Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド

ODBC.INIファイルの使用

この項の内容は次のとおりです。

ユーザーODBC.INIファイル

UNIXでは、ユーザーDSNは$HOME/.odbc.iniファイルまたはODBCINI環境変数で指定したファイルで定義します。このファイルは、「ユーザーODBC.INIファイル」と呼ばれます。ユーザーDSNは、作成したユーザーのみが使用できますが、使用を制限されるのはDSN（文字列名およびその属性）のみです。基礎となるデータ・ストアは、他のユーザーのユーザーDSNまたはシステムDSNで参照できます。TimesTenでは、TimesTen Data ManagerのデータソースとTimesTen Clientのデータソースを.odbc.iniファイルでサポートしています。

ホーム・ディレクトリの.odbc.iniファイルのコピーを作成する方法と、.odbc.iniファイルの名前と位置を上書きする方法については、「データソース名」を参照してください。

システムODBC.INIファイル

UNIXでは、システムDSNは/var/TimesTen/sys.odbc.iniファイルで定義します。このファイルは、「システムODBC.INIファイル」と呼ばれます。システムDSNは、システムDSNが定義されているマシン上ですべてのユーザーが使用できます。

DSNの検索

DSNの検索時に適用される優先順位のルールについては、「DSNの検索」を参照してください。

ODBCデータソース

オプションのODBC Data Sourcesセクションの各エントリは、データソースおよび使用するドライバの記述が示されます。このデータソース・セクションの形式は、次のとおりです。

[ODBC Data Sources]

data-source-name=driver-description

data-source-nameは必須です。これによって、ドライバが接続するデータソースが識別されます。この名前を選択します。

driver-descriptionは必須です。これは、データソースに接続するドライバについての説明です。

データソース指定

「ODBC Data Sources」セクションに示される各データソースには、専用のデータソース指定セクションがあります。表1.1に、TimesTen Data Managerのデータ・ストア指定の形式を示します。

注意:

ここに示す例では、32ビットのサンプルDSNを表しています（拡張子_32がこれを示しています）。64ビットのプラットフォームの場合は、_64が付加されているサンプルDSNを使用します。

表1.1 データソース指定の形式


コンポーネント	説明
[data-source-name]	data-source-nameは必須です。これは、`.odbc.ini`ファイルの「ODBC Data Sources」セクションに指定されているデータソースの名前です。
Driver=driver-path-name	データソースとリンクされているTimesTen Data Managerドライバ。
DataStore=data-store-path-name	アクセスするデータ・ストアのパス名。このパス名は必須です。
オプションの属性	属性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Database APIリファレンス・ガイド』のデータ・ストア属性に関する説明を参照してください。

たとえば、データソースRunData_tt70_32のデータソース指定エントリの例を次に示します。

[RunData_tt70_32]

Driver=install_dir/lib/libtten.sl

DataStore=/users/robin/SalesDs

#create data store if it is not found

AutoCreate=1

#do not wait if cannot connect to data store

WaitForConnect=0

#remove old log files at connect and checkpoint

LogPurge=1

表1.2に、TimesTen Clientを構成するデータ・ストア指定の形式を示します。

表1.2 TimesTen Clientを構成するデータ・ストア指定


コンポーネント	説明
[data-source-name]	data-source-nameは必須です。これは、`.odbc.ini`ファイルの「ODBC Data Sources」セクションに指定されているデータソースの名前です。
TTC_Server=server-name	server-nameは必須です。これは、TimesTen ServerのDNS名、ホスト名、IPアドレスまたは短縮名です。
TTC_Server_DSN=server-DSN	server-DSNは必須です。これは、TimesTen Server上でアクセスするデータソースの名前です。
TTC_Timeout=value	クライアント接続のタイムアウト値（秒）。

注意	: ほとんどのTimesTen Data Manager属性は、TimesTen Clientデータ・ストアでは無視されます。

たとえば、TimesTen Server ttserver上のデータソースRunData_tt70_32に接続するデータソースRunDataCS_tt70_32のデータソース指定エントリは、次のようになります。

[RunDataCS_tt70_32]
TTC_Server=ttserver
TTC_Server_DSN=RunData_tt70_32
TTC_Timeout=30

たとえば、TimesTen Server ShmHost70上のデータソースRunData_tt70_32への接続に共有メモリー・セグメントを使用するデータソースShmDataCS_tt70_32のデータソース指定エントリは、次のようになります。

[ShmRunDataCS_tt70_32]
TTC_Server=ShmHost70
TTC_Server_DSN=RunData_tt70_32
TTC_Timeout=30

odbc.iniファイルの例

UNIXのodbc.iniファイルの例を、次に示します。

[ODBC Data Sources]
RunData_tt70_32=TimesTen 7.0 Driver
RunDataCS_tt70_32=TimesTen Client 7.0

[RunDataCS_tt70_32]
TTC_Server=tt_server_logical
TTC_Server_DSN=RunData
TTC_Timeout=30

[RunData_tt70_32]

Driver=install_dir/lib/libtten.sl
DataStore=/users/robin/RunData
PermSize=8
Logging=1