ナビゲーションをスキップ

WebLogic Server のコンフィグレーションと管理

  前 次 前/次ボタンと目次ボタンとの区切り線 目次  

WebLogic Server システム管理の概要

以下の節では、WebLogic Server のシステム管理の概要について説明します。

 


システム管理の概要

WebLogic Server のインストレーションは、WebLogic Server に付属のシステム管理ツールで管理します。WebLogic Server インストレーションは、単一の WebLogic Server インスタンスまたは複数のインスタンスで構成され、各インスタンスは 1 つまたは複数の物理的なマシン上にホストされます。システム管理ツールには、Administration Console、コマンドライン ユーティリティ、および API があります。これらのツールを使用して、セキュリティ、データベース接続、メッセージング、トランザクション処理、およびアプリケーションの実行時コンフィグレーションを管理します。また、アプリケーションの可用性とパフォーマンスを最大限にするために、WebLogic Server 環境の状態をモニタすることもできます。

 


WebLogic Server ドメイン

WebLogic Server の基本的な管理単位を「ドメイン」と呼びます。ドメインとは、1 つのまとまりとして管理する、WebLogic Server リソースの論理的に関連したグループのことです。ドメインには常に、管理サーバと呼ばれる WebLogic Server インスタンスが 1 つだけ含まれます。管理サーバは、サーバ インスタンスおよびシステム管理ツールとのやり取りの中心点として機能します。ドメインには、管理対象サーバと呼ばれる追加の WebLogic Server インスタンスを含めることもできます。

管理対象サーバは、そのいくつかまたはすべてを WebLogic Server クラスタに属するようコンフィグレーションすることができます。クラスタは WebLogic Server インスタンスのグループであり、それらが連携して動作することにより、アプリケーションにスケーラビリティと高可用性を提供します。クラスタ内の管理対象サーバは、クラスタ内の別のサーバ インスタンスでホストされている JMS や JTA などのサービスのバックアップとして機能できます。アプリケーションもドメインの一部としてデプロイおよび管理されます。

管理対象サーバは、仮想ホストとして機能することもできます。

ドメインは、以下のような条件に基づいて編成できます。

WebLogic Server ドメインの詳細については、以下を参照してください。

WebLogic Server ドメインの概念を説明するため、WebLogic Server のコンフィグレーションの例を図 1-1 に示します。

このドメインには、3 つの物理的なマシンがあります。

マシン A は、WebLogic Server の 1 つのインスタンス (管理サーバ) をホストします。システム管理ツールは管理サーバと通信して、サーバおよびドメイン内のアプリケーションのコンフィグレーションとモニタを実行します。管理サーバは、システム管理ツールに代わって各管理対象サーバと通信します。ドメイン内のすべてのサーバのコンフィグレーションは、コンフィグレーション リポジトリである config.xml に格納されます。このファイルは管理サーバをホストするマシン上に存在します。

マシン B および C は、WebLogic Server のインスタンスをそれぞれ 2 つずつホストしています (WebLogic Server 1 ~ 4)。これらのインスタンスは管理対象サーバと呼ばれます。管理サーバは各マシン上で実行されるノード マネージャのインスタンスと通信して、管理対象サーバの起動と停止を制御します。

WebLogic Server 2 および 4 は WebLogic クラスタ (赤で描かれた部分) の一部です。このクラスタでは、ハードウェアのロード バランサからクラスタへルーティングされる HTTP リクエストに応答するアプリケーションを実行します。ロード バランシングは、WebLogic Server のインスタンス、または WebLogic Server プラグインのインストールされたサードパーティ Web サーバでも提供できます。ロード バランサは、インターネットからの HTTP リクエストをファイアウォールの通過後に処理します。ロード バランサとファイアウォールはドメインには含まれません。HTTP セッションなどのオブジェクトがレプリケートされ、そのコピーを 2 つのクラスタ メンバー間で受け渡すことにより、フェイルオーバ機能が実現します。

WebLogic Server 1 は、Java Database Connectivity (JDBC) を使用するアプリケーションを実行して、WebLogic ドメインに含まれていない他の物理的マシン上で稼動するデータベース サーバにアクセスします。

注意 : 図のドメインは、WebLogic Server ドメインの概念とドメインの管理方法を示すことのみを目的としたものです。WebLogic Server ドメインでは、サーバ、クラスタ、およびアプリケーションから成るさまざまなコンフィグレーションが可能です。

 


システム管理のインフラストラクチャ

WebLogic Server のシステム管理インフラストラクチャは、Sun Microsystems の Java Management Extension (JMX) 仕様を使用して実装されています。JMX API では、MBean と呼ばれる Java オブジェクトを使用してシステム管理機能をモデル化しています。この節ではシステム管理のインフラストラクチャについて説明しますが、ここで示される実装の知識は、WebLogic Server ドメインの管理に必要ではありません。

WebLogic ドメインの管理に使用される MBean には、管理 MBean、コンフィグレーション MBean、および実行時 MBean の 3 種類があります。

管理 MBean には、さまざまな管理機能のコンフィグレーション パラメータを定義する属性のセットが含まれています。管理 MBean のすべての属性には、あらかじめデフォルト値が設定されています。管理サーバは起動時に config.xml というドメイン コンフィグレーション ファイルを読み込み、管理 MBean のデフォルトの属性値を、config.xml ファイル内の属性値でオーバーライドします。

config.xml ファイルは管理サーバをホストするマシン上にあり、MBean 属性値の永続ストレージを提供します。システム管理ツールを使用して属性を変更するたびに、その値が適切な管理 MBean に格納され、config.xml ファイルに書き込まれます。各 WebLogic Server ドメインには、独自の config.xml ファイルがあります。

管理サーバが正常に起動するたび、そしてコンフィグレーションが修正されるたびに、バックアップ コンフィグレーション ファイルが作成されます。管理サーバで維持される config.xml のバックアップ コピー数は、コンフィグレーションできます。詳細については、「config.xml のバックアップ」を参照してください。

管理サーバの起動時に、-D 引数を使用してコマンドラインでコンフィグレーション属性を設定すると、その値は、デフォルトで設定された値または config.xml ファイルの値をオーバーライドします。オーバーライドされた値は、管理サーバによって config.xml ファイルに保持されます。コマンドライン引数の詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「サーバの作成、コンフィグレーション、およびモニタ」を参照してください。

コンフィグレーション MBean は管理 MBean のコピーであり、各管理対象サーバでコンフィグレーションに使用します。管理対象サーバは起動時に、管理サーバでコンフィグレーションされたすべての管理 MBean のコピーを受け取り、それらをコンフィグレーション MBean としてメモリに格納します。管理対象サーバの起動時にコンフィグレーション属性をオーバーライドした場合、それらの値は管理サーバから受け取った値をオーバーライドしますが、config.xml ファイルには書き込まれません。管理対象サーバの起動の詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「Administration Console からの管理対象サーバの起動」を参照してください。

実行時 MBean には、アクティブな WebLogic Server インスタンスとアプリケーションの実行時情報で構成される属性のセットが含まれています。実行時 MBean から属性値を取得することにより、WebLogic Server ドメインの実行時の状況をモニタできます。

MBean には、管理機能の実行に使用される操作も含まれています。

このような MBean や JMX API の知識があると、ユーザはカスタマイズされた管理システムを作成することができますが、ほとんどのユーザは、WebLogic Server で提供されるシステム管理ツールを使用して管理タスクを実行できます。これらのツールでは JMX API の知識は必要ありません。詳細については、「システム管理ツール」を参照してください。

 


管理サーバと管理対象サーバ

各ドメイン内の WebLogic Server インスタンスの 1 つは、管理サーバとして機能します。管理サーバでは WebLogic Server ドメインを一元的に管理できます。ドメイン内のその他の WebLogic Server インスタンスはすべて管理対象サーバと呼ばれます。1 つの WebLogic Server インスタンスしか含まれないドメインでは、そのサーバが管理サーバおよび管理対象サーバとして機能します。

通常のプロダクション システムでは、アプリケーションを管理対象サーバにのみデプロイすることをお勧めします。そうすることで、1 つまたは複数の管理対象サーバでアプリケーションにサービスを提供し、管理サーバはドメインのコンフィグレーションとモニタに専念することができます。

詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「サーバの起動と停止」を参照してください。

障害の発生した管理サーバの回復

ドメインをコンフィグレーションおよびモニタするには、管理サーバが常に動作していなければなりません。ドメインの config.xml ファイルや他のリソースのバックアップを保持しておくと、障害の発生した管理サーバをバックアップの WebLogic Server インスタンスに置き換えて、管理サーバの役目を引き継がせることができます。詳細については、「管理サーバの起動」および「障害が発生したサーバの回復」を参照してください。

管理対象サーバ独立

管理サーバがシングル ポイント障害になるのを防ぐために、管理対象サーバは管理サーバが動作していなくても常に機能できます。管理対象サーバは起動時に管理サーバにアクセスして、コンフィグレーション情報を取得します。管理対象サーバは、指定された管理サーバに起動時にアクセスできない場合、管理対象サーバのファイル システムに格納されている config.xml ファイルのコピーおよびその他のファイルを直接読み込むことによってコンフィグレーション情報を取得します。

この方法で起動した管理対象サーバは、「管理対象サーバ独立モード」で実行されます。このモードでは、サーバはキャッシュされたアプリケーション ファイルを使用して、サーバに割り当てられたアプリケーションをデプロイします。管理サーバとの通信が回復するまで、管理対象サーバのコンフィグレーションを変更することはできません。詳細については、「障害が発生したサーバの回復」を参照してください。 管理対象サーバのフェイルオーバは、クラスタ化されているサーバとクラスタ化されていないサーバの両方に適用できます。

ドメイン全体の管理ポート

ドメイン内のサーバで使用する管理ポートを有効にできます。管理ポートは省略可能ですが、2 つの重要な機能を提供します。

サービス パックと WebLogic Server インスタンス

ドメイン内のすべての WebLogic Server インスタンスでは、同じバージョンの WebLogic Server ソフトウェアを実行する必要があります。管理サーバは、そのドメイン内の管理対象サーバにインストールされているものと同じかそれ以降のサービスパックを適用している必要があります。たとえば、管理対象サーバがサービス パック 1 を適用していないバージョン 8.1 を実行している場合に、管理サーバはバージョン 8.1 サービス パック 1 を実行できます。

 


システム管理ツール

基底のアーキテクチャとして JMS を使用して、さまざまな管理機能に対応したシステム管理ツールが用意されています。システム管理ツールを使用してドメインを管理するときは、管理サーバが動作している必要があります。次以降の節で、それらのツールについて説明します。

システム管理ツールのセキュリティ保護

すべてのシステム管理操作は、システム管理ツールへのアクセスに使用したユーザ名に基づいて保護されます。ユーザ (またはユーザが属するグループ) は、4 つのセキュリティ ロールのいずれかのメンバーである必要があります。ロールでは、ユーザに対して、さまざまなシステム管理操作へのアクセスを付与または拒否します。ロールには、Admin、Operator、Deployer、および Monitor があります。ドメイン内の WebLogic Server に対してセキュリティ ポリシーを設定することもできます。詳細については、『WebLogic Security の管理』の「ユーザ アカウントの保護」を参照してください。

システム Administration Console

Administration Console は、管理サーバにホストされる Web アプリケーションです。Administration Console には、Web ブラウザを通じて管理サーバと通信できるローカル ネットワーク上のどのマシンからでもアクセスできます (管理サーバと同じマシン上で動作するブラウザも含まれます)。Administration Console を使用すると、複数の WebLogic Server インスタンス、クラスタ、およびアプリケーションを含む WebLogic Server ドメインを管理できます。以下のような管理機能があります。

Administration Console を使用すると、システム管理者は、JMX API や基底の管理アーキテクチャについて理解していなくても、WebLogic Server のすべての管理タスクを簡単に実行できます。管理サーバでは、属性の変更内容を管理対象のドメインの config.xml ファイルに保持します。

以下を参照してください。

コマンドライン インタフェース

コマンドライン インタフェースは、WebLogic Server ドメインを Administration Console で管理するのが実際的でない場合に使用します。たとえば、スクリプトを使用してドメインを管理したい場合、Administration Console へのアクセスに Web ブラウザを使用できない場合、GUI よりもコマンドライン インタフェースの方が作業しやすい場合、などが考えられます。ドメインは、コマンドライン インタフェースのみでも管理できますが、Administration Console などのシステム管理ツールとコマンドライン インタフェースの両方を使用して管理することも可能です。

コマンドライン インタフェースでは weblogic.Admin という Java クラスを呼び出します。このクラスの引数では、JMX API の知識がなくても多くの一般的な管理機能を実行できます。以下を参照してください。

weblogic.Admin 管理機能より細かい制御が必要な場合は、コマンドライン インタフェースを使用して MBean 属性に対し直接 set または get 操作を実行できます。この機能には WebLogic Server MBean アーキテクチャの知識が必要です。詳細については、以下のリソースを参照してください。

JMX

Sun Microsystems Inc. の JMX API および WebLogic Server MBean の知識を持つ高度なプログラマは、独自の管理コンポーネントを Java クラスとして記述することができます。

以下を参照してください。

コンフィグレーション ウィザード

コンフィグレーション ウィザードは、新しい WebLogic Server ドメインを作成したり、アクティブでない既存のドメインを修正したりするためのツールです。コンフィグレーション ウィザードでは以下のことができます。

コンフィグレーション ウィザードでは、ドメインの適切なディレクトリ構造、基本的な config.xml ファイル、ドメイン内のサーバの起動に使用できるスクリプトを作成します。ウィザードで選択されたオプションによっては、他のファイルが作成される場合もあります。

コンフィグレーション ウィザードは、グラフィカル ユーザ インタフェース (GUI) を使用するか、テキストベースのコマンドライン環境 (コンソール モード。Administration Console とは異なる) で実行できます。コンフィグレーション ウィザードによって、ユーザ定義のドメイン コンフィグレーション テンプレートを作成することもできます。

以下を参照してください。

Configuration Template Builder

コンフィグレーション テンプレートでは、インフラストラクチャ コンポーネント、アプリケーション、サービス、セキュリティ オプション、全般的な環境やオペレーティング システムのオプションなど、ドメイン内のすべてのリソースを定義します。WebLogic Platform 製品では、テンプレートやテンプレートの拡張機能が多く用意されています。WebLogic Server に付属のテンプレートについては、「テンプレート リファレンス」を参照してください。

Configuration Template Builder を使用すると、独自のテンプレートを容易に作成することができ、たとえば開発プロジェクト全体で標準ドメインを定義および伝達したり、あるいはドメインをその上で実行されるように開発されたアプリケーションと一緒に配布したりといったことが可能となります。Configuration Template Builder で作成したテンプレートは、ターゲット環境向けにカスタマイズされたドメインを作成する土台になるように、コンフィグレーション ウィザードの入力として使用されます。『コンフィグレーション ウィザードの使い方』の「WebLogic コンフィグレーション ウィザードおよび Configuration Template Builder の概要」を参照してください。

Java ユーティリティ

アプリケーションのデプロイメントや DBMS コンフィグレーションのテストのような一般的なタスクを目的としたユーティリティ プログラムが提供されています。詳細については、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「WebLogic Server Java ユーティリティの使い方」を参照してください。

Ant タスク

WebLogic Server で提供される 2 つの Ant タスクは、開発環境で一般的なコンフィグレーション タスクを実行するのに役立ちます。Ant は、Make に似た Java ベースの構築ツールです。コンフィグレーション タスクでは、WebLogic Server インスタンスの起動と停止、WebLogic Server ドメインの作成とコンフィグレーションを行うことができます。他の WebLogic Ant タスクと組み合わせると、カスタム ドメインでアプリケーションの実証やテストを行うための強力なビルド スクリプトを作成できます。

以下を参照してください。

『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「Ant タスクを使用した WebLogic Server ドメインのコンフィグレーション

ノード マネージャ

ノード マネージャは WebLogic Server に付属する Java プログラムです。このプログラムを使用すると、リモートの WebLogic Server インスタンスを起動、停止、再起動およびモニタできます。この機能を有効にするには、ドメイン内の物理的な各マシン上でノード マネージャを実行します。

以下を参照してください。

SNMP

WebLogic Server には、Simple Network Management Protocol (SNMP) を使用してエンタープライズ全体の管理システムと通信する機能があります。WebLogic Server SNMP 機能によって WebLogic Server の管理を SNMP に準拠した管理システムに統合し、複雑に分散したシステムのさまざまなソフトウェアとハードウェアのリソースをまとめて表示することができます。

以下を参照してください。

ログ

WebLogic Server の多くの操作では、そのアクティビティのログが生成されます。各サーバには、標準の HTTP アクセス ログの他に、独自のログがあります。これらのログ ファイルをさまざま方法でコンフィグレーションおよび使用して、サーバやアプリケーションの状態とアクティビティをモニタできます。

以下を参照してください。

ドメイン内のすべての WebLogic Server インスタンスから送られるログ メッセージの限定したサブセットが含まれるように、特別なドメイン ログをコンフィグレーションすることもできます。システム管理ツールを使用して、ローカル サーバのどのログ メッセージをドメイン ログに表示するかを変更できます。ドメイン ログは、Administration Console またはテキスト エディタかテキスト ビューアを使用して表示できます。

詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「ドメイン ログ フィルタ」を参照してください。

config.xml の編集

コンフィグレーションの永続ストアである config.xml ファイルを手動で編集して、WebLogic Server ドメインを管理することもできます。その他のシステム管理ツールでは、コンフィグレーションが config.xml ファイルに自動的に保存されます。このファイルで必要な XML 構文を正しく編集するのは難しいため、この方法によるコンフィグレーションはお勧めしませんが、状況によっては利点があります。

注意 : 管理サーバの実行中に config.xml ファイルを編集しないでください。

詳細については、「コンフィグレーション リファレンス」を参照してください。

 


WebLogic Server ドメインで管理できるリソース

この節では、システム管理ツールを使用して管理できるドメインのリソースについて説明します。

サーバ

サーバという管理概念は、ドメイン内の WebLogic Server インスタンスを表します。システム管理ツールを使用して以下のことができます。

詳細については、以下を参照してください。

クラスタ

WebLogic Server クラスタを使用すると、アプリケーションの作業負荷を複数の WebLogic Server に分散できます。クラスタによって、パフォーマンスを向上させ、サーバ インスタンスが使用できなくなった場合にフェイルオーバを提供することができます。たとえば、クラスタには、アプリケーションで使用されるオブジェクトをレプリケートする複数の方法があるため、ハードウェアに障害が発生してもデータが失われることはありません。

アプリケーションに最高のパフォーマンスが提供される方法で作業負荷を分散するために、複数のクラスタを組み合わせて構築できます。

WebLogic Server の単一のインスタンスにホストされるサービスには、サーバの障害発生時に別のサーバへ移行できるものがあります。システム管理ツールでは、これらの移行を制御できます。

以下を参照してください。

マシン

マシンという管理概念は、WebLogic Server インスタンスをホストするコンピュータを表します。WebLogic Server は、マシン名を使用して、HTTP セッション レプリケーションなどのタスクを委託するのに最適なクラスタ内のサーバを決定します。

システム管理ツールを使用して、1 つまたは複数のマシンを定義し、それらのマシン用にノード マネージャをコンフィグレーションしたり、マシンにサーバを割り当てたりできます。UNIX マシンの場合は、UID および GID 情報をコンフィグレーションできます。

以下を参照してください。

ネットワーク チャネル

ネットワーク チャネルは、WebLogic Server に対するネットワーク接続の属性を定義するコンフィグレーション可能なリソースです。ネットワーク チャネルを使用すると、サービスの品質の管理、さまざまな接続要件への適合、システム リソースやネットワーク リソースの利用の効率化を行えます。詳細については、「ネットワーク リソースのコンフィグレーション」を参照してください。

JDBC

Java Database Connectivity (JDBC) を使用すると、Java プログラムで Oracle、Microsoft SQL Server、Sybase、DB2、MySQL のような一般的な DBMS と対話できます。

システム管理ツールを使用して、WebLogic Server とデータベース管理システムとの接続を管理およびモニタできます。通常、接続は接続プールまたはデータソースを使用して確立されます。

以下を参照してください。

JMS

Java Message Service (JMS) は、アプリケーション間の通信を実現するエンタープライズ メッセージング システムにアクセスするための標準の API です。

システム管理ツールを使用して、以下のコンフィグレーション属性を定義できます。

詳細については、以下を参照してください。

WebLogic メッセージング ブリッジ

メッセージング ブリッジは、2 つのメッセージング プロバイダ間でメッセージを転送します。プロバイダは WebLogic JMS の別の実装である場合と、サード パーティ JMS プロバイダの場合があります。

詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「メッセージング ブリッジ」を参照してください。

Web サーバと Web コンポーネント

WebLogic Server は高機能な Web サーバとして実行できます。WebLogic Server は、HTML ファイルなどの静的ファイルと、Java サーブレットや JavaServer Pages (JSP) などの動的ファイルの両方を提供します。仮想ホスティングもサポートされています。

WebLogic Server で Web サーバ機能を管理する方法については、以下を参照してください。

Apache、Microsoft IIS、Netscape などの Web サーバも WebLogic Server では使用できます。詳細については、「Web サーバを伴う WebLogic Server の使用」を参照してください。

アプリケーション

システム管理ツールでドメイン内のアプリケーションをデプロイ、コンフィグレーション、および管理すると、以下のことができます。

以下を参照してください。

アプリケーションの形式

アプリケーションは、以下の J2EE アプリケーションの形式を 1 つまたは複数使用してデプロイします。

詳細については、以下を参照してください。

WebLogic Builder ツールを使用したデプロイメント記述子の編集および作成

選択したデプロイメント記述子の要素を編集するには、Administration Console を使用する以外に、WebLogic Server 配布キットに含まれる、より強力な WebLogic Builder ツールを使用することもできます。WebLogic Builder は、J2EE アプリケーションのアセンブル、デプロイメント記述子の作成および編集、WebLogic Server へのアプリケーションのデプロイメントを行うための、スタンドアロンのグラフィカル ツールです。詳細については、『WebLogic Builder オンライン ヘルプ』を参照してください。

起動クラスと停止クラス

起動クラスは、WebLogic Server インスタンスが起動または再起動されるときに、他のサーバ初期化タスクが完了した後で自動的にロードされて実行される Java プログラムです。停止クラスは、Administration Console または weblogic.Admin SHUTDOWN コマンドを使用して WebLogic Server インスタンスが停止されるときに自動的にロードされて実行されます。

システム管理ツールを使用して、起動クラスと停止クラスを登録および管理できます。

詳細については、Administration Console オンライン ヘルプの「起動クラスと停止クラス」を参照してください。

JNDI

JNDI (Java Naming and Directory Interface) API を使用すると、アプリケーションでデータ ソース、EJB、JMS、MailSession などを名前で検索できます。Administration Console を使用して JNDI ツリーを参照できます。

以下を参照してください。

トランザクション

システム管理ツールを使用して、WebLogic Server Java Transaction API (JTA) をコンフィグレーションおよび有効化します。トランザクションのコンフィグレーション プロセスでは、以下のものをコンフィグレーションします。

以下を参照してください。

XML

XML レジストリは、WebLogic Server ドメインの XML リソースをコンフィグレーションするための機能です。WebLogic Server の XML リソースには、アプリケーションで XML データの解析に使用するパーサ、アプリケーションで XML データの変換に使用するトランスフォーマ、外部エンティティの解決、および外部エンティティのキャッシングがあります。

以下を参照してください。

セキュリティ

WebLogic Server セキュリティ サブシステムを使用すると、サードパーティのセキュリティ ソリューションを組み込んだり、さまざまな一般のセキュリティ システムに対して独自の実装を提供したりできます。独自のセキュリティ ソリューションを作成して WebLogic Server に実装することもできます。

下位互換性のために、ドメインが互換性セキュリティ モードで動作しているときには、WebLogic Server バージョン 6.0 および 6.1 で使用できるセキュリティ機能もサポートされます。

管理ツールを使用して、レルム、ユーザ、グループ、パスワード、およびその他のセキュリティ機能を定義できます。

以下を参照してください。

WebLogic Tuxedo Connector

WebLogic Tuxedo Connector を使用すると、WebLogic Server アプリケーションと Tuxedo サービスの相互運用が実現されます。コネクタでは、WebLogic Server クライアントが Tuxedo サービスを呼び出し、Tuxedo クライアントがサービス要求に応じて WebLogic Server エンタープライズ JavaBean (EJB) を呼び出すことができます。

以下を参照してください。

Jolt

Jolt は、Tuxedo サーバ上で動作する Jolt サービス リスナ (JSL) を経由して BEA Tuxedo サービスへの要求を管理する Java ベースのクライアント API です。

以下を参照してください。

メール

WebLogic Server には Sun Microsystems の JavaMail API バージョン 1.1.3 参照実装が含まれています。JavaMail API を使用すると、WebLogic Server アプリケーションに E メール機能を追加できます。JavaMail を使用すると、自社ネットワークまたはインターネット上の IMAP 対応および SMTP 対応サーバに Java アプリケーションからアクセスできます。JavaMail はメール サーバ機能を持っていないので、JavaMail を使用するにはメール サーバが必要です。

以下を参照してください。

 


Administration Console の起動

この節では、Administration Console の起動について説明します。

Administration Console を使用するには、環境でサポートされている Web ブラウザを使用します。「WebLogic Server Console でのブラウザのサポート」を参照してください。サポートされているブラウザのリストにない Web ブラウザを使用すると、Administration Console を使用するときに機能やフォーマットの面で問題が生じるおそれがあります。

Administration Console を起動するには、次の手順を行います。

  1. 管理サーバを起動します。 Administration Console オンライン ヘルプの「管理サーバの起動」を参照してください。
  2. 上記の Web ブラウザのいずれかを起動し、次の URL を開きます。
  3. http://hostname:port/console

    hostname は管理サーバの DNS 名または IP アドレス、port は管理サーバで要求がリスンされるリスン ポート (デフォルトは 7001) です。ドメイン全体の管理ポートをコンフィグレーションしている場合は、そのポート番号を使用します。セキュア ソケット レイヤ (SSL) を使用するように管理サーバがコンフィグレーションされている場合は、次のように http の後に s を付ける必要があります。

    https://hostname:port/console

    注意 : ドメイン全体の管理ポートでは常に SSL を使用します。Administration Console オンライン ヘルプの「[サーバ] --> [コンフィグレーション] --> [キーストア & SSL]」を参照してください。

  4. ログイン ページが表示されたら、管理サーバを起動するために使用したユーザ名とパスワードを入力します (このユーザ名とパスワードはインストール プロセス中に指定したものです)。または、Administrators、Operators、Deployers、または Monitors のいずれかのセキュリティ グループに属するユーザ名を入力します。このグループは Administration Console のシステム管理機能に対するさまざまなアクセス レベルを提供します。『WebLogic Security の管理』の「ユーザ アカウントの保護」を参照してください。
  5. セキュリティ システムを使用すると、これらのグループにユーザを追加または削除して、コンソールへのアクセスを制御できます。『WebLogic Security の管理』の「ユーザ アカウントの保護」を参照してください。

注意 : ブラウザが HTTP リクエストをプロキシ サーバに送信するようコンフィグレーションしてある場合、管理サーバの HTTP リクエストをプロキシに送信しないように、ブラウザをコンフィグレーションする必要があります。管理サーバがブラウザと同じマシン上にある場合は、localhost または 127.0.0.1 に送信されるリクエストがプロキシに送信されないようにする必要があります。

Administration Console の使い方については、Administration Console オンライン ヘルプの「Administration Console の使用方法」を参照してください。

 


Web サーバを伴う WebLogic Server の使用

Web サーバ プラグインの 1 つを使用すると、主要な Web サーバから WebLogic Server のインスタンスまたはクラスタにリクエストをプロキシできます。以下の Web サーバ用のプラグインが使用できます。

これらのプラグインは Web サーバのネイティブ環境で動作するため、プラグインの管理は、その Web サーバの管理機能を使用して行います。

詳細については、『WebLogic Server における Web サーバ プラグインの使い方』を参照してください。

WebLogic Server のインスタンスから別のインスタンスまたはクラスタへリクエストをプロキシするために、WebLogic Server 配布キットには特別なサーブレットも含まれています。詳細については、以下を参照してください。

 


モニタ

システム管理ツールには、WebLogic Server、ドメイン、およびリソースをモニタするための多数の機能が含まれています。ツールを使用して以下の項目をモニタできます。

詳細については、「WebLogic Server ドメインのモニタ」を参照してください。

 


ライセンス

WebLogic Server が機能するためには、有効なライセンスが必要です。WebLogic Server の評価版は有効期間が限られています。すぐに WebLogic Server の使用を開始できます。評価期間を過ぎても WebLogic Server を使用する場合は、WebLogic Server を使用する IP アドレスごとに、評価期間の延長やライセンスの購入について販売担当者に問い合わせていただく必要があります。WebLogic Server の評価版では、最高 5 接続まで許可される 1 つのサーバでの使用が許可されています。

BEA の Web サイトから WebLogic Server をダウンロードした場合は、配布キットに評価ライセンスが含まれています。WebLogic Server のインストール プログラムで、BEA ホーム ディレクトリの位置を指定できます。そのディレクトリに BEA ライセンス ファイル license.bea がインストールされます。

WebLogic Platform のインストール』の「WebLogic Platform ライセンス ファイルのインストールおよび更新」を参照してください。

 

フッタのナビゲーションのスキップ  ページの先頭 前 次