WebLogic Portal データベース管理ガイド
Sybase データベースの使い方
この節では、WebLogic Portal 8.1 で Sybase データベースを使用するための必要手順について説明します。ここでは以下の内容を扱います。
作業を進める前に、この章全体とリリース ノートを参照してください。この章で説明する手順はデータベース管理者が実行します。
注意 : 上記以外のデータベース設定情報については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/db_mgmt/db_resource_mgmt.html にある『WebLogic Platform データベース リソースの管理』を参照してください。
Sybase データベースのコンフィグレーション
以下の手順を実行する前に、必ず「WebLogic Portal のデータベース コンフィグレーションの概要」をお読みください。
以下の節では、Sybase インスタンスの定義に関する考慮事項、および設定手順について説明します。
サポート対象のバージョンの使用
サポートされているバージョンを使用していることを確認します。http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/support/supp_plat.html#1085671 を参照してください。
8K のページ サイズの定義
WebLogic Portal で長いデータを含むテーブルやカラム、サイズの大きいインデックスを使用できるように、最低 8K のページ サイズを指定します。多くのデータベースのデフォルトのページ サイズは、8K です。ただし、Sybase では、ページ サイズは 2K であり、複数のページにまたがる行を使用できません。
ページ サイズが 8K より小さい Sybase インスタンスを定義すると、WebLogic Portal テーブルは作成されますが、作成時に、行のサイズが行サイズ制限を超える可能性があることを示す警告メッセージが表示されることがあります。これらの警告が原因で、挿入または更新されるデータによって、実行時例外が発生する場合があります。
インデックスが Sybase インスタンスの最大ページ サイズより大きい場合、インデックスの作成は失敗します。その結果、データやパフォーマンスに問題が発生する場合があります。
Sybase インスタンスのページ サイズが 2K または 4K の場合は、8K の Sybase インスタンスを新たに作成します。Sybase には、ページ サイズが異なるサーバ間でデータを移行するための、移行ユーティリティが用意されています。Sybase 移行プロセスに関する技術的なホワイト ペーパーは http://www.sybase.com/detail/printthis/1,6907,1021203,00.html にあります。
7.0 から 8.1 へのアップグレード スクリプトの実行
WebLogic Portal 7.0 をバージョン 8.1 にアップグレードする場合は、WebLogic Portal 7.0 のスクリプト bea¥weblogic700¥portal¥db¥sybase¥125¥migrate¥migrate_to_125.sql
が実行済みであることを確認してください。
Sybase クライアントのインストールとコンフィグレーション
WebLogic Platform ホストに Sybase クライアント ソフトウェアをインストールして、以下を実行します。
目的の Sybase インスタンスに接続できるように、クライアントをコンフィグレーションします。
isql
を使用して目的のインスタンスに接続できることを確認します。たとえば、次のように入力します。
isql -Usa -P
password
-S
MySybase
Sybase データベースを準備します。データベース作成スクリプトによって、ドメイン固有のテーブルがインストールされます。サンプル スクリプトを調整し、各自の環境に必要なデータベース スキーマ オーナー ユーザとデバイスを作成する作業は、データベース管理者と共に行います。
注意 : 複数のドメインを使用する場合、または同じ Sybase のインスタンスを使用して複数の環境を実行する場合 (1 つの Sybase からテスト環境とプロダクション システムを実行する場合など) は、複数のデータベースが必要です。
新規データベース オブジェクトをインストールする場合は、その前にデータベースをバックアップしてください。詳細については、お使いのデータベースのドキュメントを参照してください。
提供されたサンプル スクリプトを確認して、各自の環境に合わせて修正します。これらのスクリプトは WL_HOME
/portal/db/sybase/125/admin ディレクトリにあります。
スクリプト名
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説明
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create_devices.sql
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データベース デバイスを作成する。
使用上の注意 : データベース デバイスは、システム管理者権限を持つユーザ (通常 sa ユーザ) が作成する必要がある。このスクリプトの「D:¥DATAFILE 」、「E:¥LOGFILE 」、および「F:¥INDEXFILE 」仕様は、各自の環境の有効なディスク内の場所を反映するように変更する必要がある。RAID デバイスを使用する場合を除き、データ デバイス、ログ デバイス、およびインデックス デバイスは、異なるコントローラに配置された別の物理ディスクに配置することが望ましい。ファイル サイズやデバイス名を変更するには、編集が必要である。
使用されているデフォルト名は、次のとおり。
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create_database.sql
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データベースおよびログインを作成する。データベースのデータベース オーナー (dbo) ユーザにエリアスが追加される。create_devices.sql で作成されたデバイスが使用され、WEBLOGIC_INDEX が追加される。
使用上の注意 : create_devices.sql による名前やサイズの変更を反映するには、スクリプトを編集する。デフォルトのデータベース名および dbo ユーザを変更するには、編集が必要である。
使用されているデフォルト値は、次のとおり。
作成しているデータベースが開発データベースの場合、データベース管理者はコメントを解除して、truncate log on checkpoint データベース オプションを設定することができる。
アプリケーションで WebLogic Workshop ページ フローまたは RowSet コントロールを使用する場合は、コメント解除し、DDL in transaction オプションを true に設定して、データベース テーブルの create コマンドが正しく機能するようにする。
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statistics_build.sql
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statistics.sql を作成して、データベース オプティマイザのテーブルおよびインデックス統計を更新する。データベースのデータに重要な変更が生じた場合は、必ず統計を更新する。データベース管理者は、使用環境内で統計の更新が定期的に実行されるようスケジューリングする必要がある。
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install_report_build.sql
install_report_static.sql
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WEBLOGIC ユーザによって作成されたデータベース オブジェクトに関する情報インストール レポートを生成する。
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bt_create_devices.sql
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行動追跡データベース デバイスを作成する。
使用上の注意 : データベース デバイスは、システム管理者権限を持つユーザ (通常 sa ユーザ) が作成する必要がある。このスクリプトの「D:¥DATAFILE 」および「E:¥LOGFILE 」仕様は、各自の環境の有効なディスク内の場所を反映するように変更する必要がある。データ デバイスとログ デバイスは、異なるコントローラに配置された、それぞれ別の物理ディスクに配置することが望ましい。ファイル サイズやデバイス名を変更するには、編集が必要である。
使用されているデフォルト名は、次のとおり。
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bt_create_database.sql
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WEBLOGIC_EVENT データベース、および WEBLOGIC_EVENT データベース オーナー ユーザ ログインを作成する。データベースに WEBLOGIC_EVENT データベース オーナー (dbo) ユーザを作成するために、エリアスが作成される。
使用上の注意 : データベース名、dbo ユーザ、パスワードを変更するには、スクリプトを編集する。DATA および LOG デバイスの有効なディスク内の場所を反映したり、ファイル サイズを調整したりするには、編集が必要である。DATA および LOG ファイルはそれぞれ別の物理ディスクに配置し、システム データベース ファイルと異なる場所に配置する。
使用されているデフォルト値は、次のとおり。
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システム管理者権限を持つユーザとして、create_devices.sql
を実行します。たとえば、次のように入力します。
isql -Usa -SMYSYBASE -e -icreate_devices.sql -ocreate_devices.log
システム管理者権限を持つユーザ (例 : sa
ユーザ) として、isql を使って create_database.sql
を実行します。
isql -Usa -S
MYSYBASE
-e -icreate_database.sql -ocreate_database.log
実行結果は、-o
パラメータの後に指定したファイルに出力されます。ログ ファイルは、スクリプトが置かれているディレクトリと同じディレクトリに保存されます。各ログ ファイルにデータベース オブジェクト作成エラーが含まれていないことを確認します。
create_db.cmd/.sh
スクリプトによって、統計およびインストール レポート スクリプトが自動的に実行されます。データベース管理者が、WebLogic Portal データベースの統計の更新を定期的に実行するようスケジューリングしていることを確認します。
手動によるデータベース オブジェクトの作成
データベース オブジェクトの作成は、手動で行うことも、Configuration Wizard を使用して行うこともできます。詳細については、「WebLogic Portal のデータベース コンフィグレーションの概要」を参照してください。
注意 : WebLogic Configuration Wizard を使用して、WebLogic Portal のサポートに使用するデータベースをコンフィグレーションし、接続する場合は、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/index.html を参照してください。
WebLogic Portal データベース オブジェクトを手動で作成するには、以下の手順に従います。
目的のデータベースに接続できることを確認します。以下のコマンド構文を使用し、create_database.sql
を実行して作成されたデフォルトのスキーマ オーナー ユーザを使用して目的のデータベース サーバに接続できることを確認します。
isql -UWEBLOGIC -SMYSYBASE
ドメインの db_settings.properties
ファイルを開いて編集し、PointBase のデータベース設定をコメント アウトします。
新しい対象データベースのデータベース設定のコメントを解除し、各自のデータベースに合わせて以下の設定を更新します。
server=
dblogin=
password=
BEA_HOME
¥user_projects¥domains¥portalDomain
ディレクトリに移動して、create_db.cmd
ファイルをダブルクリックします。
create_db.log
ファイル内の結果を検証します。
注意 : サンプル ドメインを使用している場合は、WL_HOME
¥samples¥domains¥portal
ディレクトリから create_db.cmd または create_db.sh ファイルを実行します。
手動によるドメインの JDBC ドライバ設定のコンフィグレーション
ドメインの JDBC ドライバ設定のコンフィグレーションは、WebLogic Server コンソールを使用して手動で行うことも、Configuration Wizard を使用して行うこともできます。詳細については、「手動によるデータベース オブジェクトの作成と JDBC の設定」を参照してください。
WebLogic Server コンソールで JDBC ドライバ設定を手動でコンフィグレーションするには
ドメインの WebLogic Server を起動します。
WebLogic Server Administration Console にログインします。
[サービス|JDBC|接続プール] に移動します。
[新しい JDBC 接続プールのコンフィグレーション] をクリックします。
XA のコンフィグレーションについては、『コンフィグレーション ウィザードの使い方』 (http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/index.html) にある「コンフィグレーション テンプレートを使用した XA ドメインの作成」を参照してください。
新しい接続プールの名前 (たとえば cgPoolN) を選択して、ベンダ データベースの空白を埋めます。[続行] をクリックします。
接続をテストして、データベースに接続できることを確認します。
注意 : ドメインの config.xml
ファイルでは、JDBCTxDataSource と JDBC 接続プールの 1 対 1 マッピングを維持する必要があります。各 JDBCTxDataSource に新しい JDBC 接続プールを 1 つずつ作成し、ドメインの JDBCDataSource に別の JDBC 接続プールを作成します。
[サービス|JDBC|データ ソース] を選択して、各データ ソースをクリックし、それぞれ新しく作成した接続プールに切り替えます。それぞれ変更が適用されたことを確認します。
データ ソースをそれぞれクリックして、データ ソースが変更されたことを確認してから、プール名が新しい接続プールに設定されたことを個別に確認します。
[サービス|JMS|ストア|cgJMSStore] を選択し、新しい接続プールを使用するよう cgJMSStore を切り替えます。
ドメインの WebLogic Server をいったん終了し、再起動します。
WebLogic Server コンソールで、元の接続プールを削除します。
[サービス|JDBC|接続プール] に移動します。
各接続プールを右クリックし、[削除] を選択します。
行動追跡イベント用の別個のデータベースの作成
他の WebLogic Portal データベース オブジェクトとは別の場所に行動追跡イベントを保存すると、パフォーマンスを向上させることができます。行動追跡の詳細については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs81/adminportal/help/SA_BehavTrackServ.html を参照してください。
注意 : デフォルトでは、行動追跡データベース オブジェクトは他の WebLogic Portal データベース オブジェクトと同じデータベースに作成されます。これらの手順を実行する必要があるのは、行動追跡イベント用に別個のデータベースをコンフィグレーションする場合だけです。
環境に合わせて bt_create_devices.sql
ファイルと bt_create_database.sql
ファイルを編集します。ファイルに記載されている手順に従ってください。
システム管理者権限を持つユーザとして、isql を使用して bt_create_devices.sql
を実行します。次に例を示します。
isql -Usa -SMYSYBASE -e -ibt_create_devices.sql -obt_create_devices.log
システム管理者権限を持つユーザとして、isql を使用して bt_create_database.sql
を実行します。次に例を示します。
isql -Usa -SMYSYBASE -e -ibt_create_database.sql -obt_create_database.log
環境に応じた適切なデータベース ディレクトリ WL_HOME
¥portal¥db¥sybase¥125
に移動します。
ユーザ WEBLOGIC_EVENT
で接続し、以下のスクリプトを実行します。
bt_create_tables.sql
bt_create_fkeys.sql
bt_create_indexes.sql
bt_create_views.sql
bt_create_triggers.sql
パス WL_HOME
\portal\db\data\required
から次のスクリプトを実行します。
bt_insert_system_data.sql