Linux上のEssbaseの構成

Linux上のEssbaseは、Essbaseインストールの最終段階で構成ツールを使用するか、インストール後に構成ツールを起動することで構成できます。

前提条件と注意事項

  • Fusion Middlewareがすでにインストールされ、同じOracleホーム・ディレクトリにOracle Essbaseがインストールされている必要があります。「Fusion Middlewareのインストール」を参照してください。
  • インストールの前提条件に記載されているように、サポート対象のリレーショナル・データベースがインストールされている必要があります。「リレーショナル・データベースのインストール」を参照してください。
  • EPM Shared Services認証を使用する場合は、サポート対象バージョンのEPMがすでにインストールされており、EPMユーザーによってEPM Shared Servicesが作成され構成されており、OracleホームとEPMインスタンスの詳細を把握している必要があります。
    • EPM Shared Services認証を使用する場合は、Essbase構成の間にそれが実行されている必要があります。EPM Shared Servicesが実行されていない場合は、一部のポート番号を、ポートの競合を回避するように手動で構成する必要があります。Essbaseを構成するときは、このホスト上のEPMサービスによってすでに使用されているポートに注意する必要があり、このホスト上のサービスまたはアプリケーションによって使用されていない有効なポートのみを選択し使用する必要があります。これらの未使用のポート番号は、ユーザー・インタフェースまたはレスポンス・ファイル内でも適宜設定する必要があります。
    • 21.2.1より前のEssbase 21cバージョンを使用している場合は、本番のEPMインスタンスから分離されている空のEPM Foundation Servicesインスタンスを使用してください。Essbaseの構成と実行を行う際、EPMサーバーが実行されている必要があります。ユーザー管理ディレクトリ・サービスを両方のFoundation Shared Servicesデプロイメントに接続できます。また、両方のShared Servicesインスタンスでアプリケーションのプロビジョニングを管理する必要があります。
    • Essbase 21.2.1よりも前のバージョンでは、個別のEPM Foundationのインストールが必要でした。
    • Essbase 21.2.1以降のバージョンの場合は、既存のEPM 11.2.x (11.2.x Essbaseを含む)をインストールするか再利用して21.2.xで構成します。
  • 構成でMicrosoft SQL Server (MSSQL)を使用する場合は、データベースを変更し、適切な照合順序を適用し、スキーマの考慮事項に対応するプロセスを実行する必要があります。「メタデータ・サービス(MDS)スキーマ用のMicrosoft SQL Serverデータベースの構成」を参照してください。
  • Essbase用のRCUスキーマの事前作成では、RCUスキーマを構成ツールに作成させるのではなく、構成前に自分で作成することを選択した場合のプロセについて説明しています。スキーマを事前作成する場合の一例としては、ウォレットを使用してセキュアなHTTPS接続を採用する場合です。
  • RCUスキーマを作成する前に、事前作成するスキーマを使用するかどうかを問わず、Oracleホームで次のパッチを適用する必要があります。

    • 28186730 - FMW/WLS用OPatch 13.9.4.2.xの最新バージョン
    • 31676526 - パッチ12.2.1.4.0 (TNS_ADMIN RCUの警告用)
    • 30540494 - パッチ12.2.1.4.0(RAC RCUバグ用)
  • すべてのポートはエフェメラル・ポートの範囲外であり、他の実行中ソフトウェアによって使用されていてはなりません。ポート競合の回避を参照してください。
  • 各管理対象サーバーは、1つ以上のサーバー・インスタンスをホストするコンピュータを論理的に表現したマシンに割り当てられている必要があります。マシン名は、ドメイン内の他の構成可能リソースの間で固有である必要があります。
  • フェイルオーバーをサポートするために、1つ以上のEssbase On-Premiseインスタンスをインストールして構成することを計画している場合は、フロントエンドのロード・バランサが必要です。「フェイルオーバーをサポートするためのロード・バランサの構成」を参照してください。
  • /aps/SmartViewというURLを使用してSmart View経由で接続する場合は、このURLを変更する必要があります。新しいEssbase Smart View接続URLへのリダイレクトを参照してください。あるいは、Webサーバーで新規URLへのリダイレクトを構成できます。Oracle HTTP Server (OHS)またはHTTPDサーバーを使用する場合は、前項に記載されているように、Oracle HTTP Server構成の変更時にURLをリダイレクトします。

構成ツールの実行

  1. インストールの最後に続けて構成を行わなかった場合は、構成ツールを起動します。
    1. EssbaseFusion MiddlewareがインストールされているOracleホーム・ディレクトリで、./essbase/binでターミナルを開きます。たとえば、<Oracle_Home>/essbase/binでターミナルを開きます。
    2. config.shスクリプトを使用して構成ツールを起動します。
      $ ./config.sh
      このスクリプトは、パラメータ(-mode、-log、-log priority、-responseFileなど)を指定して実行できます。responseFileパラメータを使用する場合、パスワードを除くすべてのフィールドに以前の構成エントリが入力されます。構成スクリプトのオプションについて調べるには、./config.sh -helpを実行します。
  2. 「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。
  3. ドメインの詳細 | Domain Detailsページで、次の操作を行います。
    構成ツールのドメインの詳細 | Domain Detailsページ

    1. デフォルト値をそのまま使用する(正しい場合)か、ドメイン名を入力します。たとえば、essbase_domainなどです。
    2. デフォルト値をそのまま使用する(正しい場合)か、ドメインのルート・パスを入力します。次に例を示します。
      /scratch/user/oracle_home/user_projects/domains
      Essbaseの追加インスタンスをインストールしている場合は、それぞれに別のドメイン・ルートを使用します。
    3. デフォルト値をそのまま使用するか、アプリケーション・ディレクトリを入力します。次に例を示します。
      /scratch/user/oracle_home/user_projects/applications/essbase
      アプリケーション・ディレクトリは構成ファイルとは別個にすることをお薦めします。
    4. Essbaseとミドルウェア・サーバーの管理に使用するWebLogic管理者アカウントの名前とパスワードを入力します。
      • WebLogic組込みLDAPを使用する場合、この管理者にはEssbaseサービス管理者ロールも付与されます。
      • EPM Shared Servicesを使用する場合、この管理者はEssbaseドメインのWebLogicインスタンス専用です。EPM Shared Services管理者ユーザーは、Essbaseユーザー・ロール「サービス管理者」でプロビジョニングされます。
    5. 「次」をクリックします。
  4. 「データベース接続」ページで、次の操作を行います。
    ドメイン接続ページ

    1. デフォルト値をそのまま使用するか、データベース・タイプを入力します。これはサポート対象のリレーショナル・データベースです。たとえば、Oracle Databaseなどです。
    2. 接続文字列を入力します。次に例を示します。
      myhost.example.com:1521/orcl
      接続文字列の形式を参照してください。
    3. 新しいスキーマを今すぐ作成するか、事前作成したスキーマ(事前構成ワークフロー・タスクとして、Essbase用のRCUスキーマの事前作成Fusion MiddlewareのRCUユーティリティを使用して作成したもの)を使用するかを選択します。構成でMicrosoft SQL Server (MSSQL)を使用している場合は、上述の関連する前提条件を参照してください。
    4. スキーマの接頭辞を入力します。たとえば、ESS21Cなどです。これは新しい固有の文字列にする必要があります。1-12文字の英数字を含め、始まりは文字からにします。
    5. スキーマのパスワードを入力します。このパスワードは、すべての新しいスキーマに共有されます。
    6. 管理者のユーザー名とパスワードに、Oracle Databaseのsysdbaロールが付与されている任意のユーザーの資格証明を入力します。これはデフォルトのsysユーザーか、Microsoftのデータベース管理者にすることができます。ユーザー名は文字で始まる必要があり、5から128字の英数字を含めます。パスワードは文字で始まる必要があり、8から30字の長さで、数字が少なくとも1つと、オプションで特殊文字($ # _)を任意の数だけ含めます。
    7. 「次」をクリックします。
  5. 「ノード・マネージャ」構成ページで、次の操作を行います。
    「ノード・マネージャ」構成ページ
    1. デフォルト値をそのまま使用するか、クラスタを管理するノード・マネージャのマシン名の文字列を入力します。すべてのポートはエフェメラル・ポートの範囲外であり、他の実行中ソフトウェアによって使用されていてはなりません。ポート競合の回避を参照してください。
    2. 「ノード・マネージャ・リスニング・アドレス」には、Linuxホスト(Fusion MiddlewareのインストールとともにWebLogicがインストールされている場所)の完全修飾名を入力できます。オペレーティング・システムのアドレスにすることもできます。参考資料については、リスニング・アドレスの構成を参照してください。
    3. 「次」をクリックします。
  6. WebLogicサーバー・ポート | WebLogic Server Ports構成ページで、インストール時の選択に応じて構成します。
    EASが有効になっているWebLogicサーバー・ポート | WebLogic Server Portsページ

    それぞれのサーバーにクリア・ポートとセキュア・ポートを指定します。サーバー構成のオプションを参照してください。すべてのポートはエフェメラル・ポートの範囲外であり、他の実行中ソフトウェアによって使用されていてはなりません。ポート競合の回避を参照してください。
    1. Transport Layer Security (TLS Everywhere)を使用して接続を保護するには、セキュア接続モード | Secure Connection Modeのチェック・ボックスを選択します。すると、自己署名証明書が認識されます。まだの場合は、通信とネットワークの保護についてのトピックを確認してください。
    2. Essbase Administration Servicesを使用してアプリケーションを管理するには、EASの有効化 | Enable EASを選択します。デフォルトでは、EASサーバー・ポート | EAS Server Portが9100、EASサーバー・セキュア・ポート | EAS Server Secure Portが9101です。EASの入力フィールドは、EASの有効化 | Enable EASが選択されている場合に使用できます。
    3. [オプション]アクセスの対象を特定のホストに制限するには、ドメインを指定します(複数ホーム環境の場合)。たとえば、リスニング・アドレスのフィールドにlocalhostを指定します。リスニング・アドレスの値を指定または入力しない場合、リスニング・アドレスはすべてのインタフェースとアドレスに適用され、マッピングされたすべてのホストがアクセスできるようになります。
    4. 「次」をクリックします。
  7. Essbaseポート | Essbase Ports構成ページで、次の操作を行います。
    Essbaseポート | Essbase Ports構成ページ
    1. デフォルト値をそのまま使用するか、エージェント・ポート、エージェント・セキュア・ポート(TLSを使用したセキュア通信に使用)、およびEssbaseアプリケーション・サーバーの最大ポートと最小ポートを入力します。
      • 「エージェント・ポート」はEssbaseエージェントのポートを指定します。デフォルト値は1423です。
      • エージェント・セキュア・ポート | Agent Secure Portは、Transport Layer Security (TLS)によるセキュア接続モードの場合にEssbaseエージェントがセキュア通信のために使用するポートを指定します。デフォルトは6423です。
      • 1つのホストに複数のEssbaseサーバー・インスタンスがインストールされている場合は、インスタンスごとに固有のポート番号を指定する必要があります。
      • すべてのポートはエフェメラル・ポートの範囲外であり、別の実行中ソフトウェアによって使用されていてはなりません。ポート競合の回避を参照してください。
      • 最小ポートと最大ポートとの範囲は、使用量に応じて少なくとも1000は必要があります。
    2. 「次」をクリックします。
  8. アイデンティティ・プロバイダ | Identity Provider構成ページで、次の操作を行います。
    構成ツールのアイデンティティ・プロバイダ | Identity Providerページで、EPMアイデンティティ・プロバイダが有効になっています

    1. まだの場合は、認証プロバイダの選択のトピックを確認してください。
    2. WebLogicがデフォルトです。現在、EPM Shared Servicesを使用していて、引き続き使用する必要がある場合は、EPM Shared Servicesアイデンティティ・プロバイダの有効化 | Enable EPM Shared Services Identity Providerチェック・ボックスを選択します。上のウィンドウの例では、EPMプロバイダが選択されています。有効にすると、EPM OracleホームOracleインスタンスの場所を確認または指定するためEPMフィールドが使用できるようになります。これらについて詳しくは、ミドルウェア・ホーム、EPM OracleホームおよびEPM Oracleインスタンスについてを参照してください。
    3. [オプション] EssbaseインスタンスをShared Servicesに登録するために、オプションで名前を入力できます。名前を指定しない場合、登録されたインスタンスの名前はEPMによって生成されます。
    4. 「次」をクリックします。
  9. 「構成のサマリー」ページを確認します。ログ・ファイルの場所(パスは非表示)と応答ファイルの場所をメモに取ります。このウィンドウの例は、選択したエントリや値に応じて異なります。
    「構成のサマリー」ページ

    レスポンス・ファイル(.rsp)は、構成の選択内容を保存し、今後のUIベースでの構成やサイレント・モードでの構成で同じフィールド値(パスワードを除く)を入力するために使用できます。今後の構成を.rspファイルを使用して実行する場合は、構成をサマリー・ページまで実行し、「構成」ではなく「取消」をクリックして、後で応答ファイルを再利用することもできます。.rspファイルは、サマリーに「レスポンス・ファイルの場所」として記載されている一時的な場所に保存されています。今後の構成の自動化に使用する予定がある場合、tmpディレクトリは定期的にクリーン・アウトされる可能性があるため、より永続的な場所に保存してください。サンプル応答ファイルとパラメータを参照してください。
  10. 「構成」をクリックします。「構成の進行状況」ページでは、構成ツールのプロセスの終わり近くに、Essbaseプラットフォーム・コンポーネントが起動されます。進行状況が100%に達したら、「次へ」をクリックします。
  11. 構成の完了 | Configuration Completeページで、詳細を確認し、「終了」をクリックします。このウィンドウの例は、ユーザーが選択したエントリや値を反映しているわけでないのでご注意ください。これでEssbaseにログインできるようになりました。「Essbase、RESTおよびSmart ViewクライアントのURL」を参照してください。
    「構成が完了しました」ページ

詳細設定や構成後のオプションやタスクは、詳細構成のトピックで確認できます。ここでは、RCUスキーマの削除、EssbaseとOracle HTTPサーバーの構成などのトピックについて記載しています。