ディメンション構築のフィールド・タイプ情報の設定

ディメンション構築のフィールド・タイプについて

ディメンション構築を実行しない場合は、このトピックをスキップしてください。

ソース・データ・レコードのフィールドは、Essbaseで追加または変更するメンバーを表しています。フィールドには、メンバーの名前、メンバーのプロパティおよび属性の関連付けに関する情報を含めることができます。Essbaseがソース・データで検出したフィールド情報を処理できるようにするために、ディメンション構築ルールでフィールド・タイプを指定します。

ルールでフィールド・タイプを設定するときには、少なくとも次の情報を指定します。

  • 列のメンバーが属するディメンション。

  • その列に期待されるフィールドのタイプ(親、子、世代、プロパティ、別名など)。フィールド・タイプは、どのデータ・ソースと構築方法を使用するかに応じて異なります。


    空のセレクタが2つあるフィールド。一方には「ディメンション」のラベルが付いていて、もう一方には「タイプ」のラベルが付いています

  • フィールド・タイプに応じた追加情報。たとえば、世代フィールド・タイプの場合は、その列のメンバーの世代番号も指定します。


    空のセレクタが3つあるフィールド。「ディメンション」セレクタには「Product」が含まれていて、「タイプ」セレクタには「世代」が含まれています。また、追加のセレクタは番号1に設定されています

フィールド・タイプと有効な構築方法

ディメンション構築ルールの設計時には、Essbaseが正しくディメンションを構築できるようにするために、ソース・データ・フィールドにタイプを割り当てます。

Essbase Webインタフェースで、次に示すように、ディメンション名の下側でタイプを割り当てます。


ディメンション構築ルールのフィールド・タイプ。フィールド2に「Product」という名前のディメンションが含まれていて、「タイプ」オプションを選択する必要があります。次の表に、「タイプ」の有効なオプションを示します。

次の表は、フィールド・タイプと有効な構築方法をリストしています。

表13-1 フィールド・タイプと有効な構築方法

フィールド・タイプ(1) フィールドの内容 有効な構築方法

別名

別名

メンバー更新のディメンション構築「未指定の除去」に設定され、かつ新しいメンバーのデータソースに削除したメンバーの別名値が含まれている場合は、新しいメンバーに別名値が割り当てられません。「ディメンションのリセット」を指定する場合に割り当てます。

標準ルールの場合、同じ値の「世代」フィールドまたは「レベル」フィールドが必要です。または、前のフィールドが親または子である必要があります。

索引ベースのルールの場合、同じ値の「世代」フィールドまたは「レベル」フィールドが必要です。または、前のフィールドが親または子である必要があります。

世代参照、レベル参照および親子参照

プロパティ

メンバー・プロパティ。ソース・データでは、プロパティの指定に次のコードを使用します。

集計演算子

  • + - 加算
  • - - 減算
  • * - 乗算
  • / - 除算
  • % - パーセント
  • ~ - 無視
  • ^ - 集計しない

データ・ストレージ・タイプ

  • S - 保管済
  • N - 共有しない
  • O - ラベルのみ
  • X - 動的計算

タイム・バランス

  • K - なし
  • F - 最初
  • L - 最後
  • A - 平均

2パス計算

  • T - True
  • G - False
スキップ・オプション
  • P - なし
  • M - 欠落
  • Z - ゼロ
  • B - 欠落とゼロ

費用レポート

  • E - True
  • J - False
  • Q - 日付

階層タイプ

  • C - 保管済
  • D - 動的
  • H - 複合階層使用可能

世代参照、レベル参照および親子参照

 

通貨名

(ブロック・ストレージ・アウトラインのみ)通貨名

 

通貨カテゴリ

(ブロック・ストレージ・アウトラインのみ)通貨カテゴリ

 

UDA

UDA

 

属性ディメンション

属性ディメンション。標準および索引ベースのルールで使用できます。  

属性の親

属性ディメンションで、この後のフィールドの属性メンバーの親メンバーの名前。アウトラインで重複メンバーが有効化されていて、同じ名前の属性メンバーが2つ存在する場合にのみ必要です。標準ルールでのみ使用できます。

 

特定の属性ディメンションの名前

指定した属性ディメンションのメンバー。このメンバーは、選択した基本ディメンションの指定した世代またはレベルに関連付けられます。

 

世代

指定した世代のメンバーの名前

世代参照

重複する世代

子として共有メンバーを持つメンバーの名前標準ルールでのみ使用できます。

 

重複する世代の別名

共有メンバーの別名標準ルールでのみ使用できます。

 

レベル

レベル内のメンバーの名前標準ルールでのみ使用できます。

レベル参照

重複するレベル

子として共有メンバーを持つメンバーの名前標準ルールでのみ使用できます。

 

重複するレベルの別名

共有メンバーの別名標準ルールでのみ使用できます。

 

親の名前

親子参照

子の名前その前のどこかに親フィールドが存在している必要があります。

 

解決順

メンバーが計算される優先度(0から127)

 

メンバーID

メンバーの名前とは別の一意識別子。索引ベースのルールにのみ使用できます。

ディメンションの構築時には、すべてのメンバー(共有メンバーを含む)に一意のメンバーIDが必要です。

Essbase移行ツールのいずれかを使用して既存のアウトラインを移行すると、メンバーIDは移行時に自動的に割り当てられます。Essbase移行ツールのいずれかを使用して、移行することなくEssbaseにパッチを適用すると、メンバーIDは、パッチの適用後にアウトラインの編集が最初に成功したときに割り当てられます。

 

参照メンバー

索引ベースのルールでのみサポートされます。このタイプにより、既存のメンバーを柔軟に変更できるようになります。このタイプを使用するには、フィールドが、すでに存在しているメンバーを参照する必要があります。ユース・ケースは、「新しいディメンション構築ルール」の「特別演習」を参照してください。

世代参照

集約レベルの使用方法

集約ストレージ・キューブに対するデフォルトおよび問合せベースのビュー選択に影響するオプション。

  • 11 - デフォルト
  • 12 - すべてのレベルを検討します
  • 13 - 集約しません
  • 14 - 最下位レベルのみ検討します
  • 15 - 最上位レベルのみ検討します
  • 16 - 中間レベルに集約しません
 
フォーマット文字列 キューブで型付きメジャーを有効化している場合のフォーマット文字列。フォーマット文字列を使用すると、数値の型付きメジャーの値をフォーマットして、テキスト、日付またはその他の事前定義されたタイプとして問合せに表示できます。たとえば、テキスト・ベースのフォーマットされた値を使用すると、データ・セルを"High"、"Medium"および"Low"と表示できます。  
プロトタイプ この共有メンバーに対するプロトタイプ・メンバーのメンバーID (または一意の名前)。このフィールドは、重複メンバーのアウトライン内の共有メンバーに必要です。この値が設定されていないと、メンバーは、共有メンバーではなく重複メンバーとして作成されます。  

脚注1 名前の先頭が重複(重複する世代や重複するレベルの別名など)であるフィールド・タイプは、「重複メンバーのアウトラインの作成および使用」で説明されている重複メンバー名とは関係がありません。

親子による構築方法の例

次に、親子による構築方法を使用するディメンション構築ルールの例を示します。親のフィールド・タイプを先にして、その後に子を続ける必要があります。


ディメンション構築ルールに示された親子による構築方法。

世代による構築方法の例

次に、世代による構築方法を使用するディメンション構築ルールの例を示します。世代1はディメンション自体であるため、構築ルールは世代2から始まります。このルールは標準(索引ベースではない)ルールのため、世代はルール内で昇順になっている必要があります。


世代構築のためのルール・ファイルフィールド1: Product、Categoryという名前の世代2。フィールド2: Product、Product SKUという名前の世代3。フィールド3: Product、Promotionsという名前の世代4。

フィールド・タイプの割当てルール

各構築方法には、フィールド・タイプの割当てルールがあります。

  • 標準(非索引)ディメンション構築用の世代による構築方法のルール:

    • 世代番号が2で始まらない場合は、指定した世代の最初のメンバーがアウトラインに存在している必要があります。

    • 世代番号は連続範囲を形成する必要があります。たとえば、世代3と世代5が存在する場合は、世代4も定義する必要があります。

    • 「重複する世代」のフィールドは世代フィールドの直後に配置します(世代による構築方法のルールで共有メンバーを使用する場合に該当します)。同様に、「重複する世代の別名」のフィールドは、「重複する世代」のフィールドの直後に配置します。


      フィールド1は、Product、世代2のマークが付いています。フィールド2は、Product、重複する世代のマークが付いています。

    • 世代フィールドは、ディメンション内で順序どおりにグループ化します。例:

      Product世代2、Product世代3、Product世代4。

    • 属性の関連付けフィールドを関連付けられている基本フィールドの後に配置し、関連付けられている基本ディメンション・メンバーの世代番号を指定します。例:

      Product世代2、製品世代3、Product Ounces 3

      世代番号は、フィールドによって値が指定されるアウトラインのメンバーの世代に対応している必要があります。たとえば、Product世代3は、このフィールドの値がProductディメンションの3番目の世代のメンバーであることを意味します。2 in PopulationメンバーID 2Population別名2の2は、フィールドの値が、Populationディメンションの2番目の世代のメンバーに関連付けられていることを示します。


      Population世代2のフィールド8、PopulationメンバーID 2のフィールド9およびPopulation別名ChineseNames 2のフィールド10。

    ノート:

    世代構築方法を使用して、重複メンバー・ディメンションを作成する場合、世代の最大数は20です。

  • レベル構築方法のルール:

    • 「重複するレベル」のフィールドはレベル・フィールドの直後に配置します(レベルによる構築方法のルールで共有メンバーを使用する場合に該当します)。同様に、「重複するレベルの別名」のフィールドは、「重複するレベル」フィールドの直後に配置します。

    • 各レコードにレベル0のメンバーが含まれている必要があります。レベル0のメンバーが、親が異なる新しいレコードで繰り返されている場合、移動の許可メンバー・プロパティを選択しないと、Essbaseによってそのレコードが拒否されます。

    • ディメンション内でレベル・フィールドを順次グループ化します。

    • 各ロールアップのフィールドを連続した順序で配置します。

    • 単一のレコードを使用して、プライマリ・ロールアップとセカンダリ・ロールアップを記述します。

    • 属性の関連付けフィールドを関連付けられている基本フィールドの後に配置し、関連付けられている基本ディメンション・メンバーのレベル番号を指定します。例:

      Product Level 3、Product Ounces 3、Product Level 2

    • レベル番号は、フィールドによって値が指定されるアウトラインのメンバーのレベルに対応している必要があります。たとえば、Product Level 3の3は、このフィールドの値がProductディメンションのレベル3のメンバーであることを示しています。Population Alias 22は、このフィールドの値がPopulationディメンションの2番目のレベルに関連付けられていることを示しています。

  • 親子による構築方法のルール:

    フィールド・タイプが親または子の場合は、「番号」テキスト・ボックスに0 (ゼロ) を入力します。

  • 属性ディメンション名構築方法のルール:

    世代番号またはレベル番号は、アウトラインの関連付けられている基本メンバーの世代またはレベルに対応している必要があります。たとえば、Product Ounces 33は、フィールドの値が、同じソース・データ・レコードのProductディメンションの3番目の世代メンバーに関連付けられているOunces属性ディメンションのメンバーであることを示しています。

必要に応じて、フィールドを必要な場所に移動します。