッセージは、処理内容、警告内容、または発生したエラーを示します。次に、2 つのログ エントリを含む例を示します。

!SUBENTRY 1 com.bea.workshop.upgrade81 2 2 2006-02-27 17:17:53.687

!MESSAGE The 9.2 control context only supports a subset of the 8.1 control context APIs. Please see the Oracle Workshop for WebLogic upgrade documentation for more information.

!SUBENTRY 1 com.bea.workshop.upgrade81 1 1 2006-02-27 17:17:53.687

!MESSAGE The import "com.bea.control.JwsContext" needs to be updated.

デプロイ中またはデプロイ後の停止

アップグレードしたアプリケーションをデプロイしようとしているときに、システムが停止することがあります。停止の詳細については、『リリース ノート』の「確認済みの制限事項」を参照してください。

アップグレード後に必要な手動変更

アップグレードをテストする

アップグレードが完了したら、(8.1.x または 8.5.x から 10g Release 3 (10.3) にアップグレードした) アプリケーションを構築およびデプロイして、アップグレードが正常に行われたかどうかを確認することができます。次のように必要なファイルが移動されたこと、つまり適切な場所に用意されたことを確認できます。


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