この章では、Oracle Secure Backupでバックアップしたファイル・システム・オブジェクトをリストアする方法について説明します。この章の内容は次のとおりです。
関連資料:
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この章では、「ファイル・システムのリストア操作」を一読していることを前提にしています。ファイル・システム・データは、次の方法でリストアできます。
カタログの参照
この場合、カタログを参照してリストアするファイルを選択します(「バックアップ・カタログ」を参照)。
バックアップが存在するメディアの指定
obtar
の使用
この場合、obtar
を使用してテープに直接アクセスします。obtar
を使用したファイルのリストアは、エキスパート・ユーザーのみを対象としています。
この章では、カタログベースおよびRAWリストア操作を実行する方法について説明します。obtar
によるファイルのリストアは、高度な手法と考えられています。
手順の順序は、カタログベースのリストア操作とRAWリストア操作のいずれも基本的に同じです。
ファイル・システム・リストア・ジョブは、次のように作成します。
admin
またはファイルの参照およびリストアに必要な権限を持つユーザーとして管理ドメインにログインします。次の権限が必要です。
ファイルを特権モードでリストアする、またはNDMPホストにリストアする場合は、特権ユーザーとしてのリストア実行(perform restores as privileged user
)権限。
非特権モードでファイルをリストアする場合は、自分によるリストア実行(perform restores as self
)権限。
カタログを参照する場合は、none
以外の値に設定された、このアクセスによるバックアップ・カタログの参照(browse backup catalogs with this access
)権限。設定可能なアクセス値は、privileged
、notdenied
、permitted
、named
およびnone
です。
リストアするバックアップを特定します。
カタログベースのリストアの場合、カタログ内でファイルを検索します。このタスクの実行方法は、「バックアップ・カタログの参照」で説明します。
RAWリストアの場合、バックアップのリストア元となるボリュームおよびバックアップ・セクションのファイル番号を特定します。このタスクの実行方法は、「バックアップ・セクションの表示」で説明します。
1つ以上のリストア・リクエストを作成します。
カタログベースのリストア・リクエストを作成するには、「スケジューラへのカタログベースのリストア・リクエストの送信」を参照してください。
RAWリストア・リクエストを作成するには、「スケジューラへのRAWリストア・リクエストの送信」を参照してください。
注意: スケジューラにまだ送信されていないリストア・リクエストはすべて、バックグラウンド・タイムアウトに達するまで残存します。バックグラウンド・タイムアウト値は、特定のobtool バックグラウンド・プロセスの最大アイドル時間を指定します。詳細は、「プリファレンス」を参照してください。 |
キューに入れられたリストア・リクエストを削除します(必要な場合)。
カタログベースのリストア・リクエストを削除するには、「カタログベースのリストア・リクエストの削除」を参照してください。
RAWリストア・リクエストを削除するには、「RAWリストア・リクエストの削除」を参照してください。
リクエストがジョブとなり実行対象となるように、リストア・リクエストをOracle Secure Backupのスケジューラに送信します。Oracle Secure Backupのスケジューラは、優先順に従ってジョブを実行します。
カタログベースのリストア・ジョブを作成するには、「スケジューラへのカタログベースのリストア・リクエストの送信」を参照してください。
RAWリストア・ジョブを作成するには、「スケジューラへのRAWリストア・リクエストの送信」を参照してください。
この項では、バックアップ・カタログを参照してリストア・リクエストを作成する方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
「リストア」ページで、「バックアップ・カタログ」をクリックすると、図8-1に示すバックアップ・カタログ・ページが表示されます。このページを使用して、ファイルおよびディレクトリのバックアップのカタログが参照できます。
カタログを参照し、リストアする特定のデータを指定するには、次のようにします。
バックアップ・カタログ・ページで、「ホスト名」リスト・ボックスからホスト名を選択します。ホストは、データが最初にバックアップされたホストである必要があります。
データ・セレクタ・ボックスで、1つ以上のデータ・セレクタを選択します。データ・セレクタの有効値の詳細は、表2-1「データ・セレクタ」を参照してください。次のデータ・セレクタのオプションに注意してください。
「バックアップID」を選択した場合は、バックアップIDテキスト・ボックスに1つ以上のバックアップIDをカンマで区切って入力します。このクライアントのバックアップ・リストからバックアップIDを取得する方法は、「クライアントのすべてのバックアップのリスト表示」で説明します。
「指定日」を選択した場合は、指定日ボックスに日付と必要に応じて時間を入力します。たとえば、5/2
と入力します。
「日付範囲」を選択した場合は、「日付範囲」テキスト・ボックスに範囲を入力します。たとえば、2005/5/1-2005/5/31
と入力します。
表示モードを選択します。包括的表示モードおよび完全一致表示モードの詳細は、「カタログ表示モード」を参照してください。
必要に応じて、「パス」ボックスに参照するディレクトリのパス名を入力します。パスを入力しない場合は、クライアントのネーミング階層内の最上位ディレクトリが表示されます。
「ホストの参照」をクリックします。
ホストの参照ページに選択したディレクトリのコンテンツが表示されます。
ディレクトリ名をクリックして現行ディレクトリにし、コンテンツを表示します。この操作は、リストアするデータが見つかるまで繰り返すことができます。
選択したディレクトリのコンテンツは、アクセスした場合はグレー、アクセスしていない場合はオレンジのディレクトリ名とともに表示されます。
データ・セレクタは、このページから移動せずに、次のようにいつでも変更できます。
必要に応じて、データ・セレクタ・リスト・ボックスの選択を調整します。
必要に応じて、該当する場合は「バックアップID」、「指定日」または「日付範囲」の各ボックスを更新します。
「適用」をクリックします。
新しいデータ・セレクタが適用され、ページが再表示されます。表示モードが包括的モードである場合、以前のページと同一に見えます。しかし、プロパティを表示する際に選択するファイル・システム・オブジェクトのインスタンスには、新しいデータ・セレクタの設定が反映されています。
表示モードは、このページから移動せずに、次のように変更できます。
「包括的」または「完全一致」のいずれかの表示モードを選択します。
「適用」をクリックします。
新しい表示モードが適用され、ページが再表示されます。
「バックアップ・カタログの参照」では、リストアするデータを検索しました。この項では、リストア・リクエストを完成するために、様々なリストア・オプションを指定します。
カタログベースのリストア・リクエストを作成するには、次のようにします。
リストアする各ファイル・システム・オブジェクト名の横のボックスを選択します。この操作を実行すると、データ・セレクタによって特定されたオブジェクトの各インスタンスをリストアするようにOracle Secure Backupにリクエストしたことになります。
それらのインスタンスのIDを確認するには、すぐ横のプロパティ・ボタン表示をクリックして、オブジェクトのプロパティ・ページを表示します。ページの確認が終わったら、「閉じる」をクリックします。
「追加」をクリックします。
注意: チェック・ボックスの選択をしたページから移動する前に、「追加」をクリックする必要があります。そうしないと、選択内容が廃棄されます。 |
新規リストア・ページが表示されます。
必要に応じて、リストアするファイルまたはディレクトリごとに代替パス名を入力します。たとえば、/tmp
と入力します。
すでに選択した各オブジェクトの元のパス名が、このページの左下の部分に表示されます。その右側に、代替パス名を入力できるテキスト・ボックスがあります。このボックスを空白のままにすると、データは元のパスにリストアされます。
注意: Network ApplianceのData Ontapなど、一部のNASデータ・サーバーは、リストアされたデータの名前の変更機能を制限しています。その制約に違反しようとすると、リストア・ジョブは失敗します。 |
必要に応じて、「デバイス」ラジオ・ボタンを選択し、リストアの実行に使用するテープ・ドライブを選択します。デフォルトでは、最適なドライブが自動的に選択されます。
リストアを非特権モードで操作するか、特権モードで操作するかを選択します。非特権モードがデフォルトです。
非特権リストアは、Oracle Secure Backupのユーザー・プロファイルでの構成に従って(「ユーザーの構成」を参照)、UNIXユーザーIDまたはWindowsアカウントIDのもとで実行されます。そのため、ファイル・システム・データへのアクセスは、そのIDを所有するUNIXユーザーまたはWindowsアカウントの権限によって制約されます。
注意: UNIXシステムでは、特権リストア・ジョブはルート・ユーザーIDのもとで実行されます。Windowsシステムでは、ジョブはWindowsクライアント上のOracle Secure Backupサービスと同じアカウントIDのもとで実行されます。 |
必要に応じて、「Obtarオプション」ボックスに1つ以上のobtar
オプションを入力します。たとえば、-J
と入力すると、デバッグ出力が有効になり、高いレベルの詳細情報がリストアのトランスクリプトに出力されます。
関連資料: obtar オプションのサマリーは、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
リストアを高速化するために使用可能な位置データを使用しない場合は、「高速位置指定をしない」ボックスを選択します。
「NDMP増分リストア」を選択して、NASデータ・サーバーに増分リストア・ルールの適用を指示します。このオプションは、この機能を実装しているNASデータ・サーバーに対してのみ適用されます。このオプションは、obtar
で作成されたファイル・システム・バックアップには適用されません。
通常、リストア操作は累積的です。つまり、全体または増分バックアップからリストアされた各ファイルおよびディレクトリは、リストア先のディレクトリに追加されます。最新のOracle Secure Backupのバックアップ後にファイルがディレクトリに追加された場合、リストア操作では新たに追加されたファイルは削除されません。
「NDMP増分リストア」を選択すると、NASデータ・サーバーでは、リストア・ジョブ中に適用された最新の増分バックアップ・イメージの状態に各ディレクトリをリストアします。最新の増分バックアップより前に削除されたファイルは、この増分バックアップのリストア時にNASデータ・サービスによって削除されます。
たとえば、file1
およびfile2
を含む、/home
の増分バックアップを作成するとします。file1
を削除し、/home
の増分バックアップを別に作成します。/home
の通常のリストアの後では、ディレクトリにはfile1
およびfile2
が含まれます。/home
のNDMP増分リストアの後では、ディレクトリにはfile2
しか含まれません。
「既存のファイルを置換」を選択して、バックアップ・イメージからリストアされたファイルで既存のファイルを上書きします。
あるいは、「既存のファイルを保存」を選択して、既存のファイルをバックアップ・イメージからのファイルで上書きせずに保存します。
Windowsシステムにリストアしている場合は、「使用中のファイルを置換」を選択して、使用中のファイルをバックアップ・イメージからのファイルで置き換えます。使用中の各ファイルは、最後のユーザーが閉じると削除されます。
あるいは、「使用中のファイルを保存」を選択して、使用中のWindowsファイルが変更されないようにします。
「OK」をクリックします。
ホストの参照ページが表示されます。リストア・アイテムのリスト・ボックスに、リストア・リクエストが表示されます。「ステータス」領域に、「成功: ファイルがリストア・リストに追加されました」というメッセージが表示されます。
カタログベースのリストア・リクエストを追加作成するには、「バックアップ・カタログの参照」に戻ります。
この項では、スケジューラにまだ送信していない作成済のカタログベースのリストア・リクエストを削除する方法について説明します。
カタログベースのリストア・リクエストを削除するには、次のようにします。
バックアップ・カタログ・ページで、「ホスト名」リストからホストを選択します。
「ホストの参照」をクリックします。
ホストの参照ページが表示されます。
リストア・アイテム・リストで、削除するリストア・リクエストを選択します。
「削除」をクリックします。
ページが再表示されます。選択したリストア・リクエストは、リストア・アイテム・ボックスに表示されなくなります。
この項では、すべての保留中のカタログベースのリストア・リクエストをスケジューラに送信する方法について説明します。
カタログベースのリストア・リクエストをスケジューラに送信するには、次のようにします。
バックアップ・カタログ・ページで、「ホスト名」リスト・ボックスからホストを選択します。
「ホストの参照」をクリックします。
ホストの参照ページが表示されます。
「実行」をクリックします。
リストア・アイテム・ボックスに表示される各リストア・リクエストがスケジューラに送信されます。
スケジューラによって確認されたリクエストごとにメッセージが情報バーに表示されます。次に例を示します。
1 catalog restore request item submitted; job id is admin/240.
各リストア・リクエストは、スケジューラが受け入れた時点でOracle Secure Backupよって削除されます。そのため、「実行」操作が完了すると、リストア・アイテムのリスト・ボックスは空になります。
ジョブのトランスクリプトを表示して、正常に完了したことを確認します。ジョブ出力を表示する方法は、「ジョブのトランスクリプトの表示」を参照してください。
この項では、バックアップ・カタログを使用せずにデータをリストアする方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。
「リストア」ページで、「メディアから直接」をクリックすると、図8-2に示すページが表示されます。このページを使用してRAWリストア操作を実行できます。
関連資料: obtool のブラウザ・コマンドの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。 |
ファイル・システム・オブジェクトのRAWリストアを実行するには、次の情報を把握する必要があります。
RAWリストア・リクエストを作成するには、次のようにします。
「メディアから直接」ページで、「追加」をクリックします。
「オプション」ページが表示されます。
必要に応じて、「デバイス」セクションで「デバイス」をクリックし、リストア操作に使用するテープ・ドライブを選択します。デフォルトでは、最適なドライブが自動的に選択されます。
リストアを非特権モードで操作するか、特権モードで操作するかを選択します。非特権モードがデフォルトです。
「ファイル番号」テキスト・ボックスに、データのリストア元となるバックアップ・イメージのファイル番号を入力します。ファイル番号の詳細は、「ボリューム・セット」を参照してください。
「ボリュームID」ボックスに、データのリストアを開始する最初のボリュームIDを入力します。ボリュームIDの詳細は、「ボリューム・セット」を参照してください。
必要に応じて、「タグ」テキスト・ボックスに、リストアを開始する最初のボリュームのボリューム・タグを入力します。「ボリューム」で説明しているように、タグとは、ボリュームに付けられたマシンでの読取りが可能なバーコードです。
注意: ボリュームIDまたはタグ、あるいはその両方を入力します。両方のフィールドを空白のままにすることはできません。 |
必要に応じて、「Obtarオプション」ボックスに1つ以上のobtar
オプションを入力します。
obtar
オプションの詳細は、『Oracle Secure Backupリファレンス』を参照してください。
「NDMP増分リストア」を選択して、特定のNASデータ・サーバーに増分リストア・ルールの適用を指示します。
通常、リストア操作は累積的です。つまり、全体または増分バックアップからリストアされた各ファイルおよびディレクトリは、リストア先のディレクトリに追加されます。
「NDMP増分リストア」を選択すると、この機能を実装しているNASデータ・サーバーでは、リストア・ジョブ中に適用された最新の増分バックアップ・イメージ時点の状態そのままに各ディレクトリをリストアします。最新の増分バックアップより前に削除されたファイルは、その増分バックアップのリストア時にNASデータ・サービスによって削除されます。
「既存のファイルを置換」を選択して、バックアップ・イメージからリストアされたファイルで既存のファイルを上書きします。
あるいは、「既存のファイルを保存」を選択して、既存のファイルをバックアップ・イメージからのファイルで上書きせずに保存します。
Windowsシステムにリストアしている場合は、「使用中のファイルを置換」を選択して、使用中のファイルをバックアップ・イメージからのファイルで置き換えます。使用中の各ファイルは、最後のユーザーが閉じると削除されます。
あるいは、「使用中のファイルを保存」を選択して、使用中のWindowsファイルが変更されないようにします。
「すべて」を選択して、選択したバックアップ・イメージ・ファイルのコンテンツ全体をリストアします。
あるいは、「ファイル」を選択して、特定のファイルまたはディレクトリをリストアします。「ファイル」を選択した場合は、次の操作を実行します。
「ファイル」ラジオ・ボタンの右側にあるテキスト・ボックスに、リストアするファイルまたはディレクトリの名前を入力します。
Oracle Secure Backupによってすでにリポートされているため、バックアップ・イメージ内のファイルの位置がわかる場合は、その位置を「位置」ボックスに入力します。わからない場合は、このフィールドを空白のままにします。
リストア先のホストのリストから、データのリストア先となるホストを選択します。
保存された名前と異なる名前を使用してデータをリストアする場合は、代替パスのテキスト・ボックスに、パス名を入力します。
たとえば、brhost2
のホーム・ディレクトリをリストアするとします。brhost2
ファイル・システム上のディレクトリの絶対パスは、/export/home/brhost2
です。代替ディレクトリにリストアするには、新しいパスおよび任意の最終ディレクトリ名を入力します。たとえば、/export/home/brhost2
を/tmp/brhost2-restored
にリストアできます。同じ方法が個別のファイルにも使用できます。たとえば、/export/home/brhost2/.cshrc
を/tmp/.cshrc-restored
にリストアできます。
「OK」をクリックして選択内容を確定するか、「取消」をクリックして廃棄します。
「メディアからリストア」ページに戻ります。「OK」をクリックすると、作成したばかりのRAWリストア・リクエストがリスト・ボックスに表示されます。「成功: リストア・タスクが作成されました」というメッセージが「ステータス」領域に表示されます。
この項では、スケジューラにまだ送信していない作成済のRAWリストア・リクエストを削除する方法について説明します。
RAWリストア・リクエストを削除するには、次のようにします。
「メディアから直接」ページで、削除するリクエストを選択します。
「削除」をクリックします。
ページが再表示されます。選択したリストア・リクエストは、リスト・ボックスに表示されなくなります。
この項では、すべての保留中のRAWリストア・リクエストをスケジューラに送信する方法について説明します。
RAWリストア・リクエストをスケジューラに送信するには、次のようにします。
「メディアから直接」ページで、「実行」をクリックします。
「メディアからリストア」リスト・ボックスに表示される各リストア・リクエストがスケジューラに送信されます。
スケジューラによって確認されたリクエストごとにメッセージがステータス領域に表示されます。次に例を示します。
raw restore request 1 submitted; job id is admin/7.
各リストア・リクエストは、スケジューラが受け入れた時点でOracle Secure Backupよって削除されます。そのため、「実行」操作が完了すると、「メディアからリストア」リスト・ボックスは空になります。
ジョブのトランスクリプトを表示して、正常に完了したことを確認します。ジョブ出力を表示する方法は、「ジョブのトランスクリプトの表示」を参照してください。
この項では、「管理サーバー上のクリティカル・データのバックアップ」で推奨しているように、管理サーバーのバックアップを定期的に作成していることを前提にしています。この項では、メディア障害または管理サーバーの損失の場合に、admin
ディレクトリをリストアする基本手順について説明します。
管理サーバー上にOracle Secure Backupをインストールする手順は、『Oracle Secure Backupインストレーション・ガイド』のLinuxまたはUNIXでのOracle Secure Backupソフトウェアのロードおよびインストールに関する項を参照してください。Oracle Secure Backupのインストール時には、このマニュアルを参照してください。
次の手順におけるサンプル出力では、ella
というUNIXホスト上の管理データをリストアしています。このホストには、1つのテープ・ドライブを含むテープ・ライブラリが接続されています。サンプル出力は、スペースの制約上、省略または体裁が修正されていることがあります。
メディア障害後に管理データをリストアするには、次のようにします。
管理サーバーがLinuxまたはUNIXメディア・サーバーである場合は、デバイス特殊ファイルの作成に必要なSCSI情報を収集します。この情報の印刷コピーをバックアップ・ボリュームとともに保存した場合は、かわりにこの保存した情報を使用して、『Oracle Secure Backupインストレーション・ガイド』で説明しているようにSCSI情報を取得します。
setup
を実行してOracle Secure Backupソフトウェアをインストール・メディアからロードします。次の例では、LinuxおよびUNIXパッケージをロードしています。
# /cdrom/cdrom0/setup Welcome to Oracle's setup program for Oracle Secure Backup. This program loads Oracle Secure Backup software from the CD-ROM to a filesystem directory of your choosing. This CD-ROM contains Oracle Secure Backup version 10.1.060119. Please wait a moment while I learn about this host... done. Would you like to load the Oracle Secure Backup software into your current directory /export/home/oracle/backup? (Oracle recommends using /usr/local/oracle/backup as the Oracle Secure Backup home) A 'yes' answer proceeds to use the current directory [yes]: - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - You may load any of the following Oracle Secure Backup packages: 1. linux32 (RH 2.1, RHEL 3, RHEL 4, SuSE 8, SuSE 9) administrative server, media server, client 2. solaris64 (Solaris 2.8 and later, SPARC) administrative server, media server, client Enter a space-separated list of packages you'd like to load. To load all packages, enter 'all' [2]: . . . Loading of Oracle Secure Backup software from CD-ROM is complete. You may unmount and remove the CD-ROM. Would you like to continue Oracle Secure Backup installation with 'installob' now? (The Oracle Secure Backup Installation Guide contains complete information about installob.) Please answer 'yes' or 'no' [yes]:
Oracle Secure Backupソフトウェアをインストールし、このホストに管理サーバーのロールを割り当てます。Error: can't connect to local observiced
というメッセージは予期される動作であることに注意してください。
Welcome to installob, Oracle Secure Backup's UNIX installation program. . . . Please wait a few seconds while I learn about this machine... done. Have you already reviewed and customized install/obparameters for your Oracle Secure Backup installation [yes]? yes Verifying that installation parameters are correct... done. - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - You can choose to install Oracle Secure Backup in one of two ways: (a) interactively, by answering questions asked by this program, or (b) in batch mode, by preparing a network description file Use interactive mode to install Oracle Secure Backup on a small number of hosts. Use batch mode to install Oracle Secure Backup on any number of hosts. Which installation method would you like to use (a or b) [a]?a - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Oracle Secure Backup is not yet installed on this machine. Oracle Secure Backup's Web server has been loaded, but is not yet configured. You can install this host one of three ways: (a) administrative server (the host will also be able to act as a media server or client) (b) media server (the host will also be able to act as a client) (c) client If you are not sure which way to install, please refer to the Oracle Secure Backup Installation Guide. (a,b or c) [a]? Beginning the installation. This will take just a minute and will produce several lines of informational output. Installing Oracle Secure Backup on ella (solaris version 5.9) You must now enter a password for the Oracle Secure Backup 'admin' user. Oracle suggests you choose a password of at least 8 characters in length, containing a mixture of alphabetic and numeric characters. Please enter the admin password: Re-type password for verification: . . . initializing the administrative domain Error: can't connect to local observiced - error opening single sign on wallet WARNING: administrative domain initialization failed (1) -- see the message above. generating links for admin installation with Web server . . . NOTE: The Oracle Secure Backup device driver has been successfully installed. Is ella connected to any tape libraries that you'd like to use with Oracle Secure Backup [no]? yes
管理サーバーがメディア・サーバーでもある場合は、接続されたテープ・デバイスのSCSI情報を指定します。次の例では、ella
を管理サーバーとして構成し、接続されたテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブのSCSI情報を指定しています。
How many Oracle Secure Backup tape libraries are attached to ella [1]? Please describe each tape library by answering the following questions. Oracle Secure Backup logical unit number [0]: SCSI bus name-instance [glm1]: SCSI target ID [3]: 1 SCSI lun 0-7 [0]: Is the information you entered correct [yes]? Is ella connected to any tape drives that you'd like to use with Oracle Secure Backup [no]? yes How many Oracle Secure Backup tape drives are attached to ella [1]? Please describe each tape drive by answering the following questions. Oracle Secure Backup logical unit number [0]: SCSI bus name-instance [glm1]: SCSI target ID [4]: 0 SCSI lun 0-7 [0]: Is the information you entered correct [yes]? - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Beginning device driver configuration and device special file creation. NOTE: table for devlinks... type=ddi_pseudo;name=ob;addr=0,0;minor=glm1 obt0 /dev/obt0 created NOTE: table for devlinks... type=ddi_pseudo;name=ob;addr=1,0;minor=glm1 obl0 /dev/obl0 created - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - NOTE: You must configure the new devices via the Web interface or via the command line using the obtool 'mkdev' command. - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - Would you like to install Oracle Secure Backup on any other machine [yes]? no Installation summary: Installation Host OS Driver OS Move Reboot Mode Name Name Installed? Required? Required? admin ella solaris64 no no no Oracle Secure Backup is now ready for your use.
observiced
のプロセスIDを取得した後、プロセスを終了します。次に例を示します。
# ps -auwx | grep observiced root 975 0.4 1.222336 5960 pts/2 S 14:00:36 0:02 observiced -s # kill -9 975 # ps -auwx | grep observiced #
管理ドメインの再初期化を強制実行します。admin
ユーザーの新規パスワードを指定する必要があります。次に例を示します。
# obtool --initnewdomain --force Please enter a password for the "admin" user. Password: Password (again):
管理サーバーがメディア・サーバーである場合は、Webツールまたはobtool
を使用してテープ・デバイスを再構成します。それ以外の場合は、データのリストアに使用できるドメインに別のメディア・サーバーを追加する必要があります。次の例では、ella
に接続されているテープ・ライブラリおよびテープ・ドライブを構成しています。
ob> lshost ella admin,client (via OB) in service ob> mkdev --type library --attach ella:/dev/obl0 ellalib Info: added "mediaserver" role to host ella. ob> mkdev --type tape --library ellalib --dte 1 --uselist all --attach ella:/dev/obt0 ellatapeob> lshost ella admin,mediaserver,client (via OB) in service
テープ・ライブラリのインベントリを強制実行し、ボリュームをリストします。次に例を示します。
ob> inventory --drive ellatape --force ob> lsvol -L ellalib Inventory of library ellalib: in 1: occupied in 2: occupied in 3: occupied in 4: occupied in 5: occupied in 6: occupied in 8: occupied in 9: occupied in 10: occupied in dte: occupied ob>
identifyvol
コマンドを使用して、ライブラリ内のボリュームに関するメタデータをOracle Secure Backupのカタログに移入します。ライブラリ内のボリュームにadmin
ディレクトリのバックアップが含まれていないことがわかっている場合は、オフサイトに格納する障害時リストア・ボリュームをロードします(「管理サーバー上のクリティカル・データのバックアップ」を参照)。
スロット1
〜9
のidentifyvol
コマンドにより、ライブラリ内のボリュームのコンテンツに関して、次の情報が判明します。
ob> identifyvol --import -D ellatape 1-9 Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 1 full-000001 1 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 07:05:22 1 full-000001 2 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 08:41:05 1 full-000001 3 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 09:26:13 1 full-000001 4 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 09:28:17 1 full-000001 5 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 11:02:18 1 full-000001 6 1 ella 0 2006/01/20 14:49:54 1 full-000001 7 1 ella 0 2006/01/20 15:21:10 1 full-000001 8 1 ella 0 2006/01/23 15:16:25 End of volume; the next volume in the volume set is full-000001. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 1 VOL000001 1 1 jfersten-sun2 0 2006/01/17 07:14:23 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 5 offsite-000080 2 5 atreyu 0 2003/05/05 10:34:10 5 offsite-000080 3 1 bigguy 0 2003/05/06 02:10:29 5 offsite-000080 4 1 ivan 0 2003/05/06 03:39:06 5 offsite-000080 5 1 pikachu 0 2003/05/06 03:39:14 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 1 test1-000002 1 1 jfersten-sun2 0 2005/12/16 08:57:42 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 2 full-000002 8 2 ella 0 2006/01/23 15:16:25 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 2 VOL000002 5 2 jfersten-sun2 0 2005/11/15 10:16:31 2 VOL000002 6 1 fez 0 2005/11/16 09:04:01 2 VOL000002 7 1 fez 0 2005/11/16 09:37:52 2 VOL000002 8 1 jfersten-sun2 0 2005/11/17 15:16:52 2 VOL000002 9 1 fez 0 2005/11/17 15:31:13 2 VOL000002 10 1 N nh4flrlab53 0 2005/11/18 13:24:21 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 1 ella-OSB-home-000001 1 1 ella 0 2006/01/24 13:05:00 1 ella-OSB-home-000001 2 1 ella 3 2006/01/24 13:37:55 1 ella-OSB-home-000001 3 1 ella 0 2006/01/24 15:38:12 1 ella-OSB-home-000001 4 1 ella 3 2006/01/24 15:39:04 End of volume set. Seq Volume Volume Archive Client Backup Archive Create # ID Tag File Sect Host Level Date & Time 1 VOL000001 1 1 jfersten-sun2 0 2005/09/07 07:29:07 1 VOL000001 2 1 fez 0 2005/09/07 07:34:47 1 VOL000001 3 1 jfersten-sun2 0 2005/09/09 06:17:44 1 VOL000001 4 1 jfersten-sun2 0 2005/11/07 15:48:29 1 VOL000001 5 1 jfersten-sun2 0 2005/11/15 10:16:31 End of volume; the next volume in the volume set is VOL000001. Error: this tape is not labeled.
スロット7
のテープには、接頭辞がella-OSB-home
のボリュームIDが付いています。これは、admin
ディレクトリの必要なバックアップが含まれるテープです。この段階では、obtool
またはWebツールを使用してテープからファイルをリストアできませんが、obtar
を使用して必要なファイルを指定してリストアできます。
admin
ディレクトリを含むボリュームをテープ・ドライブにロードします。次に例を示します。
ob> loadvol -D ellatape 7
obtar
-tvf
を使用してボリュームのコンテンツを表示し、admin
ディレクトリへのパスを取得します。次のサンプル出力は、省略されていますが、admin
ディレクトリがデフォルト以外の場所にあることを示しています。
# obtar -tvf ellatape -F 1 drwxrwxrwxroot 0 Jan 20 08:48 2006 /export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf/ . . . drwxrwxrwxroot 0 Jan 20 08:48 2006 /export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf/admin
obtar -x
を使用して、既存のファイルまたはディレクトリと競合しない場所にadmin
ディレクトリをリストアします。「他の場所へのデータのリストア」で説明しているように、-s
を指定したobtar -x
構文を使用して新しいパスを指定します。次の例では、バックアップ・ファイル1
から/export/home
にadmin
ディレクトリをリストアしています(バックスラッシュは行の継続を示しリテラルではありません)。
# obtar -xvf ellatape -F 1 /export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf/admin \ -s,/export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf,/export/home, /export/home/admin/ /export/home/admin/config/ /export/home/admin/config/class/ /export/home/admin/config/class/admin /export/home/admin/config/class/operator . . .
このディレクトリの全体バックアップだけでなく増分バックアップもある場合は、同じディレクトリに増分バックアップをリストアします。次の例では、バックアップ・ファイル2
から/export/home
にadmin
ディレクトリの増分バックアップをリストアしています(バックスラッシュは行の継続を示しリテラルではありません)。
# obtar -xvf ellatape -F 2 /export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf/admin \ -s ,/export/home/oracle/backup-cdrom060119jwf,/export/home, Searching tape for requested file. Please wait... /export/home/admin/ /export/home/admin/config/ /export/home/admin/config/class/ /export/home/admin/config/dataset/ . . .
また、/usr/local/ob
ディレクトリを同じ場所にリストアします。次の例では、バックアップ・ファイル2
から/export/home
にob
ディレクトリの増分バックアップをリストアしています。
# obtar -xvf ellatape -F 2 /usr/etc/ob -s ,/usr/etc,/export/home, Searching tape for requested file. Please wait... /export/home/ob/ /export/home/ob/.hostid /export/home/ob/wallet/ /export/home/ob/wallet/b64certificate.txt /export/home/ob/wallet/cwallet.sso . . .
ps
コマンドを使用して、Oracle Secure Backupのデーモン(「デーモンとサービス」を参照)のプロセスIDを取得した後、デーモンを終了します。次に例を示します。
# ps -awux | grep ob root 2041 0.1 1.322720 6368 pts/2 S 14:19:33 0:34 observiced -s . . . # kill -9 2014 2043 2062 2063 2064 2065 2066 2067 2100 2197 # ps -awux | grep ob #
Oracle Secure Backupホームのadmin
ディレクトリを新しい場所に移動し、リストアしたadmin
ディレクトリをOracle Secure Backupホームに移動します。次に例を示します。
# pwd/export/home/oracle/backup# mv admin admin.orig# mv /export/home/admin .
/usr/etc/ob
ディレクトリについても同じ手順を実行します。
# mv /usr/etc/ob /usr/etc/ob.orig# mv /export/home/ob /usr/etc/ob
次のようにobserviced
を再起動します。
# /etc/observiced
これで、使用している環境がadmin
ディレクトリの最新のバックアップ時点にリストアされました。obtool
またはWebツールを使用して、管理ドメインの構成を確認できます。