Essbaseのバックアップおよび復元: EPMセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリ

EPMセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリを使用する場合にEssbaseインスタンスをバックアップおよび復元するには、次のプロセスを使用します。

Essbaseのバックアップ: EPMセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリ

EPMセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリを使用する場合にEssbaseインスタンスをバックアップするには、次のプロセスを使用します。

  1. ソース・アプリケーション・ディレクトリのコンテンツをバックアップします。

    <アプリケーション・ディレクトリ>のバックアップ計画は、作成に使用したハードウェアによって異なります。別個のディスク・ボリュームをマウントした場合、バックアップは移植可能です。引き続き、計画したすべての定期バックアップで<アプリケーション・ディレクトリ>のバックアップを日常的に作成する必要があります。

    別個のドライブとして<アプリケーション・ディレクトリ>をマウントしていない場合は、そのコンテンツを単に圧縮し、セキュアな別の場所にアーカイブを安全に移動できます。別個のディスク・ボリュームをマウントした場合、ディスク・ボリュームをコピーできます。

    1. Essbaseサービスが停止していることを確認します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。
    2. <アプリケーション・ディレクトリ>に移動します。
      cd <Application Directory>

      例:

      cd /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase
    3. 場所とファイル名を指定して、ディレクトリのコンテンツを圧縮します。
      tar -czvf <path to backup file location>/<backupfilename>.tar.gz *

      例:

      tar -czvf /scratch/user/expuserfiles/appdir_backup.tar.gz *
  2. ソースEssbaseリレーショナル・データベース・スキーマをバックアップします。

    Essbaseで使用するために構成したリレーショナル・データベースによってステップが異なることがあります。次に、サポートされているOracle Databaseに対してOracle Data Pumpを使用する例を示します。

    Oracle Databaseがインストールされているサーバーでコマンド・ラインからOracle Data Pumpを実行します。

    ノート:

    または、Oracle Instant Clientを使用してリモートでデータベースを管理できます。

    ソースEssbaseインスタンスは「essbase1」というリレーショナル・データベース・スキーマの接頭辞とともにデプロイされると仮定します。

    1. ソースEssbaseサービスがまだ停止していることを確認します。
    2. Essbaseスキーマをデプロイしたプラガブル・データベース(PDB)がtnsnames.oraファイル内にあることを確認します。
    3. Oracle Databaseを実行しているサーバーで、データ・ポンプがデータベース・エクスポート・ファイルを書き込むディレクトリ・パスを作成します。データ・ポンプ・コマンドを実行するオペレーティング・システム・ユーザーにこのパスに対する書込み権限があることを確認します。

      例:

      mkdir /scratch/user/expuserfiles
    4. ソースEssbaseスキーマが含まれるデータベースに接続します。
    5. SQLplusにsysdbaとしてログインし、次の最低限のロール/権限を使用してデータ・ポンプ・ユーザーに対するロールを作成します。
      alter session set container=<your container name>;
      create user <username> identified by <password>;
      create directory <dirname> as '<full path disk location>';
      create role <rolename>;
      grant create session, create table to dp_role;
      grant read, write on directory exports to <rolename>;
      grant DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE to <rolename>;
      grant DATAPUMP_IMP_FULL_DATABASE to <rolename>;
      grant <rolename> to <username>;
      alter user <username> default tablespace users;
      alter user <username> quota unlimited on users;
      exit;

      例:

      alter session set container=orclpdb; 
      create user expuser identified by password;
      create directory exports as '/scratch/user/expuserfiles';
      create role dp_role;
      grant create session, create table to dp_role;
      grant read, write on directory exports to dp_role;
      grant DATAPUMP_EXP_FULL_DATABASE to dp_role;
      grant DATAPUMP_IMP_FULL_DATABASE to dp_role;
      grant dp_role to expuser;
      alter user expuser default tablespace users;
      alter user expuser quota unlimited on users;
      exit;
    6. Oracle Databaseがインストールされているサーバーでコマンド・ラインからOracle Data Pumpを実行します。

      ノート:

      または、Oracle Instant Clientを使用してリモートでデータベースを管理できます。
      データベースが実行されているサーバーで、データ・ポンプのexpdpコマンドを使用して<schemaprefix>_Essbaseスキーマをエクスポートします。

      ノート:

      データ・ポンプを実行する前に、必ずデータベースのOracle環境を設定しておきます。
      expdp <username>@<service name> directory=<dirname> dumpfile=<dumpfilename>.dmp logfile=<logname>.log schemas=<schemaprefix>_Essbase

      例:

      expdp expuser@orclpdb directory=exports dumpfile=essbase1.dmp logfile=essbase1.log schemas=essbase1_Essbase
  3. EPM Shared Services割当て済ロールをバックアップします。

    このステップはWebLogicセキュリティには適用されません。EPM Shared Servicesセキュリティの場合、Essbaseアプリケーション権限はEssbaseで保管も管理もされません。むしろ、EssbaseユーザーおよびアプリケーションのロールはEPM Shared Servicesを使用してユーザーとグループに割り当てられます。

    EPM Shared Servicesはこれらのロールを保管するため、Shared Services Consoleを使用して、Essbaseユーザーとグループが含まれるバックアップを作成することが重要です。

    ノート:

    これらのバックアップの説明はEssbaseのユーザーとグループが含まれるShared Services Console に適用され、Planningおよびその他のEPMアプリケーションのユーザーとグループすべてが含まれるメインのEPM Shared Servicesには適用されません。
    1. EPM Shared Servicesで、「アプリケーション・グループ」セクションの「Foundation」を展開します。
    2. 「Shared Services」を選択します。
    3. 「ネイティブ・ディレクトリ」を選択します。
    4. 「エクスポート」(右下)をクリックします。

      デフォルトでは、エクスポートされたファイルは<EPM_Instance>/import_exportフォルダに移動されます。

Essbaseの復元: EPMセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリ

次のステップに従って、EPM Shared ServicesセキュリティとShared Servicesネイティブ・ディレクトリを使用してEssbaseを復元します。

  1. ターゲットEssbaseインスタンスを構成します。

    ソース・ホスト/ハードウェアが失敗せず、Essbaseインスタンスをリカバリしている場合、ソース・インスタンスを構成解除してから、同じFusion Middleware <Oracleホーム>を使用して新しいターゲット・インスタンスを構成できます。

    1. Essbase構成ツールを使用してターゲットEssbaseインスタンスを構成します。
      /<path to Fusion Middleware Oracle Home>/essbase/bin/config.sh

      例:

      /scratch/user/oracle_home/essbase/bin/config.sh
    2. ターゲット・ドメインを構成します。
      1. Essbaseソース・インスタンスと同じWebLogic管理ユーザー名およびパスワードを使用します。
      2. ソースと同じドメイン名を使用します。
      3. ソースと同じ<アプリケーション・ディレクトリ>を使用します。

        ノート:

        ターゲット・インスタンスのアプリケーション・ディレクトリへのフルパスが同一である必要があり、そうでない場合は一部のEssbase機能が機能しません。
      4. プラガブル・データベース(PDB)は同じでも別でも使用できます。

        ノート:

        構成解除時にソース・スキーマを削除した場合を除き、新しいスキーマの接頭辞が必要になります。

      5. EPMセキュリティを選択し、同じEPM_ORACLE_HOMEおよびEPM_ORACLE_INSTANCEを使用します。

      当初/tmp/essbase_config_<date_timestamp>/config.rspに作成された、ソース・インスタンスの構成レスポンス・ファイルを参照してください。

  2. <アプリケーション・ディレクトリ>フォルダ・コンテンツをソース・バックアップからターゲット・インスタンスに復元します。
    1. ターゲット・インスタンスのすべてのサービスが停止していることを確認します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。
    2. 既存の<アプリケーション・ディレクトリ>を別の場所に移動します。
      mv <Application Directory> <Application Directory>.old

      例:

      mv /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase.old 
    3. <アプリケーション・ディレクトリ>を作成します。
      mkdir /<Application Directory>

      例:

      mkdir /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase
    4. <アプリケーション・ディレクトリ>に移動します。
      cd <Application Directory>

      例:

      cd /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase
    5. ソース<アプリケーション・ディレクトリ>バックアップのコンテンツをターゲット<アプリケーション・ディレクトリ>に解凍します(アプリケーション、カタログ、ハイブリッド、jagentID.id)。
      tar -zxvf <path to backup file location>/<backup file name>.tar.gz

      例:

      tar -zxvf /scratch/user/expuserfiles/appdir_backup.tar.gz
  3. Essbaseリレーショナル・データベース・スキーマを復元します。

    Essbaseで使用するために構成したリレーショナル・データベースによってステップが異なることがあります。次に、サポートされているOracle Databaseに対してOracle Data Pumpを使用する例を示します。

    1. ターゲット・インスタンスのすべてのサービスが停止していることを確認します。
    2. Oracle Databaseがインストールされているサーバーでコマンド・ラインからOracle Data Pumpを実行します。

      ノート:

      または、Oracle Instant Clientを使用してデータベースを管理できます。
    3. Essbaseソース・スキーマ・バックアップ(.dmpファイル)をターゲットにインポートし、ソース・スキーマの接頭辞をターゲット・スキーマの接頭辞に置き換えます。

      impdp <username>@<service name> directory=<dirname> dumpfile=<source dumpfilename>.dmp REMAP_SCHEMA=<source schemaprefix>_Essbase:<target schemaprefix>_Essbase partition_options=merge table_exists_action=replace

      例:

      impdp expuser@orclpdb directory=exports dumpfile=essbase1.dmp  REMAP_SCHEMA=essbase1_ESSBASE:essbase2_ESSBASE partition_options=merge table_exists_action=replace
  4. ソースの割当て済ロールをShared Servicesにインポートします。

    ノート:

    このプロセス中、Shared Servicesは停止していません。
    これはEPMセキュリティであるため、ロールはEssbaseでネイティブに管理されません。かわりにShared Servicesで管理されるため、現在ターゲットのEssbaseドメインに登録されているShared Servicesにソースの割当て済ロールをインポートします。
    1. Shared Services「ファイル・システム」で、<Shared Services>バックアップを展開し、HSS-<Shared Services BackupName>を選択します。
    2. 「ネイティブ・ディレクトリ」を展開します。
    3. 「割当て済ロール」を展開します。
    4. 「EssbaseCluster-1」を選択し、すべてのEssbaseアプリケーションおよびサーバー・アクセスのロールをターゲットEssbaseインスタンスに復元します。
    5. 「インポート」(右下)をクリックし、「OK」をクリックします。
  5. ターゲット・インスタンスを起動します。

    ターゲット・インスタンスのEssbaseサービスを開始します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。