チュートリアル : 初めてのビジネス プロセス構築

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手順 6 : プロセス コントロールを使用した、ビジネス プロセスの呼び出し

プロセス コントロールは、Java/RMI を使用して同じドメイン内の他のビジネス プロセスに要求を送信したり、そのビジネス プロセスから応答を受信したりするために使用されます。このシナリオは、親ビジネス プロセスからサブプロセスを呼び出すという、プロセス コントロールの一般的な使用例を示しています。

チュートリアルのこのパートでは、Part I で作成したビジネス プロセスの設計を変更して、最初に使用した税計算 Web サービスの代わりに、ビジネス プロセスで提供される税計算サービスを使用するようにします。これを行うには、まず税計算ビジネス プロセスからプロセス コントロールを作成します。その後で、Part I で設計したコントロール ノードを変更して、Web サービス コントロールを介して税計算「Web サービス」と通信するのではなく、新しいプロセス コントロールを介して税計算「ビジネス プロセス」と通信するようにします。

この手順でのタスクは次のとおりです。

プロセス コントロールを作成するには
  1. TaxCalcProcess.java を選択します。

チュートリアル アプリケーションには、見積り要求のために消費税を計算する簡単なビジネス プロセス (TaxCalcProcess.java) が用意されています。([パッケージ・エクスプローラー] にある、\Tutorial_Process_ApplicationWeb\src\requestquote.services\TaxCalcProcess.java を参照。) この手順では、TaxCalcProcess.java ビジネス プロセス用のプロセス コントロールを作成する方法について学習します。

注意 : WebLogic Workshop 内にデータ パレットが表示されていない場合は、メニュー バーから [ウィンドウArrow symbolビューの表示Arrow symbolデータ パレット] を選択してください。
プロジェクトですでに使用可能なコントロールのインスタンスが、[データ パレット] タブのコントロール フォルダ内に表示されます。
  1. コントロール フォルダを選択し、 をクリックして、ビジネス プロセスが対話できるリソースを表すコントロールのドロップダウン リストを表示します。
  2. [Integration コントロール] をポイントし、[プロセス] を選択して [Insert Control: プロセス] ダイアログ ボックスを表示します。
  3. 作成するプロセス コントロールのインスタンス名 taxCalcProcess を [フィールド名] フィールドに入力し、[次へ] をクリックします。
  4. [コントロールの作成] ダイアログ ボックスの [名前] フィールドに TaxCalculationProcess と入力し、[次へ] をクリックします。
  5. [コントロールの挿入 - Process] ダイアログ ボックスで、[プロセス] フィールドの横の [参照] をクリックし、/Tutorial_Process_Application_WEB/src/requestquote.services フォルダから TaxCalcProcess.java を選択します。
  6. [開始メソッド] フィールドに表示される requestTaxRate は、TaxCalcProcess.java の開始メソッドです。

  7. [終了] をクリックします。プロセス コントロール (TaxCalcProcess.java) が作成され、[パッケージ・エクスプローラー] ペインに表示されます。さらに、コントロールのインスタンス (taxCalcProcess) がデータ パレットに追加されます。データ パレットの [コントロール] タブの表示が以下の図のようになります。


プロセス コントロールと対話するように見積り要求ビジネス プロセスのコントロール送信ノードを変更するには
  1. データ パレットで、コントロール フォルダの下の [taxCalcProcess] の横にある [+] をクリックして、コントロールに対するメソッドのリストを展開します。
  2. 以下のメソッドを選択します。
  3. void requestTaxRate (QuoteRequestDocument quoteRequest)
  4. このメソッドを RequestQuote.java の [requestTaxRate] ノードの上にドラッグ アンド ドロップします。以下のメッセージが表示されます。
  5. このコントロール ノードは、すでにコントロール メソッドに関連付けられています。このコントロール メソッドを置換しますか ?

  6. [OK] をクリックします。[requestTaxRate] ノードは、関連付けられているコントロールのタイプの変更を反映するように変更されます。ノードの表示が以下のように変更されます。
  7. [requestTaxRate] ノードをダブルクリックして、そのノード ビルダを [一般的な設定] ペインに開きます。
  8. [コントロール] フィールドで [taxCalcProcess] が選択され、[メソッド] フィールドで以下のメソッドが選択されていることを確認します。
  9. void requestTaxRate (QuoteRequestDocument quoteRequest)
  10. [データの送信] タブをクリックして、ノード ビルダに 2 番目のペインを開きます。デフォルトで [変数の割り当て] オプションが選択され、[コントロールが予期する値] フィールドには QuoteRequestDocument と表示されて、税計算プロセスで必要なフォーマットと型が示されます。
  11. 注意 : 税計算プロセスでは、XML 型のメッセージ QuoteRequestDocument を受け取ります。これは、クライアントから RequestQuote.java プロセスに送られる XML メッセージが割り当てられている requestXML 変数と同じ型になります。「手順 4 : Web サービスの呼び出し」で税計算 Web サービスにデータを送信するシナリオとは異なり、このノードではトランスフォーメーションが不要です。変数の直接割り当てを作成できます。
  12. [割り当てる変数を選択します] フィールドの矢印をクリックし、[requestXML(QuoteRequest)] を選択します。


  13. [閉じる] をクリックして、ノード ビルダを閉じます。
  14. この手順で、見積り要求ビジネス プロセスから税計算 Web サービスへの呼び出しを削除し、(作成したプロセス コントロールを介した) 税計算ビジネス プロセスへの呼び出しに変更する処理が完了します。

プロセス コントロールと対話するように見積り要求ビジネス プロセスのコントロール受信ノードを変更するには
  1. デザイン ビューのデータ パレットで、taxCalcProcess の以下のメソッドを選択します。
  2. void returnTaxRate(float salesTaxRate)
  3. このメソッドを RequestQuote.java の [returnTaxRate] ノード上にドラッグ アンド ドロップします。
  4. 以下のメッセージが表示されます。

    このコントロール ノードは、すでにコントロール メソッドに関連付けられています。このコントロール メソッドを置換しますか ?

  5. [OK] をクリックします。[returnTaxRate] ノードは、関連付けられているコントロールのタイプの変更を反映するように変更されます。
  6. [returnTaxRate] ノードをダブルクリックして、そのノード ビルダを [一般的な設定] ペインに開きます。
  7. [コントロール] フィールドで [taxCalcProcess] が選択され、[メソッド] フィールドで以下のメソッドが選択されていることを確認します。
  8. void returnTaxRate(float salesTaxRate)
  9. [データの受信] タブをクリックして、ノード ビルダに 2 番目のパネルを開きます。デフォルトで [変数の割り当て] オプションが選択され、[コントロールが返す値] フィールドには float salesTaxRate と表示されて、税計算プロセスから返されるパラメータの型と名前が示されます。
  10. [割り当てる変数を選択します] フィールドの矢印をクリックし、[taxRate (float)] を選択します。


  11. [閉じる] をクリックして、ノード ビルダを閉じます。
  12. この手順で、税計算 Web サービスから返されるメッセージを受け取るコールバック ハンドラを削除し、税計算ビジネス プロセスから返されるメッセージを (作成したプロセス コントロールを介して) 受け取るコールバック ハンドラに変更する処理が完了します。

  13. Workshop メニューから [ファイルすべて保管] を選択します。
見積り要求プロセスと、その税計算プロセスの呼び出しをテストするには

Part I で作成したビジネス プロセスをテストしたのと同じ方法で、プロセス コントロールを介した他のビジネス プロセスへの非同期呼び出しを含むビジネス プロセスを実行してテストすることができます。これを行うには、「手順 5 : ビジネス プロセスの実行」の手順 1 から手順 7 までに従って操作します。

[Test Form] ページで操作を開始すると、[Message Log] の内容が更新されて、税計算ビジネス プロセスへの呼び出しと税計算ビジネス プロセスからの応答の概要が表示されます。

ビジネス プロセスのメソッドに対応する [Message Log] のエントリは、次のとおりです。

テスト ブラウザの追加機能に関する注意

テスト ブラウザの [Test Form] ページには、以下のリンクが追加されています。

Graph

[Graph] をクリックして、テスト ブラウザの [Process Graph] タブを開きます。対話型インスタンス グラフは、デザイン ビューに表示される完全展開型のビューです。対話型プロセス グラフには、Adobe SVG Viewer バージョン 3.0 が必要です。[Process Graph] タブを最初に開いたときには、Adobe の Web サイトからビューアをダウンロードするかどうかを尋ねるメッセージが表示されます。このビューアは、Adobe Web サイト (http://www.adobe.com/svg/viewer/install/main.html) から直接ダウンロードすることもできます。
注意 : WebLogic Platform 9.2 がサポートするコンフィグレーションの中には、このビューアを使用できないものもあります。詳細については、WebLogic Integration Admin Console オンライン ヘルプの「プロセス インスタンスのモニタ」(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wli/docs92/adminhelp/processmonitoring.html) にある「対話型グラフの要件」を参照してください。WebLogic Platform が対応しているオペレーティング システムとブラウザの詳細については、「サポート対象のコンフィグレーション (http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/suppconfigs/index.html)」を参照してください。
すでに説明したように、プロセス グラフはビジネス プロセスとその実行パスをグラフィカルに表現したものです。プロセス グラフでは、現在実行中のノードが強調表示されます。ビジネス プロセスのインスタンスが完了すると、テストで次に実行されるパスが強調表示されます。このシナリオでは、[Yes] パスが実行されています。プロセス グラフで [No] パスはグレー表示され、ビジネス プロセスのこのインスタンスの実行中にこのパスが使用されなかったことを示しています。
注意 : 〔Alt〕を押してマウスのポインタをプロセス グラフの上に置き、テスト ブラウザ ページにドラッグして移動することができます。拡大するには〔Ctrl〕を押しながらクリックし、縮小するには〔Ctrl〕+〔Shift〕を押しながらクリックします。プロセス グラフを右クリックし、表示されるドロップダウン メニューから [Zoom In] または [Zoom Out] コマンドを選択することもできます。
チュートリアルの後の手順で、実行中のビジネス プロセスをプロセス グラフで確認します。
注意 : BEA Workshop のテスト ブラウザのページ間を移動するには、前へ戻る矢印と次へ進む矢印 を使用します。

Monitor

[Monitor] をクリックして、Web ブラウザに BEA Products Administration Console を開きます。ユーザ名に weblogic、パスワードに weblogic を使用してログインします。BEA Products Administration Console が [プロセス インスタンス詳細] ページに開きます。WebLogic Integration Administration Console では、BEA Products アプリケーションを管理できます。たとえば、プロセス インスタンスのナビゲーション ペインの [統計を表示] をクリックして [プロセス インスタンス統計] ページにアクセスすることができます。このページには、ビジネス プロセス インスタンスの概要がプロセス タイプごとにグループ化されて表示されます。サーバで実行された、または実行中のプロセス タイプのインスタンスを表示するには、プロセス名をクリックします。プロセスインスタンスは「instanceID」で識別されます。RequestQuote ビジネス プロセス用に表示される instanceID は、[Message Log] ペインに表示される instanceID に対応しています。このトピックに示されている図を参照してください。

Monitor all RequestQuote.java processes

[Test Form] の一番上にある [Monitor all RequestQuote.java processes] をクリックして、BEA Products Administration Console を開きます。ユーザ名に weblogic、パスワードに weblogic を使用してログインします。このリンクを使用すると、[プロセス インスタンス概要] ページに Administration Console が開き、実行済みまたは実行中のビジネス プロセスのすべてのインスタンスが表示されます。

テスト ブラウザを停止するには、テスト ブラウザを閉じるか、BEA Workshop に戻ってツール バーの をクリックします。

この手順で、チュートリアルの Part II が完了します。

関連トピック

プロセス コントロール

WebLogic Integration ソリューションの管理


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