この章では、Oracle RdbのRdbALTERユーティリティについて説明します。RdbALTERユーティリティでは、Oracle Rdbデータベース・ページの破損の修復に使用できる低レベル・パッチ機能が提供されます。さらに、このユーティリティを使用すると、データベース・ルート、記憶領域およびスナップショット・ファイルを別のディスクまたはディレクトリに移動することもできます。これは、データベースを単一ノードからクラスタ環境に移動するときに役立ちます。
RdbALTERユーティリティは、破損データベースに一時的なパッチを提供する場合にのみ使用することをお薦めします。RdbALTERユーティリティをデータベース管理ツールとして日常的に使用することは避けてください。 RdbALTERユーティリティを使用する前に、内部データ構造を十分に理解し、データベースに含まれる情報を認識し、コマンドの影響をすべて把握する必要があります。RdbALTERユーティリティは非常に強力で、使用すると影響がカスケード式に広がる可能性があるため、RdbALTERユーティリティを本番データベースに使用する前に、破損したデータベースのコピーでテストすることをお薦めします。 |
次の形式を使用してRMU Alterコマンドを発行します。
$ RMU/ALTER [root-file-spec] |
オプションのroot-file-specパラメータには、変更するデータベースを指定します。このパラメータを指定すると、指定したデータベースに自動的にアタッチします。このパラメータを指定しない場合は、RdbALTER ATTACHコマンドを使用する必要があります。ATTACHコマンドの詳細は、第2.2節を参照してください。
データベースに対してRMU Alterコマンドを使用するには、そのデータベースのルート・ファイルのアクセス制御リスト(ACL)にRMU$ALTER権限が必要です。あるいは、OpenVMS SYSPRVまたはBYPASS権限が必要です。
RMU Alterコマンドを使用してファイル名を変更する場合は、OpenVMS SYSPRVまたはBYPASS権限が必要です。
RMU Alterコマンドは次のプロンプトで応答します。
RdbALTER> |
このプロンプトは、システムがRdbALTERコマンドの入力を待っていることを示します。RdbALTERコマンドを次に示します。
RdbALTERを起動したときに、データベースをリカバリする必要がある場合は、RdbALTERによってそのことを意味するメッセージが表示されます。このメッセージを受け取ったら、RdbALTERで変更を行う前にデータベースのリカバリおよび確認を行う必要があります。RdbALTERで変更を行ってからデータベースをリカバリすると、リカバリ手順によって変更内容が上書きされることがあります。
RdbALTERでの変更が正常に終了したら、RMU Backupコマンドを発行する必要があります。RdbALTERコマンドはアフター・イメージ・ジャーナル(.aij)ファイルに記録されないため、データベース障害が発生しても、RdbALTERで行った変更をリカバリすることはできません。
RdbALTERのコマンドラインの指定は、コマンド・ファイルを介して、または端末から直接行うことができます。
RdbALTERコマンドのキーワードはすべて短縮できます。制約は、あいまいにならないように十分な文字数を指定するということだけです。
RdbALTERでは感嘆符(!)はコメント記号として解釈されます。ある行の文字をRdbALTERで処理しない場合は、その行の先頭に感嘆符を付けます。
この章の次の部分では、これらのコマンドの詳しい構文と使用方法を説明します。RdbALTERユーティリティの詳細は、『Oracle Rdb Guide to Database Maintenance』を参照してください。