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WebLogic Portal 8.1 へのアップグレード

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Service Pack 4 へのアップグレード

この節では、Service Pack のインストール後、ポータル アプリケーションに Service Pack 4 の変更を適用する手順について説明します。Service Pack をインストールする手順については、次の URL にある「Service Pack とローリング パッチのインストール」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/install/update.html

この節の内容は以下のとおりです。

SP4 での変更内容の詳細については、次の節を参照してください。

 


Service Pack のアップグレード プロセス

アップグレード元のリリースが 8.1 であるか 8.1 (以前の Service Pack) であるかにかかわらず、次の基本的なプロセスを実行します。

  1. 既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインのアップグレード、または新規 SP4 ドメインの作成
  2. 既存のデータベース スキーマのアップグレード
  3. 既存のアプリケーションのアップグレード
  4. アップグレードしたアプリケーションのプロダクション環境への再デプロイ
  5. SP4 拡張機能を有効にするための手動アップグレード タスクの実行

以降の節で、これらの手順について説明します。

 


手順 1 : 既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインのアップグレードまたは新規 SP4 ドメインの作成

以下のいずれかのアップグレード方法を選択する必要があります。

既存の Service Pack 2 ドメインまたは Service Pack 3 ドメインのアップグレード

新しい SP4 ライブラリを使用するために、既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインをアップグレードする方法を選択した場合、アップグレードする手順は、SP4 をインストールした方法によって異なります。以降の節では、アップグレード オプションと手動で行う必要がある更新処理について説明します。

WebLogic Portal のアップグレード インストーラ

インストールされている既存の SP2 または SP3 を、WebLogic Portal SP4 アップグレード インストーラを使用して更新した場合は、SP2 ドメインまたは SP3 ドメインを変更する必要はありません。すべてのスクリプトで、SP4 環境に対応する適切な新ライブラリを指定する必要があります。

続けて「手順 2 : 既存のデータベース スキーマのアップグレード」に進んでください。

必要に応じて JDK へのパスを更新する

JDK は固有の場所に存在することがあるため、アップグレード インストーラでは JDK へのパスを更新できません。SP4 の新しい JDK を指すようにパスを更新するには、
表 6-4 に示すスクリプト内の変数を編集します。

表 6-4 パスを含む変数とスクリプト

変数

スクリプト

JDK_HOME
BEAHOME
WEBLOGIC_HOME
PORTAL_HOME
POINTBASE_HOME

set-dbenv

JAVA_HOME
BEA_JAVA_HOME
SUN_JAVA_HOME
JDK_HOME

setDomainEnv


 

WSRP で使用するために URL テンプレート ファイルを編集する

ポータル Web プロジェクトに自動的に作成される url-template-config.xml ファイルには、WSRP ポートレットの URL テンプレートと変数が含まれます。このファイルで WSRP URL テンプレートごとに次の 2 箇所を変更し、BEA 提供のコンシューマが BEA 以外のプロデューサからのモード変更と状態変更を受け付けられるようにします。

また、BEA 以外のコンシューマが BEA 提供のプロデューサから返される URL を識別できるように、プロデューサは、標準モードとウィンドウ状態に関して URL で wsrp: プレフィックスを使用する必要があります。

WebLogic Portal の完全なインストーラ

完全なインストーラを使用して SP4 を別のディレクトリにインストールした場合は、SP2 ドメインまたは SP3 ドメインのスクリプトを手動で更新する必要があります。

setDomainEnv を更新する

setDomainEnv スクリプトで、以下の変数を必要に応じて更新します。

JAVA_HOME
BEA_JAVA_HOME
SUN_JAVA_HOME
WL_HOME

注意 : setDomainEnv ファイルには DOMAIN_NAME 変数が含まれています。既存のドメインを SP4 にアップグレードするときに、この変数の値を変更しないでください。

必要に応じて JDK へのパスを更新する

SP4 対応の新しい JDK を示すようにパスを更新する必要があります。変数とそれに対応するスクリプトを表 6-5 に示します。

表 6-5 パスを含む変数とスクリプト

変数

スクリプトまたはファイル

JDK_HOME
JDK_TOOLS

set-dbenv

JAVA_HOME
BEA_JAVA_HOME
SUN_JAVA_HOME
JAVA_VENDOR
JDK_HOME

setDomainEnv


 

必要に応じてその他のスクリプトと変数を見直して更新する

次の表に示すその他の変数とファイルは、各環境でどのスクリプトを使用しているかによって、更新が必要な場合と必要でない場合があります。既存のドメイン ディレクトリのファイルを見直し、必要なすべての変更を行ったことを確認するようにお勧めします。

表 6-6 その他の変数とファイル

変数

スクリプトまたはファイル

注意

BEAHOME
WL_HOME
JAVA_HOME
BEA_JAVA_HOME
SUN_JAVA_HOME
JDK_HOME
POINTBASE_HOME

webappCompile
startPointBaseConsole
startWebLogic
1
stopManagedWebLogic
stopWebLogic

1 ファイル startWebLogic には DOMAIN_NAME 変数が含まれています。既存のドメインを SP4 にアップグレードするときに、この変数の値を変更しないでください。

wlsHome.path
jdkHome.path

workshop.properties



 

データベース プロパティ ファイルにモジュール情報を追加する

create_db.cmd/.sh スクリプトを使用してデータベースの再初期化を計画している場合は、新しいモジュール情報を追加するために、アップグレードしているドメインの db_settings.properties ファイルを手動で更新する必要があります。その後、データベース固有の情報で db_settings.properties ファイルを更新します。

以下の例で示すように、アップグレードするドメインの db_settings.properties ファイルに移動し、モジュールの設定を SP4 に対応するように編集します。ポータル モジュール cmv および netuix モジュール wsrp は SP3 で追加されました。p13n モジュール er は SP4 の新しいモジュールです。これらの新しいモジュールの詳細については、「SP3 におけるデータベースの変更」および「SP4 におけるデータベースの変更」を参照してください。

プロパティ ファイルの該当する行を次のようにする必要があります。

p13n_modules=p13n ds au bt er
portal_modules=cm cmv wlcs wps sample_cm collaboration netuix_modules=pf wsrp

create_db を実行する予定がある場合は set-dbenv を更新する

create_db スクリプトを使用する場合は、set-dbenv スクリプトにある以下の変数を更新します。

BEA_HOME
PORTAL_HOME
JDK_HOME
JDK_TOOLS
WEBLOGIC_HOME

LDAP データをバックアップする

Service Pack 4 では、ポリシー参照データは LDAP ではなく RDBMS に格納されます。アップグレードしたドメインの Administration Portal に最初にアクセスするときに、ポリシー参照データが自動的に移行されます。

アップグレード プロセスを継続する前に LDAP データをバックアップします。portal_domain¥portalServer¥ldap ディレクトリをコピーすることで、バックアップできます。

新規 SP4 ドメインの作成

既存の SP2 ドメインまたは SP3 ドメインを反映した新しい SP4 ドメインを作成するには、次の手順に従います。

  1. Configuration Wizard を使用します。
  2. http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/docs81/confgwiz/newdom.html の「新規 WebLogic ドメインの作成」を参照してください。

  3. SP2 ドメインまたは SP3 ドメインから新しい SP4 ドメインに LDAP 情報をコピーします。LDAP 情報は、パス portal_domain¥portalServer¥ldap にあります。

 


手順 2 : 既存のデータベース スキーマのアップグレード

警告 : SP2 データベースから SP4 データベースにアップグレードする場合は、「手順 2 : 既存のデータベース スキーマのアップグレード」に従って、まずデータベースを SP2 から SP3 にアップグレードする必要があります。その後で、この章の手順に従ってデータベースを SP4 にアップグレードできます。

SP3 データベースを SP4 にアップグレードするためのスクリプトは、SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にあります。SP4_WL_HOME は、SP4 の WL_HOME ディレクトリです。

PointBase 以外のデータベースの場合、提供されている WebLogic Portal のアップグレード スクリプトを使用するためには、アップグレード スクリプトを実行するコンピュータにデータベース クライアント ソフトウェアがインストールされ、コンフィグレーションされている必要があります。

WebLogic Platform 8.1 SP3 のデータベース スキーマを 8.1 SP4 に対応させるために、データベースの種類に応じて、以降の節に示す適切な手順を実行します。

PointBase データベースのアップグレード

  1. WebLogic Server が実行中の場合は、停止します。データベース スキーマのアップグレード手順の実行時は、WebLogic Server を停止する必要があります。
  2. PointBase の所定の方法を使用して、既存のデータベースをバックアップします。作成したデータベースのバックアップが、データベースのアップグレード処理中に障害が発生した場合の復元用として有効であることを確認します。
  3. workshop.dbnworkshop$1.wal、および pointbase.ini の Pointbase データベース ファイルをソース ドメインから SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にコピーします。
  4. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4¥db_settings.properties ファイルに以下の変更を行います。
  5. upgrade_db_schema_to_81SP4.cmd または sh スクリプトを実行して、データベース スキーマをアップグレードします。
  6. アップグレードの成功を確認するには、upgrade_db_schema_to_81SP4.log ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にあります。
  7. 次のエラーが .log ファイルに表示されますが、無視してかまいません。

    SQL> create user weblogic password weblogic;
    SQL>
    SQL> Error Message: You must have DBA-level authority to perform this operation.
    SQL> Error SQLState: 2D086
    SQL> Error Code: 15088
    SQL>
    SQL>
    create schema weblogic authorization weblogic
    SQL>
    SQL> Error Message: Schema WEBLOGIC already exists in the database.
    SQL> Error SQLState: 2201F
    SQL> Error Code: 25228
    SQL>
    SQL> --

  8. workshop.dbnworkshop$1.wal、および pointbase.ini ファイルを SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 から適切な SP4 ドメインにコピーします。
  9. 注意 : この手順は、アップグレードしたドメインを使用している場合でも新規ドメインを使用している場合でも適用できます。

これで、データベースがアップグレードされました。既存のアプリケーションをアップグレードする前に、アップグレードしたデータベースをバックアップします。

Sybase データベースのアップグレード

  1. WebLogic Server が実行中の場合は、停止します。データベース スキーマのアップグレード手順の実行時は、WebLogic Server を停止する必要があります。
  2. Sybase の所定の方法を使用して、既存のデータベースをバックアップします。作成したデータベースのバックアップが、データベースのアップグレード処理中に障害が発生した場合の復元用として有効であることを確認します。
  3. "select into/bulkcopy" データベース パラメータを WEBLOGIC Portal データベースに対して true に設定します。たとえば、コード リスト 6-1 を参照してください。

コード リスト 6-1 Sybase の select into/bulkcopy オプションの設定

use master
go
sp_dboption WEBLOGIC,"select into/bulkcopy",true
go
use WEBLOGIC
go
checkpoint
go
  1. クラスタ化されていないインデックスを固有のセグメントに配置するために、WEBLOGIC_INDEX SEGMENTWEBLOGIC Portal データベースに追加します。例については、コード リスト 6-2 を参照してください。

コード リスト 6-2 Sybase のための WEBLOGIC_INDEX SEGMENT の追加

declare @vdevno int 
select @vdevno = max(convert(tinyint, substring(convert(binary(4),d.low), v.low,1))) + 1
from master.dbo.sysdevices d, master.dbo.spt_values v
where v.type = 'E' and v.number = 3
disk init name='WEBLOGIC_INDEX',
physname='F:\INDEXFILE\WEBLOGIC_INDEX1.DAT',
vdevno = @vdevno ,
size=15360
go
alter database WEBLOGIC ON WEBLOGIC_INDEX = 30
go
exec sp_addsegment 'WEBLOGIC_INDEX', 'WEBLOGIC','WEBLOGIC_INDEX'
go
exec sp_dropsegment 'logsegment', 'WEBLOGIC','WEBLOGIC_INDEX'
go

注意 : WEBLOGIC_INDEX に必要なサイズを判別するには、sp_estspace ストアド プロシージャを使用できます。

  1. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4¥db_settings.properties ファイルに以下の変更を行います。
  2. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 に移動し、必要に応じて upgrade_db_schema_to_81SP4.cmd または .sh スクリプトを実行して、データベース スキーマを SP4 にアップグレードします。アップグレードの成功を確認するには、upgrade_db_schema_to_81SP4.log ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にあります。
  3. これで、データベースがアップグレードされました。既存のアプリケーションをアップグレードする前に、アップグレードしたデータベースをバックアップします。

  4. "select into/bulkcopy" データベース パラメータを WEBLOGIC Portal データベースに対して false にリセットします。コード リスト 6-3 を参照してください。

コード リスト 6-3 Sybase の "select into/bulkcopy" オプションのリセット

use master
go
sp_dboption WEBLOGIC,"select into/bulkcopy",false
go
use WEBLOGIC
go
checkpoint
go

SQL Server データベースのアップグレード

  1. WebLogic Server が実行中の場合は、停止します。データベース スキーマのアップグレード手順の実行時は、WebLogic Server を停止する必要があります。
  2. SQL Server の所定の方法を使用して、既存のデータベースをバックアップします。作成したデータベースのバックアップが、データベースのアップグレード処理中に障害が発生した場合の復元用として有効であることを確認します。
  3. クラスタ化されていないインデックスを固有のファイル グループに配置するために、WEBLOGIC_INDEX ファイル グループを WEBLOGIC Portal データベースに追加します。例については、コード リスト 6-4 を参照してください。

コード リスト 6-4 SQL Server のための WEBLOGIC_INDEX ファイル グループの追加

use WEBLOGIC
go
ALTER DATABASE WEBLOGIC ADD FILEGROUP [WEBLOGIC_INDEX]
GO
ALTER DATABASE WEBLOGIC ADD FILE(NAME = N'WEBLOGIC_INDEX', FILENAME = N'F:¥INDEXFILE¥WEBLOGIC_INDEX.NDF' , SIZE = 60, FILEGROWTH = 10%) TO FILEGROUP [WEBLOGIC_INDEX]
GO
  1. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4¥db_settings.properties ファイルに以下の変更を行います。
  2. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 に移動し、upgrade_db_schema_to_81SP4.cmd または .sh スクリプトを実行してデータベース スキーマをアップグレードします。アップグレードの成功を確認するには、upgrade_db_schema_to_81SP4.log ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にあります。
  3. これで、データベースがアップグレードされました。既存のアプリケーションをアップグレードする前に、アップグレードしたデータベースをバックアップします。

Oracle または DB2 データベースのアップグレード

  1. WebLogic Server が実行中の場合は、停止します。データベース スキーマのアップグレード手順の実行時は、WebLogic Server を停止する必要があります。
  2. データベース ベンダによって指定された方法を使用して、既存のデータベースをバックアップします。作成したデータベースのバックアップが、データベースのアップグレード処理中に障害が発生した場合の復元用として有効であることを確認します。
  3. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4¥db_settings.properties ファイルに以下の変更を行います。
  4. DB2 のみ。このプロセスで DB2 コマンドライン プロセッサ (CLP) をまだ使用していない場合は、ここで起動します。CLP でアップグレード スクリプトを実行する必要があります。
  5. SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 に移動し、upgrade_db_schema_to_81SP4.cmd または .sh スクリプトを実行してデータベース スキーマをアップグレードします。アップグレードの成功を確認するには、upgrade_db_schema_to_81SP4.log ファイルを確認します。スクリプトとログ ファイルは、SP4_WL_HOME¥portal¥upgrade¥SP4 にあります。
  6. これで、データベースがアップグレードされました。既存のアプリケーションをアップグレードする前に、アップグレードしたデータベースをバックアップします。

 


手順 3 : 既存のアプリケーションのアップグレード

SP3 から SP4 にアップグレードする場合は、アプリケーションについて以下のコンフィグレーションの変更を行う必要があります。

サードパーティ製コンテンツ管理システムの再コンフィグレーション

サードパーティ製コンテンツ管理システムを使用する場合、デプロイする前にリポジトリを再コンフィグレーションする必要があります。これによって、パスワードが新しいドメイン用に再暗号化されます。アップグレードでドメインを切り替えない場合は、このタスクをスキップできます。

まず、Portal Administration Tools を使用して既存のリポジトリ接続を削除します。

  1. [表示] ドロップダウン リストから [リポジトリ] を選択して、リポジトリ リスト ツリーを表示します。
  2. リポジトリの管理ツリーで、削除するリポジトリを右クリックします。
  3. ポップアップ メニューで [削除] を選択します。
  4. 注意 : すべてのコンフィグレーション情報を必ず書き留めておいてください。再入力する必要があります。

  5. ポップアップ ウィンドウが表示されて、そのリポジトリを削除してよいか確認を求められます。続行するには [OK] をクリックします。

次に、リポジトリに再接続します。

  1. [表示] ドロップダウン リストから [リポジトリ] を選択して、リポジトリ リスト ツリーを表示します。
  2. リポジトリの管理ツリーで、[Virtual Content Repository] を右クリックします。
  3. ポップアップ メニューで [リポジトリの追加] をクリックします。
  4. エディタ ペインで、接続情報を入力します。
  5. [リポジトリ キャッシュ設定] ボックスで、必要に応じてキャッシュ プロパティを編集します。デフォルトのキャッシュ設定をそのまま使用することもできます。
  6. [作成] をクリックします。

WSRP プロデューサのパスワードの再暗号化

アップグレードで新しいドメインに移行する場合は、WSRP ポートレットにアクセスするときに使用するすべてのパスワードを再暗号化する必要があります。暗号化は、ドメイン固有のものです。そのため、ドメインを切り替えるときに更新する必要があります。

アプリケーションを EAR ファイルとしてデプロイする場合は、手動で EncryptDomainString コマンドライン ユーティリティを使用して暗号パスワードを生成し、そのパスワードを application-config.xml ファイルに記述してから、アプリケーションをデプロイする必要があります。アプリケーションは新しいドメインにすでに存在する必要があります。

注意 : アプリケーションを (EAR ではなく) 展開された状態でデプロイする場合は、Portal Administration Portal のサービス管理ツールを使用してパスワードを再設定できます。サービス管理ツールでパスワードを再入力すると、パスワードは自動的に暗号化されます。ただし、アプリケーションをすでに EAR ファイルに圧縮している場合は、Portal Administration Tool を使用できません。

ポータル アプリケーションの META-INF ディレクトリに該当の application-config.xml ファイルがあり、このファイルに自動的に WSRP パスワードが格納されます。たとえば、コード リスト 6-5 は、EAR ファイルとしてデプロイする前の開発段階 (展開された状態) での application-config.xml の WSRP 要素を示します。

コード リスト 6-5 application-config.xml の開発段階のクリア テキスト パスワード

<ConsumerSecurity AdminPassword="weblogic" AdminUserName="weblogic"
CertAlias="wsrpConsumer" CertPrivateKeyPassword="wsrppassword"
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword="password"
Name="ConsumerSecurity"/>

[サービス管理] ツールを使用して属性を編集してから、ファイルを保存すると、コード リスト 6-6 のようにパスワードは自動的に暗号化されます。

コード リスト 6-6 application-config.xml の暗号化されたパスワード

<ConsumerSecurity AdminPassword="{3DES}3QrrUeIwN/DxlDI++1ixPw=="
AdminUserName="weblogicc" CertAlias="wsrpConsumer"
CertPrivateKeyPassword="{3DES}g7h+VOSAsO9pSlvYSSB2iw=="
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword=
"{3DES}1OLYVirMWOo+3sEU80cMqw=="
   Name="ConsumerSecurity" /> 

パスワードの暗号化

EAR ファイルに格納されたアプリケーションをアップグレードする場合は、暗号化を手動で更新する必要があります。

パスワードを暗号化するには、次の手順に従います。

  1. コマンド ボックス (DOS シェル) を開き、domain/portal/ (domain はアプリケーションのドメイン ディレクトリ) にナビゲートし、setDomainEnv.cmd を実行します。
  2. プロンプトで次のように入力します。
  3. java com.bea.p13n.util.EncryptDomainString -targetDomainDir d -inputString s 

    各要素の説明は次のとおりです。

    例 :

    java com.bea.p13n.util.EncryptDomainString -targetDomainDir ¥bea¥weblogic81b¥samples¥domain¥portal -inputString weblogic

    この例では、入力文字列 weblogic は管理者のパスワードを表します (adminpassword=weblogicコード リスト 6-7 を参照)。コマンドライン ユーティリティによって、ドメイン固有の暗号化された文字列が出力されます。

  4. WebLogic Workshop および特定のポータル アプリケーションを開きます。
  5. [ファイル|開く|ファイル] を選択します (図 6-1)。
  6. 図 6-1 WebLogic Workshop でファイルを開く


     

    [開く] ダイアログ ボックスが表示されます。

  7. アプリケーションの META-INF フォルダにナビゲートし、application-config.xml を開きます。

コード リスト 6-7 application-config.xml のクリア テキスト パスワード

<ConsumerSecurity AdminPassword="weblogic" AdminUserName="weblogic"
CertAlias="wsrpConsumer" CertPrivateKeyPassword="wsrppassword"
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword="password"
Name="ConsumerSecurity"/>
  1. 以前に暗号化されたパスワードを、EncryptDomainString ユーティリティで生成されたパスワード (コード リスト 6-8) で置き換えます。以下のような、<ConsumerSecurity>(コード リスト 6-7) 要素の各パスワードについて EncryptDomainString を実行する必要があります。

コード リスト 6-8 EncryptDomainString ユーティリティで生成された暗号パスワード

<ConsumerSecurity AdminPassword="{3DES}3QrrUeIwN/DxlDI++1ixPw=="
AdminUserName="weblogicc" CertAlias="wsrpConsumer"
CertPrivateKeyPassword="{3DES}g7h+VOSAsO9pSlvYSSB2iw=="
ConsumerName="wsrpConsumer"
IdentityAssertionProviderClass="com.bea.wsrp.security.
DefaultIdentityAssertionProvider"
Keystore="wsrpKeystore.jks" KeystorePassword=
"{3DES}1OLYVirMWOo+3sEU80cMqw=="
   Name="ConsumerSecurity" /> 

パスワード変更の注意事項

理由にかかわらず、管理者のパスワードを変更する必要がある場合、単にパスワードを変更するだけでは、EAR の再ビルドと再デプロイが必要になります。これには時間がかかり効率が低下します。この問題を回避するために、次の手順に従います。

  1. WSRP 管理者のためにターゲット システムに特殊なユーザを作成します。ユーザの作成については、「新しいユーザを作成する」を参照してください。
  2. 作成したユーザを管理者グループのメンバーにします。グループへのメンバーの追加については、「グループにユーザを追加する」を参照してください。
  3. パスワードの暗号化」の説明に従い、新しいログオン情報 (ユーザ名とパスワード) をアプリケーションの application-config.xml ファイルに格納します。

ポータル ライブラリの更新

ポータル ライブラリの更新を含む新しい Service Pack をインストールした後、開発したアプリケーションのライブラリを更新する必要があります。更新によって既存のライブラリが上書きされます。

始める前に - UUP について

外部ユーザ ストアに格納されているユーザ プロファイルのプロパティにアクセスするために、独自の統合ユーザ プロファイル (UUP) を開発している場合、アプリケーション ルート ディレクトリにある p13n_ejb.jar ファイルを変更および再作成しているのが一般的です。p13n_ejb.jar は、次の手順で上書きされるため、既存のファイルをバックアップしておく必要があります。アップグレードの手順を実行した後、更新された p13n_ejb.jar を、開発した UUP を実装して作成しなおす必要があります。詳細については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs81/users/uup.html#999527 で『ユーザ管理ガイド』の「統合ユーザ プロファイルの設定」を参照してください。

ポータル ライブラリの更新

アプリケーションのライブラリを更新するには、以下の手順に従います。

  1. .workshop ディレクトリを探して、アップグレードするアプリケーションから削除します。これは、WebLogic Workshop を起動する前に行ってください。
  2. WebLogic Workshop 8.1 (Service Pack 4) を起動します。
  3. WebLogic Server が実行中の場合は、停止します。WebLogic Workshop で [ツールWebLogic ServerWebLogic Server の停止] を選択します。
  4. WebLogic Workshop SP4 で、更新するポータル アプリケーションを開きます。たとえば、SP3 または SP2 のポータル アプリケーションに移動します。
  5. [アプリケーション] ウィンドウで、アプリケーション ディレクトリを右クリックし、[インストールPortal ライブラリの更新] を選択します。
  6. ポータル アプリケーション ライブラリが更新されてから、ウィンドウが表示されます。次の手順に進みます。

  7. 表示されたウィンドウでライブラリを更新する Web プロジェクトを選択し、[OK] をクリックします。Web プロジェクトを選択するたびに、警告ウィンドウが表示されます。[はい] をクリックして更新を続行します。
  8. 表示されたウィンドウを使用して Web プロジェクトのライブラリを更新しなかった場合は、後で更新できます。その場合は、[アプリケーション] ウィンドウで Web プロジェクト ディレクトリを右クリックし、[インストールPortal ライブラリの更新] を選択します。

  9. アプリケーションが Commerce または Pipeline コンポーネントを使用している場合は、アプリケーション ディレクトリを右クリックし、[インストールコマース サービス] または [インストールPipeline サービス] を選択します。
  10. アプリケーションがコマース タグ ライブラリまたは Webflow JSP タグ ライブラリを使用している場合は、[アプリケーション] ウィンドウで Web プロジェクト ディレクトリを右クリックし、[インストールコマース タグ ライブラリ] または [インストールWebflow タグ ライブラリ] を選択します。
  11. WebLogic Workshop インタフェースで非表示になっている Web アプリケーションがある場合、それらの Web アプリケーションは更新されません。アプリケーションを表示してから前に示した手順で更新するか、非表示の Web アプリケーション内で更新されたライブラリを手動で置き換えます。
  12. すでにプロダクション環境にデプロイされたポータル アプリケーションに Service Pack のライブラリの更新を適用するには、WebLogic Workshop でポータル アプリケーションを更新した後で、それらのアプリケーションを再デプロイします。デプロイメントの手順については、「手順 4 : アップグレードしたアプリケーションの再デプロイ」を参照してください。

  13. 必要であればポータル サーバ設定を更新するために、[ツール|WebLogic Server|サーバ プロパティ] を選択して情報を編集します。
  14. アプリケーション ルート ディレクトリにある p13n_ejb.jar を変更して独自の統合ユーザ プロファイル (UUP) を開発した場合は、新しい p13n_ejb.jar ファイルに UUP を再実装します。「始める前に - UUP について」を参照してください。
  15. [ビルド|アプリケーションのビルド] を選択してアプリケーションを再ビルドします。
  16. アップグレードしたドメインでサーバを再起動します。

 


手順 4 : アップグレードしたアプリケーションの再デプロイ

最後のアップグレード手順は、サーバ上にアプリケーションを再デプロイします。

デプロイメントの手順については、次の URL にある「EAR ファイルの準備とデプロイ」を参照してください。

http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/wlp/docs81/prodOps/deployment.html

 


手順 5 : SP4 における機能の変更の確認

WebLogic Portal 環境に影響する機能の変更」で説明している機能の変更を確認してください。ご使用の環境で手動アップグレード タスクが必要な場合は、手順に従ってタスクを実行します。

 

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