WebLogic Portal 8.1 へのアップグレード
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この節では、Service Pack のインストール後、ポータル アプリケーションに Service Pack 4 の変更を適用する手順について説明します。Service Pack をインストールする手順については、次の URL にある「Service Pack とローリング パッチのインストール」を参照してください。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/install/update.html
SP4 での変更内容の詳細については、次の節を参照してください。
アップグレード元のリリースが 8.1 であるか 8.1 (以前の Service Pack) であるかにかかわらず、次の基本的なプロセスを実行します。
以下のいずれかのアップグレード方法を選択する必要があります。
通常、ドメイン コンフィグレーションの再作成に慣れていて、ドメインが必ず最新のドメイン テンプレートに基づくようにする必要がある場合に、この方法を使用します。この方法を使用する場合は、「新規 SP4 ドメインの作成」に進んでください。
新しい SP4 ライブラリを使用するために、既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインをアップグレードする方法を選択した場合、アップグレードする手順は、SP4 をインストールした方法によって異なります。以降の節では、アップグレード オプションと手動で行う必要がある更新処理について説明します。
インストールされている既存の SP2 または SP3 を、WebLogic Portal SP4 アップグレード インストーラを使用して更新した場合は、SP2 ドメインまたは SP3 ドメインを変更する必要はありません。すべてのスクリプトで、SP4 環境に対応する適切な新ライブラリを指定する必要があります。
続けて「手順 2 : 既存のデータベース スキーマのアップグレード」に進んでください。
JDK は固有の場所に存在することがあるため、アップグレード インストーラでは JDK へのパスを更新できません。SP4 の新しい JDK を指すようにパスを更新するには、
表 6-4 に示すスクリプト内の変数を編集します。
ポータル Web プロジェクトに自動的に作成される url-template-config.xml
ファイルには、WSRP ポートレットの URL テンプレートと変数が含まれます。このファイルで WSRP URL テンプレートごとに次の 2 箇所を変更し、BEA 提供のコンシューマが BEA 以外のプロデューサからのモード変更と状態変更を受け付けられるようにします。
また、BEA 以外のコンシューマが BEA 提供のプロデューサから返される URL を識別できるように、プロデューサは、標準モードとウィンドウ状態に関して URL で wsrp:
プレフィックスを使用する必要があります。
完全なインストーラを使用して SP4 を別のディレクトリにインストールした場合は、SP2 ドメインまたは SP3 ドメインのスクリプトを手動で更新する必要があります。
setDomainEnv
スクリプトで、以下の変数を必要に応じて更新します。
注意 : setDomainEnv
ファイルには DOMAIN_NAME
変数が含まれています。既存のドメインを SP4 にアップグレードするときに、この変数の値を変更しないでください。
SP4 対応の新しい JDK を示すようにパスを更新する必要があります。変数とそれに対応するスクリプトを表 6-5 に示します。
次の表に示すその他の変数とファイルは、各環境でどのスクリプトを使用しているかによって、更新が必要な場合と必要でない場合があります。既存のドメイン ディレクトリのファイルを見直し、必要なすべての変更を行ったことを確認するようにお勧めします。
create_db.cmd/.sh
スクリプトを使用してデータベースの再初期化を計画している場合は、新しいモジュール情報を追加するために、アップグレードしているドメインの db_settings.properties
ファイルを手動で更新する必要があります。その後、データベース固有の情報で db_settings.properties
ファイルを更新します。
以下の例で示すように、アップグレードするドメインの db_settings.properties
ファイルに移動し、モジュールの設定を SP4 に対応するように編集します。ポータル モジュール cmv
および netuix モジュール wsrp
は SP3 で追加されました。p13n モジュール er
は SP4 の新しいモジュールです。これらの新しいモジュールの詳細については、「SP3 におけるデータベースの変更」および「SP4 におけるデータベースの変更」を参照してください。
プロパティ ファイルの該当する行を次のようにする必要があります。
create_db
スクリプトを使用する場合は、set-dbenv
スクリプトにある以下の変数を更新します。
Service Pack 4 では、ポリシー参照データは LDAP ではなく RDBMS に格納されます。アップグレードしたドメインの Administration Portal に最初にアクセスするときに、ポリシー参照データが自動的に移行されます。
アップグレード プロセスを継続する前に LDAP データをバックアップします。portal_domain
¥portalServer¥ldap
ディレクトリをコピーすることで、バックアップできます。
既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインを反映した新しい SP4 ドメインを作成するには、次の手順に従います。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/newdom.html の「新規 WebLogic ドメインの作成」を参照してください。
警告 : SP2 データベースから SP4 データベースにアップグレードする場合は、「手順 2 : 既存のデータベース スキーマのアップグレード」に従って、まずデータベースを SP2 から SP3 にアップグレードする必要があります。その後で、この章の手順に従ってデータベースを SP4 にアップグレードできます。
SP3 データベースを SP4 にアップグレードするためのスクリプトは、SP4_WL_HOME
¥portal¥upgrade¥SP4
にあります。SP4_WL_HOME
は、SP4 の WL_HOME
ディレクトリです。
PointBase 以外のデータベースの場合、提供されている WebLogic Portal のアップグレード スクリプトを使用するためには、アップグレード スクリプトを実行するコンピュータにデータベース クライアント ソフトウェアがインストールされ、コンフィグレーションされている必要があります。
WebLogic Platform 8.1 SP3 のデータベース スキーマを 8.1 SP4 に対応させるために、データベースの種類に応じて、以降の節に示す適切な手順を実行します。
workshop.dbn
、workshop$1.wal
、および pointbase.ini
の Pointbase データベース ファイルをソース ドメインから SP4_WL_HOME
¥portal¥upgrade¥SP4
にコピーします。upgrade_db_schema_to_81SP4.log
ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME
¥portal¥upgrade¥SP4
にあります。 次のエラーが .log
ファイルに表示されますが、無視してかまいません。
SQL> create user weblogic password weblogic;
SQL>
SQL> Error Message: You must have DBA-level authority to perform this operation.
SQL> Error SQLState: 2D086
SQL> Error Code: 15088
SQL>
SQL>
create schema weblogic authorization weblogic
SQL>
SQL> Error Message: Schema WEBLOGIC already exists in the database.
SQL> Error SQLState: 2201F
SQL> Error Code: 25228
SQL>
SQL> --
これで、データベースがアップグレードされました。既存のアプリケーションをアップグレードする前に、アップグレードしたデータベースをバックアップします。
WEBLOGIC
Portal データベースに対して true
に設定します。たとえば、コード リスト 6-1 を参照してください。コード リスト 6-1 Sybase の select into/bulkcopy オプションの設定
use master
go
sp_dboption WEBLOGIC,"select into/bulkcopy",true
go
use WEBLOGIC
go
checkpoint
go
WEBLOGIC_INDEX SEGMENT
を WEBLOGIC
Portal データベースに追加します。例については、コード リスト 6-2 を参照してください。コード リスト 6-2 Sybase のための WEBLOGIC_INDEX SEGMENT の追加
declare @vdevno int
select @vdevno = max(convert(tinyint, substring(convert(binary(4),d.low), v.low,1))) + 1
from master.dbo.sysdevices d, master.dbo.spt_values v
where v.type = 'E' and v.number = 3
disk init name='WEBLOGIC_INDEX',
physname='F:\INDEXFILE\WEBLOGIC_INDEX1.DAT',
vdevno = @vdevno ,
size=15360
go
alter database WEBLOGIC ON WEBLOGIC_INDEX = 30
go
exec sp_addsegment 'WEBLOGIC_INDEX', 'WEBLOGIC','WEBLOGIC_INDEX'
go
exec sp_dropsegment 'logsegment', 'WEBLOGIC','WEBLOGIC_INDEX'
go
注意 : WEBLOGIC_INDEX に必要なサイズを判別するには、sp_estspace
ストアド プロシージャを使用できます。
server
、dblogin
、および dbpassword
を既存のデータベースの値に対応するように設定します。 SP4_WL_HOME
¥portal¥upgrade¥SP4
に移動し、必要に応じて upgrade_db_schema_to_81SP4.cmd
または .sh
スクリプトを実行して、データベース スキーマを SP4 にアップグレードします。アップグレードの成功を確認するには、upgrade_db_schema_to_81SP4.log
ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME
¥portal¥upgrade¥SP4
にあります。WEBLOGIC
Portal データベースに対して false にリセットします。コード リスト 6-3 を参照してください。コード リスト 6-3 Sybase の "select into/bulkcopy" オプションのリセット
use master
go
sp_dboption WEBLOGIC,"select into/bulkcopy",false
go
use WEBLOGIC
go
checkpoint
go
WEBLOGIC_INDEX
ファイル グループを WEBLOGIC
Portal データベースに追加します。例については、コード リスト 6-4 を参照してください。コード リスト 6-4 SQL Server のための WEBLOGIC_INDEX ファイル グループの追加
use WEBLOGIC
go
ALTER DATABASE WEBLOGIC ADD FILEGROUP [WEBLOGIC_INDEX]
GO
ALTER DATABASE WEBLOGIC ADD FILE(NAME = N'WEBLOGIC_INDEX', FILENAME = N'F:¥INDEXFILE¥WEBLOGIC_INDEX.NDF' , SIZE = 60, FILEGROWTH = 10%) TO FILEGROUP [WEBLOGIC_INDEX]
GO
SP3 から SP4 にアップグレードする場合は、アプリケーションについて以下のコンフィグレーションの変更を行う必要があります。
サードパーティ製コンテンツ管理システムを使用する場合、デプロイする前にリポジトリを再コンフィグレーションする必要があります。これによって、パスワードが新しいドメイン用に再暗号化されます。アップグレードでドメインを切り替えない場合は、このタスクをスキップできます。
まず、Portal Administration Tools を使用して既存のリポジトリ接続を削除します。
アップグレードで新しいドメインに移行する場合は、WSRP ポートレットにアクセスするときに使用するすべてのパスワードを再暗号化する必要があります。暗号化は、ドメイン固有のものです。そのため、ドメインを切り替えるときに更新する必要があります。
アプリケーションを EAR ファイルとしてデプロイする場合は、手動で EncryptDomainString
コマンドライン ユーティリティを使用して暗号パスワードを生成し、そのパスワードを application-config.xml
ファイルに記述してから、アプリケーションをデプロイする必要があります。アプリケーションは新しいドメインにすでに存在する必要があります。
注意 : アプリケーションを (EAR ではなく) 展開された状態でデプロイする場合は、Portal Administration Portal のサービス管理ツールを使用してパスワードを再設定できます。サービス管理ツールでパスワードを再入力すると、パスワードは自動的に暗号化されます。ただし、アプリケーションをすでに EAR ファイルに圧縮している場合は、Portal Administration Tool を使用できません。
ポータル アプリケーションの META-INF
ディレクトリに該当の application-config.xml
ファイルがあり、このファイルに自動的に WSRP パスワードが格納されます。たとえば、コード リスト 6-5 は、EAR ファイルとしてデプロイする前の開発段階 (展開された状態) での application-config.xml
の WSRP 要素を示します。
コード リスト 6-5 application-config.xml
の開発段階のクリア テキスト パスワード
<ConsumerSecurityAdminPassword="weblogic" AdminUserName="weblogic"
CertAlias="wsrpConsumer" CertPrivateKeyPassword="wsrppassword"
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword="password"
Name="ConsumerSecurity"/>
[サービス管理] ツールを使用して属性を編集してから、ファイルを保存すると、コード リスト 6-6 のようにパスワードは自動的に暗号化されます。
コード リスト 6-6 application-config.xml
の暗号化されたパスワード
<ConsumerSecurityAdminPassword="{3DES}3QrrUeIwN/DxlDI++1ixPw=="
AdminUserName="weblogicc" CertAlias="wsrpConsumer"
CertPrivateKeyPassword="{3DES}g7h+VOSAsO9pSlvYSSB2iw=="
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword=
"{3DES}1OLYVirMWOo+3sEU80cMqw==
"
Name="ConsumerSecurity" />
EAR ファイルに格納されたアプリケーションをアップグレードする場合は、暗号化を手動で更新する必要があります。
domain
/portal/
(domain
はアプリケーションのドメイン ディレクトリ) にナビゲートし、setDomainEnv.cmd
を実行します。
java com.bea.p13n.util.EncryptDomainString -targetDomainDird
-inputStrings
java com.bea.p13n.util.EncryptDomainString -targetDomainDir ¥bea¥weblogic81b¥samples¥domain¥portal -inputString weblogic
この例では、入力文字列 weblogic
は管理者のパスワードを表します (adminpassword=weblogic
、コード リスト 6-7 を参照)。コマンドライン ユーティリティによって、ドメイン固有の暗号化された文字列が出力されます。
図 6-1 WebLogic Workshop でファイルを開く
コード リスト 6-7 application-config.xml のクリア テキスト パスワード
<ConsumerSecurityAdminPassword="weblogic"
AdminUserName="weblogic"
CertAlias="wsrpConsumer"CertPrivateKeyPassword="wsrppassword"
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks"KeystorePassword="password"
Name="ConsumerSecurity"/>
<ConsumerSecurity>(
コード リスト 6-7)
要素の各パスワードについて EncryptDomainString を実行する必要があります。コード リスト 6-8 EncryptDomainString ユーティリティで生成された暗号パスワード
<ConsumerSecurityAdminPassword="{3DES}3QrrUeIwN/DxlDI++1ixPw=="
AdminUserName="weblogicc" CertAlias="wsrpConsumer"
CertPrivateKeyPassword="{3DES}g7h+VOSAsO9pSlvYSSB2iw=="
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks"KeystorePassword=
"{3DES}1OLYVirMWOo+3sEU80cMqw==
"
Name="ConsumerSecurity" />
理由にかかわらず、管理者のパスワードを変更する必要がある場合、単にパスワードを変更するだけでは、EAR の再ビルドと再デプロイが必要になります。これには時間がかかり効率が低下します。この問題を回避するために、次の手順に従います。
application-config.xml
ファイルに格納します。ポータル ライブラリの更新を含む新しい Service Pack をインストールした後、開発したアプリケーションのライブラリを更新する必要があります。更新によって既存のライブラリが上書きされます。
外部ユーザ ストアに格納されているユーザ プロファイルのプロパティにアクセスするために、独自の統合ユーザ プロファイル (UUP) を開発している場合、アプリケーション ルート ディレクトリにある p13n_ejb.jar
ファイルを変更および再作成しているのが一般的です。p13n_ejb.jar
は、次の手順で上書きされるため、既存のファイルをバックアップしておく必要があります。アップグレードの手順を実行した後、更新された p13n_ejb.jar
を、開発した UUP を実装して作成しなおす必要があります。詳細については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs81/users/uup.html#999527 で『ユーザ管理ガイド』の「統合ユーザ プロファイルの設定」を参照してください。
アプリケーションのライブラリを更新するには、以下の手順に従います。
表示されたウィンドウを使用して Web プロジェクトのライブラリを更新しなかった場合は、後で更新できます。その場合は、[アプリケーション] ウィンドウで Web プロジェクト ディレクトリを右クリックし、[インストール|Portal ライブラリの更新] を選択します。
すでにプロダクション環境にデプロイされたポータル アプリケーションに Service Pack のライブラリの更新を適用するには、WebLogic Workshop でポータル アプリケーションを更新した後で、それらのアプリケーションを再デプロイします。デプロイメントの手順については、「手順 4 : アップグレードしたアプリケーションの再デプロイ」を参照してください。
p13n_ejb.jar
を変更して独自の統合ユーザ プロファイル (UUP) を開発した場合は、新しい p13n_ejb.jar
ファイルに UUP を再実装します。「始める前に - UUP について」を参照してください。
最後のアップグレード手順は、サーバ上にアプリケーションを再デプロイします。
デプロイメントの手順については、次の URL にある「EAR ファイルの準備とデプロイ」を参照してください。
http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs81/prodOps/deployment.html
「WebLogic Portal 環境に影響する機能の変更」で説明している機能の変更を確認してください。ご使用の環境で手動アップグレード タスクが必要な場合は、手順に従ってタスクを実行します。
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