3.7 RESET DATABASE
目的
RESET DATABASE TO INCARNATION
コマンドを使用すると、RMANリポジトリのターゲット・データベースのインカネーションを以前のデータベース・インカネーションに再設定できます。このコマンドは次のような状況でのみ使用する必要があります。
-
RESTORE
またはRECOVER
を使用して、データベースを現行のRESETLOGS
タイムスタンプより前のSCNに戻す場合。 -
FLASHBACK DATABASE
を使用して、データベースを孤立したデータベース・インカネーションに戻す場合。
関連項目:
RESET DATABASE
コマンドを使用する必要のある状況については、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。
前提条件
RESET DATABASE TO INCARNATION
は、RMANプロンプトでのみ実行できます。RMANがターゲット・データベースに接続されている必要があります。
RMANがNOCATALOG
モードで実行されている場合は、ターゲット・データベースをマウントする必要があります。マウントされる制御ファイルには、指定したデータベース・インカネーションのレコードが含まれている必要があります。
RMANがCATALOG
モードで実行されている場合は、ターゲット・データベースのマウントまたはアンマウントが可能です。データベースをマウントする場合は、指定したデータベース・インカネーションのレコードが制御ファイルに含まれている必要があります。
使用上の注意
RMANをNOCATALOG
モードで使用すると、RESET DATABASE TO INCARNATION
コマンドはRMANセッション全体で永続的になります。
CDBの使用上の注意
プラガブル・データベース(PDB)の最初のインカネーション番号は、0です。以降のインカネーション番号は一意ですが、必ずしも連続していません。PDBのインカネーションは、マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)のサブインカネーションで、(database_incarnation, pdb_incarnation)
.として表されますたとえば、CDBがインカネーション5
で、PDBがインカネーション3
である場合、PDBの完全指定のインカネーション番号は(5, 3)
です。
セマンティクス
構文要素 | 説明 |
---|---|
|
マルチテナント・コンテナ・データベース(CDB)全体を指定します。 |
PLUGGABLE DATABASE |
プラガブル・データベース(PDB)のインカネーションを指定します。この句を使用して、孤立したPDBインカネーションまたは祖先PDBインカネーションへのPDBのフラッシュバックまたはリカバリを実行します。このコマンドを実行するには、 注意: この句は、スタンバイ・データベースではサポートされていません。 |
|
現行のインカネーションを、データベース・インカネーションの 可能なキー値を取得するには、 |
例
例3-23 NOCATALOGモードでの以前のインカネーションへのRMANの再設定
NOCATALOG
モードでは、リカバリするインカネーションに関する情報が含まれている制御ファイルをマウントする必要があります。次の使用例では、データベースtrgt
の破棄されたインカネーションにデータベースを再設定し、不完全リカバリを実行します。
CONNECT TARGET / NOCATALOG # step 1: start and mount a control file that knows about the incarnation to which # you want to return. Refer to the RESTORE command for appropriate options. STARTUP NOMOUNT; RESTORE CONTROLFILE FROM AUTOBACKUP; ALTER DATABASE MOUNT; # step 2: obtain the primary key of old incarnation LIST INCARNATION OF DATABASE trgt; List of Database Incarnations DB Key Inc Key DB Name DB ID STATUS Reset SCN Reset Time ------- ------- -------- ------------- ------- ---------- ---------- 1 2 TRGT 1334358386 PARENT 154381 OCT 30 2013 16:02:12 1 116 TRGT 1334358386 CURRENT 154877 OCT 30 2013 16:37:39 # step 3: in this example, reset database to incarnation key 2 RESET DATABASE TO INCARNATION 2; # step 4: restore and recover the database to a point before the RESETLOGS RESTORE DATABASE UNTIL SCN 154876; RECOVER DATABASE UNTIL SCN 154876; # step 5: make this incarnation the current incarnation and list incarnations: ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS; LIST INCARNATION OF DATABASE trgt; List of Database Incarnations DB Key Inc Key DB Name DB ID STATUS Reset SCN Reset Time ------- ------- -------- ---------------- ------- ---------- ---------- 1 2 TRGT 1334358386 PARENT 154381 OCT 30 2013 16:02:12 1 116 TRGT 1334358386 PARENT 154877 OCT 30 2013 16:37:39 1 311 TRGT 1334358386 CURRENT 156234 AUG 13 2013 17:17:03
例3-24 PDBインカネーションのリセット
この例では、プラガブル・データベースmy_pdb
を孤立したインカネーション3にリセットします。
RESET PLUGGABLE DATABASE TO INCARNATION 3;