|
WebLogic Server では、複数の方法でサーバ インスタンスを起動および停止できます。どの方法を選ぶかは、Administration Console とコマンドライン インタフェースのどちらを使用するか、およびサーバのライフサイクルの管理にノード マネージャを使用するかどうかによって決まります。
どの方法でサーバを起動しても、最終的に一連のコンフィグレーション オプションを渡して Java 仮想マシン (JVM) が初期化されます。サーバ インスタンスは JVM 内で動作し、JVM では 1 つのサーバ インスタンスのみホストできます。
注意 : | Administration Console での手順については、Administration Console オンライン ヘルプの「サーバの起動と停止」およびクラスタに関する節にあるさまざまな起動や停止の手順を参照してください。障害が発生したサーバ インスタンスおよびクラスタの再起動については、「サーバ障害の回避とサーバ障害からの回復」を参照してください。 |
以下の節では、上記以外の、サーバ インスタンスの起動および停止方法について説明します。
サーバの起動と停止の簡潔な説明については、「サーバの起動と停止 : クイック リファレンス」を参照してください。
選択するサーバの起動管理方法や実行済みのセットアップ タスクに応じて、サーバ インスタンスを起動する前に以下の手順の実行が必要になる場合があります。
ドメイン内の管理サーバとすべての管理対象サーバは、WebLogic Server のバージョンが同じでなければなりません。管理サーバは、管理対象サーバと同じかそれより新しいサービスパック レベルである必要があります。たとえば、管理対象サーバがバージョン 8.1 である場合、管理サーバにはバージョン 8.1 または 8.1 SP1 以降を使用できます。ただし管理対象サーバが SP1 の場合、管理サーバは SP1 以降でなければなりません。
管理サーバは、ドメインのコンフィグレーション データを管理する WebLogic Server インスタンスです。通常、開発環境では、管理サーバを起動し、アプリケーションを直にその管理サーバにデプロイすれば十分です。プロダクション環境では、アプリケーションを実行する管理対象サーバを作成します。管理サーバと管理対象サーバの詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「WebLogic Server ドメインについて」を参照してください。
管理サーバは、デフォルトの起動スクリプトを使用して起動することも、独自の起動スクリプトを作成して起動することもできます。管理サーバを WebLogic Server 付属の起動スクリプトを使用して起動するには、次の手順を行います。
『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』または『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「WLST オフラインを使用した WebLogic ドメインの作成とコンフィグレーション」を参照してください。
デフォルトでは、このディレクトリは BEA_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。DOMAIN_NAME
は、ドメインのルート ディレクトリです (このディレクトリの名前はドメインの名前です)。
注意 : | WebLogic Server が提供するコンフィグレーション ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン ディレクトリに startWebLogic という名前の起動スクリプトが作成されます。別のソースから提供されたドメイン テンプレートを使用する場合、ウィザードで起動スクリプトが作成されないか、または別の名前のスクリプトが作成される可能性があります。ウィザードで起動スクリプトを作成するかどうか、および別のスクリプト名を付けるかどうかは、テンプレートの設計者の判断によって異なります。 |
startWebLogic
スクリプトは、次のことを行います。
サーバの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力 (デフォルトではコマンド ウィンドウ) に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000360> <Server started in RUNNING mode>
Windows コンピュータで管理サーバを作成すると、コンフィグレーション ウィザードによって [スタート] メニューにサーバを起動するためのショートカットが作成されます ([User ProjectsDOMAIN_NAME
Start Admin Server for WebLogic Domain])。
コンフィグレーション ウィザードによって [スタート] メニューに追加されたコマンドを選択すると、コマンド ウィンドウが開き、「起動スクリプトによる管理サーバの起動」で説明した起動スクリプトが呼び出されます。サーバの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力 (デフォルトではコマンド ウィンドウ) に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <BEA-000360> <Server started in RUNNING mode>
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Server インスタンスのメイン クラスです。Java コマンドで weblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバ インスタンスを起動します。『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」および「weblogic.Server コマンドラインを使用したサーバ インスタンスの起動」を参照してください。
ノード マネージャは、WebLogic Server インスタンスのリモート制御用ユーティリティです。以前のバージョンのノード マネージャでは、実行中の管理サーバにアクセスする必要があり、管理対象サーバの制御とモニタしか行えませんでした。このリリースの WebLogic Server では、ノード マネージャで管理サーバを起動、停止、および再起動できます。
これらのノード マネージャの機能には、WebLogic Scripting Tool コマンドおよびスクリプトを使用してアクセスできます。WLST がノード マネージャに接続された状態で nmStart
コマンドを使用すると、ノード マネージャで管理サーバのモニタ、停止、および再起動がサポートされます。
WLST とノード マネージャを使用して管理サーバを起動する方法については、『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「WLST とノード マネージャを使用したサーバ管理」 を参照してください。ノード マネージャがこのプロセスを実行する仕組みについては、「ノード マネージャが管理サーバを起動する仕組み」を参照してください。
WebLogic Server のカスタム インストール プロセスでは、必要に応じてノード マネージャを Windows システム上の Windows サービスとしてインストールおよび起動します。システムの障害や再起動の際にノード マネージャが自動的に再起動されるように、オペレーティング システムのサービスとしてノード マネージャを実行し、ノード マネージャを使用して管理サーバおよび管理対象サーバの起動や再起動を行うことをお勧めします。
詳細については、『インストール ガイド』の「Windows サービスとしてのノード マネージャのインストールについて」、および「管理サーバおよび管理対象サーバの再起動」を参照してください。
WLST startServer
コマンドは、ノード マネージャを使用せずに管理サーバを起動します。サーバは WLST とは別個のプロセスで実行されます。WLST を終了しても、サーバは停止されません。『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「ノード マネージャを使用しない管理サーバの起動」を参照してください。
管理対象サーバは、デプロイされたアプリケーションを実行する WebLogic Server インスタンスです。管理対象サーバは、そのすべてのコンフィグレーションおよびデプロイメント情報について管理サーバを参照します。通常、プロダクション環境では管理対象サーバを使用してアプリケーションを実行します。
管理対象サーバと管理サーバの詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「WebLogic Server ドメインについて」を参照してください。
WebLogic Server に付属しているコンフィグレーション ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン ディレクトリに startManagedWebLogic
という起動スクリプトが作成されます。このスクリプトで管理対象サーバを起動できます。このスクリプトを使用して、クラスタ内のすべての管理対象サーバを起動できます。
ドメイン ディレクトリ ファイルの詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメイン コンフィグレーション ファイル」を参照してください。
このスクリプトは、サーバの起動と管理にノード マネージャを使用しません。代わりに、Java コマンドを使用して、WebLogic Server インスタンスのメイン クラスの weblogic.Server
クラスを呼び出します。Java コマンドでの weblogic.Server
の呼び出しについては、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」を参照してください。
WebLogic Server スクリプトで管理対象サーバを起動するには、次の手順を行います。
『コンフィグレーション ウィザードを使用した WebLogic ドメインの作成』または Administration Console オンライン ヘルプの「管理対象サーバの作成」を参照してください。
startManagedWebLogic
スクリプトが格納されているディレクトリに移動します。DOMAIN_NAME
\bin\startManagedWebLogic.cmd
(Windows)DOMAIN_NAME
/bin/startManagedWebLogic.sh
(UNIX)
DOMAIN_NAME
は、ドメインを配置したディレクトリです。デフォルトでは、このディレクトリは BEA_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。
startManagedWebLogic.cmd
managed_server_name admin_url
(Windows)startManagedWebLogic.sh
managed_server_name admin_url
(UNIX)
managed_server_name
には管理対象サーバの名前、admin_url
にはドメインの管理サーバのリスン アドレス (ホスト名または IP アドレス) およびポート番号を指定します。
たとえば次のコマンドでは、startManagedWebLogic.cmd
を使用して myManagedServer という管理対象サーバが起動されます。ドメインの管理サーバのリスン アドレスは AdminHost:7001
です。
c:\bea\user_projects\domains\mydomain\bin\startManagedWebLogic.cmd myManagedServer http://AdminHost:7001
リモートの WebLogic Server ホストでの管理対象サーバの実行については、『pack および unpack コマンドを使用したテンプレートとドメインの作成』の「リモート マシンにおける管理対象サーバの作成と起動 : 主な手順」を参照してください。
管理サーバへの接続をコンフィグレーションする方法については、「管理対象サーバの管理サーバへの接続のコンフィグレーション」を参照してください。
startManagedWebLogic
スクリプトは、次のことを行います。
サーバの起動プロセスが正常に完了すると、次のメッセージが標準出力 (デフォルトではコマンド ウィンドウ) に書き込まれます。
<Notice> <WebLogicServer> <000360> <Server started in RUNNING mode>
Administration Console で管理対象サーバを起動する場合は、Administration Console オンライン ヘルプの「Administration Console からの管理対象サーバの起動」を参照してください。
WLST とノード マネージャを使用して管理対象サーバおよびクラスタを起動する場合は、『WebLogic Scripting Tool ガイド』の「ノード マネージャを使用した管理対象サーバおよびクラスタの起動」を参照してください。WebLogic Server クラスタの詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』の「WebLogic クラスタの設定」を参照してください。
weblogic.Server
クラスは、WebLogic Server インスタンスのメイン クラスです。Java コマンドで weblogic.Server
を直接呼び出すことで、サーバ インスタンスを起動します。『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」および「weblogic.Server コマンドラインを使用したサーバ インスタンスの起動」を参照してください。
通常、管理対象サーバは起動時に管理サーバにアクセスしてそのコンフィグレーション情報を取得します。起動時に管理サーバにアクセスできない場合、管理対象サーバはローカルにキャッシュされたコンフィグレーション データを config
ディレクトリから読み込むことでコンフィグレーションを取得できます。
注意 : | 管理対象サーバ インスタンスを初めて起動するときには、管理サーバにアクセスできなくてはなりません。それ以後は、管理サーバが使用できない場合でも管理対象サーバ インスタンスを起動できます。 |
管理サーバにアクセスできない場合の管理対象サーバの起動の詳細については、「管理サーバにアクセスできない場合の管理対象サーバの起動」を参照してください。
WebLogic Server インスタンスを起動および停止するには、ドメインのサーバの起動および停止を許可されているユーザの資格を提示する必要があります。ユーザの資格、ロール、およびパーミッションについては、『ロールおよびポリシーによる WebLogic リソースの保護』の「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
表 2-1 に、WebLogic Server インスタンスの起動時にユーザ資格を指定する方法を示します。
ユーザ資格の指定の詳細については、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「ユーザ資格を指定する」を参照してください。
ドメインを作成するときには、コンフィグレーション ウィザードによって、初期管理ユーザのユーザ名とパスワードの指定が求められます。コンフィグレーション ウィザードは、この情報を基に次の処理を行います。
Administrators グループには、WebLogic Server の起動と管理について最高レベルの特権が付与されます。管理者特権については、『ロールおよびポリシーによる WebLogic リソースの保護』の「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
myrealm
セキュリティ レルムに追加します。
セキュリティ レルムは、ユーザ名を認証したり、ユーザがアクセスできるリソースの種類を指定したり、WebLogic リソースの他のセキュリティ関連サービスを提供したりするコンポーネント (プロバイダ) の集合です。WebLogic Server は myrealm
セキュリティ レルムをインストールして、それをデフォルトで使用します。
Administration Console では、ユーザをセキュリティ レルムに追加できます。WebLogic Server のインストールしたもの以外の認証プロバイダを使用する場合は、そのプロバイダの管理ツールを使用して管理者特権を持つユーザを少なくとも 1 つ作成する必要があります。
security
ディレクトリに起動 ID ファイルが作成されます。起動 ID ファイルには、ユーザ名とパスワードの暗号化バージョンが格納されています。これにより、以後サーバをインスタンス化するときにはログイン プロンプトが回避されます。「起動 ID ファイル」を参照してください。
起動 ID ファイルは、WebLogic Server のインスタンスの起動および停止に関するユーザの資格を格納するテキスト ファイルです。管理サーバは、ユーザに資格の提示を求めずに、このファイルを参照してユーザの資格情報を取得できます。起動 ID ファイルでは資格が暗号化されているので、起動スクリプトまたは停止スクリプトに暗号化されていない資格を格納するより、起動 ID ファイルを使用した方が安全性は確保されます。起動 ID ファイルがない場合は、サーバの起動時にユーザ名とパスワードの入力が求められます。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトで管理対象サーバを起動する場合や、直接 java weblogic.Server
コマンドを呼び出す場合、管理対象サーバからでも起動 ID ファイルを参照することができます。管理対象サーバと管理サーバが同じルート ディレクトリを使用する場合、管理対象サーバから管理サーバの boot.properties
ファイルを参照できます。管理対象サーバの security
ディレクトリに有効な boot.properties
ファイルがある場合は、その起動プロセスでデフォルトでこのファイルが使用されます。boot.properties
ファイルは、ドメイン内のサーバ インスタンスごとに異なったものにできます。
ノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動すると、サーバの起動に使用された資格がノード マネージャによって暗号化され、自動再起動に使用するサーバ固有の boot.properties
ファイルに保存されます。このファイルは、DOMAIN_NAME
/servers/
SERVER_NAME
/data/nodemanager
にあります。DOMAIN_NAME
はドメインを配置したディレクトリの名前であり、SERVER_NAME
はサーバの名前です。詳細については、「ノード マネージャのコンフィグレーション ファイルとログ ファイル」を参照してください。
以下の節では、起動 ID ファイルの使い方について説明します。
コンフィグレーション ウィザードを使用して開発モードでドメインを作成すると、暗号化された起動 ID ファイルが管理サーバのルート ディレクトリにある security
ディレクトリに作成されます。ドメイン ディレクトリ ファイルの詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメイン ディレクトリの内容」を参照してください。
管理サーバの起動 ID ファイルが未作成の場合や、ユーザ名とパスワードのプロンプトを回避する場合は、次の手順で起動 ID ファイルを作成します。
管理サーバの初回の起動プロセスでは、サーバが起動 ID ファイルを使用できるよう事前に用意されていなければならないセキュリティ ファイルが生成されます。
username=
username
password=
password
ユーザ名とパスワードの値はデフォルト セキュリティ レルムの認証プロバイダの既存のユーザ アカウントと一致し、サーバを起動および停止するパーミッションを持つロールに属している必要があります。ロールとパーミッションについては、『ロールおよびポリシーによる WebLogic リソースの保護』の「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
ファイルを boot.properties
としてサーバのルート ディレクトリにある security
ディレクトリに保存すると、サーバはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。詳細については、「サーバ起動時に起動 ID ファイルが使用される仕組み」を参照してください。
このファイルを使用して初めてサーバを起動すると、サーバはファイルを読み込み、ユーザ名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。
注意 : | この手法を使用するのは、コマンドラインから java weblogic.Server コマンドを呼び出す場合のみとしてください。管理サーバの起動にスクリプトを使用する場合は、次の理由により、この節で説明する手法を使用しないことをお勧めします。 |
前の節「管理サーバの起動 ID ファイルの作成」の手順を実行する代わりに、コマンドラインで直接 weblogic.Server
クラスを呼び出し、Java コマンドに次のオプションを含めることで起動 ID ファイルを作成できます。
-Dweblogic.management.username=username
-Dweblogic.management.password=password
-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
これらのオプションにより、サーバ インスタンスは指定されたユーザの資格で起動し、その後それらは boot.properties
という名前のファイルに格納されます。
たとえば、次のコマンドは myAdminServer という名前の管理サーバを起動して、起動 ID ファイルを作成します。
java -Dweblogic.management.username=weblogic
-Dweblogic.management.password=weblogic
-Dweblogic.system.StoreBootIdentity=true
-Dweblogic.Name=myAdminServer weblogic.Server
コマンドラインでの weblogic.Server
クラスの呼び出しについては、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」を参照してください。
管理対象サーバが管理サーバと同じルート ディレクトリを使用する場合、管理サーバと同じ boot.properties ファイルを使用できます。ノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動する場合は、起動 ID ファイルを作成する必要はありません。詳細については、「ノード マネージャのコンフィグレーション ファイルとログ ファイル」を参照してください。
管理対象サーバ インスタンスの起動 ID ファイルを作成するには、次の手順を行います。
security
ディレクトリにあることを確認します。ファイルがない場合は、管理サーバによって生成されます。
ドメイン ディレクトリ ファイルの詳細については、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「ドメイン コンフィグレーション ファイル」を参照してください。
username=
username
password=
password
ユーザ名とパスワードの値はデフォルト セキュリティ レルムの認証プロバイダの既存のユーザ アカウントと一致し、サーバを起動するパーミッションを持つロールに属している必要があります。ロールとパーミッションについては、『ロールおよびポリシーによる WebLogic リソースの保護』の「ユーザ、グループ、セキュリティ ロール」を参照してください。
ファイルを boot.properties
としてサーバのルート ディレクトリにある security
ディレクトリに保存すると、サーバはそれ以降の起動サイクルで自動的にこのファイルを使用します。詳細については、「サーバ起動時に起動 ID ファイルが使用される仕組み」を参照してください。
このファイルを使用して初めてサーバを起動すると、サーバはファイルを読み込み、ユーザ名とパスワードの暗号化バージョンでこのファイルを上書きします。
サーバ インスタンスは、その起動プロセスで次のように起動 ID ファイルを使用します。
security
ディレクトリに有効な boot.properties
ファイルがある場合は、その起動プロセスでデフォルトでこのファイルが使用されます。サーバのルート ディレクトリについては、『ドメインのコンフィグレーションについて』の「サーバのルート ディレクトリ」を参照してください。security
ディレクトリに起動 ID ファイルを格納しない場合は)、サーバの weblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.BootIdentityFile=
filename
filename
は、有効な起動 ID ファイルの完全修飾パス名。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.BootIdentityFile
を JAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。次に例を示します。set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.BootIdentityFile=C:\BEA\user_domains\mydomain\myidentity.prop
weblogic.Server
起動コマンドで以下のオプションを指定します。
-Dweblogic.management.username=
username
-Dweblogic.management.password=
password
これらのオプションにより、サーバ インスタンスは、起動 ID ファイルをすべて無視し、起動サイクルで起動 ID ファイルをサーバで使用するようにする、その他の起動オプションをオーバーライドします。
注意 : | サーバ インスタンスの起動にスクリプトを使用する場合は、起動スクリプト内に暗号化されていないパスワードを格納することが必要となるため、この手法を使用しないことをお勧めします。この手法を使用するのは、コマンドラインから直接 weblogic.Server クラスを呼び出す場合のみとしてください。詳細については、『WebLogic Server コマンド リファレンス』の「weblogic.Server コマンドライン リファレンス」を参照してください。 |
特定のサーバ インスタンスでは、そのインスタンスが作成した起動 ID ファイルのみを使用します。WebLogic Server では、サーバ ルート ディレクトリ間での起動 ID ファイルのコピーはサポートされていません。
たとえば、ServerA を使用して起動 ID ファイルを生成した場合、その起動 ID ファイルは ServerA でのみ使用します。ServerA の起動 ID ファイルを ServerB の security
ディレクトリにコピーしないでください。代わりに、「管理サーバの起動 ID ファイルの作成」または「管理対象サーバの起動 ID ファイルの作成」で説明したように ServerB の起動 ID ファイルを作成します。
サーバの起動後に起動 ID ファイルを削除する場合は、サーバの weblogic.Server
起動コマンドで次の引数を指定できます。
-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
この引数は、サーバが起動に使用したファイルのみ削除します。たとえば、-Dweblogic.system.BootIdentityFile=c:\secure\boot.MyServer
を指定した場合は、サーバのルート ディレクトリに boot.properties
というファイルがあっても、boot.MyServer
のみが削除されます。別のコマンド シェルを開き、各管理対象サーバの weblogic.Server
起動コマンドで -Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
引数を指定して、起動 ID ファイルを削除します。
startWebLogic
スクリプトでこの引数を指定するには、-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
を JAVA_OPTIONS
変数の値として追加します。次に例を示します。set JAVA_OPTIONS=-Dweblogic.system.RemoveBootIdentity=true
ノード マネージャを使用して管理対象サーバを起動する場合は、Administration Console でそのサーバの [コンフィグレーションサーバの起動] ページでユーザの資格を指定する必要があります。資格を指定しないと、ノード マネージャはサーバを起動しようとしたときに例外を送出します。
Administration Console またはコンフィグレーション ウィザードで管理対象サーバを作成すると、そのサーバの [コンフィグレーションサーバの起動] ページにユーザの資格が追加されます。他の WebLogic Server ユーザ アカウントでサーバ インスタンスを実行する場合は、Administration Console オンライン ヘルプの「管理対象サーバの起動引数のコンフィグレーション」を参照してください。
Java クラスを WebLogic Server でグローバルに使用可能にするには、2 つの方法があります。
いずれかまたは両方の方法を指定できます。両方とも指定する場合は、起動オプションで定義されたクラスの方が優先されます。
いずれの方法も、開発モードでもプロダクション モードでも使用できます。ただし、動的なクラス ローディングは通常、開発環境で使用され、クラスパスの方法はプロダクション環境に適しています。
いずれの場合も、クラスは .jar
ファイルにパッケージ化されている必要があります。
java weblogic.Server
コマンドを呼び出すスクリプトから管理対象サーバを起動する場合や、java weblogic.Server
コマンドを直接呼び出す場合は、管理サーバの適切なリスン アドレスが指定されていることを確認する必要があります。管理対象サーバは、このアドレスを使用して管理サーバからコンフィグレーション情報を取得します。
[protocol
://]Admin-host
:port
注意 : | 使用するプロトコルに関係なく、管理対象サーバのコンフィグレーションの最初のダウンロードは HTTP または HTTPS で行われます。RMI サブシステムが初期化された後、サーバ インスタンスは T3 または T3S プロトコルを使用できます。 |
Admin-host
には、以下のいずれかを指定します。localhost
.
管理サーバと同じコンピュータで管理対象サーバを起動する場合のみ有効です。
次のセキュリティ上の問題があるため、プロダクション環境では Admin-host
に IP アドレスを使用しないことをお勧めします。
SSL ポートを通じて管理サーバに接続するために、管理対象サーバは管理サーバのホスト名が URL で指定されたホスト名と一致することを検証します。ホスト名の検証が有効になっている場合で、IP アドレスを指定すると、数値の並びである IP アドレスが文字の並びであるホスト名と一致しないため接続は失敗します。
セキュリティがそれほど重要でない開発環境では、IP アドレスを指定する SSL 接続が成功するように管理対象サーバでホスト名の検証を無効にできます。『WebLogic Server のセキュリティ』の「ホスト名検証の使い方」を参照してください。
管理サーバが他のリスン アドレスを使用するようにコンフィグレーションされている場合は、そのコンフィグレーションされているリスン アドレスを指定する必要があります。
port
には、以下のいずれかを指定します。
コンフィグレーションされた管理ポートは、ドメインの各管理対象サーバで、ドメインの管理サーバとの通信用に排他的に使用されます。Administration Console オンライン ヘルプの「ドメイン全体の管理ポートのコンフィグレーション」を参照してください。
ドメイン全体の管理ポートが有効になっている場合は、このポートを指定する必要があります。このポートを使用するには、T3S または HTTPS プロトコルを指定しなければなりません。
7001
)
管理サーバでこのリスン ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスン ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3 または HTTP プロトコルを指定しなければなりません。
7002
)。
管理サーバでこのリスン ポートが無効になっている場合は、このリストで説明されている他のリスン ポートのいずれかを使用する必要があります。このポートを使用するには、T3S または HTTPS プロトコルを指定しなければなりません。
<Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <Server> <BEA-002613> <Channel "DefaultSecure[2]" is now listening on 127.0.0.1:7012 for protocols iiops, t3s, ldaps, https.>
<Nov 5, 2004 12:16:04 PM EST> <Notice> <WebLogicServer> <BEA-000331> <Started WebLogic Admin Server "MedRecServer" for domain "medrec" running in Development Mode>
SSL の有効化については、Administration Console オンライン ヘルプの「SSL の設定」を参照してください。ネットワーク チャネルの詳細については、『WebLogic Server 環境のコンフィグレーション』の「ネットワーク チャネルについて」を参照してください。
Java オプションを使用すると、WebLogic Server インスタンスを実行する JVM の動作パラメータをコンフィグレーションできます。たとえば、Java オプションを使用して JRockit JVM のパフォーマンスとモニタ機能を調整できます。
Java オプションでは、サーバのコンフィグレーションを一時的にオーバーライドすることもできます。Java オプションは、サーバの現在のインスタンスのみに適用されます。Java オプションはドメインの config.xml
ファイルに保存されず、Administration Console では表示されません。たとえば、サーバがポート 7201 でリスンするようコンフィグレーションされている場合に、Java オプションを使用してポート 7555 でリスンするようにサーバを起動できます。その場合も、Administration Console ではサーバがポート 7201 でリスンするようコンフィグレーションされていることが示されます。サーバを次に起動するときに Java オプションを使用しないと、そのサーバはポート 7201 でリスンします。
WebLogic Server スクリプトでサーバを起動する場合は、次の手順を行います。ノード マネージャでサーバを起動する場合は、Administration Console オンライン ヘルプの「ノード マネージャにより起動されるサーバの Java オプションの設定」を参照してください。
DOMAIN_NAME
\bin\startWebLogic.cmd
(UNIX の場合は startWebLogic.sh
) をバックアップする。 DOMAIN_NAME
\bin\startManagedWebLogic.cmd
(UNIX の場合は startManagedWebLogic.sh
) をバックアップする。
DOMAIN_NAME
は、ドメインを配置したディレクトリの名前です。デフォルトでは、このディレクトリは BEA_HOME
\user_projects\domains\
DOMAIN_NAME
です。
set JAVA_OPTIONS
コマンドを編集して、Java オプションを指定します。複数のオプションを指定する場合は、各オプションをスペースで区切り、オプション全体を引用符で囲みます。次に例を示します。set JAVA_OPTIONS="-Xgc:gencopy -Xns:30"
ドメインを作成するときに、そのコンフィグレーションのカスタマイズを選択すると、WebLogic Server がインストールした SDK のリストがコンフィグレーション ウィザードに表示されます。そのリストからドメインを実行する JVM を選択すると、ウィザードはその選択に基づいて BEA 起動スクリプトをコンフィグレーションします。
ドメインを作成した後で、使用する JVM を変更する場合は、次のようにしてスクリプトを変更できます。
JAVA_HOME
変数の値を変更します。
使用する SDK の最上位ディレクトリの絶対パスを指定します。たとえば、c:\bea\jrockit90
となります。
Windows または Linux プラットフォームでは、以下の JVM の使用をお勧めします。
JAVA_VENDOR
変数の値を変更します。
SDK のベンダを指定します。有効な値は、実行しているプラットフォームによって異なります。詳細については、http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/suppconfigs/index.html の「WebLogic Platform サポート対象のコンフィグレーション」ページを参照してください。
Administration Console を使用して WebLogic Server インスタンスを停止することをお勧めします。Administration Console オンライン ヘルプの「サーバ インスタンスの停止」、「正常な停止の制御」、および「クラスタのサーバの停止」を参照してください。
Windows では、[スタート] メニューからコンフィグレーション ウィザードを使用して作成した管理サーバを停止できます。
WebLogic Server が提供するコンフィグレーション ウィザードのテンプレートを使用すると、ドメイン ディレクトリの bin
ディレクトリに stopWebLogic という名前の管理サーバを停止するための停止スクリプトと、stopManagedWebLogic という名前の管理対象サーバを停止するための停止スクリプトが作成されます。これらのスクリプトを使用するには、SERVER_NAME
、ADMIN_URL
、USERID
、および PASSWORD
を環境変数として設定するか、またはそれらをコマンドラインで指定する必要があります。stopWebLogic スクリプトの使用時に SERVER_NAME
が指定されていない場合、デフォルトでは管理サーバ名が使用されます。
DOMAIN_NAME
\bin\stopWeblogic.cmd
username
password
admin_url
(Windows)DOMAIN_NAME
/bin/stopWeblogic.sh
username
password
admin_url
(UNIX)
DOMAIN_NAME
\bin\stopManagedWeblogic.cmd
managed_server_name
admin_url
username
password
(Windows) DOMAIN_NAME
/bin/stopManagedWeblogic.sh
managed_server_name
admin_url
username
password
(UNIX)
注意 : | コマンドラインでは、上記の順序でパラメータを指定します。ユーザ資格は、stopWebLogic.cmd では ADMIN_URL の前に、stopManagedWebLogic.cmd では ADMIN_URL の後に指定します。 |
各 WebLogic Server インスタンスは、それ専用の JVM で動作します。上記の節で説明した方法でサーバ インスタンスを停止できない場合は、オペレーティング システム コマンドを使用して JVM を強制停止できます。
警告 : | JVM を強制停止すると、サーバは直ちにすべての処理を終了します。セッション データはすべて失われます。サーバが config.xml ファイルへの書き込みを行っている間に管理サーバの JVM を強制停止すると、config.xml ファイルが破損するおそれがあります。 |