データベースの再構築
業務の変化に合わせて、Essbaseのデータベース・アウトラインを変更し、新しい製品ラインの導入、新しいシナリオの情報の提供、新しい期間の反映などを行う必要があります。データベース・アウトラインの変更によって、データ・ストレージの配置が影響を受け、Essbaseに対してデータベースの再構築が強制されることがあります。
データベースの再構築を必要とする変更は、(再構築前のデータを破棄しないかぎり)時間がかかるため、このような変更を決定するときは、それらがパフォーマンスにどのように影響するかに基づいて十分に検討してください。参照:
ノート:
データのクリアとそれによる再構築の回避の詳細は、CLEARDATAおよびCLEARBLOCK計算コマンドを参照してください。
暗黙的な再構築
アウトライン・エディタまたはディメンション構築を使用してアウトラインを変更した後、Essbaseでデータベース・ファイルの暗黙的な再構築が開始されます。実行される再構築のタイプは、アウトラインに加えた変更のタイプによって異なります。
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密の再構築: 密ディメンションのメンバーが移動、削除または追加されると、Essbaseによってデータ・ファイル内のブロックが再構築され、新しいデータ・ファイルが作成されます。Essbaseでデータ・ブロックが再構築されると、インデックス・エントリが新しいデータ・ブロックを指すように、自動的にインデックスが再生成されます。空のブロックは削除されません。再構築されたすべてのブロックはEssbaseによってダーティとしてマークされるため、密の再構築の後はデータベースを再計算する必要があります。密の再構築は最も時間のかかる再構築となり、大規模なデータベースでは完了までの時間が長くなる可能性があります。
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疎の再構築: 疎ディメンションのメンバーが移動、削除または追加されると、Essbaseによってインデックスが再構築され、新しいインデックス・ファイルが作成されます。インデックスの再構築は比較的高速です。必要な時間はインデックス・サイズによって異なります。
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アウトラインのみの再構築: 変更がデータベース・アウトラインにのみ影響する場合は、Essbaseによってインデックス・ファイルやデータ・ファイルは再構築されません。データベース・アウトラインにのみ影響する変更の例として、メンバー名の変更、別名の作成および動的計算式の変更があります。
ノート:
データベース・アウトラインを変更する方法(アウトライン・エディタの使用またはディメンション構築の使用)は、再構築には影響しません。情報の変更のタイプのみが、(再構築が行われる場合に)どのタイプの再構築が行われるかに影響します。アウトラインの変更とそれによって発生する再構築のタイプの詳細は、アウトラインの変更のクイック・リファレンスを参照してください。
明示的な再構築
データベースの再構築を手動で開始する場合は、明示的な再構築を実行します。明示的な再構築に伴い、強制的にデータベース全体の再構築が実行されます。全体の再構築は、密の再構築と空のブロックの削除で構成されます。明示的な再構築の後に、データ・ロードおよび計算トランザクションの履歴はすべて削除されます。
全体の再構築を開始するには、MaxL文のalter database force restructureを使用できます。
データベースの再構築に影響する条件
高機能計算、名前の変更および式の変更は、データベースの再構築に影響します。
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データベースで高機能計算を使用する場合、データ・ブロックが再構築されるたびに、再構築されたブロックはすべてダーティとしてマークされます。ブロックがダーティとしてマークされると、次のデフォルトの高機能計算は強制的にフル計算となります。
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名前または式を変更する場合、Essbaseでは影響を受けるブロックはダーティとしてマークされません。高機能計算が有効な場合、デフォルトの計算ではこれらの影響を受けるメンバーは再計算されません。明示的に再計算する必要があります。
再構築の詳細は、次のトピックを使用してください。
表33-1 データベースの再構築に関連するトピック
トピック | 関連情報 |
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高機能計算 |
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疎ディメンションと密ディメンション |
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属性ディメンション |
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ディメンションの構築 |
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アウトライン・エディタ |