コンテンツ管理ガイド

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コンテンツ リポジトリの使用

コンテンツの開発と、ポータル アプリケーションへのコンテンツの組み込みを開始する前に、使用するリポジトリのタイプを選択し、仮想コンテンツ リポジトリに接続する必要があります。この章では、リポジトリ オプションについて説明します。

ポータル アプリケーションを作成すると、BEA リポジトリを使用するようコンフィグレーションされます。BEA リポジトリを使用する場合、使用するリポジトリのタイプ (デフォルトのデータベース リポジトリ、またはファイルシステム リポジトリ) を選択する必要があります。

他のリポジトリに既存のコンテンツがある場合は、サービス プロバイダ インタフェース (SPI) の実装を介して、対象のリポジトリを仮想コンテンツ リポジトリに接続することができます。

この章の内容は以下のとおりです。

 


仮想コンテンツ リポジトリへのリポジトリの接続

コンテンツの格納に使用するリポジトリのタイプに関わらず、すべてのリポジトリは WebLogic Portal の仮想コンテンツ リポジトリに接続される必要があります。仮想コンテンツ リポジトリでは、コンテンツ寄稿者は Portal Administration Console のコンテンツ ツールを使用してリポジトリにアクセスすることができます。また、リポジトリがポータル アプリケーションに接続されるため、開発者はリポジトリ コンテンツをポータル ユーザに配信することができます。

注意 : 同一のリポジトリを複数のポータル アプリケーションに接続することができます。複数のアプリケーションに対して同一のリポジトリを使用する場合は、直近に使用されたアプリケーションのみが最新の変更を利用できます。リポジトリ ビューが頻繁に更新されるよう、リポジトリのキャッシュ設定を調整できます。リポジトリ キャッシュの設定の詳細については、「BEA リポジトリの変更」を参照してください。

ユーザ (コンテンツ寄稿者、管理者、および開発者) は、図 2-1 のように、Portal Administration Console から仮想コンテンツ リポジトリにアクセスすることができます。

注意 : サードパーティのリポジトリを使用している場合、仮想コンテンツ リポジトリでコンテンツを変更できるかどうかは、仮想コンテンツ リポジトリへの接続に使用している実装に依存します。サードパーティ リポジトリの使用の詳細については、「サードパーティのリポジトリへの接続」を参照してください。
図 2-1 仮想コンテンツ リポジトリに接続しているリポジトリの表示

仮想コンテンツ リポジトリに接続しているリポジトリの表示

 


BEA デフォルト リポジトリでのコンテンツの格納

デフォルトの BEA リポジトリは、ポータル環境で使用するよう事前にコンフィグレーションされています。BEA リポジトリには、コンテンツ ワークフローおよびバージョン管理を提供する WebLogic Portal のライブラリ サービスが含まれています。ライブラリ サービスの詳細については、「BEA リポジトリへのコンテンツの追加」を参照してください。

デフォルトのコンフィグレーションでは、ポータル データベースのテーブルを使用して、メタデータ、コンテンツ、およびコンテンツ バージョンを格納します。BEA デフォルト リポジトリの詳細については、「BEA リポジトリのコンフィグレーション」を参照してください。

 


BEA ファイルシステム リポジトリでのコンテンツの格納

BEA ファイルシステム リポジトリでは、BEA データベースと連携するファイルシステムを使用して、コンテンツを格納することができます。ファイルシステム リポジトリを使用すると、コンテンツのバイナリ ファイル (バイナリ プロパティとして保管) は指定したファイルシステムに格納され、このファイルに関連付けられているメタデータ (コンテンツ タイプ情報) はデータベースに格納されます。

これにより、ポータルおよびポータル ツールでのデータ取得のパフォーマンスが向上します。コンテンツ クエリはデータベースに対して実行され、結果はファイルシステムから返されます。

注意 : ファイルシステム リポジトリを使用する場合、コンテンツ寄稿者は Portal Administration Console を使用してコンテンツを操作する必要があります。ファイルシステム内で直接コンテンツを操作すると、データの同期がとれなくなり、予期しない動作が発生する場合があります。

ライブラリ サービスを実行しているファイルシステム リポジトリを使用している場合、コンテンツの非公開バージョンは BEA データベースに格納されます。これにより、ファイルシステムの破損や削除時の対策が強化されます。ライブラリ サービスの詳細については、「BEA リポジトリへのコンテンツの追加」を参照してください。

ファイルシステム リポジトリの使用の詳細については、「BEA リポジトリのコンフィグレーション」を参照してください。

 


サードパーティ リポジトリでのコンテンツの格納

WebLogic Portal では、サードパーティのコンテンツ リポジトリを使用することができます。サードパーティのコンテンツ管理システムによっては、WebLogic Portal の仮想コンテンツ リポジトリに対する接続インタフェースが提供されている場合もあります。

BEA では、多くのコンテンツ管理ベンダが実装している、WebLogic Portal コンテンツ サービス プロバイダ インタフェース (SPI) という Java クラスのセットを提供しています。ご使用のコンテンツ管理システムのベンダがこの SPI を実装している場合は、Portal Administration Console でのコンフィグレーションを行うだけで、リポジトリを仮想コンテンツ リポジトリに追加することができます。

BEA の SPI を実装していないベンダの場合は、「サードパーティのリポジトリへの接続」の指示に従ってください。

JSR 170 準拠のリポジトリを使用している場合は、SPI を作成する必要はありません。WebLogic Portal には、JSR 170 準拠のリポジトリへの接続に用いる JSR 170 コネクタが含まれています。

サードパーティのリポジトリを使用してコンテンツを格納する場合、実装に応じて、リポジトリのコンテンツ ツールを引き続き使用するか、または BEA のコンテンツ ツールを使用して、コンテンツの追加や変更を行うことができます。

SPI 実装が読み込み専用である場合は、サードパーティのリポジトリを引き続き使用して、コンテンツの作成および編集を行う必要があります。しかし、この実装が読み込み/書き込み可能である場合は、Portal Administration Console またはサードパーティ リポジトリのツールのいずれかを使用できます。

 


リポジトリの整理

BEA リポジトリを使用する場合、ポータルでコンテンツを容易に取得、管理、および使用できるよう、コンテンツの論理的な整理方法を決定する必要があります。コンテンツ フォルダの階層構造を設定し、コンテンツ名や作成者名といった、コンテンツ寄稿者が作成時に割り当てる値であるコンテンツ プロパティを定義するコンテンツ タイプを作成します。

ヒント : コンテンツ タイプおよびその関連プロパティを使用すると、リポジトリ内のコンテンツを柔軟に検索できます。ポータル開発者は、リポジトリ内の場所のパスに基づいてコンテンツを取得することもできます。使用するコンテンツ タイプとコンテンツ フォルダについて綿密に計画しておくと、ポータル開発者によるポータル アプリケーション内でのコンテンツの取得および配信が容易になります。コンテンツ タイプの詳細については、「BEA リポジトリでのコンテンツ タイプの使用」を参照してください。

ポータル開発者は、コンテンツ タイプに関連付けられたメタデータ (プロパティ) を使用して、ポータル内に表示するコンテンツ ファイルを取得することができます。コンテンツ タイプを設定する際に、画像のサイズやクリックできるユーザなど、コンテンツの取得や表示に役立つプロパティを含めることが必要です。その他の例としては、コンテンツの「開始日」プロパティがあります。このプロパティにより、コンテンツの有効期限と同様に、コンテンツが有効になる将来の日付を開発者がスケジュールできます。

ライブラリ サービスが有効になっている BEA リポジトリを使用している場合、コンテンツ ワークフローを作成し、コンテンツに割り当てることで、コンテンツの公開前に寄稿者から該当する承認者にコンテンツが送付されるようにすることができます。コンテンツ ワークフローの使用の詳細については、「BEA リポジトリでのコンテンツ ワークフローの使用」を参照してください。

 


リポジトリの保護

リポジトリ内のコンテンツの追加、編集、または削除を実行できる人物を特定するために、使用するユーザ、ロール、および機能を設定することができます。

ポータル管理者は訪問者の資格を使用して、ポータル ユーザが表示できるコンテンツに制限を加えることができます。たとえば、人事に使用されているポータルで、管理者向けに公開されるコンテンツに資格を付与し、管理者ロールを持つユーザのみがコンテンツを表示できるようにすることが可能です。

委託管理を使用すると、Portal Administration Console でのコンテンツ作成やリポジトリ管理を行う管理者ロールを、ユーザやグループに対して作成できます。たとえば、コンテンツの公開を行うことができるユーザにのみ使用されるロールを設定できます。このロールは、コンテンツの作成および編集に関連した機能のみを使用することができ、タイプまたはワークフローの作成などの管理機能を持ちません。コンテンツ タイプまたは新しいフォルダを作成するロールを個別に作成することもできます。

訪問者の資格と同様、委託管理を設定する際にユーザとロールが使用されます。セキュリティの設定の詳細については、『WebLogic Portal のセキュリティ ガイド』を参照してください。

ユーザとグループの設定の詳細については、『WebLogic Portal のユーザ管理ガイド』を参照してください。


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