ORACLE JAPAN Server Release 6.1

 

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WebLogic JMS の概要

 

以下の節では、WebLogic Server の Java Messaging Service(JMS)について概説します。

 


JMS とは

メッセージ指向ミドルウェア(Message-Oriented Middleware : MOM)とも呼ばれるエンタープライズ メッセージング システムを使用すると、複数のアプリケーションがメッセージの交換を通じて通信できます。メッセージとは、異なるアプリケーション間の通信を調整するために必要な情報が含まれている要求、レポート、またはイベントのことです。メッセージで提供される抽象化の階層により、送り先システムについての詳細情報をアプリケーション コードから切り離すことができます。

Java Message Service(JMS)は、エンタープライズ メッセージング システムにアクセスするための標準の API です。具体的な JMS の特長は以下のとおりです。

次の図は、WebLogic JMS によるメッセージングの仕組みを示しています。

図1-1 WebLogic JMS のメッセージング


 

図で示されているように、WebLogic JMS はプロデューサ アプリケーションからメッセージを受信し、受け取ったメッセージをコンシューマ アプリケーションに配信します。

 


WebLogic JMS の機能

WebLogic JMS では、JMS API の完全な実装が提供されます。具体的な WebLogic JMS の機能は以下のとおりです。

 


WebLogic JMS のアーキテクチャ

次の図は、WebLogic JMS のアーキテクチャを示しています。

図1-2 WebLogic JMS のアーキテクチャ


 

主要な構成要素

WebLogic JMS のアーキテクチャの図で示されているように、WebLogic JMS Server のアーキテクチャはおもに以下の要素で構成されています。

クラスタ化機能

WebLogic JMS のアーキテクチャでは、クラスタ内のあらゆるサーバから送り先へのクラスタワイドで透過的なアクセスをサポートすることで、複数の JMS サーバのクラスタ化 が実装されます。WebLogic Server は、クラスタ全体への JMS の送り先と接続ファクトリの配布をサポートするようになりました。ただし、JMS トピックおよびキューが、クラスタ内の個々の WebLogic Server インスタンスによって管理される点は変わりません。

WebLogic JMS でのクラスタ化のコンフィグレーションについて、詳しくは WebLogic JMS のクラスタ化のコンフィグレーションを参照してください。WebLogic クラスタ化の詳細については、『WebLogic Server クラスタ ユーザーズ ガイド』を参照してください。

クラスタ化のメリットは以下のとおりです。

注意: 自動フェイルオーバは、このリリースの WebLogic JMS ではサポートされていません。手動フェイルオーバの実行の詳細については、 WebLogic Server の障害からの回復を参照してください。

 


WebLogic JMS の拡張機能

JavaSoft JMS 仕様バージョン 1.0.2 で指定されている API に加えて、WebLogic JMS では次の表の拡張機能を実現するクラスとメソッドを定義したパブリック API weblogic.jms.extensions も用意されています。

表1-1 WebLogic JMS の拡張機能

拡張機能

詳細情報の参照先

XML メッセージを作成する

手順 6a : メッセージ オブジェクト(メッセージ プロデューサ)を作成するを参照

セッション例外リスナを定義する

セッション例外リスナの定義を参照

事前に取得する非同期メッセージの、セッションで許可される最大数を設定または表示する

マルチキャストのコンフィグレーション属性の動的コンフィグレーションを参照

メッセージが最大数に達したときに適用するマルチキャスト セッションの超過時のポリシーを設定または表示する

マルチキャストのコンフィグレーション属性の動的コンフィグレーションを参照

永続的なキューまたはトピックを動的に作成する

JMSHelper クラス メソッドの使い方を参照

WebLogic JMS 6.0 と 6.0 以前の JMSMessageID の形式をお互いの形式に変換する

メッセージ ヘッダ フィールドの設定を参照

メッセージの再配信遅延の設定

メッセージの再配信遅延の設定を参照

プロデューサのメッセージ配信時間の設定

プロデューサに対する配信時間の設定を参照

メッセージの配信時間の設定

プロデューサに対する配信時間の設定を参照

メッセージのスケジュール配信時間の設定

スケジューリング済み配信時間のオーバーライドの設定を参照

この API では、NO_ACKNOWLEDGEMULTICAST_NO_ACKNOWLEDGE の確認応答モード、および以下のような例外の送出を含む拡張例外もサポートされています。

 

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