3.6 REPORT
目的
REPORT
コマンドを使用すると、RMANリポジトリの詳細分析を実行できます。RMANは、レポートを標準出力またはメッセージ・ログ・ファイルに書き出します。
関連項目:
RMANレポートの作成方法は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
前提条件
このコマンドは、RMANプロンプトでのみ実行してください。次のいずれかの条件が満たされている必要があります。
-
RMANがターゲット・データベースに接続されている必要があります。
-
RMANはリカバリ・カタログに接続され、
SET
DBID
が実行されている必要があります。
セマンティクス
report
この句では、レポートのタイプを指定します。
構文要素 | 説明 |
---|---|
関連項目: 「 |
|
|
RMANリポジトリに記録され、不要になったために削除できる全体バックアップ、データファイルのコピーおよびアーカイブREDOログ・ファイルをリストします。出力の説明は、表3-6を参照してください。このコマンドは、次の2つのステップで使用します。
副次句 注意: |
|
指定時点でのターゲット・データベースのすべてのデータファイル(永続および一時)と表領域の名前をリストします。出力の説明は、表3-1を参照してください。 forDbUniqueNameOptionが指定されていない |
データベースは RMANは、リカバリ・カタログに接続している必要があります。RMANがターゲット・データベースに接続され、 関連項目: この句のオプションについては、「 |
|
SCN、ログ順序番号または時間を指定します。 |
|
|
リカバリ不能なすべてのデータファイルをリストします。出力の説明は、表3-7を参照してください。 データファイルの最後のバックアップ以降に、データファイル内のオブジェクトに対してリカバリ不能操作が実行されると、そのデータファイルはリカバリ不能とみなされます。リカバリ不能操作では、REDOは生成されません。例は、表データのダイレクト・ロードと 注意: データファイルのバックアップのいずれかが存在しないということのみでは、リカバリ不能とみなされる理由にはなりません。このようなデータファイルは、ファイルの作成時以降のREDOログが存在していれば、 |
DEVICE TYPE deviceSpecifier |
ストレージ・デバイスのタイプを指定します。RMANは、レポート用に指定したデバイスに存在しているバックアップとコピーのみを使用可能とみなします。 |
OF PLUGGABLE DATABASE pdb_name |
|
TAG tag_name |
|
TAG LIKE string_pattern |
|
needBackupOption
この句は、バックアップの必要なファイルに関してのみレポートを行います。
構文要素 | 説明 |
---|---|
|
新しいバックアップが必要で、指定した レポートは、最新のバックアップをリストアすることを前提としています。オプションを指定しなければ、RMANは現行の保存方針の構成を使用します。保存方針が無効化されている場合( |
|
完全なリカバリのために、指定した日数より多くのアーカイブREDOログ・ファイルを必要とするすべてのデータファイルをリストします。たとえば、 ターゲット・データベースの制御ファイルがマウントされている現行ファイルである場合、RMANはこのレポートに次のような最適化を行います。
|
|
リカバリに必要な増分バックアップのしきい値を指定します(例3-21を参照)。データファイルの完全リカバリに 注意: バックアップが存在しないファイルはこのリストに示されないため、それらのファイルを表示するには、 |
RECOVERY WINDOW OF integer DAYS |
指定した日数の期間、リカバリ期間ベースの保存方針を満たすための十分なバックアップがないデータファイル、つまり |
|
データファイルをバックアップが必要ない範囲にあるとみなすために必要なバックアップまたはコピーの最小数を指定します。つまり、データファイルのバックアップまたはコピーが |
レポートを生成するオブジェクトを指定します。 |
reportObject
この副次句では、レポートに含めるデータファイルを指定します。レポートには、データベース全体(必要に応じて、特定の表領域をスキップ)または表領域のリスト、データファイルのリストを含めることができます。RMANには以前のインカネーションからのオブジェクトが含まれます。
構文要素 | 説明 |
---|---|
|
データベースにある全ファイルのバックアップまたはデータファイルのコピーをリストします。 注意: |
CDB内のrootを指定します。rootに接続します。 |
|
CDB内の1つ以上のPDBにあるバックアップまたはデータファイルのコピーをリストします。複数のPDBを指定する場合は、カンマ区切りのリストを使用してください。この構文を使用して1つ以上のPDBに関してレポートするには、rootに接続します。 |
|
|
指定したデータファイルをリストします。RMANは、指定したデータファイルを少なくとも1つ含むバックアップまたはデータファイルのコピーについてレポートを作成します。 |
|
指定した表領域にあるデータファイルをリストします。RMANは、指定した表領域のデータファイルを1つ以上含むバックアップまたはデータファイルのコピーについてレポートを作成します。 CDBのrootに接続している場合は、rootの表領域を参照します。PDBに直接接続している場合は、PDBの表領域を参照します。 |
atClause
この副次句では、時刻、SCNまたはログ順序番号で特定の時点を指定します。AT
句を使用してREPORT SCHEMA
コマンドを発行するときは、リカバリ・カタログに接続している必要があります。
構文要素 | 説明 |
---|---|
|
SCNを指定します。 |
|
ログ順序番号を指定します。この整数は、指定したログが最初にオープンされた時刻を示します。 |
|
REDO |
|
日付を指定します(例3-20を参照)。 |
レポート出力
出力で表示される情報については、次の表を参照してください。
表3-1 データベース・スキーマのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
絶対データファイル番号。 |
|
MB単位のファイル・サイズ。 |
|
表領域名。 |
|
データファイル専用。表領域にロールバック・セグメントがある場合は |
|
永続データファイル専用。データファイルの名前。 |
|
一時ファイル専用。一時ファイルの最大サイズ。 |
|
一時ファイル専用。一時ファイルの名前。 |
表3-2 n日分より多くのアーカイブ・ログがリカバリ用に必要なファイルのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
n日分より多くのアーカイブREDOログ・ファイルがリカバリ用に必要であるデータファイルの絶対ファイル番号。 |
|
リカバリ用に必要なアーカイブREDOデータの日数。 |
|
データファイルの名前。 |
表3-3 nより多くの増分がリカバリ中に必要なファイルのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
nより多くの増分が完全リカバリのために必要なデータファイルの絶対ファイル番号。 |
|
完全リカバリのために必要な増分バックアップの数。 |
|
データファイルの名前。 |
表3-4 n日のリカバリ期間を満たすようにバックアップを行う必要があるファイルのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
n日のリカバリ期間を満たすようにバックアップを行う必要があるデータファイルの絶対ファイル番号。 |
|
完全リカバリのために必要な日数。 |
|
バックアップを必要とするデータファイルの名前。 |
表3-5 n未満の冗長度のバックアップしかないファイルのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
n未満の冗長度のバックアップしかないデータファイルの絶対データファイル番号。 |
|
このファイルに対して存在しているバックアップの数。 |
|
ファイルの名前です。 |
表3-6 不要なバックアップとコピーのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
オブジェクトがバックアップ・セットか、バックアップ・ピースか、プロキシ・コピーかまたはデータファイルのコピーかの区分。 |
|
ターゲット・データベースの制御ファイルでこのバックアップを識別する一意のキー。 |
|
バックアップまたはコピーを取った時刻。 |
|
バックアップまたはデータファイルのコピーのファイル名またはメディア・ハンドル。 |
表3-7 リカバリ不能操作が原因でバックアップが必要となったファイルのレポート
列 | 内容 |
---|---|
|
リカバリ不能操作のために新しいバックアップが必要となったデータファイルの絶対番号。 |
|
|
|
データファイルの名前。 |
例
例3-20 データベース・スキーマのレポート
リカバリ・カタログが必要なこの例では、20分前のすべてのデータファイルの名前と表領域をレポートします。
RMAN> REPORT SCHEMA AT TIME 'sysdate-20/1440'; Report of database schema for database with db_unique_name PROD List of Permanent Datafiles =========================== File Size(MB) Tablespace RB segs Datafile Name ---- -------- -------------------- ------- ------------------------ 1 450 SYSTEM YES /disk1/oradata/prod/system01.dbf 2 197 SYSAUX YES /disk1/oradata/prod/sysaux01.dbf 3 20 UNDOTBS YES /disk1/oradata/prod/undotbs01.dbf 4 10 CWMLITE YES /disk1/oradata/prod/cwmlite01.dbf 5 10 DRSYS YES /disk1/oradata/prod/drsys01.dbf 6 10 EXAMPLE YES /disk1/oradata/prod/example01.dbf 7 10 INDX YES /disk1/oradata/prod/indx01.dbf 8 10 TOOLS YES /disk1/oradata/prod/tools01.dbf 9 10 USERS YES /disk1/oradata/prod/users01.dbf List of Temporary Files ======================= File Size(MB) Tablespace Maxsize(MB) Tempfile Name ---- -------- -------------------- ----------- -------------------- 1 40 TEMP 32767 /disk1/oradata/prod/temp01.dbf
例3-21 増分バックアップが必要なデータファイルのレポート
この例では、データベース内のデータファイルのうち、現行の状態にリカバリするために1つ以上の増分バックアップの適用が必要なすべてのデータファイルをレポートします。
RMAN> REPORT NEED BACKUP INCREMENTAL 1; Report of files that need more than 1 incrementals during recovery File Incrementals Name ---- ------------ ---------------------------------------------- 1 2 /disk1/oradata/prod/system01.dbf 2 2 /disk1/oradata/prod/sysaux01.dbf 3 2 /disk1/oradata/prod/undotbs01.dbf 4 2 /disk1/oradata/prod/cwmlite01.dbf 5 2 /disk1/oradata/prod/drsys01.dbf 6 2 /disk1/oradata/prod/example01.dbf 7 2 /disk1/oradata/prod/indx01.dbf 9 2 /disk1/oradata/prod/users01.dbf
例3-22 不要なバックアップとコピーのレポート
次の例では、現在の保存方針に従って冗長とみなされる不要なバックアップとコピーをレポートします。保存方針は冗長度1に設定されています。
RMAN> REPORT OBSOLETE;
RMAN retention policy will be applied to the command RMAN retention policy is set to redundancy 1 Report of obsolete backups and copies Type Key Completion Time Filename/Handle -------------------- ------ ------------------ -------------------- Archive Log 1022 19-FEB-13 /disk1/prod/arch/archive1_59_614712405.dbf Archive Log 1023 19-FEB-13 /disk1/prod/arch/archive1_61_614712405.dbf Archive Log 1024 19-FEB-13 /disk1/prod/arch/archive1_60_614712405.dbf Archive Log 1025 19-FEB-13 /disk1/prod/arch/archive1_55_614712405.dbf Backup Set 1032 19-FEB-13 Backup Piece 1050 19-FEB-13 /disk2/PROD/backupset/2013_02_19/o1_mf_nnndf_TAG20130219T173839_2xnpmp0l_.bkp Datafile Copy 1073 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_system_2xmz5l5m_.dbf Backup Set 1035 19-FEB-13 Backup Piece 1053 19-FEB-13 /disk2/PROD/backupset/2013_02_19/o1_mf_nnndf_TAG20130219T111434_2xnpozym_.bkp Datafile Copy 1074 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_sysaux_2xmz6zdg_.dbf Datafile Copy 1075 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_undotbs_2xmz7rof_.dbf Datafile Copy 1076 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_cwmlite_2xmz7vrg_.dbf Datafile Copy 1077 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_drsys_2xmz7wyc_.dbf Datafile Copy 1078 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_example_2xmz7y5s_.dbf Datafile Copy 1079 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_indx_2xmz81jg_.dbf Datafile Copy 1081 19-FEB-13 /disk2/PROD/datafile/o1_mf_users_2xmz85vo_.dbf Datafile Copy 1777 20-FEB-13 /disk2/users01.dbf