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WebLogic Server でのサービス パックのインストールとアンインストール
以下の節では、WebLogic Server のサービス パックをインストールおよびアンインストールする方法について説明します。
サービス パック(SP)とは、アプリケーション内で確認されているバグなどの問題を修正するプログラムのことです。また、アプリケーションに新しい機能を追加したり、アプリケーションの機能を拡張したりする場合もあります。
WebLogic Server のサービス パックは、すでに WebLogic Server 6.1 をインストールしたユーザ向けのメンテナンス リリースです。メンテナンス リリースとは、更新/アップグレードを含む WebLogic Server 6.1 ソフトウェアの後続版のことです。「更新」はソフトウェアの変更または追加を表し、更新をソフトウェアに適用した場合、エラーを修正したり、エラーによる影響を取り除いたりすることができます。「アップグレード」は、BEA がリリースしたソフトウェアの改版を表し、新しい機能や別の機能が追加されたり、従来の機能が拡張されたりしたものです。アップグレードには、別途販売される新製品または新機能のリリースは含まれません。
ほとんどのサービス パックと同じように、WebLogic Server 6.1 のサービス パックも、リリース済みのすべてのサービス パックを蓄積したものです。つまり、WebLogic Server 6.1 の新しいサービス パックには、それ以前のサービス パックの修正がすべて含まれるということです。
WebLogic Server 6.1 の サービス パック
使用可能な WebLogic Server 6.1 のサービス パック一覧については、『リリース ノート』を参照してください。
WebLogic Server の使用可能なバージョンには、http://www.beasys.co.jp/evaluation/index.html でダウンロードできるサービス パックが組み込まれます。インストールしている WebLogic Server が 6.0 以前で、WebLogic Server の最新版が必要な場合、このサイトから WebLogic Server 6.1 全体を最新の(数字が最も大きな)サービス パックとともにダウンロードできます。このガイドの WebLogic Server インストール手順に従ってインストールを実行してください。
サービス パックなしで (または 6.1 より前のサービス パックと共に) WebLogic Server 6.1 を既にインストールしている場合は、http://support.bea.com の BEA eSupport Web サイトにログインし、最新のサービス パック (ある場合) をダウンロードする必要があります。このマニュアルの サービス パックのインストール プロセスの手順に従ってください。
注意: このサイトからダウンロードを行うには、BEA eSupport アカウントが必要です。BEA eSupportアカウントがない場合は、http://support.bea.com でアカウントを取得してください。
サービス パックは、WebLogic Server 6.1 用の新規ファイルおよび変更ファイルを含むインストール ファイルの一部であり、BEA インストール プログラムのコピーです。サービス パック インストーラには、Java Development Kit(JDK)は含まれていません。
WebLogic Server 上でサービス パックをインストールするプロセスは以下のとおりです。プロセスのフローでは、BEA インストール プログラムを「SP インストーラ」としています。
SP インストーラは、インストール処理の一部として、サービス パックを適用すると置換または削除される基本ファイルを wls_6.1_prod_dir
\uninstaller_servicepack
\baseRest.jar
ファイル(wls_6.1_prod_dir
は適用対象の製品ディレクトリ)に移動します。baseRest.jar
ファイルの内容を参照したり、置換または削除されたファイルを baseRest.jar
ファイルから回復したりするには、
サービス パックによって置換または削除されたファイルの参照および回復を参照してください。
SP インストーラは、起動スクリプト(startWeblogic.cmd など)、環境設定スクリプト(setEnv.cmd
など)、および config
サブフォルダや examples
サブフォルダ内のその他多くのファイルを含む、WebLogic Server の特定のインスタンス用に修正した多数のファイルのバックアップ コピーも作成します。SP インストーラは、これらのファイルのコピーを、wls_6.1_prod_dir
\servicepacks
\sp1
\backup
ディレクトリに格納します。この場合 wls_6.1_prod_dir
は対象の製品ディレクトリを表します。backup
フォルダには、製品ディレクトリ内のフォルダに一致するサブフォルダが入っています。新しいバージョンのファイルに同様な修正をできるように、バックアップ ファイルを見直す必要があります。バックアップ コピーは、ユーザ用です。SP インストーラおよびアンインストーラは、これらのファイルを使用しません。
インストールを開始する前に、以下の作業を行う必要があります。
PATH
変数設定の先頭に含めます。
サービス パックのインストールを開始する前に、WebLogic Server プラットフォーム上で実行中のすべてのアプリケーションを終了してから、WebLogic Server 自体を終了します。サービス パックの「ホット インストール」はサポートされていません。
デフォルト、サンプル、および Pet Store サーバを終了するには、 デフォルト、サンプル、および Pet Store サーバの停止を参照してください。WebLogic Server の停止の詳細については、『管理者ガイド』の「WebLogic Server の起動と停止」を参照してください。
対象のシステムでサービス パック インストーラを格納する任意のディレクトリを選択して、インストーラをそのディレクトリにダウンロードします。
サービス パックのインストールを開始する前に、JDK 1.3(またはそれ以上の)ソフトウェアのパスを対象システム上の PATH
変数設定の先頭に含めます。Java 1.3 以上がないと、BEA インストール プログラムを実行できません。サポートされている各プラットフォームに対応した JDK のリストについては、「プラットフォーム サポート」ページ(http://edocs.beasys.co.jp/e-docs/platform/suppconfigs/index.html)を参照してください。
Windows システム上で環境を設定するには、以下の手順を実行します。
wls_6.1_prod_dir
\config\domain_name
ここでは、wls_6.1_prod_dir
は WebLogic Server ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリを、domain_name
はインストール時に指定したドメインの名前(デフォルトでは mydomain
)を表します。
setEnv.cmd
UNIX システム上で環境を設定するには、以下の手順を実行します。
wls_6.1_prod_dir
/config/domain_name
ここでは、wls_6.1_prod_dir
は WebLogic Server ソフトウェアをインストールした製品ディレクトリを、domain_name
はインストール時に指定したドメインの名前(デフォルトでは mydomain
)を表します。
. ./setEnv.sh
以下のいずれかのインストール方法に従って、WebLogic Server 6.1 にサービス パックをインストールします。
上記の 3 つのインストール方法は、BEA インストール プログラムの操作モードとは異なります。現在、デフォルトの操作モードは GUI モード インストールです。
注意: 「デフォルト」とは、コマンド ライン パラメータ(-i console
)を追加せずにインストール コマンドを入力すると、GUI モード インストールが開始されるということです。今後のリリースでは、サービス パックと WebLogic Server 基本製品のどちらをインストールする場合でも、コンソール モード インストールが UNIX システムのデフォルト モードとなります。
サービス パックの GUI モード インストールは、WebLogic Server へのサービス パックのインストールをグラフィックベースで実行する方法です。GUI モード インストールは、Windows システムでも UNIX システムでも実行できます。
GUI モード インストールを実行するには、ソフトウェアのインストール先のマシンに付属しているコンソールが Java ベースの GUI をサポートしている必要があります。Windows システムのコンソールはすべて Java ベース GUI をサポートしていますが、UNIX システムの場合は一部のコンソールがサポートしていません。
注意: UNIX システムで非グラフィック コンソールを使ってサービス パックをインストールするには、 サービス パックのコンソールモード インストールを参照してください。
Windows システム上での GUI モード インストールの開始
Windows システム上で GUI モード インストールを使って サービス パックのアップグレードを開始するには、次の手順を実行します。
filename
.exe
(filename
はサービス パック インストーラの名前)をダブルクリックして、インストール手順を開始します。
UNIX システム上での GUI モード インストールの開始
UNIX システム上で GUI モード インストールを使って サービス パックのアップグレードを開始するには、次の手順を実行します。
java -cp
filename
.zip install
このコマンドでは、filename
は サービス パック インストーラの名前を表します。
インストール プログラムでは、使用しているシステムとコンフィグレーションに関する具体的な情報を入力する必要があります。サービス パックのインストール中に要求される情報の指定方法については、以下の表を参照してください。
ウィンドウ |
実行するアクション |
---|---|
BEA ロゴ |
インストール時のテキストを表示する言語を選択する。 |
[はじめに] |
[次へ] ボタンをクリックして、インストールを続行する。[終了] をクリックすると、インストールをいつでもキャンセルできる。 |
[BEA ホーム ディレクトリを選択します] |
サービス パックのアップグレードを適用する WebLogic Server インスタンスに関連付けられている BEA ホーム ディレクトリを指定する。BEA ホーム ディレクトリの詳細については、 BEA ホーム ディレクトリを参照。 |
[インストールしています . . .] |
このウィンドウではユーザ入力は不要。インストール プログラムは、対象の WebLogic Server インスタンス上でサービス パックをインストールしている。 注意: インストールのプログレス バーが、特に最後の段階で、長時間停止しても問題はない。プログレス バーが停止してもインストール処理は続行されている。 |
[インストール完了] |
[完了] をクリックして、インストール プログラムを終了する。 |
以上で、サービス パックのアップグレードのインストールが完了しました。
次のステップについては、 console.war ファイルの操作を参照してください。
サービス パックのコンソールモード インストールは、WebLogic Server へのサービス パックのインストールをテキストベースで実行する方法です。コンソールモード インストールは UNIX システム上でのみ実行可能で、非グラフィック コンソールを備えた UNIX システムを対象としています。コンソールモード インストールは、グラフィックベース インストールと同じ機能を提供します。
UNIX システム上でコンソールモード インストールを使って サービス パックのアップグレードを開始するには、次の手順を実行します。
java -cp
filename
.zip install -i console
このコマンドでは、filename
は サービス パック インストーラの名前を表します。
コンソールモード インストール プロセスを完了するには、各セクションで選択する項目の番号を入力するか、または〔Enter〕を押してデフォルトを受け付け、指示に応答します。インストール プロセスを中止するには、指示に対して quit
を入力します。選択した内容を確認したり変更したりするには、指示に対して back
を入力します。
セクション |
実行するアクション |
---|---|
[Choose Locale] |
言語に対応する番号を入力して、インストール時のテキストを表示する言語を選択する。
たとえばテキストを日本語で表示する場合は、 |
[はじめに] |
インストールを続行するには〔Enter〕を押す。 |
[BEA ホーム ディレクトリを選択します] |
次に例を示す。
この例では、このシステム上にすでに作成されている BEA ホーム ディレクトリを表示するために 注意: BEA ホーム ディレクトリは、対象システム上にインストールされたすべての BEA 製品の中央サポート ディレクトリとして機能する。詳細については、 BEA ホーム ディレクトリを参照。 |
[インストールしています . . .] |
このウィンドウではユーザ入力は不要。インストール プログラムは、対象の WebLogic Server インスタンス上でサービス パックをインストールしている。 注意: インストールのプログレス バーが、特に最後の段階で、長時間停止しても問題はない。プログレス バーが停止してもインストール処理は続行されている。 |
[インストール完了] |
〔Enter〕を押して、インストール プログラムを終了する。 |
以上で、サービス パックのアップグレードのインストールが完了しました。
次のステップについては、 console.war ファイルの操作を参照してください。
サービス パックのサイレント インストールでは、インストールを開始する前にユーザが作成したテキスト ファイルからコンフィグレーションの設定を読み込むことで、WebLogic Server 上にサービス パックがインストールされます。そのため、インストール プロセスでユーザが何らかの操作を行う必要はありません。サイレント インストールは、Windows システムでも UNIX システムでも利用できます。
サイレント インストールは、いったんインストールのコンフィグレーションを設定してから、そのコンフィグレーションを使用して多数のマシンにインストールを複製する方法の 1 つです。
注意: サイレント インストールを使用するということは、BEA ライセンス契約に同意したことになります。BEA ソフトウェア使用許諾契約が表示されることもなく、契約書の条件に同意することを確認する画面も表示されません。
サイレント インストールのプロセスには主に 2 つの手順があります。
手順の詳細については、 テンプレート ファイルの作成を参照してください。テンプレート ファイルについては、 Windows のテンプレート ファイルと UNIX のテンプレート ファイルを参照してください。
手順の詳細については、 Windows システム上でのサービス パックのサイレント インストールの開始と UNIX システム上でのサービス パックのサイレント インストールの開始を参照してください。
サービス パックのサイレント インストール プロセスでテンプレート ファイルを作成するには、以下の手順を実行します。
installer.properties
という名前のテキスト ファイルとして保存します。
installer.properties
ファイルで、以下の表に示したキーワードの値を必要なコンフィグレーションに合わせて変更します。
テンプレート ファイルでは、コメント行の先頭には、ハッシュ マーク(#)が付いています。
ServerOnly
インストール セットを指定するには、CHOSEN_INSTALL_SET=ServerExample 行をコメント アウトし、CHOSEN_INSTALL_SET=ServerOnly 行のコメントを解除します。
Windows システム上でのサービス パックのサイレント インストールの開始
サイレント インストールを使ってサービス パックをインストールする場合は、標準のインストールと同じ時間がかかります。サイレント インストール中に、インストールが始まったことを示す初期インストール プログラム ウィンドウが一瞬表示されます。これ以外には、インストールが進行中であることを示すウィンドウも正常に完了したことを示すウィンドウも表示されません。
Windows システム上でサイレントモード インストールを使って サービス パックのアップグレードを開始するには、次の手順を実行します。
filename
.exe -ffull_path
\installer.properties
このコマンドでは、filename
はサービス パック インストーラの名前を表し、full_path
は installer.properties
ファイルの絶対パス名を表します。
UNIX システム上でのサービス パックのサイレント インストールの開始
サイレント インストールを使ってサービス パックをインストールする場合は、標準のインストールと同じ時間がかかります。インストール時には、[インストールしています . . .] に続いて、インストールが開始されたことを示す起動メッセージが表示されます。インストールが完了すると、短いメッセージが表示されます。
UNIX システム上でサイレントモード インストールを使って サービス パックのアップグレードを開始するには、次の手順を実行します。
java -cp
filename
.zip install -ffull_path
/installer.properties
このコマンドでは、filename
はサービス パック インストーラの名前を表し、full_path
は installer.properties
ファイルの絶対パス名を表します。
サービス パックをアンインストールすると、サービス パックのインストールによってインストールされたすべてのコンポーネントが削除されます。ただし、インストール後に作成されたコンフィグレーションまたはアプリケーション ファイルは削除されません。
サービス パックをアンインストールしても、サービス パックが基本製品に適用されているかどうかに関わらず、WebLogic Server 基本製品の完全インストールはそのままです。次の例に、サービス パックのアンインストール プロセスがどのように機能するかを示します。
例 1 :
結果 :WebLogic Server 6.0(サービス パック未適用)
例 2 :
結果 :WebLogic Server 6.0(サービス パック 1 適用済み)
例 1 で示したように、複数のサービス パックをインストールした場合は、最新のサービス パックをアンインストールするだけで、WebLogic Server 基本製品に戻すことができます。例 2 で示したように、サービス パック適用済みの WebLogic Server インスタンスをインストールした場合、サービス パックをアンインストールすることはできません。
サービス パックをアンインストールするには、次の表に示すプラットフォームごとの手順を実行します。
サービス パックをアンインストールするプラットフォーム |
実行する手順 |
---|---|
Windows |
|
UNIX |
|
サービス パックが適用されている WebLogic Server 6.1 インスタンスに同じサービス パックをインストールしようとした場合、BEA インストール プログラムの応答は以下のいずれかになります。
サービス パックの再インストールを行う場合は、インストールしたときと同じく、起動スクリプトや環境設定スクリプトを含む、修正したすべてのファイルのバックアップ コピーを SP インストーラが作成します。SP インストーラは、これらのファイルのコピーを、wls_6.1_prod_dir
\servicepacks
\sp
N
\backup
ディレクトリに格納します。この場合 wls_6.1_prod_dir
は対象の製品ディレクトリを表します。backup
フォルダまたはサブフォルダに、現行バージョンのものとは異なる以前のバージョンのファイルが存在する場合、SP インストーラはファイルのバックアップ コピーを追加作成し、各ファイルの 2 つ目のバックアップ コピーのファイル名に _001
で始まる数値のサフィックスを付加します。SP インストーラによりファイルのバックアップ コピーが作成されるたびに、サフィックスの数字は増分します。ファイルに修正が加えられた場合、SP インストーラはサフィックスを付加または増分するだけです。
注意: SP インストーラがサフィックスを付加するのは、サービス パックの再インストール前に修正されたファイルに対してのみです。修正されていないファイルには、サフィックスを付けません。したがって、異なったファイルのバージョン比較にサフィックス番号を使うことはできません。
サービス パックによって置換または削除されたファイルの参照および回復
サービス パックのインストールによって置換または削除されたファイルを参照するには、アップグレードされた WebLogic Server インスタンスの wls_6.1_prod_dir
\uninstaller_servicepack
ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
jar tf baseRest.jar
サービス パックのインストールによって置換または削除されたファイルを回復するには、アップグレードされた WebLogic Server インスタンスの wls_6.1_prod_dir
\uninstaller_servicepack
ディレクトリに移動して、次のコマンドを入力します。
jar xf baseRest.jar
filename
filename
には、回復するファイルの名前を指定します。
SP インストーラはまた、よく修正されるファイルのバックアップ コピーを作成し、wls_6.1_prod_dir
\servicepacks
\sp
N
\backup
ディレクトリに格納します。この場合、wls_6.1_prod_dir
は対象の製品ディレクトリを表します。詳細については、
サービス パックのインストール プロセスおよび
サービス パックの再インストールを参照してください。
WebLogic Server バージョン 6.1 の時点では、WebLogic Server 配布キットの console.war
ファイルは、以下の Java アーカイブのいずれかにアーカイブされます。
このパス名では、wls_6.1_prod_dir
は WebLogic Server ソフトウェアがインストールされた製品ディレクトリを表します。
console.war
ファイルは、WebLogic Server Java アーカイブでパッケージ化されるので、サービス パックのインストールまたはアンインストールの後で console.war
ファイルをユーザーが作成したドメインにコピーする必要はなくなります。ユーザ作成のドメインの環境を設定する際に通常行う作業を実行するだけで済みます。weblogic_sp.jar
ファイルおよび weblogic.jar
ファイルのパスが CLASSPATH
変数の設定に含まれていることを確認してください。
サービス パックをインストールしたら、 インストール後の作業の実行の作業を実行して、サービス パックが正しくインストールされたことを確認します。
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