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Oracle Complex Event Processing の概要

この節では、以下の項目について説明します。

 


Oracle Complex Event Processing の紹介

Oracle Complex Event Processing (略称 Oracle CEP) は、イベント駆動型アプリケーション用の低レイテンシで Java ベースのミドルウェア フレームワークです。大量のデータ フィードに接続する軽量アプリケーション サーバであり、ユーザ定義ルールに基づいてイベントを照合する複合イベント処理 (CEP) エンジンを備えています。

Oracle CEP には、ビジネス ロジックを含むユーザの Java コード (POJO) をデプロイする機能があります。Oracle CEP 内でビジネス ロジックを実行することにより、時間およびイベント駆動型アプリケーション向けの高度に調整されたフレームワークが提供されます。

Oracle CEP の概念

次の図に、イベント駆動型システムの概要を示します。

イベント駆動型システムは、通常、複数のイベント ソース、リアルタイム イベント駆動型 (Oracle CEP) アプリケーション、およびイベント シンクで構成されています。イベント ソースは通常のイベント データのストリームを生成します。Oracle CEP アプリケーションはイベント ストリームをリスンし、これらのイベントを処理して特別なイベントを生成します。イベント シンクは特別なイベントを受信します。

イベント ソース、イベント駆動型アプリケーション、およびイベント シンクは互いに独立しているため、他のコンポーネントに変更を加えることなくこれらのコンポーネントを追加または削除できます。これはイベント駆動型アーキテクチャの特性です。

イベント駆動型アプリケーションはルールによって駆動されます。ルール (つまりデータ ストアを使用して永続化されたクエリ) が、イベントの着信ストリームの処理およびイベントの発信ストリームの生成に使用されます。通常、発信イベント数は着信イベント数をはるかに下回ります。

Oracle CEP はイベント駆動型アプリケーション開発用のミドルウェアです。Oracle CEP アプリケーションは、本質的にイベント駆動型アプリケーションです。

次に、アプリケーション自体について説明します。アプリケーションは Oracle CEP インフラストラクチャによってホストされる軽量のコンテナです。このことは次の図で説明できます。

Oracle CEP アプリケーションは、通常、4 種類の主要なコンポーネントで構成されます。着信イベント ソースに直接インタフェース接続されるアダプタ、着信プロトコルを解釈してイベント データをプロセッサ (イベント処理エージェントなどのプロセッサ) で照会できる標準化されたデータに変換するアダプタ、標準化されたイベント データをストリームに転送するアダプタ、イベント処理のエンドポイントとなるストリーム、の 4 つです。特にストリームは、イベント処理エージェントがイベント データを処理できるようになるまで、イベント データをキューに保管する役割を果たします。イベント処理エージェントはストリームからイベント データを削除したり、イベント データを処理したりできます。新しいイベントを出力ストリームに生成することもできます。出力ストリームをリスンするために登録されたユーザ コードは、出力ストリームへの新しいイベントの挿入によってトリガされます。ユーザ コードは通常、単なる plain-old-Java-object (POJO) です。ユーザ アプリケーションでは、JMS、WS、ファイル ライタなどの一連の外部サービスを利用して、生成されたイベントを外部イベント シンクに転送します。

イベント処理ネットワーク

アダプタ、ストリーム、プロセッサ、およびビジネス ロジック POJO を任意に相互接続してイベント処理ネットワーク (EPN) を形成できます。EPN のトポロジの例を次に示します。

EPN には重要な特性が 2 つあります。

1 つは、イベント処理ネットワークを使用して処理エージェントの階層を作成できるため、非常に複雑なイベント処理が実現されることです。EPN の各層では、その層のイベントが集約されて複合イベントになります。複合イベントはその層の上位層の単純なイベントになります。

イベント処理ネットワークの 2 番目の特性は、積分可能性 (別々に開発されたコンポーネントを連携して正常に機能させる性質) の確保に役立つことです。たとえば、ユーザ コードを追加して、ネットワーク内の複数の場所で外部サービスを参照することができます。

 


使用例

さまざまな業種に及ぶ Oracle CEP の使用例を次に示します。

 


Oracle CEP 機能の概要

Oracle CEP の主な機能の概要を以下に示します。

 


サポート対象プラットフォーム

次の表に、Oracle CEP 10gR3 でサポートされるプラットフォームを示します。

表 2-1 Oracle CEP 10gR3 サポート対象プラットフォーム
オペレーティング システム
ハードウェア
JVM w/ JDK 1.5.x
リリース日
Oracle Enterprise Linux 4 / OVM
x86
JRockit 32
RTM
Oracle Enterprise Linux 4 / OVM
x86-64
JRockit 32
RTM
Redhat Linux 4
x86
JRockit 32
RTM
Redhat Linux 4
x86-64
JRockit 32
RTM
Oracle Enterprise Linux 5.0 / OVM
x86
JRockit 32
RTM
Oracle Enterprise Linux 5.0 / OVM
x86-64
JRockit 32
RTM
Redhat Linux 5.1
x86
JRockit 32
RTM
Redhat Linux 5.1
x86-64
JRockit 32
RTM
SUSE Linux 9
x86
JRockit 32
RTM
SUSE Linux 9
x86-64
JRockit 32
RTM
SUSE Linux 10
x86
JRockit 32
RTM
SUSE Linux 10
x86-64
JRockit 32
RTM
Windows 2003 SP1+
x86
JRockit 32
RTM
Windows 2003 SP1+
x86-64
JRockit 32
RTM
Windows Vista (クライアントのみ)
x86
JRockit 32
RTM
Windows Vista (クライアントのみ)
x86-64
JRockit 32
RTM
Windows XP SP2 (クライアントのみ)
x86
JRockit 32
RTM
Windows XP SP2 (クライアントのみ)
x86-64
JRockit 32
RTM
Solaris 10
SPARC 64
JRockit 64
RTM 後

 


Oracle CEP Development Environment for Eclipse

Oracle CEP アプリケーションを開発するプログラマ向けに特化した IDE が用意されています。Oracle CEP Development Environment for Eclipse は、Oracle CEP 10.3 アプリケーションの開発、デプロイ、およびデバッグ用に設計された、Eclipse IDE のプラグインのセットです。

この IDE の主な機能は以下のとおりです。

この IDE の使用は必須または前提条件ではありませんが、使用を検討されることをお勧めします。詳細については、「Oracle CEP Development Environment for Eclipse」を参照してください。

 


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