この章では、Oracle Secure Backupによるファイル・システムのバックアップを作成する方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。
この項では、ファイル・システム・バックアップをスケジュールおよび実行する方法の概要を示します。SBTインタフェース介して作成されるRecovery Manager(RMAN)のデータベース・バックアップとは異なり、ファイル・システム・バックアップは、Oracle Secure Backupによって開始され、ファイル・システム上のあらゆるファイルを対象にできます。
バックアップ・スケジュールを設定して、ファイル・システム・バックアップがユーザー定義の間隔で自動的に発生するようにできます。また、1回かぎりのバックアップであるオンデマンド・バックアップを実行することもできます。スケジュール済およびオンデマンドのファイル・システム・バックアップは、Webツールまたはobtool
のいずれか(Enterprise Managerではなく)を使用して作成できます。この章では、Webツールを使用していることを前提にしています。
バックアップの設定に進む前に、「管理ドメインの構成の概要」で説明しているように必要な構成手順をすべて実行したことを確認してください。
スケジュール済バックアップは、バックアップ計画の基礎です。管理ドメインの設定後の最初のタスクは、環境に合ったバックアップ・スケジュールの選択および構成です。
この項の内容は次のとおりです。
バックアップ管理には、すべてのサイトに対して有効で単一の最良な方法はないため、Oracle Secure Backupでは、バックアップの実行方法に柔軟性を持たせています。サイトでバックアップを実行する最良の方法を決定する際には、次のような複数の要因を考慮する必要があります。
バックアップする必要があるデータの量
大量のデータをバックアップする必要があるときは、通常、全体バックアップと増分バックアップのなんらかの組合せを検討します。増分バックアップは、バックアップするデータ量を制御できるため、バックアップ・イメージに必要なボリューム数だけでなく、バックアップの実行に必要な時間も減らすことができます。
データセット・ファイルに、バックアップの対象にする必要があるパス名しか含まれていないことを確認してください。
管理サーバー上のクリティカル・データの保護方法
管理サーバーは、ネットワークの管理データをすべて管理するため、保護する必要があります。このタスクの実行方法は、「管理サーバー上のクリティカル・データのバックアップ」で説明します。
注意: 管理サーバー上のOracle Secure Backupホーム・ディレクトリを定期的にバックアップする必要があります。管理サーバーは、管理ドメイン全体のバックアップおよび構成データを管理します。 |
全体と増分の両方のバックアップの作成が要求される頻度
管理上またはユーザーが、特定の頻度で全体バックアップを要求する場合があります。
データのリストアが必要になる頻度
リストア操作を1日に何回も必要になる場合や、まれにしか必要でない場合があります。データのリストアが頻繁に必要な場合は、リストアに必要な時間を削減するために、全体バックアップを頻繁に実行することもあります。しかし、リストア操作をまれにしか実行しない場合は、全体バックアップをより少ない頻度で実行して、時間、メディアおよびディスク領域を節約することがあります。
バックアップおよびリストア操作の実行に費やす時間
スケジュールに全体バックアップが組み込まれる頻度が高いときは、通常、バックアップの実行に費やす時間はより多く、データのリストアに費やす時間はより少なくなります。スケジュールに全体バックアップが組み込まれる頻度がより低いときは、通常、バックアップの実行に費やす時間はより少なく、データのリストアに費やす時間はより多くなります。
「管理データ」で説明しているように、Oracle Secure Backupのカタログ・ファイルは、管理サーバー上のOracle Secure Backupホームに格納されます。1つの管理サーバーで使用可能なディスク領域より多くのディスク領域が必要な場合、複数の管理ドメインを使用することがあります。
「全体および増分ファイル・システム・バックアップ」で説明しているように、全体バックアップを作成する場合、Oracle Secure Backupは、前回のバックアップ後にデータが変更されたかどうかに関係なくすべてのデータをコピーします。全体バックアップは、レベル0の増分バックアップに相当します。
増分バックアップを作成する場合、Oracle Secure Backupは、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。累積増分バックアップは、より下位のレベルで、増分バックアップ後に変更があったデータのみをコピーします。たとえば、レベル3の増分バックアップは、レベル2のバックアップ後に変更があったデータのみをコピーします。差分増分バックアップは、レベル10の増分バックアップに相当し、同位またはより下位のレベルで、増分バックアップ後に変更があったデータをコピーします。
増分バックアップは、時間およびメディア領域を節約する効果がありますが、データのリストアに要するメディアの使用および時間は増大します。全体バックアップのみを実行した場合は、最新のバックアップ・イメージのコンテンツをリストアしさえすれば特定のツリーを完全にリストアできます。しかし、増分バックアップを使用した場合は、複数のバックアップ・イメージのリストアが必要になることがあります。
典型的な計画では、累積バックアップを使用します。たとえば、レベル0のバックアップを作成した後、連日レベル3のバックアップを繰り返します。選択するレベル番号は任意です。重要なのは、番号が1〜9のいずれかで、毎夜同じ値であることです。累積バックアップ計画のメリットは、ディレクトリをリストアするのに必要なものが、レベル0のバックアップと必要な日付のレベル3のバックアップが1つのみということです。
差分増分バックアップは、同位またはより下位のレベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルをバックアップします。差分バックアップ計画を使用するメリットは、より少ないデータが毎夜バックアップされるため、要する時間とテープの使用がより少なくなることです。デメリットは、ディレクトリのリストアにより多くのバックアップが必要になることです。
データの使用方法およびデータのリストアが必要なタイミングを分析することによって、バックアップに対するコストとリストアに対するコストの間のトレードオフが考慮されたバックアップ・スケジュールを作成できます。次の例に、累積バックアップ・スケジュールを作成する1つの方法を示します。
クライアントc_host
上の/data
ファイル・システム・ツリーに対するほとんどの変更が、ある週に発生するとします。週末には、変更はたとえあったとしてもほんの少ししか発生しません。この状況で、次のスケジュールを使用するとします。
日曜日の夜に全体バックアップ(レベル0)を実行
日曜日のバックアップ後に行われた変更を取得するために、月曜日、火曜日、水曜日および木曜日の夜にレベル1の増分バックアップを実行
木曜日のバックアップ後に行われた変更を取得するために、金曜日の夜にレベル2の増分バックアップを実行
このバックアップ・スケジュールの場合、月曜日に/data
をリストアするには、日曜日の全体バックアップ時に書き込まれたボリュームのみが必要になります。
火曜日〜金曜日に/data
をリストアするには、次の2つのバックアップのボリュームが必要になります。
日曜日に作成された全体バックアップ
最新の増分バックアップ
土曜日または日曜日に/data
をリストアするには、次の3つのバックアップのボリュームが必要になります。
バックアップ・スケジュールを構成する基本手順は次のとおりです。
admin
または管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration
)権限を持つユーザーとして管理ドメインにログインします。
データセットを作成します。
データセット・ファイルとは、バックアップのコンテンツ、すなわちバックアップの対象となるファイルおよびディレクトリを記述するテキスト・ファイルです。ドメイン内のホスト用にデータセット・ファイルを作成し、各ホストのバックアップの対象となるパスを指定できます。データセット・ファイルの作成方法は、「データセット・ファイルの作成」で説明します。
バックアップ・ウィンドウを作成します。
バックアップ・ウィンドウとは、Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップ・ジョブを実行できる時間範囲です。バックアップ・ウィンドウが存在しない場合、スケジュール済バックアップは実行されません。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは毎日00:00〜24:00ですが、使用している環境で必要な場合のみ変更してください。バックアップ・ウィンドウの構成方法は、「バックアップ・ウィンドウの構成」で説明します。
バックアップ・スケジュールを作成します。
バックアップ・スケジュールは、データセット、メディア・ファミリ、バックアップ優先度などを指定します。スケジュールの構成方法は、「バックアップ・スケジュールの構成」で説明します。
トリガーを作成します。
トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行される日時です。バックアップ・スケジュールを作成し、そのスケジュールに対してトリガーを構成しない場合、バックアップは発生しません。トリガーの構成方法は、「トリガーの構成」で説明します。
スケジュール済バックアップはバックアップ計画の基礎ですが、1回かぎりのバックアップを作成することが必要になる場合もあります。オンデマンド・バックアップは、スケジュール済バックアップを補完する以外に、管理ドメインが正しく構成されているかどうかをテストするのに役立ちます。
オンデマンド・バックアップを作成する基本手順は次のとおりです。
データセットを作成します(未作成の場合)。
データセット・ファイルの作成方法は、「データセット・ファイルの作成」で説明します。データセット・ファイルを作成するには、管理ドメインの構成の変更(modify administrative domain's configuration
)権限が必要です。
バックアップを実行する権限およびバックアップ対象データへのアクセスに必要なUNIX/LinuxまたはWindowsアカウントを持つOracle Secure Backupユーザーとして、管理ドメインにログインします。
非特権バックアップを実行するには自分によるバックアップ実行(perform backups as self
)権限が、特権バックアップを実行するには特権ユーザーとしてのバックアップ実行(perform backups as privileged user
)権限が必要です。
1つ以上のバックアップ・リクエストを作成します。
「ジョブとリクエスト」で説明しているように、Oracle Secure Backupでは、各バックアップ・リクエストは、スケジューラに送信されるまで、Webツールまたはobtool
セッションにローカルに保存されます。この状態では、バックアップは実行対象となりません。
バックアップ・リクエストの作成方法は、「オンデマンド・バックアップ・リクエストの作成」で説明します。
必要に応じて、バックアップ・リクエストのリストを確認、削除または追加します。
「「すぐにバックアップ」ページの表示」に、バックアップ・リクエストを表示できるページを示します。バックアップ・リクエストの削除方法は、「バックアップ・リクエストの削除」で説明します。
キューに入れられたバックアップ・リクエストをすべてOracle Secure Backupのスケジューラに送信します。
バックアップ・リクエストをスケジューラに送信する方法は、「スケジューラへのバックアップ・リクエストの送信」で説明します。スケジューラに送信すると、リクエストはジョブとなり実行対象となります。
この項では、Oracle Secure Backupのバックアップ対象となるファイル・システム・データを記述するデータセット・ファイルの作成方法について説明します。データセットの概念的な全体像は、「データセットのバックアップ」を参照してください。データセット言語構文は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
この項の内容は次のとおりです。
データセット・ファイルを構成する際に、Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリのsamples
サブディレクトリにあるデータセット・ファイルを詳しく調べておくと参考になる場合があります。サンプル・データセット・ファイルには、*.ds
拡張子が使用されています。
典型的な計画では、バックアップするホストごとにデータセット・ファイルを1つ作成します。たとえば、管理ドメインにクライアントbrhost2
、brhost3
およびbrhost4
があるとします。次の例に示すように、データセット・ファイルbrhost2.ds
、brhost3.ds
およびbrhost4.ds
を作成します。各例では、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルが除外されています。
例7-1には、ホストbrhost2
上の/
、/usr
および/home
ファイル・システム内のすべてのファイルが含まれています。ただし、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルは除外されています。
例7-1 brhost2.ds
include host brhost2 { exclude name core exclude name *.bak exclude name *~ include path / include path /usr include path /home }
例7-2には、ホストbrhost3
上の/
および/usr
ファイル・システム内のすべてのファイルが含まれています。ただし、コア・ダンプおよびエディタのバックアップ・ファイルは除外されています。
例7-2 brhost3.ds
include host brhost3 { exclude name core exclude name *.bak exclude name *~ include path / include path /usr }
例7-3には、ホストwinhost1
上のC:\Documents and Settings
フォルダ内のすべてのファイルが含まれています。ただし、ログ・ファイルは除外されています。
注意: "C:\Documents and Settings" のように空白を含むパス名は、一重引用符または二重引用符で囲んでください。 |
例7-3 winhost1.ds
include host winhost1 include path "C:\Documents and Settings" { exclude name *.log }
Oracle Secure Backupでデータをバックアップする際は、バックアップのコンテンツを記述するデータセット・ファイルの名前を指定します。例7-4では、obtool
を使用して3つのバックアップ・ジョブを土曜日の朝にスケジュールしています。
例7-4 3つのバックアップのスケジュール
ob> mksched --dataset brhost2.ds --day saturday --time 08:00 brhost2.sch ob> mksched --dataset brhost3.ds --day saturday --time 09:00 brhost3.sch ob> mksched --dataset winhost1.ds --day saturday --time 10:00 winhost1.sch
別の方法として、データセット・ディレクトリを作成し、データセット・ファイルをそのディレクトリに保存します。次に、そのデータセット・ディレクトリを指定するバックアップをスケジュールします。これは、ディレクトリ・ツリー内に格納されているすべてのデータセット・ファイルを指定することに相当します。たとえば、brhost2.ds
、brhost3.ds
およびwinhost1.ds
を含むデータセット・ディレクトリbrhost
を作成すると、次のようにバックアップをスケジュールできます。
ob> mksched --dataset brhost --day saturday --time 08:00 brhost.sch
同じファイル・システム構造を使用するホストが多数ある場合、すべてのホストを指定するデータセット・ファイルを1つ作成できます。例7-5のbrhosts.ds
データセット・ファイルでは、ホストbrhost2
、brhost3
およびbrhost4
上の/
および/home
ファイル・システムのバックアップを指定しています。
例7-5 brhosts.ds
include host brhost2 include host brhost3 include host brhost4 include path / include path /home
次のようにバックアップをスケジュールできます。
ob> mksched --dataset brhosts.ds --day saturday --time 08:00 brhosts.sch
テープ・デバイス障害やクライアント・ホストが使用不可など、異常なイベントが発生しないかぎり、Oracle Secure Backupは、データセット・ファイルにリストされた順にホストを、同じメディア・サーバー上の同じボリューム・セットにバックアップしようとします。
関連資料: データセット構文およびデータセットの例は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
「バックアップ」ページで、「データセット」をクリックすると、図7-1に示すページが表示されます。このページには、すべてのデータセット・ファイルおよびデータセット・ディレクトリがリスト表示されます。データセット・ディレクトリは、スラッシュが名前の最後の文字として付き、「パス」ボックスに表示されます。すべてのデータセット構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
関連資料: obtool のデータセット・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
データセット・ファイルを作成するには、次のようにします。
データセット・ページで、「追加」ボタンをクリックして新規データセット・ファイルを作成します。
注意: 新規データセット・ファイルを作成する際、データセットの初期コンテンツは、データセット・テンプレートによって定義されます。 |
データセット・タイプ・リストで、「ファイル」または「ディレクトリ」を選択します。
WindowsやUNIXファイル・システムと同様、Oracle Secure Backupのデータセット・ファイルはネーミング・ツリーに編成されます。必要に応じて、データセット・ディレクトリを作成し、データファイルを簡単に整理することができます。
Oracle Secure Backupでデータをバックアップする際は、データを定義するデータセット・ファイルの名前を指定します。データセット・ディレクトリの名前を指定すると、データセット・ディレクトリ・ツリー内に格納されているすべてのデータセット・ファイルを指定することに相当します。
注意: データセット・ディレクトリは、10レベルの深さまでネストできます。 |
「名前」フィールドに、データセット・ファイルの名前を入力します。
テンプレート・ファイルに表示されるデータセット文を更新して、バックアップ・データを定義します。データセット構文およびデータセットの例は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
次のいずれかを選択します。
「保存」ボタンをクリックして入力を確定し、データセット・ページに戻ります。
「取消」をクリックして操作を無効にし、1つ前のページに戻ります。
データセット・ファイルにエラーがあると、「ステータス」ボックスにメッセージが表示されます。エラーの詳細は、「データセット・ファイルのチェック」を参照してください。
この項では、データセット・ファイルにエラーがないかをチェックする方法について説明します。データセット・ファイルは、編集中いつでもチェックできます。
データセット・ファイルをチェックする際、構文チェックを実行し、データセット言語の使用が正しいかどうかデータセット・パーサーに問い合せます。
データセット・ファイルにエラーがないかをチェックするには、次のようにします。
データセット・ページで、「パス」ボックスからデータセット・ファイル名を選択します。
注意: データセット・ディレクトリではなく、データセット・ファイルのみチェックできます。 |
データセットのチェック・ボタンをクリックします。
データセット構文にエラーがない場合は、確認を示すメッセージが表示されます。
データセット構文にエラーがある場合は、エラーを示すメッセージが表示されます。
表示されるエラーをすべて修正し、データセット構文を再チェックします。
既存のデータセット・ファイル用のパラメータを編集するには、次のようにします。
データセット・ページで、「パス」ボックスからデータセット・ファイル名を選択します。
「オープン」ボタンをクリックします。
ページにデータセット・ファイルの詳細が表示されます。
必要な変更を加え、次のいずれかを選択します。
「保存」をクリックして変更を確定し、データセット・ページに戻ります。Oracle Secure Backupによって、データセット・ファイルにエラーがないか自動的にチェックされます。
「取消」をクリックして操作を無効にし、1つ前のページに戻ります。
この項では、バックアップ・ウィンドウについて説明します。バックアップ・ウィンドウとは、Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップ・ジョブを実行できる、ユーザー指定の時間範囲です。デフォルトのバックアップ・ウィンドウは毎日00:00〜24:00ですが、使用している環境で必要な場合のみ変更してください。
「バックアップ」ページで、「バックアップ・ウィンドウ」をクリックすると、図7-2に示すページが表示されます。中央のボックスに、既存のバックアップ・ウィンドウが表示されます。
すべてのバックアップ・ウィンドウの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
関連資料: obtool のバックアップ・ウィンドウ・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
バックアップ・ウィンドウを作成するには、次のようにします。
バックアップ・ウィンドウで、「バックアップ・ウィンドウ」をクリックします。
「追加」ボタンをクリックして新しいバックアップ・ウィンドウを追加します。
「タイプ」リストで、バックアップ・ウィンドウのタイプを選択します。選択肢は次のとおりです。
バックアップ・ウィンドウを設定する日を選択します。選択肢は次のとおりです。
毎日を選択
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを週の各日に設定する場合に選択します。
平日を選択
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを月曜日〜金曜日に設定する場合に選択します。
週末を選択
このオプションは、バックアップ・ウィンドウを土曜日および日曜日に設定する場合に選択します。
「時間範囲」ボックスに、ローカル時間範囲を入力します。Oracle Secure Backupは、この時間範囲内にスケジュール済バックアップを開始します。
「時間範囲」オプションは、hour:minute:secondという書式の時刻指定子または4桁の時間/分指定子(たとえば、午後2:30を示す1430)です。時間範囲は24時間形式で表されます。時間範囲は、ローカル時間ベースで、ロケールに適用される場合はサマータイムが考慮されます。
バックアップ・ウィンドウのクローズ時間になると、Oracle Secure Backupはすでに開始しているすべてのバックアップを完了します。ウィンドウが再度オープンされないかぎり、バックアップは開始されません。
クローズ時間がオープン時間より前になる場合、Oracle Secure Backupでは、クローズ時間が次の日を指していると想定します。たとえば、20:00-24:00は、オープン時間は午後8:00、クローズ時間は同日が終わる午前0:00であることを示しています。
「OK」または「取消」をクリックします。
この項では、バックアップ・スケジュールを作成および構成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
バックアップ・スケジュールは、どのデータをいつバックアップするかをOracle Secure Backupに指示します。バックアップ・スケジュールには、次の内容を指定します。
バックアップ・ジョブを実行する週、月、四半期または年単位の日。
バックアップを開始する(各日の)時間。
使用するメディア・ファミリの名前。Oracle Secure Backupは、メディア・ファミリ名からバックアップに使用するのに適当なボリューム・セットの特性を使用します。
「バックアップ」ページで、「スケジュール」をクリックすると、図7-3に示すページが表示されます。中央のボックスに、既存のバックアップ・スケジュールが表示されます。すべてのバックアップ・スケジュールの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
関連資料: obtool のスケジュール・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
バックアップ・スケジュールを作成するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、「追加」ボタンをクリックして新規スケジュール・ページを開きます。
「スケジュール」ボックスに、スケジュールの名前を入力します。
入力する名前は、英数字で始める必要があります。使用できる文字は英数字、ダッシュ、アンダースコアまたはピリオドです。最大文字数は、127文字です。入力する名前に空白は使用できません。
「優先度」ボックスに、バックアップ・ジョブの優先度の数値を入力します。デフォルトの優先度は100です。
ジョブの優先度は正の整数値です。値が低ければ低いほど、スケジューラによってジョブに割り当てられる重要性は高くなります。スケジューラは、重要性が低いジョブより重要性が高いジョブのディスパッチを優先します。
データセット・ボックスで、バックアップ・ジョブに含める1つ以上のデータセット・ファイルまたはディレクトリを選択します。
必要に応じて、制限ボックスで制限を選択します。スケジュール済バックアップを特定のデバイスに制限できます。制限を選択しない(デフォルト)場合は、スケジュールによって定義されたバックアップは、Oracle Secure Backupのスケジュール・システムの判断でメディア・サーバー上の使用可能なあらゆるデバイスを使用できます。
必要に応じて、「コメント」ボックスにバックアップ・スケジュールとともに格納する情報を入力します。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
既存のバックアップ・スケジュールのプロパティを編集するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、「編集」ボタンをクリックします。
ページにバックアップ・スケジュールの詳細が表示されます。
スケジュールのプロパティに変更を加えます。
次のいずれかを選択します。
「適用」、「OK」または「取消」をクリックします。
「トリガー」をクリックし、バックアップ・スケジュールにトリガーを定義します。
トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行対象となるカレンダベースの時間です。1つ以上のトリガーがないと、スケジュールしたバックアップは実行されません。詳細は、「トリガーの構成」を参照してください。
既存のバックアップ・スケジュールを削除するには、次のようにします。
「バックアップ」メニューから、「設定」のサブメニューの「スケジュール」をクリックします。
「スケジュール名」ボックスから、削除するバックアップ・スケジュールの名前を選択します。
「削除」ボタンをクリックします。
スケジュールの削除を確認するように要求するメッセージが表示されます。
「はい」をクリックし、バックアップ・スケジュールを削除します。
「スケジュール」ページに戻り、「成功: 名前が削除されました」というメッセージが「ステータス」ボックスに表示されます。
バックアップ・スケジュールの名前を変更するには、次のようにします。
「バックアップ」メニューから、「設定」のサブメニューの「スケジュール」をクリックします。
「スケジュール名」ボックスから、名前を変更するバックアップ・スケジュールの名前を選択します。
「名前の変更」ボタンをクリックします。
新しい名前を入力するように要求するメッセージが表示されます。
バックアップ・スケジュールの新しい名前を入力します。
「はい」をクリックし、新しい名前を確定します。
「スケジュール」ページに戻り、スケジュールの名前が正常に変更されたことを示すメッセージが「ステータス」ボックスに表示されます。
この項では、トリガーを作成および構成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
トリガーとは、スケジュール済バックアップが実行対象となるカレンダベースの時間です。たとえば、月の第1および第3日曜日にバックアップが実行対象となるように指定できます。複数のトリガーを1つのバックアップ・スケジュールに追加できます。1つ以上のトリガーがないと、スケジュールしたバックアップは実行されません。
トリガーを作成するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを作成するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」ボックスで、バックアップ・ジョブの実行時期を定義するために使用する時間表現を選択します。選択肢は次のとおりです。
1回限り
このオプションは、バックアップを1回のみ実行する場合に選択します。このオプションを選択した場合は、「ワンタイム・バックアップ・トリガーの作成」を参照して続行してください。
日(デフォルト)
このオプションは、バックアップを週に1日以上実行する場合に選択します。このオプションを選択した場合は、「日次バックアップ・トリガーの作成」の手順に進んでください。
月
このオプションは、バックアップを月ごとに1日実行する場合に選択します。このオプションを選択した場合は、「月次バックアップ・トリガーの作成」の手順に進んでください。
四半期
このオプションは、バックアップを四半期ごとに1日実行する場合に選択します。このオプションを選択した場合は、「四半期バックアップ・トリガーの作成」の手順に進んでください。
年
このオプションは、バックアップを年に1日実行する場合に選択します。このオプションを選択した場合は、「年次バックアップ・トリガーの作成」の手順に進んでください。
日次バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを作成するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
「バックアップ・レベル」ボックスからバックアップ・レベルを選択します。選択肢は次のとおりです。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、増分バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、増分オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト・ストレージのバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
バックアップ開始時間リストで、バックアップを開始する時間を選択します。時間は、24時間形式の時間と分で表されます。
「メディア・ファミリ」ボックスで、このスケジュール済バックアップのデータが割り当てられるメディア・ファミリを選択します。
必要に応じて、有効期限ボックスでバックアップ・ジョブの有効期間を選択します。
Oracle Secure Backupがスケジュール済バックアップを実行する日を選択します。選択肢は次のとおりです。
毎日を選択
このボックスは、実行するスケジュールを週7日トリガーする場合に選択します。たとえば、実行するバックアップを毎日午前8:00にトリガーします。
平日を選択
このボックスは、実行するバックアップを平日(月曜日〜金曜日)にのみトリガーする場合に選択します。たとえば、実行するバックアップを平日午前8:00にトリガーします。
週末を選択
このボックスは、実行するバックアップを週末(土曜日および日曜日)にのみトリガーする場合に選択します。たとえば、実行するバックアップを週末午前8:00にトリガーします。
あるいは、「平日を選択」と「週末を選択」の両ボックスから、実行するスケジュール済バックアップをトリガーできる個別の日を混ぜて選択できます。たとえば、月曜日、火曜日および土曜日の午前8:00にバックアップをトリガーします。
「月の週」グループから、バックアップ・スケジュールを月のどの週に実行するかを限定するオプションを選択します。次のいずれかを選択します。
すべて
このオプションは、すべての週を対象にする場合に選択します。
選択済
このオプションは、対象となる週を指定する場合に選択します。たとえば、月の第1週にバックアップをトリガーするには、「第1」を選択します。
除外リストで、平日の例外を指定します。例外を指定すると、指定した日にデータのバックアップは実行されなくなります。選択肢は次のとおりです。
なし(デフォルト)
このオプションは、例外がないことを指定する場合に選択します。
除外
このオプションは、例外を認める場合に選択します。
「時間」リストで、例外の時間を選択します。選択肢は次のとおりです。
次より前
このオプションは、特定の日より前に例外を指定する場合に選択します。
次より後
このオプションは、特定の日より後に例外を指定する場合に選択します。
日の指定リストで、例外の日を選択します。たとえば、「最後の月曜日」を指定できます。これまでの手順の値を使用して、月の最後の月曜日より後を除いて週末ごとにトリガーするようにOracle Secure Backupに指示できます。
次のいずれかを選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
スケジュールがメイン・ボックスに表示されます。スケジュールには、バックアップのレベル、開始予定時間およびバックアップの実行予定日が表示されます。
「削除」をクリックし、トリガーを削除します。
「取消」をクリックして操作を無効にし、1つ前のページに戻ります。
ワンタイム・バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを追加するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
ページにバックアップ・スケジュールの詳細が表示されます。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー・タイプ」ボックスから「1回限り」を選択します。
「日次バックアップ・トリガーの作成」の手順3〜6に従います。
「月」、「日」および「年」の各ボックスに、ワンタイム・バックアップを実行する日付を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「トリガー」ページに戻ります。スケジュールが中央のテキスト・ボックスに表示されます。
月次バックアップ・トリガーをスケジュールするには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを作成するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
トリガー・タイプ」ボックスで、「月」を選択します。
「日次バックアップ・トリガーの作成」の手順3〜6に従います。
「月単位の日」グループで、月単位の日を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「トリガー」ページに戻ります。スケジュールが中央のテキスト・ボックスに表示されます。
四半期バックアップ・トリガーをスケジュールするには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを作成するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」ボックスで、「四半期」を選択します。
「日次バックアップ・トリガーの作成」の手順3〜6に従います。
次のオプションのいずれかを選択します。
四半期単位の日(日01〜92)
このオプションは、四半期単位の日を指定する場合に選択します。日92は、四半期に92日ない場合でも最終日として処理されます。
四半期単位の月日
四半期単位の月(01、02、03)および月単位の日を選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「トリガー」ページに戻ります。スケジュールが中央のテキスト・ボックスに表示されます。
年次バックアップ・トリガーを作成するには、次のようにします。
「スケジュール」ページで、トリガーを作成するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
「トリガー・タイプ」ボックスで、「年」を選択します。
「日次バックアップ・トリガーの作成」の手順3〜6に従います。
次のオプションのいずれかを選択します。
年単位の日
このオプションは、年単位の日(1〜366)を指定する場合に選択します。
毎年の日付
このオプションは、月(1〜12)および日(1〜31)を指定する場合に選択します。
「追加」をクリックし、入力を確定してトリガーを追加します。
「トリガー」ページに戻ります。スケジュールが中央のテキスト・ボックスに表示されます。
「スケジュール」ページで、トリガーを編集するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
「編集」ボタンをクリックします。
必要な変更を加えます。
「適用」または「取消」をクリックします。
「スケジュール」ページで、トリガーを編集するスケジュールを選択し、「編集」ボタンをクリックします。
「トリガー」ボタンをクリックします。
「トリガー」ページが表示されます。
中央のボックスで、削除するトリガーを選択します。
「削除」をクリックします。
この項の内容は次のとおりです。
オンデマンド・バックアップは、データセット内のデータの非定型または1回かぎりのバックアップです。たとえば、クライアント・ホストbrhost2
上のOracleホームをバックアップするようにOracle Secure Backupに指示できます。オンデマンド・バックアップの概念的な全体像は、「スケジュール済バックアップとオンデマンド・バックアップ」を参照してください。
ファイル・システム・データをオンデマンドでバックアップするには、次のタスクを実行する必要があります。
ユーザー、ホスト、デバイス、メディア・ファミリおよびクラスを設定します。
この項では、第4章「管理ドメインの設定」および第5章「バックアップおよびメディア設定の構成」で説明しているように、管理ドメインの構成が済んでいることを前提にしています。特に、自分によるバックアップ実行(perform backups as self
)および特権ユーザーとしてのバックアップ実行(perform backups as privileged user
)の2つのクラス権限がオンデマンド・バックアップに適用されることに注意してください。
バックアップするデータを記述するデータセット・ファイルを作成します。このタスクは、「データセット・ファイルの作成」を参照してください。
バックアップを実行する権限およびバックアップ対象データへのアクセスに必要なUNIXまたはWindowsアカウントを持つOracle Secure Backupユーザーとして、管理ドメインにログインします。
次の手順を実行し、ファイル・システム・データのオンデマンド・バックアップを作成するようにOracle Secure Backupに指示します。
1つ以上のバックアップ・リクエストを作成します。
「ジョブとリクエスト」で説明しているように、Oracle Secure Backupでは、各バックアップ・リクエストは、スケジューラに送信されるまで、Webツールまたはobtool
セッションにローカルに保存されます。この状態では、バックアップは実行対象となりません。
スケジューラにまだ送信されていないバックアップ・リクエストはすべて、バックグラウンド・タイムアウトに達するまで残存します。バックグラウンド・タイムアウト値は、特定のobtool
バックグラウンド・プロセスの最大アイドル時間を指定します。詳細は、「プリファレンス」を参照してください。
任意のときに、バックアップ・リクエストのこのリストに対して、追加、確認または変更を行います。
リストア・リクエストのリストに対して、いつでも追加、確認または変更を行うことができます。
バックアップ・リクエストをスケジューラに送信します。
「ジョブとリクエスト」で説明しているように、この操作により、各バックアップ・リクエストはデータセット・ジョブに戻され、実行対象となります。
「バックアップ」ページで、「すぐにバックアップ」をクリックすると、図7-4に示すページが表示されます。中央のボックスに、スケジューラにまだ送信していない作成済の各バックアップ・リクエストが表示されます。バックアップ・リクエストは、バックアップ名および番号によって識別されます。
すべてのオンデマンド・バックアップの作成および構成タスクが、このページまたはリンク表示されているページで実行できます。
関連資料: obtool のバックアップ・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
オンデマンド・バックアップ・リクエストを作成するには、次のようにします。
「すぐにバックアップ」ページで、「追加」ボタンをクリックして「オプション」ページを表示します。
データセット・ボックスで、1つ以上のデータセット・ファイルまたはディレクトリを選択します。
「バックアップ日」および「バックアップ時間」のボックスで、バックアップを実行する未来の日時を選択します。これらのフィールドを変更しないままにすると、バックアップ・ジョブは即時実行の対象としてみなされます。
必要に応じて、有効期限ボックスおよびリストを使用し、時間間隔を入力します。たとえば、3日という期間を指定するには、3と入力して「日」を選択します。デフォルトでは、有効期限は「無効」(失効しない)に設定されます。詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』のdurationプレースホルダの説明を参照してください。
このオプションは、先に「バックアップ日」および「バックアップ時間」のボックスに定義した日時の後、指定された有効期間内に開始されなければ自動的にこのバックアップ・ジョブを期限切れにするようにOracle Secure Backupに指示します。
「バックアップ・レベル」ボックスからバックアップ・レベルを選択します。選択肢は次のとおりです。
完全(デフォルト)
このオプションは、前回いつバックアップされたかに関係なく、データセット内のすべてのデータをバックアップする場合に選択します。このオプションは、バックアップ・レベル0と同じです。
1〜9
整数値を選択し、それより下位のバックアップ・レベルで、前回のバックアップ後に変更があったファイルのみをバックアップします。
増分
このオプションは、バックアップ・レベルに関係なく、前回のバックアップ後に変更があったデータのみをバックアップします。このオプションは、バックアップ・レベル10と同じです。
注意: Oracle Secure Backupでは、増分バックアップ・レベルをNASデバイスなどの一部のプラットフォームとともに使用することができません。特に、増分オプションは、Network Appliance Filerには適用されません。 |
オフサイト
このオプションは、全体(レベル0)バックアップを指定し、全体/増分バックアップ・スケジュールに影響を与えない方法でこのバックアップの記録を保存するようにOracle Secure Backupに指示する場合に選択します。このオプションは、増分バックアップのスケジュールを妨害せずにオフサイト・ストレージのバックアップ・イメージを作成するときに使用すると便利です。
「メディア・ファミリ」ボックスで、このバックアップの日付が割り当てられるメディア・ファミリを選択します。「メディア・ファミリ」で説明しているように、メディア・ファミリとは、バックアップ・ボリュームの名前付き分類です。
必要に応じて、制限ボックスにデバイスの名前を入力します。このデータベース・バックアップ・ストレージ・セレクタによって制御されるバックアップは、そのデバイスに限定されます。制限には、次の書式を使用します。
device: 特定のデバイスを指定します。
@hostname: 特定のホストに接続されたドライブを指定します。
device@hostname: ホストに接続されたドライブを指定します。
このオプションを空白のままにしておくと、Oracle Secure Backupはデバイス・ポーリングを使用して、バックアップおよびリストア操作で使用できるデバイスを検出します。
必要に応じて、「優先度」ボックスでバックアップ・ジョブの優先度を変更します。デフォルト値は100です。ジョブの優先度は正の整数値です。この値が低ければ低いほど、スケジューラによってジョブに割り当てられる優先度は高くなります。たとえば、優先度20のジョブは、優先度100のジョブより重要であるとみなされます。スケジューラは、常に優先度が低いジョブより優先度が高いジョブのディスパッチを優先します。
バックアップを非特権モードまたは特権モードで操作するかどうかを選択します(「特権バックアップと非特権バックアップ」を参照)。非特権モードがデフォルトです。
「OK」または「取消」をクリックします。
この項では、スケジューラにまだ送信していない作成済のバックアップ・リクエストを削除する方法について説明します。
バックアップ・リクエストを削除するには、次のようにします。
「バックアップ」メニューから、「操作」のサブメニューの「すぐにバックアップ」をクリックします。
「すぐにバックアップ」ページが表示されます。
中央のパネルの番号/データセット・ボックスから、バックアップ・リクエストを選択します。
「削除」ボタンをクリックします。
削除されたバックアップの番号を通知するメッセージがステータス領域に表示されます。
すべての保留中のバックアップ・リクエストをスケジューラに送信するには、次のようにします。
「すぐにバックアップ」ページで、「実行」ボタンをクリックします。
中央のボックスに表示される各バックアップ・リクエストがOracle Secure Backupのスケジューラに送信されます。
スケジューラによって確認されたリクエストごとにメッセージがステータス領域に表示されます。次に例を示します。
backup request 1 (dataset datadir.ds) submitted; job id is admin/6.
各バックアップ・リクエストは、スケジューラが受け入れた時点でOracle Secure Backupよって削除されます。そのため、「実行」操作が完了すると、中央のボックスは空になります。
各ジョブの出力を表示するには、「ジョブのトランスクリプトの表示」を参照してください。
「管理データ」では、ドメインの管理データの重要性について説明しています。管理サーバー上に格納されたクリティカル・データを失うと、ドメインの構成データだけでなくすべてのバックアップおよびボリュームの記録も失います。
標準バックアップ・ルーチンの一環として、管理サーバー上のクリティカル・データをバックアップすることをお薦めします。たとえば、Oracle Secure Backupホームの全体バックアップを2週間ごとに、増分バックアップを毎夜作成します。障害リカバリ・シナリオの一環として、定期的にOracle Secure Backupホームおよび関連の有益なファイルのバックアップを作成し、オフサイトの安全な場所に格納する必要があります。たとえば、そのデータは毎月バックアップします。
日次バックアップ専用に1つ、オフサイト・バックアップ用に1つ、メディア・ファミリを作成することをお薦めします。このようにすると、メディア障害や障害回復のときに迅速に特定する必要がある場合に、簡単に特定できるボリュームIDをテープに付けることができます。
管理サーバー上のクリティカル・データをバックアップするには、次のようにします。
管理サーバー上の次のディレクトリおよびファイルを含むデータセットを作成します。
Oracle Secure Backupホーム・ディレクトリ
/etc/obconfig
ファイル(LinuxおよびUNIXのみ)
/usr/etc/ob
ファイル(LinuxおよびUNIXのみ)
例7-6に、ashost
というLinux管理サーバー上のクリティカル・ファイル用のサンプル・データセットを示します。
例7-6 ashost.ds
include host ashost { include path /usr/local/oracle/backup include path /etc/obconfig include path /usr/etc/ob }
例7-7に、winserver
というWindows管理サーバー上のクリティカル・ファイル用のサンプル・データセットを示します。
オンデマンドまたはスケジュール済の特権バックアップ・リクエストを作成し、前の手順で作成したデータセットを指定します。
バックアップ・リクエストがオンデマンドの場合は、Oracle Secure Backupのスケジューラにリクエストを送信します。
オフサイト・バックアップを作成している場合は、次の手順に進みます。
バックアップ・ジョブの実行後に、バックアップのトランスクリプトをファイルとして保存し、そのファイルを印刷します。次の例では、obtool
でcatxcr
コマンドを使用し、admin/4.1
バックアップ・ジョブのトランスクリプトを保存しています。
obtool catxcr --level 0 admin/4.1 > /tmp/ashost.out
ジョブのトランスクリプトが格納されている/usr/etc/ob/xcr
ディレクトリにナビゲートすることもできます。たとえば、admin@4.1
は次のように表示できます。
# cd /usr/etc/ob/xcr # ls admin@1.1 admin@3.1 admin@5.1 admin@7.1 admin@2.1 admin@4 admin@6.1 # more admin@4.1 [4100000001]2006/01/23.15:16:12 __________________________________ [4100000001]2006/01/23.15:16:12 [4100000002]2006/01/23.15:16:12 Transcript for job admin/4.1 running on ella [4100000002]2006/01/23.15:16:12 [3100000003]2006/01/23.15:16:23 Info: mount data verified. [3100000004]2006/01/23.15:16:23 Info: volume in ellatape is
必要に応じて、テープ・デバイス用のデバイス特殊ファイルの作成に使用したSCSIパラメータのコピーを印刷します(SCSIデータを取得する手順は、『Oracle Secure Backupインストレーション・ガイド』を参照してください)。
ボリュームに明確にマークを付け、印刷したジョブのトランスクリプトおよびSCSIパラメータのサマリーとともに安全な場所に格納します。