WebLogic Integration 8.1 へのアップグレード

WebLogic Workshop で作成されたアプリケーション ビュー コントロールのアップグレード

WebLogic Workshop 7.0 (Service Pack 2) では、アプリケーション ビュー コントロールを使って J2EE コネクタ アーキテクチャ アダプタ経由でエンタープライズ システムにアクセスする Java Web サービス (Java Web Services : JWS) を作成することが可能でした。WebLogic Integration 8.1 では、これらのコントロールが全面的に再構成され、API も変更されました。このため、以下の手順で説明するように、アプリケーション ビュー コントロールを手動でアップグレードする必要があります。

使用するアプリケーション ビューとその他の情報 (アプリケーション ビュー記述子、接続ファクトリ記述子、およびスキーマ) が、インポート/エクスポート ユーティリティによって WebLogic Integration 8.1 アプリケーションにインポートされていることを確認します。このユーティリティについては、「アプリケーション ビューとその他の AI リポジトリ情報のインポート」を参照してください。
WebLogic Workshop 7.0 (Service Pack 2) のプロジェクトから JWS ファイルをコピーし、JWS ファイルに必要な変換を行います。JWS ファイルのアップグレードについては、次の URL にある WebLogic Workshop ヘルプの「Workshop アプリケーションをアップグレードする」の「jwsUpgrade コマンドライン ツールを実行する」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/workshop/docs81/doc/ja_JP/workshop/guide/migration/conMigratingWorkshopApplications.html

JWS ファイルからアプリケーション ビュー コントロールのメンバー変数宣言をすべて削除し、変数名とその関連するアプリケーション ビューを記録しておきます。この情報は後で必要になります。

たとえば、DMBS1Service.jws というファイルに次の記述があるとします。

public class DBMS1Service
{ 
    /**
     * @jws:control
*/
private DBMS1Control m_dbms;
/** @jws:context */
JwsContext context;
...

メンバー変数宣言を削除します。

    /**
     * @jws:control
*/
private DBMS1Control m_dbms;

変数名を書き留めます。

m_dbms

たとえば、DBMS1Control.ctrl ファイルに次の記述があるとします。

import weblogic.jws.control.ApplicationViewControl;
/**
* @jws:av-identity name="DBMS.DBMS1" user-id="system" password="password"
*/

アプリケーションの名前を書き留めます。

DBMS.DBMS1

WebLogic Workshop 8.1 で、記録したすべてのアプリケーション ビューに対応するアプリケーション ビュー コントロールを作成します。コントロールの変数名には、記録しておいた変数名を使用します。これによって、コントロール インスタンスが作成され、それらが変数宣言として JWS にリンクされます。

注意 : アプリケーション ビュー コントロールの作成については、次の URL にある WebLogic Workshop ヘルプの「新しいアプリケーション ビュー コントロールを作成する」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/workshop/docs81/doc/ja_JP/integration/controls/controlsAppViewCreate.html

JWS コードを調べ、次のガイドラインに従ってアプリケーション ビュー コントロール変数が使用されている箇所を変更します。

注意 : WebLogic Workshop 7.0 (Service Pack 2) で作成されたコントロールには .ctrl 拡張子が付いていますが、WebLogic Workshop 8.1 で作成されるコントロールには .jcx 拡張子が付きます。

• WebLogic Integration 7.0 では、コントロールの要求/応答 Java タイプがコントロールの CTRL ファイル内で静的内部クラスとして生成されていました。たとえば、DBMS1Control というコントロール、GetAllCustomers というサービス、および次のドキュメントを記述する応答スキーマがあるとします。

<Rows>
  <Row>
    <FIRSTNAME>Joe</FIRSTNAME>
    <LASTNAME>User</LASTNAME>
  </Row>
</Rows>

DBMS1Control.ctrl ファイル内の内部クラスは、次のようになります。

public static class GetAllCustomersResponse
  implements java.io.Serializable
{
    public static class Rows implements java.io.Serializable
    {
        public Row[] Row;
    }

    public static class Row implements java.io.Serializable
    {
        public java.lang.String FIRSTNAME;
        public java.lang.String LASTNAME;
    }
}

さらに、JWS には次のように応答行から氏名を取得するコードが記述されます。

DBMS1Control.GetAllCustomersResponse.Rows rows =
  m_dbms.GetAllCustomers();
DBMS1Control.GetAllCustomersResponse.Rows.Row[] custs =
  rows.Row;

for (int i=0; i < custs.length; i++)
{
  DBMS1Control.GetAllCustomersResponse.Row cust = custs[i];
  String firstName = cust.FIRSTNAME;
  String lastName = cust.LASTNAME;
  System.out.println("First name=" + firstName + "last name=" +
                     lastName);
}

注意 : 変数名 m_dbms は、アプリケーション ビュー コントロール インスタンス DBMS1Control を参照します。

• WebLogic Integration 8.1 では、これと同じ機能が XBean タイプを使って実現されます。CTRL ファイル内に静的内部クラスは生成されません。代わりに、要求/応答のスキーマから直接 XBean タイプがコンパイルされます。これによって、JWS だけでなくアプリケーション内のすべてのコードがこのタイプを利用できるようになります。WebLogic Integration 8.1 では、次のように DBMS1.jcx という DBMS1 アプリケーション ビューからコントロール インスタンスが生成されます。

public interface DBMS1 extends ApplicationViewControl 
{ 
    public wlai.dbms1GetAllCustomersResponse.RowsDocument
 GetAllCustomers()
        throws Exception;

}

JWS (またはビジネス プロセス JWF ファイル) 内のコードは次のようになります。

wlai.dbms1GetAllCustomersResponse.RowsDocument response =
  m_dbms.GetAllCustomers();
wlai.dbms1GetAllCustomersResponse.Rows.Row[] custs =
  response.getRows().getRowArray();

for (int i=0; i < custs.length; i++)
{
  wlai.dbms1GetAllCustomersResponse.Rows.Row cust = custs[i];
  String firstName = cust.getFIRSTNAME();
  String lastName = cust.getLASTNAME();
  System.out.println("First name=" + firstName + " last name=" +
                     lastName);
}

ここからわかるように、このコードは WebLogic Integration 7.0 と WebLogic Integration 8.1 の両方の JWS ファイルで類似しています。ただし、クラス名とインタフェース名は変更されています。一般に、要求の XBean タイプの名前は次のように構成されます。

wlai.<ネームスペース URI の変形名>.<小文字に変更された AppView 名><サービス名>.<ルート要素名>Document

変形操作によってスラッシュがドットで置換され、各修飾子の最初の文字が小文字に変更されます。

<ネームスペース URI の変形名> は、AI (Application Integration) リポジトリ内のスキーマを含んでいるネームスペースの限定名と同じです。たとえば、Folder1.Folder2.Schema1 は、URI として Folder1/Folder2 を使用します。変形名は folder1.folder2 です。変形され、小文字に変更された AppView 名は、小文字で表記された AppView 名の最初の文字に相当します。

注意 : WebLogic Workshop には、XBean タイプの正しい使い方を案内する状況依存コード ヘルプが用意されています。