対話管理ガイド

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キャンペーンの構築

WebLogic Portal のキャンペーンは、訪問者を正確に対象として設定し、ブラウジング セッションで複数のアクション、または同時に発生するアクションをトリガする際に役立ちます。キャンペーンは、適切なときに、適切なユーザに、適切なコンテンツを配信します。

キャンペーンを使用して、次の方法でポータルをパーソナライズできます。

通常、マーケティング目標によってキャンペーンのコンテンツが決まります。たとえば、昼食時に特定のブラウザ タイプを使用してログインするユーザがランチの特別メニューに関連するコンテンツを閲覧するようにしたい場合があります。銀行が推奨するポートフォリオを決定し、旅行会社のサイトが特定のホテル チェーンを推奨する場合があります。

キャンペーンではコードを変更せずにビジネス ロジックを作成できるので、柔軟性があります。たとえば、キャンペーンでは、プレースホルダと呼ばれる <ph:placeholder name="myPlaceholder1"/> のような JSP タグ を使用して Web コンテンツを表示します。JSP プレースホルダ タグ (name 属性によってユニークに識別される) は、ポータルの JSP のどこに追加してもかまいません。追加したら、既存のプレースホルダを使用するキャンペーンを定義して、各プレースホルダでキャンペーンおよび個々のユーザに対してユニークなコンテンツを表示できます。キャンペーンを変更し、新しいキャンペーンを追加できますが、JSP コードを変更する必要はありません。必要なプレースホルダは、現状のまま維持する必要があります。

柔軟性とパーソナライゼーションに加えて、キャンペーンは特定の時期に開始し、特定の目標が達成された時点で (特定の目標を達成するか、または期限切れになったときに) 終了します。各訪問者に対して 1 回だけ実行されるようにキャンペーンを設定することもできます。

構造上、キャンペーンは 1 つまたは複数のシナリオで構成されます。各シナリオは 1 つまたは複数のアクションで構成され、アクションは、パーソナライズされたコンテンツを表示したり、自動電子メールを送信したり、パーソナライズされた割引を提供したりします。シナリオをアクションのコンテナとして使用すると、シナリオのアクションを提供するときにユーザ セグメントを使用して資格のあるユーザを決定できるという利点があります (ただし、ユーザ セグメントをシナリオに割り当てる必要はありません)。たとえば、2 つのシナリオを含むキャンペーンを作成し、1 つのシナリオでは男性だけにアクションを適用し、もう 1 つのシナリオでは女性にアクションを適用することができます。表 8-1 に、女性を対象としたシナリオでロジックがどのように展開されるかを示します。

表 8-1 最近 Web サイトを訪れた女性を対象にしたキャンペーン シナリオ
Female ユーザ セグメントのメンバーで、最近 30 日以内にサイトを訪れたかどうか。
ユーザ プロファイルは、女性であり、最近 30 日以内にサイトを訪れていることを示している。このキャンペーンがトリガされると、このシナリオの該当するすべてのアクションが適用される。
不可
ユーザ プロファイルは男性であることを示している。このキャンペーンがトリガされても、このシナリオのアクションは適用されない。

この章の内容は以下のとおりです。


前提条件タスクの実行

キャンペーンを作成する前に以下の作業を行います。

  1. キャンペーン方針を計画する場合のチェックリスト」を読みます。
  2. セッションまたはリクエストのプロパティを使用してキャンペーン アクションをトリガする場合は、以下の作業が実行されていることを確認します。
    • 発生するイベントが含まれている JSP で、変数を通じてリクエスト属性を取得するか、JSP に直接設定する。
    • 発生するイベントが含まれている JSP で、使用するイベント プロパティを取得または設定する。
    • セッション プロパティを使用してキャンペーン アクションをトリガする場合は、イベントが発生したセッションに、使用するセッション プロパティが含まれていることを確認する。
    • セッションまたはリクエストのプロパティの詳細については、「セッション プロパティ セットの作成」または「リクエスト プロパティ セットの作成」を参照してください。

  3. 目標設定を使用してキャンペーンを終了するかどうかを決定します。目標を設定すると、表示またはクリックされたコンテンツ項目の数に基づき、キャンペーンを終了させることができます。詳細については、「目標定義の設定」と「目標定義の調整」を参照してください。


キャンペーンの構築

開発者がキャンペーンを作成し、管理者がキャンペーンをテンプレートとして使用して、キャンペーンの特性を変更し、類似の特性を持つ新しいキャンペーンを作成します。

キャンペーンを構築するには、シナリオやアクションなどのキャンペーンの仕組みを計画し、キャンペーン ファイルを作成して、シナリオとアクションを追加します。

この節では、次のトピックについて説明します。

キャンペーンの仕組みの計画

キャンペーンは、アクションと呼ばれるユニットを使用して、特定のパーソナライゼーション タスクを実行します。アクションはユーザが設定した特定の条件によってトリガされ、シナリオにグループ化されます。

たとえば、キャンペーン アクションは「ユーザが 1 月 1 日から 1 月 31 日の間にログインし、ユーザが管理者以外のユーザ セグメントのメンバーの場合、何かを実行するキャンペーンをトリガする。」のような条件によってトリガされます。その後、アクションは「キャンペーンがトリガされると、年次勤務評定を完了するように催促する自動電子メールをユーザに送信する。」のように実行できます。

キャンペーンには複数のシナリオを使用でき、各シナリオには複数のアクションを使用できます。アクションは、以下のすべての項目が true の場合にトリガされます。

表 8-2 は、Workshop for WebLogic で作成されるキャンペーン アクション ルールを示します。

表 8-2 キャンペーン アクション ルール
以下のすべての条件が適用された場合 :
HTTP リクエストに次のプロパティがある : RequestPropertyOnesuccess と同等
以下のいずれかのイベントが発生した :
SessionLoginEvent
以下を実行する :
コンテンツ アクション、電子メール アクション、または割引アクション

このルールが評価されるのは、キャンペーン サービスがリスンしているイベントが発生した場合だけです (このイベントをキャンペーン ルールで直接使用する必要はありません)。たとえば、キャンペーン サービスが BEA 提供の UserRegistrationEvent をリスンするようにコンフィグレーションされている場合 (デフォルトの設定)、UserRegistrationEvent が発生すると、このイベントによってリクエスト オブジェクトのスナップショットが作成され、キャンペーン ルールが評価されます。

以下のリストは、前述のキャンペーン アクション ルールが評価される順序を示します。

ルールのすべての条件が true に評価される必要があり、キャンペーン サービスを起動してリクエスト オブジェクトのスナップショットを作成したのは UserRegistrationEvent であるため、キャンペーン アクションはトリガされません。SessionLoginEvent ルールは false です (キャンペーン サービスを起動したのは UserRegistrationEvent です)。

ルールの定義が異なり、すべての条件ではなく、いずれかの条件が true の場合にアクションをトリガすると定義されていた場合、リクエスト プロパティが true であればキャンペーン アクションがトリガされます。

キャンペーン ファイルの作成

この章で示す手順は、[パッケージ・エクスプローラ] ビューの data\src フォルダに関係します。data ディレクトリおよび src ディレクトリは、名前が変更されている可能性があります。

以下の手順を実行して、キャンペーン ファイルを作成し、キャンペーンのプロパティを設定します。

  1. Workshop for WebLogic で [実行|サーバで実行] を選択して、WebLogic Server を起動します。WebLogic Server をコンフィグレーションする手順については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。
  2. ポータル パースペクティブで、[パッケージ・エクスプローラ] ビューの [data\src\campaigns] フォルダを右クリックし、[新規|その他] を選択します。
  3. ヒント : メニューをカスタマイズして、[新規] メニューの選択肢として [キャンペーン] を表示することができます。詳細については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。
  4. [新規 - ウィザードを選択] ウィンドウで、WebLogic Portal フォルダを展開し、[キャンペーン] を選択して、[次へ] をクリックします。
  5. [ファイル名] フィールドにキャンペーンの名前を入力します。ファイル拡張子の .cam は、そのまま使用します。
  6. [完了] をクリックします。 キャンペーン エディタが表示されたら、キャンペーンを選択します。
  7. [プロパティ] タブを選択し、[一般] プロパティで以下のプロパティを設定します。これらのプロパティを使用すると、キャンペーンを実行するかどうかを指定できます。以下の説明に従って、各プロパティを設定します。
    • [アクティブ] - キャンペーンを実行する場合、値を true に設定します。キャンペーンを実行しない場合は、値を false に設定します。
    • [説明] - キャンペーンの詳細な説明を入力します。この説明は、[説明] ウィンドウのテキストに追加されます。
    • [完成] - 読み込み専用の値 true または false。キャンペーンの条件がすべて確定すると、[完成] プロパティが true に設定されます。フィールドが false の場合、各アクションとシナリオを確認して、欠落しているプロパティを特定する必要があります。
    • [名前] - 読み込み専用。キャンペーンの名前 (キャンペーン ファイル名)。
    • [スポンサー] - キャンペーンのスポンサーになっている組織または個人の名前を入力します。
  8. キャンペーンでパーソナライズされたコンテンツを表示している場合、[プロパティ] タブで [目標] プロパティを展開し、以下のプロパティを設定します。
    • [説明] - 終了日を待たずにキャンペーンを終了させる目標に関する説明を入力します。完了したら、[プロパティ テキスト エディタ] ダイアログ ボックスの [OK] をクリックします。
    • [目標の定義] - キャンペーン終了日の前に、ポータル内で特定のイメージが表示またはクリックされた時点で、キャンペーンを終了させます。目標を設定すると、表示またはクリックされたコンテンツ項目の数に基づき、キャンペーンを終了させることができます。詳細については、「目標定義の設定」を参照してください。
  9. [プロパティ] タブの [タイミング] プロパティを展開し、以下のプロパティを設定します。
    • [開始日] - 省略記号アイコン [...] をクリックし、キャンペーンを開始する月、日、および時刻を (作成者のタイムゾーンで) 設定します。[OK] をクリックします。
    • [終了日] - 省略記号アイコン [...] をクリックし、キャンペーンを終了する月、日、および時刻を (作成者のタイムゾーンで) 設定します。[OK] をクリックします。
    • 図 8-1 を参照してください。

  10. [ファイル|保管] を選択して変更を保存します。
  11. 図 8-1 新しいキャンペーンのサンプル プロパティ


    新しいキャンペーンのサンプル プロパティ

目標定義の設定

以下の手順を実行して、キャンペーンの目標を設定します。

  1. ポータル パースペクティブで、「キャンペーンの構築」で作成したキャンペーンを選択します。
  2. [プロパティ] タブで、[目標] プロパティを展開します。
  3. [目標の定義] フィールドで、図 8-2 に示すように、省略記号ボタン [...] をクリックします。
  4. 図 8-2 省略記号ボタンをクリックして [キャンペーンの目標の編集] ウィンドウを表示


    省略記号ボタンをクリックして [キャンペーンの目標の編集] ウィンドウを表示

    [キャンペーンの目標の編集] ウィンドウが表示されます。

  5. [キャンペーンの目標の編集] ウィンドウで、[新規作成] をクリックします。
  6. [キャンペーンの目標] セクションの [カウント] フィールドに、目標に到達するまでの回数、つまりコンテンツ項目が表示またはクリックされる必要がある回数を入力します。
  7. [カウント タイプ] フィールド内のドロップダウン リストから項目を選択し、コンテンツ項目が表示される必要があるのか ([インプレッション])、クリックされる必要があるのか ([クリックスルー]) を指定します。
  8. 注意 : コンテンツ項目でクリックスルー機能を使用する場合、adTargetUrladTargetContentadMapName のうちのいずれかのプロパティ セットを使用する必要があります。これらのプロパティのプロパティ値は URL で、クリックしたユーザを必要な場所に移動させることができます。ポータルでは、URL はポータル Web プロジェクトのルート ディレクトリに対して相対的です。詳細については、「ポータル リソースへの URL の作成」を参照してください。
  9. [タイプ] フィールドのドロップダウン リストから項目を選択します。この [タイプ] では、コンテンツのインプレッションまたはクリックスルーを、このキャンペーンが表示するコンテンツでのみ有効にするか ([このキャンペーンからのみ])、キャンペーンまたはキャンペーンの外部から表示されるコンテンツでも有効にするか ([どこからでも]) を指定します。
  10. [ロジック] フィールドから項目を選択し、選択したすべてのコンテンツ項目でインプレッションまたはクリックスルーが追加されることでカウントに到達できるようにするか ([パス カウントを合計])、リスト内の 1 つのコンテンツ項目でのみカウントに到達できるようにするか ([いずれか 1 つのパスに対して]) を指定します。
  11. 目標のパス セクションで、目標で使用するコンテンツ項目を追加します。目標のパス リストに追加するには、以下の一方または両方を実行します。
    • [目標にパスを追加] フィールドに、BEA の仮想コンテンツ リポジトリ内のコンテンツ項目へのリポジトリ パスを入力し、[追加] をクリックする。
    • [クエリ パスの取得] フィールドで、キャンペーンにすでに定義してあるコンテンツ アクションを選択する。コンテンツ アクションには、仮想コンテンツ リポジトリから特定のコンテンツ項目を取得するクエリが関連付けられています。[取得] をクリックして、クエリで取得するコンテンツ項目のリストを取得します。必要なコンテンツ項目を選択して、[追加] をクリックします。
  12. 必要に応じて追加の目標を作成します。[キャンペーンの目標] セクションに追加する各目標は、目標のパス セクションのコンテンツ項目に関連付けられます。たとえば、次のように指定する目標を追加できます。1 つのコンテンツが 3 回 ([カウント]) 表示される ([インプレッション]) と、目標が達成されます。
  13. 複数の目標を作成する場合、[キャンペーンの目標] セクションの下にある適切なキャンペーンの終了のオプションを選択します。
  14. [キャンペーンの目標の編集] ウィンドウで、[OK] をクリックします。
  15. [ファイル|保管] を選択して、キャンペーンを保存します。
  16. キャンペーンを保存すると、[キャンペーンのリセット] ダイアログ ボックスでオプションを選択し、[OK] クリックしてキャンペーンをリセットするよう指示されます。 図 8-3 を参照してください。
  17. 図 8-3 [すべてのオプションをリセット] チェック ボックスを選択し、キャンペーンをリセット可能


    [すべてのオプションをリセット] チェック ボックスを選択し、キャンペーンをリセット可能

目標定義の調整

以下の目標の例では、目標設定を変更する方法とその結果を示します。

ポータル リソースへの URL の作成

WebLogic Portal は、特にサーバ名とポート番号を変更したときに途切れることなく、ドメインからドメインに転送できるポータル Web プロジェクト内のポータル リソースに URL を作成する拡張可能なメカニズムを用意しています。この URL 作成メカニズムは、セキュア URL と非セキュア URL (HTTP および HTTPS) 間で切り替えることができます。

以下の 2 つの項目を使用して、移植可能な URL を作成します。

beehive-url-template-config.xml ファイルには、ユニークな名前を持つ複数の URL「テンプレート」が含まれています。これらのテンプレートの URL には、url:domainurl:port などの変数が含まれ、これらはアクティブなサーバから読み込まれます。<render:*Url> JSP タグには、beehive-url-template-config.xml ファイル内の URL テンプレートの名前を指定できるテンプレート属性があります。

次の例は、JSP タグがテンプレートを使用して URL を作成する方法を示します。

WebLogic Portal に付属する beehive-url-template-config.xml ファイルにある任意の URL テンプレートを使用できると共に、必要な数のテンプレートをファイルに追加することができます。

URL テンプレートを構築する場合、以下の任意の変数を使用することができます。

URL のトラブルシューティング

プロキシ サーバを使用したり、非セキュアなポートとセキュアなポートの間で切り替えているとき、{url:port} または {url:securePort} 変数を使用している場合は URL が解決されないことがあります。URL が解決されないのは、その値に対する変数がリクエストから読み込まれるためです。たとえば、非セキュアな ポート (ポート番号 80) にいるユーザが {url:securePort} 変数を使用する URL テンプレートで作成されたセキュアな HTTPS リンクをクリックすると、request (80) というポート番号が {url:securePort} 変数に対して使用されますが、これは非セキュアなポートでセキュア リクエスト (HTTPS) を作成します。プロキシ サーバ (ポート 80) にいるユーザがプロキシ サーバ (ポート 443) の外にあるリソースへのリンクをクリックした場合も同様です。

どちらの場合も、正しく解決される URL を取得するように、URL テンプレートにポート番号をハード コーディングする必要があります。

ポータル Web プロジェクトで自動的に作成された beehive-url-template-config.xml ファイルにも WSRP (Web Services for Remote Portlets) 用の URL テンプレートと変数が含まれています。WSRP プロデューサを使用する場合は、これらのテンプレートをそのままファイルに残す必要があります。詳細については、『連合ポータル ガイド』を参照してください。

キャンペーンへのシナリオの追加

キャンペーンには、特定のパーソナライゼーション タスクを実行し、設定した特定の条件によってトリガされるアクションがあります。アクションはシナリオにグループ化されます。キャンペーンには複数のシナリオを使用でき、各シナリオには複数のアクションを使用できます。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、「キャンペーンの構築」で作成したキャンペーンを選択します。
  2. [パレット] タブから [新しいシナリオ] 項目をキャンペーン エディタにドラッグします。事前定義されたアクションと条件が設定されている 4 つのシナリオ テンプレートを使用できます。これらのシナリオの 1 つを Campaign Designer にドラッグすると、各シナリオの詳細を示す [説明] ウィンドウが表示されます。
  3. [プロパティ] タブで [一般プロパティ] 項目を展開し、以下のプロパティを設定します。
    • アクティブ - キャンペーンを実行する場合、値を 「true」 に設定します。 キャンペーンを実行しない場合は、値を false に設定します。
    • [説明] - 省略記号アイコン [...] をクリックし、シナリオの詳細な説明を入力します。この説明は、[説明] ウィンドウのテキストに追加されます。
    • [完成] - 読み込み専用の値 (true または false) が表示されます。条件がすべて確定すると (キャンペーン、各シナリオ、および各アクションの条件)、[完成] プロパティが true に設定されます。フィールドが false の場合、各アクションとシナリオを確認して、欠落しているプロパティを特定する必要があります。
    • [名前] - シナリオの名前を入力します。
    • [セグメント] – ユーザが 1 つまたは複数のユーザ セグメントのメンバーである場合、シナリオ内のすべてのアクションを実行するには、省略記号アイコン [...] をクリックし、使用するユーザ セグメントを選択します。たとえば、BirdLovers などです。
    • 図 8-4 は、BirdLovers ユーザ セグメントに属するユーザに 25% 割引を提供するように設計されたキャンペーンの 3 つのフィールドを示します。

      図 8-4 キャンペーンのプロパティ エディタ


      キャンペーンのプロパティ エディタ

  4. 必要に応じてシナリオを追加します。たとえば、オウムの画像を含めることができます。
  5. [ファイル|保管] を選択して、キャンペーンを保存します。

シナリオへのアクションの追加

シナリオにコンテンツ アクション、電子メール アクション、または割引アクションを追加し、各シナリオに複数のアクションを追加できます。

コンテンツ アクションの追加

コンテンツ アクションにより、コンテンツ リポジトリから Web コンテンツが取得され、選択されたコンテンツが JSP で事前定義されたプレースホルダに表示されます。

キャンペーンにコンテンツ アクションを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. ポータル パースペクティブで、「キャンペーンの構築」で作成したキャンペーンを選択します。
  2. [パレット] タブから (たとえば) [新しいコンテンツ ルール] アイコンをキャンペーン エディタの適切なシナリオ アイコンの上にドラッグします。
  3. [プロパティ] タブを選択し、アクションの名前を入力します。
  4. [アクション] で、[すべて] リンクをクリックし、[いずれか] と [すべて] を切り替えてアクションをトリガする条件を決定します。図 8-5 を参照してください。
  5. 図 8-5 すべてのリンクをクリックして、アクションをトリガする条件の決定


    すべてのリンクをクリックして、アクションをトリガする条件の決定

  6. クエリを定義するには、[空のコンテンツ検索] リンクをクリックします。クエリは、WebLogic Portal の式構文を使用する詳細モード ([詳細] タブ)、またはグラフィカル モード ([クエリ] タブ) で定義できます。
    • 詳細モード - [コンテンツ検索] ウィンドウで [詳細] タブを選択し、「条件式を使用するコンテンツ クエリの構築」の手順に従ってクエリを作成します。
    • グラフィカル モード - 次の手順を実行して、コンテンツ プロパティ、比較演算子、および値を選択し、コンテンツ項目を取得して、コンテンツ クエリを構築します。
    1. [コンテンツ検索] ウィンドウで、[クエリ] タブを選択します。
    2. ドロップダウン リストをクリックして、プロパティ セットを選択し、次にプロパティを選択して、[追加] をクリックします (選択するプロパティは、ユーザ プロファイルまたはセッション プロパティなどのプロパティ セット プロパティではなく、コンテンツ プロパティ (タイプ) です)。
    3. 表示される [コンテンツ検索値] ウィンドウで、次のタブのいずれかを選択します。
      • [] - 入力した値との比較に基づいてクエリを定義します。たとえば、investorRiskLevel プロパティが [] にマークされているコンテンツを取得するようにクエリを設定できます。
      • [プロパティ] - ユーザ プロファイル プロパティなど他のタイプのプロパティから動的に取得されたプロパティ値に基づいてコンテンツ クエリを定義します。たとえば、静的コンテンツ プロパティに基づいてクエリを作成するのではなく、現在のユーザの investorRiskLevel プロパティの値を読み込むクエリを作成できます。クエリはユーザごとに異なります。
    4. [追加] をクリックします。図 8-6 に示すように、[コンテンツ検索] ウィンドウにクエリ記述子が追加されます。
    5. 図 8-6 入力した値との比較に基づくコンテンツ クエリ


      入力した値との比較に基づくコンテンツ クエリ

    6. クエリに値条件句をさらに追加し、[記述子が複数の場合] セクションで、適切なオプションを設定できます。
  7. [コンテンツ検索] ウィンドウで [OK] をクリックします。
  8. アクションで [プレースホルダ名] リンクをクリックし、シナリオがトリガされたときにコンテンツを表示するプレースホルダを選択します。
  9. [追加] をクリックしてプレースホルダを [選択済みプレースホルダ] セクションに移動し、[説明] フィールドにプレースホルダを説明するテキストを入力して、[OK] をクリックします。
  10. エディタの下の [コンテンツ プレビュー] ウィンドウを選択して、クエリで取得されるコンテンツをプレビューします。[ユーザ プロファイル] プロパティから値を使用するようクエリを定義した場合、取得されたコンテンツはユーザごとに異なるため、[プレビュー ユーザ] フィールドに既存のユーザのユーザ名 (weblogic など) を入力して、そのユーザに対して取得されるコンテンツを確認する必要があります。
  11. 注意 : [コンテンツ プレビュー] ウィンドウは、クエリが取得するコンテンツを表示します。ただし、プレースホルダには同時に 1 つのコンテンツしか表示されないため、表示される 1 つのコンテンツは実行されるクエリ (クエリに設定した優先度と、キャンペーン クエリの設定によって決定) と、コンテンツに設定された adWeight プロパティによって変化します。

    単一の整数値としての adWeight プロパティをコンテンツ タイプに追加する必要があります。高い数値の adWeight を持つコンテンツは、プレースホルダに表示するように選択される可能性が高くなります。

  12. キャンペーンの終了前にコンテンツの表示を停止するには、[キャンペーンが終わるまで] リンクをクリックして、コンテンツの表示を停止する時期を指定します。
  13. クエリからコンテンツが表示される機会を増やすには、[他のコンテンツはどれも削除しない] リンクをクリックして、アクションが実行されたときに所定のプレースホルダから削除する既存のコンテンツを指定します。
  14. クエリに優先度を設定して、プレースホルダに存在する他のクエリと比較して実行するには、[] リンクをクリックして優先度を選択します。優先度が高いクエリの方が、実行される可能性が高くなります。
  15. [選択可能な条件] セクションで、アクションをトリガする条件を選択します。条件を選択すると、対応するリンクが [アクション] 領域に表示されます。リンクをクリックして条件を定義します。
  16. [ファイル|保管] を選択して、キャンペーンを保存します。

キャンペーンへの電子メール アクションの追加

電子メール アクションは、キャンペーンのユーザに定義済み電子メールを送信します。電子メールを使用して、特定のユーザ セグメントにカスタマイズされた特別なキャンペーンをユーザに通知することができます。

キャンペーンに電子メール アクションを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、「キャンペーンの構築」で作成したキャンペーンを選択します。
  2. [パレット] タブから [新しい電子メール ルール] アイコンをキャンペーン エディタの適切なシナリオ アイコンの上にドラッグします。
  3. [プロパティ] タブを選択し、アクションの名前を入力します。
  4. [アクション] で、[すべて] リンクをクリックし、[いずれか] と [すべて] を切り替えてアクションをトリガする条件を決定します。[いずれか] を選択した場合、アクションをトリガするために 1 つの条件だけを true に設定する必要があります。
  5. [サーバ URL] リンクをクリックして、送信する電子メール メッセージを選択します。URL を選択し、[件名] とデフォルトの電子メール アドレス (省略可能) を入力します。今すぐ電子メールを確認する場合は、[プレビュー] をクリックします。
  6. [OK] をクリックします。
  7. [パレット] タブの [選択可能な条件] セクションで、アクションをトリガする条件を選択します。条件を選択すると、対応するリンクが [アクション] 領域に表示されます。リンクをクリックして条件を定義します。
  8. [ファイル|保管] を選択してキャンペーン ファイルを保存します。
注意 : キャンペーンで電子メールを使用している場合は、バッチ モードとリアルタイムのどちらで電子メールを送信するかを選択できます (バッチ モードがデフォルトです)。バッチ モードでは、キャンペーンを実行またはテストするときに、電子メールは送信されません。メール送信の動作をリアルタイムに変更する方法については、「一括電子メール メッセージの設定」を参照してください。

キャンペーンへの割引アクションの追加

割引アクションではユーザに商品、注文、または配送に関する割引を行います。キャンペーンに割引アクションを追加することができます。

キャンペーンで割引アクションを作成するには、以下の手順を実行します。

  1. ポータル アプリケーションにコマース サービスを追加します。
  2. WebLogic Portal のコマース API を使用して、ショッピング カートを設定します。
  3. 仮想コンテンツ リポジトリにカタログを作成します。
  4. コマース API の WebLogic Portal カタログ クラスを使用して、仮想コンテンツ リポジトリのカタログ項目を表示し、「カテゴリ」および「SKU」番号で識別します。
  5. 割引を作成し、コマース API を使用してショッピング カートの割引を表示します。必要に応じて、API を使用してショッピング カートに表示される割引額の横に、割引の説明を表示します。

キャンペーンに割引アクションを追加するには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、「キャンペーンの構築」で作成したキャンペーンを選択します。
  2. [パレット] タブから [新しい割引ルール] アイコンをキャンペーン エディタの適切なシナリオ アイコンの上にドラッグします。
  3. [プロパティ エディタ] タブを選択し、アクションの名前を入力します。
  4. [アクション] で、[すべて] リンクをクリックし、[いずれか] と [すべて] を切り替えてアクションをトリガする条件を決定します。
  5. [割引] リンクをクリックして、適用する割引を選択します。オプションで、表示される割引額の横にあるショッピング カートに表示できる [割引の説明] を入力するように選択できます。
  6. [OK] をクリックします。
  7. [選択可能な条件] セクションで、アクションをトリガする条件を選択します。条件を選択すると、対応するリンクが [アクション] セクションに表示されます。リンクをクリックして条件を定義します。
  8. [ファイル|保管] を選択してキャンペーン ファイルを保存します。

自動電子メール メッセージの設定

キャンペーンの一環として自動電子メールを送信するには、以下の手順を実行します。

  1. ユーザ プロファイル プロパティ セットにユーザの電子メール アドレスを格納するプロパティを作成して、電子メール アドレス プロパティを定義します。たとえば、デフォルトの CustomerProperties.usr プロパティ セットには、電子メール アドレスを単値かつ制限なしの String 値として格納できる Email プロパティがあります。
  2. キャンペーン サービスを設定します。ユーザに自動電子メールを送信する際の電子メール アドレスの取得先をキャンペーン サービスに指定します。
    1. Administration Console で、[コンフィグレーション設定|サービス管理] を選択します。
    2. リソース ツリーで、[対話管理] フォルダを展開し、[キャンペーン サービス] を選択します。
    3. [コンフィグレーション設定 : キャンペーン サービス] をクリックします。図 8-7 は、前の手順で設定したプロパティ セットの名前と電子メール プロパティの名前を入力する場所を示します。
    4. 図 8-7 自動電子メールの電子メール アドレスを取得する場所を設定可能


      自動電子メールの電子メール アドレスを取得する場所を設定可能

      • [目標チェック時間] - デフォルトでは 300000 ミリ秒 (5 分) です。[目標チェック時間] を0 に設定すると、キャンペーン サービスによる目標が達成されたかどうかのチェック時間に遅延が生じません。詳細については、「目標定義の設定」を参照してください。
      • [電子メール ブラウズ開始ディレクトリ] - 電子メール ファイルを格納するデフォルト ディレクトリは campaigns/emails です。web.xml ファイルの <url-pattern> パスを変更して、新しいディレクトリ内のファイルの安全を確保し、変更後アプリケーションを再デプロイする必要もあります。詳細については、「別のディレクトリへの電子メール ファイルの格納」を参照してください。
      • [URI 最大長] - デプロイ可能なキャンペーン URI の最大長。
      • [デフォルトの電子メール送信元アドレス] - キャンペーンが送信した電子メールの返事を受信するデフォルトのアドレス。これは標準の電子メールのヘッダの From アドレスに該当します。キャンペーン シナリオごとに独自の From アドレスを指定して、このデフォルト プロパティをオーバーライドすることができます。
      • [電子メール アドレス プロパティ名] - 顧客の電子メール アドレスが含まれるプロパティの名前。
      • [電子メール アドレス プロパティの所属先プロパティ セット名] - 顧客の電子メール プロパティが含まれるプロパティ セットの名前。
      • [電子メール オプトイン プロパティ名] - 顧客がキャンペーン関連の電子メールの受信を希望するかどうかを指定するプロパティの名前。単値かつ制限付きの値の true および false を使用してユーザ プロファイル プロパティを定義する必要があります。
      • [オプトイン プロパティの所属先プロパティ セット名] - 顧客のオプトイン プロパティが含まれるプロパティ セットの名前。プロパティ値が false に設定されたユーザには電子メールが送信されません。
    5. [更新] をクリックします。
  3. メール サービスの簡易メール転送プロトコル (SMTP) のホスト名をコンフィグレーションして、送信メール用の SMTP を設定します。次の手順を実行します。
    1. リソース ツリーで、[対話管理] を選択し、[メール サービス] を選択します。
    2. [コンフィグレーション設定 : メール サービス] をクリックし、[SMTP ホスト名] フィールドを使用して、電子メール サーバの送信メール用のホスト名を入力します。
    3. Sybase データベースを使用している場合、[Clob で ORDER BY による回避を有効化] チェックボックスを選択します。Sybase は ORDER BY 句でのテキスト データ型の使用をサポートしないため、この設定によってメール サービスは Sybase と連動するようになります。
  4. 定義済みの電子メール メッセージを使用して、電子メール メッセージを作成します。電子メール メッセージは、TXT、HTML、JSP、または XML (スタイル シート使用) のいずれかの形式で作成できます。作成した電子メール メッセージを <PortalWebProject>/campaigns/emails ディレクトリに格納します。別のディレクトリを使用して電子メール ファイルを格納する場合は、「別のディレクトリへの電子メール ファイルの格納」を参照してください。電子メールを一括して送信する場合は、「一括電子メール メッセージの設定」を参照してください。
  5. 電子メール セキュリティを設定します。「電子メール セキュリティの設定」に示す手順に従って、電子メール メッセージへの不正アクセスを防止します。

一括電子メール メッセージの設定

コマンドを使用して、JSP が WebLogic Portal データ リポジトリに格納するバッチ電子メールを定期的に送信する必要があります。cron コマンドまたはオペレーティング システムでサポートされているその他のスケジューラを使用して、send-mail コマンドを発行することもできます。

Windows の場合、send-mail コマンドは .bat ファイル ラッパー スクリプト内にあります。UNIX の場合、send-mail コマンドは .sh ファイル内にあります。以下の節では、.bat ファイルについて説明します。UNIX ユーザは、.bat.sh で置換する必要があります。

send-mail ラッパー スクリプトでは、send-mail リクエストを処理する WebLogic Portal ホストの名前とリスン ポートを指定します。デフォルトでは、ラッパー スクリプトはホスト名とリスン ポートに localhost:7501 を指定します。ただし、localhost:7501 は、単一ノード環境で WebLogic Portal ホストにログインしているときにスクリプトを実行する場合のみ (また、デフォルトのリスン ポートを変更していない場合のみ) 有効です。send-mail スクリプトを他のコンフィグレーションから使用する場合は、スクリプトを変更する必要があります。

リモート ホストから動作するように Send-Mail スクリプトを変更する

次の手順を実行して、リモート ホスト (WebLogic Portal ホスト以外のコンピュータ) から send-mail スクリプトを実行します。

  1. 次のファイルをテキスト エディタで開きます。
  2. PORTAL_HOME\bin\mailmanager.bat (Windows)
    または
    PORTAL_HOME/bin/mailmanager.sh (UNIX)
  3. mailmanager スクリプトで、SET HOST= 行を探します。localhost を WebLogic Portal ホストの名前で置換します。
  4. ホストで 7501 以外のリスン ポートを使用する場合は、SET PORT= 行の 7501 を適切なリスン ポートで置換します。
  5. mailmanager スクリプトを保存します。
クラスタ化環境から動作するように Send-Mail スクリプトを変更する

クラスタ化環境で作業している場合は、send-mail ラッパー スクリプトを変更してクラスタ内のホストの名前を指定する必要があります。デフォルトの localhost 値は、クラスタ化環境のメール サービスに対して有効ではありません。

注意 : 次の手順は、スクリプトを実行する各ホストで実行する必要があります。

クラスタ化環境で send-mail スクリプトを使用するには、各ホストで次の手順を実行します。

  1. 次のファイルをテキスト エディタで開きます。
  2. PORTAL_HOME\bin\mailmanager.bat (Windows)
    または PORTAL_HOME/bin/mailmanager.sh (UNIX)

  3. mailmanager スクリプトで、SET HOST= 行の localhost を WebLogic Portal ホストの名前で置換します。クラスタ内の各ホストは、電子メール メッセージを格納するデータ リポジトリにアクセスできるため、クラスタ内の任意のホストの名前を指定できます。
  4. ホストで 7501 以外のリスン ポートを使用する場合は、SET PORT= 行の 7501 を適切なリスン ポートで置換します。
  5. mailmanager スクリプトを保存します。
Mailmanager コマンドの使用

[mailmanager] コマンドは、 jav.com.bea.p13n.mail. クラスを使用するラッパー スクリプトです。[MailManager] クラス mailmanager コマンドは、一括電子メールを送信し、管理するのに便利です。

次のコマンド構文を使用します。

mailmanager.bat [ appName ] [ list | send | send-delete | delete ]
batch-name ]
(UNIX では mailmanager.sh)

appName 引数のみ指定した場合、mailmanager コマンドは、アプリケーション内のすべての電子メール バッチと各バッチ内の電子メール数を標準出力に出力します。

表 8-3 に、コマンド引数のリストを示します。

表 8-3 Mailmanager コマンドの引数
コマンド引数
説明
appName
電子メール バッチを生成したエンタープライズ アプリケーションの名前。
list
データ リポジトリ内のすべての電子メール バッチおよび各バッチ内の電子メール数を標準出力に出力する。
list batch-name
指定したバッチ内のすべての電子メールの件名と受信者を標準出力に出力する。
send batch-name
指定したバッチ内のすべての電子メールを送信する。
send-delete batch-name
指定したバッチ内のすべての電子メールを送信してから、バッチをデータ リポジトリから削除する。
delete batch-name
指定したバッチ内の電子メールを削除する。
batch-name
mailmanager list から返されるバッチの名前。この引数ではワイルドカードはサポートされない。

表 8-4 に、mailmanager コマンドの例を示します。

表 8-4 Mailmanager コマンドの例
コマンド例
説明
mailmanager.bat list
使用可能なすべてのバッチをリストする。
mailmanager.bat wlcsApp list /campaigns/campaign1.cam
wlcsApp アプリケーションで生成された /campaigns/campaign1.cam という名前のバッチの内容をリストする。
mailmanager.bat wlcsApp send-delete /campaigns/campaign1.cam
campaign1.cam バッチを送信し、その後で削除する。
mailmanager.bat wlcsApp delete /campaigns/campaign1.cam
campaign1.cam バッチを削除する。

電子メール メッセージの一括送信

次の手順を実行して、WebLogic Portal ホストにログインしているシェルから電子メールを一括して送信します。

  1. [実行|サーバで実行] を選択して、WebLogic Server を起動します。
  2. データ リポジトリ内の電子メール バッチの名前とコンテンツを判断するには、次のコマンドを入力します。
  3. mailmanager.bat appName list (Windows)

    appName は、電子メール バッチを生成したエンタープライズ アプリケーションの名前です。コマンドは標準出力に出力します。シェル コマンドを使用して出力をファイルに送ることができます。

  4. バッチを送信し、そのバッチをデータ リポジトリから削除するには、次のコマンドを入力します。
  5. mailmanager.bat appName send-delete batch-name
注意 : キャンペーンで電子メールを使用している場合は、バッチ モードとリアルタイムのどちらで電子メールを送信するかを選択できます (バッチ モードがデフォルトです)。バッチ モードでは、キャンペーンを実行またはテストするときに、電子メールは送信されません。バッチ モードの電子メールの送信方法およびメール送信の動作をリアルタイムに変更する方法については、「一括電子メール メッセージの設定」を参照してください。

電子メール一括配信のスケジューリング

スケジューリング ユーティリティを使用して、データ リポジトリ内の電子メール バッチを送信できます。mailmanager コマンドを使用してメールを送信する場合はバッチの名前を指定する必要があるため、各キャンペーン シナリオのメール送信は個別にスケジュールする必要があります。バッチの名前は、シナリオの containerId に対応します。containerId は、シナリオが属するキャンペーンの ID を指定します。

スケジューリング ユーティリティの使用については、オペレーティング システムのマニュアルを参照してください。

電子メール バッチの削除

電子メール バッチは、送信後に削除できます (「電子メール メッセージの一括送信」を参照)。

次の手順を実行して電子メール バッチを削除することもできます。

  1. データ リポジトリ内の電子メール バッチの名前とコンテンツを判断するには、次のコマンドを入力します。
  2. mailmanager.bat appName list

    appName は、電子メール バッチを生成したエンタープライズ アプリケーションの名前です。コマンドは標準出力に出力します。シェル コマンドを使用して出力をファイルに送ることができます。

  3. バッチを削除するには、次のコマンドを入力します。
  4. mailmanager.bat appName delete batch-name

電子メール セキュリティの設定

キャンペーンで電子メールを自動送信する場合は、ポータル Web プロジェクト内のファイル システムに格納された定義済み電子メール メッセージが使用されます。デフォルトでは、電子メール ファイルが <PortalWebProject>/campaigns/emails ディレクトリに格納されている場合は、それらのファイルに不正にアクセスできないように設定されています。

以下のデプロイメント記述子を使用して、電子メール ファイルの安全を確保します。

電子メール セキュリティを確保するために別のユーザを使用するには、以下の手順を実行します。

  1. wps.jar ファイルをバックアップします。
  2. wps.jar ファイルを unjar し、weblogic-ejb-jar.xml のユーザ名を変更します。
  3. ユーザが存在することを確認します。
  4. ユーザが PortalSystemAdministrator グローバル セキュリティ ロールのメンバーであることを確認します。
  5. もう一度 jar し、古い wps.jar を置換して、アプリケーションを再デプロイします。<run-as-principal-name> に入力したユーザ名が存在しないか、または <run-as-principal-name> エントリを変更せずに portaladmin ユーザを削除した場合は、wps.jar でデプロイメント エラーが発生します。
別のディレクトリへの電子メール ファイルの格納

別のディレクトリを使用して電子メール ファイルを格納する必要がある場合は、以下の手順を実行します。

  1. web.xml ファイルの <url-pattern> パスを変更して、新しいディレクトリのファイルの安全を確保します。
  2. Administration Console で、[コンフィグレーション設定|サービス管理] を選択します。
  3. リソース ツリーで、[対話管理] フォルダを展開し、[キャンペーン サービス] を選択します。
  4. [コンフィグレーション設定 : キャンペーン サービス] をクリックして、[電子メール ブラウズ開始ディレクトリ] フィールドのディレクトリを変更します。たとえば、図 8-8 に示すように、campaigns/emails/q1 に変更します。
  5. 図 8-8 電子メール ディレクトリの変更


    電子メール ディレクトリの変更

  6. Workshop for WebLogic での開発時にアプリケーションを再デプロイするか、またはサーバを再起動します。
注意 : URL パターンにワイルドカード文字 (*) を使用してディレクトリを再帰的に保護することはできません。ワイルドカードによって保護されるのは、リストの最後にあるディレクトリ内のファイルだけです。たとえば、電子メール ファイルを /campaigns/emails/q1 に格納する場合、/campaigns/emails/* ディレクトリの url-pattern 情報は /q1 ディレクトリの電子メール ファイルを保護しません。このディレクトリの電子メール ファイルを保護するには、url-pattern 情報を /campaigns/emails/q1/* ディレクトリに配置する必要があります。


キャンペーンのテスト

以下のガイドラインに従って、開発サーバ上の開発環境でキャンペーンをテストします。

  1. キャンペーンが完全に設定されていることを確認します。キャンペーン全体、各シナリオ、および各アクションを完成するには、特定の条件があります。それぞれの部分を選択すると、[プロパティ エディタ] ウィンドウの [完成] プロパティに、読み込み専用の true または false の値が表示されます。キャンペーンのいずれかの部分で [完成] プロパティが false の場合は、[プロパティ エディタ] ウィンドウで [完成] プロパティを選択し、[説明] を読み、完成のために必要なプロパティを確認します。
  2. キャンペーンがアクティブであることを確認します。キャンペーン (シナリオやアクションではない) を選択した状態で、[プロパティ エディタ] ウィンドウの [アクティブ] プロパティが true に設定します。
  3. キャンペーン エディタ ウィンドウのすぐ下に「キャンペーンは現在終了しています。」というテキストが表示される場合は、[開始日] または [終了日] プロパティを変更して、現在の日付が 2 つの日付の範囲内に収まるようにします。現在の日付がキャンペーンの日付範囲内に収まると、「キャンペーンは現在終了しています。」というテキストは表示されなくなります。
  4. キャンペーンの目標設定を使用して、コンテンツのインプレッションまたはクリックスルーに基づいてキャンペーンを終了する場合は、以下の手順を実行して設定を変更します。
    1. Administration Console で、[コンフィグレーション設定|サービス管理] を選択します。
    2. リソース ツリーで、[対話管理] フォルダを展開し、[キャンペーン サービス] を選択します。
    3. [コンフィグレーション設定 : キャンペーン サービス] リンクをクリックして、[目標チェック時間] を 0 に設定します。この結果、キャンペーン サービスによる目標が達成されたかどうかのチェック時間に遅延が生じません。[更新] をクリックします。
    4. リソース ツリーで、[広告サービス] を選択し、[コンフィグレーション設定 : 広告サービス] リンクをクリックします。
    5. 図 8-9 に示すように、[表示フラッシュ サイズ] フィールドを 1 に設定します。
    6. 図 8-9 表示フラッシュ サイズを 1 に変更


      表示フラッシュ サイズを 1 に変更

      この設定では、インプレッションまたはクリックスルーが発生するたびにデータベースに書き込まれ、インプレッションまたはクリックスルーのカウントに設定したとおりの数値でキャンペーンが終了します。たとえば、5 回目のインプレッションでキャンペーンを終了する必要があるが、[表示フラッシュ サイズ] が 10 に設定されていると、インプレッションを 10 回確認した後に初めてデータベースに数値が書き込まれます。その時点で、キャンペーン サービスによって 5 回のインプレッションが既に達成されていることが確認され、5 回ではなく、事実上 10 回のインプレッションの後にキャンペーンが終了します。

      この変更を有効にするには、サーバを再起動する必要があります。

      注意 : テスト用に設定されたアプリケーションをプロダクション環境にデプロイしないでください。パフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。
  5. テスト時に、キャンペーンのさまざまな部分をリセットします。インプレッションやクリックスルーのカウントなどをリセットして、各ユーザに対して 1 回だけ実行されるキャンペーンやシナリオを終了できます。Workshop for WebLogic でキャンペーン ファイルを開き、[ポータル|キャンペーンのリセット] を選択し、キャンペーンの任意の部分をリセットします。
  6. [1 回のみ実行] コンテンツ アクションのテスト - 以下の手順に従って各ユーザに 1 回だけ実行されるコンテンツ アクションをテストします。
    1. Workshop for WebLogic でキャンペーンを開き、キャンペーン エディタを右クリックします。
    2. [キャンペーンのリセット] を選択します。
    3. [キャンペーンのリセット] ダイアログ ボックスで、[すべてのオプションをリセット] チェック ボックスを選択し、[OK] をクリックします。
    4. ポータルを表示し、キャンペーン サービスがリスンしているイベント (ログインなど) を開始してコンテンツ アクションを実行します。キャンペーンのコンテンツが表示されていることを確認します。
    5. ログアウトするか、またはブラウザの [戻る] をクリックして、イベントを起動する場所にもう一度戻ります。
    6. Workshop for WebLogic のキャンペーンに戻り、キャンペーンを選択します。
    7. 図 8-10 に示すように、キャンペーン エディタ内のスペースを右クリックして、[キャンペーンのリセット] を選択します。
    8. 図 8-10 キャンペーン エディタ内で右クリックして、キャンペーンをリセット


      キャンペーン エディタ内で右クリックして、キャンペーンをリセットする

    9. [以前に配置されたコンテンツをローテーションから削除] チェック ボックスを選択して、[OK] をクリックします。図 8-11 を参照してください。
    10. 図 8-11 キャンペーンのリセット


      キャンペーンのリセット

  7. プレースホルダのキャンペーン コンテンツのトラブルシューティングを行うには、デフォルト クエリおよびキャンペーン クエリがプレースホルダでどのように処理されるかを理解する必要があります。たとえば、デフォルト クエリとキャンペーン クエリには優先度があり、実行するクエリの決定に役立ちます。また、キャンペーン クエリがある場合はデフォルト クエリを実行しないように設定することもできます。詳細については、「プレースホルダの作成」を参照してください。
  8. Web コンテンツに使用されるコンテンツ キャッシュを無効化、有効化、およびフラッシュすることにより、パフォーマンスを向上させます。Workshop for WebLogic でキャンペーンを開き、[編集|ポータル コンテンツ キャッシュ] メニューで以下のオプションを選択します。
    • [コンテンツ キャッシュをフラッシュ]
    • [コンテンツ キャッシュを無効にする]
    • [コンテンツ キャッシュを有効にする]
    • キャッシュの管理の詳細については、[実行|ポータル キャッシュ マネージャ] メニューを使用し、手順については、『ポータル開発ガイド』を参照してください。

      次のキャッシュに影響します ([コンフィグレーション設定|サービス管理] を選択し、リソース ツリーの [パーソナライゼーション]、[キャッシュ マネージャ] を順に選択すると Administration Console に表示されます)。

      • adBucketServiceCache - 将来の使用に備えて確保されています。
      • searchCache - 仮想コンテンツ リポジトリのコンテンツ検索の結果をキャッシュします。
      • documentMetadataCache - DocumentManager のドキュメント検索の結果をキャッシュします。コンテンツ リポジトリは、この設定を使用しません。
      • binaryCache.BEA Repository - BEA リポジトリのバイナリ プロパティ値をキャッシュします。
      • documentContentCache - DocumentManager のドキュメントのバイト数をキャッシュします。コンテンツ リポジトリは、この設定を使用しません。
      • nodeCache.BEA Repository - BEA リポジトリのコンテンツをキャッシュします。
      • documentIdCache - DocumentManager のドキュメント検索の結果 (ID のみ) をキャッシュします。コンテンツ リポジトリは、この設定を使用しません。
      • adServiceCache - コンテンツ表示の検索結果をキャッシュします。広告サービスによって使用されます。
ヒント : パフォーマンスの最適化のために、これらのキャッシュをプロダクション環境で有効にします。詳細については、「キャンペーンのコンテンツ キャッシュの設定」を参照してください。


キャンペーンのトリガ

定期または行動追跡イベントを使用して、イベントとその値に基づいてキャンペーンの開始またはキャンペーン アクションのトリガを行う必要があります。一般に使用されるイベントは、SessionLoginEvent です。詳細については、「SessionLoginEvent の使用」を参照してください。

キャンペーンのシナリオ ルールは、キャンペーン サービスがリスンしている 1 つのイベントが発生したときにのみ評価されます。

注意 : デフォルトで、キャンペーンのトリガに使用できないイベントは、DisplayContentEventDisplayProductEventBuyEventSessionBeginEvent、および SessionEndEvent だけです (<PortalApplication>/wps.jar/com/bea/campaign/internal/ listeners.properties ファイルを参照)。

キャンペーンの条件でリクエスト、セッション、またはイベントのプロパティを使用した場合、リスンしているイベントがトリガされるとこれらのプロパティが取得されます。イベントは、現在のセッション プロパティ、1 つのリクエスト プロパティ (セッションに含まれる)、イベント プロパティ (リクエストに含まれる) のスナップショットを作成します。スナップショットはリクエスト オブジェクトの形式で作成され、評価のためにキャンペーン サービスに渡されます。スナップショットの値をキャンペーン アクションのルールと照合し、結果が true であれば、キャンペーンのアクションがトリガされます。

ヒント : 電子メールをテストするためにキャンペーンをトリガする場合、batch flag がデフォルトの true に設定されていると、電子メールはリアルタイムで送信されません。メール送信の動作をリアルタイムに変更する方法については、「一括電子メール メッセージの設定」を参照してください。

この節では、次のトピックについて説明します。

キャンペーン アクションのトラブルシューティング

キャンペーン アクションがセッション、リクエスト、およびイベント プロパティを使用して想定どおりにトリガされない場合、以下のいずれかの問題が発生している可能性があります。


キャンペーンの無効化

キャンペーンを無効にして、キャンペーン イベントが発生しないようにするために CampaignEventListener を削除できます。

ヒント : Administration Console における以下の手順は、EAR ファイルが展開された状態でデプロイされたポータルに対して機能します。ポータルが圧縮された EAR ファイルである場合は、手動でこの手順を実行してから、EAR ファイルを再構築し、デプロイする必要があります。

キャンペーン イベントを無効にするには、以下の手順を実行します。

  1. Administration Console を起動して、[コンフィグレーション設定|サービス管理] を選択します。
  2. リソース ツリーで、[パーソナライゼーション] フォルダを展開し、[イベント サービス] を選択します。
  3. [参照] タブで、[com.bea.campaign.internal.CampaignEventListener] チェック ボックスを選択して、[削除] をクリックします。キャンペーン イベントは発生しなくなりますが、別の行動追跡または別のイベント リスナを設定している場合、これらのイベントは引き続き発生します。
  4. 注意 : 後でキャンペーンを有効にする場合は、[参照] タブで CampaignEventListener を同期リスナとして追加します。


キャンペーンのリセット

キャンペーンのさまざまな部分をリセットできます。たとえば、以下の操作のうち、必要な操作を実行できます。

キャンペーンは、開発環境 (テスト用) またはプロダクション環境でリセットできます。

この節では、次のトピックについて説明します。

開発環境でキャンペーンをリセットする

変更を行ってから、開発環境でキャンペーンを自動的にリセットするには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブでキャンペーン ファイルを開きます。
  2. [ウィンドウ|設定] を選択します。
  3. [設定] ウィンドウで、[WebLogic Portal] を選択します。
  4. 図 8-12 に示すように、[キャンペーン] をクリックして、[変更の保存後にキャンペーンをリセットする] チェック ボックスを選択します。
  5. 図 8-12 編集後、キャンペーンを自動的にリセット可能


    編集後、キャンペーンを自動的にリセット可能

  6. [OK] をクリックします。

この機能をテスト用に使用する方法の詳細については、「キャンペーンのテスト」を参照してください。

プロダクション環境でキャンペーンをリセットする

プロダクション環境でキャンペーンをリセットするには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic で、[実行|Portal Administration Console を開きます] を選択して Administration Console を起動します。
  2. Administration Console で、[対話|キャンペーン] を選択します。
  3. リソース ツリーで、リセットするキャンペーンを選択します。
  4. [キャンペーンの詳細] タブで、[キャンペーンのリセット] をクリックします。
  5. [OK] をクリックします。

キャンペーンのコンテンツ キャッシュの設定

パフォーマンスの最適化のために、コンテンツ キャッシュをプロダクション環境で有効にします。Workshop for WebLogic を使用して、Web コンテンツで使用するキャッシュを無効化、有効化、およびフラッシュすることができます。

コンテンツ キャッシュを有効にするには、以下の手順を実行します。

  1. Workshop for WebLogic のポータル パースペクティブで、キャンペーンを開きます。
  2. [編集|ポータル コンテンツ キャッシュ|コンテンツ キャッシュをフラッシュ] を選択して、個々のキャッシュをクリアします。[編集|ポータル コンテンツ キャッシュ|コンテンツ キャッシュを無効にする] を選択して、すべてのキャッシュのキャッシングを停止します。[編集|ポータル コンテンツ キャッシュコンテンツ キャッシュを有効にする] を選択して、キャンペーンのパフォーマンスを最適化します。コンテンツ キャッシュの一覧については、「キャンペーンのテスト」を参照してください。
  3. [コンフィグレーション設定サービス管理] を選択して、WebLogic Portal Administration Console で影響を受けるキャッシュを表示できます。
  4. リソース ツリーで、[パーソナライゼーション] フォルダを展開し、[キャッシュ マネージャ] フォルダを展開します。
  5. 特定のキャッシュ名をクリックすると、設定が表示されます。[フラッシュ] をクリックすると、このキャッシュ項目がクリアされます。
  6. 図 8-13 に示すように、[コンフィグレーション設定 : <cache name>] をクリックして、[有効化] または [無効化] チェック ボックスを選択します。
  7. 図 8-13 キャッシュ設定を有効化または無効化


    キャッシュ設定を有効化または無効化

  8. [更新] をクリックします。
ヒント : プロダクション環境で実行を高速化するためにキャンペーンとキャッシュを調整できます。

パフォーマンスを改善するためのキャンペーンの変更については、「最適なパフォーマンスを得るためのキャンペーンの管理」を参照してください。


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