EssbaseのRCUスキーマの事前作成

Essbaseプラットフォームでは、メタ・データを保存するためのリポジトリ作成ユーティリティ(RCU)スキーマが必要です。

このユーティリティを使用して、リポジトリ(スキーマ)を追加または削除します。

これらのスキーマは、選択したサポート対象のリレーショナル・データベースに保存されます。Essbaseアプリケーションおよびキューブはこれらのスキーマには保存されず、Essbaseをインストールしているサーバーの、ユーザーが選択した<Application Directory>ロケーションにあることに注意してください。詳細は、「Essbaseの環境の計画」を参照してください。

前提条件

  • 事前作成されたスキーマを使用するどうかにかかわらず、RCUスキーマの作成前には、「Linux上のEssbaseの構成」の前提条件にリストしたパッチを適用する必要があります。

  • 構成でMicrosoft SQL Server (MSSQL)を使用している場合は、データベースを変更するプロセスを実行するための構成に関する次の前提条件に対応させ、正しい照合を適用して、スキーマに関する考慮事項に対処する必要があります。「メタデータ・サービス(MDS)スキーマ用のMicrosoft SQL Serverデータベースの構成」を参照してください。
  • Fusion Middlewareがインストールされている。「Fusion Middlewareのインストール」を参照してください。
  • サポート対象のリレーショナル・データベースがインストールされている。「リレーショナル・データベースのインストール」を参照してください。
  • スキーマの追加や削除を実行するには、システムにOracle Essbaseが存在している必要があります。「Oracle Essbaseのインストール」を参照してください。
  • Essbaseに専用のプラガブル・データベース(PDB)をデプロイすることをお薦めします。Oracleのマルチテナント・アーキテクチャについては、「マルチテナント・アーキテクチャの紹介」をお読みください。

    • リポジトリ作成ユーティリティ(RCU)によって生成されたEssbaseリポジトリ・スキーマには、他のアプリ-ションがアクセスすることはできません。
    • スキーマまたは表にアクセスする権限は、指定された管理者以外には付与しないようにします。
    • PDBにアクセスするロールの割当てや変更を行うための資格情報を、その他のユーザーに付与することはできません。
    • PDBに対する変更はすべて記録する必要があります。

現在、Essbaseおよびその他のプラットフォーム・コンポーネントのために9つのRCUスキーマが必要です。Essbaseは次のいずれかの方法で構成できます。

  • 事前作成されたスキーマを使用する。または

  • Essbaseの構成ユーティリティを使用してスキーマを作成する。

次では、Essbase構成ユーティリティでRCUスキーマを作成するのではなく、 Fusion Middlewareの一部であるリポジトリ作成ユーティリティを使用してこれらのスキーマを事前作成する方法を説明します。次の場合は、独自のスキーマを事前作成すると便利です:

  • ウォレットを使用するセキュアなHTTPS接続を採用している
  • Essbaseを構成しており、スキーマの接頭辞のみを指定する必要がある
RCUスキーマを事前作成するには
  1. Oracleホーム(Fusion Middlewareがインストールされています)の/oracle_common/binでターミナルを開き、rcuコマンドを実行してリポジトリ作成ユーティリティを起動します。

    Linuxの場合
    /scratch/user/oracle_home/oracle_common/bin/rcu
    Windowsの場合
    C:\scratch\user\dist\oracle_common\bin\rcu.exe
  2. 「ようこそ」ページで、「次へ」をクリックします。

  3. リポジトリの作成ページで、「リポジトリの作成」をクリックし、「システム・ロードおよび製品ロード」をクリックします。


    「システム・ロードおよび製品ロード」でリポジトリを作成することが選択されているリポジトリの作成ページ

    「次へ」をクリックします。

  4. 「データベース接続の詳細」ページで、次のように「接続パラメータ(A)」が選択されたままの状態にします。


    Oracleデータベースのパラメータが入力された状態の「データベース接続の詳細」ページ

    1. 次のようにオプションおよび値を入力します。

      • 接続文字列の書式 - パラメータの値を入力するか接続文字列を使用するかを選択します
      • ホスト名 - サーバーの完全修飾名(myserver.example.comなど)
      • ポート - Oracleデータベース用のポート(デフォルトは1521)
      • サービス名 - Oracleデータベースのサービス名(orcl.example.comなど)
      • ユーザー名とパスワード - Oracleデータベース管理者の場合(デフォルトの管理者ユーザー名はsysの場合があります)
      • ロール - デフォルトのSYSDBAのままにします
    2. 「次へ」をクリックします。

  5. リポジトリ作成ユーティリティによって前提条件が確認されます。「OK」をクリックして、続行します。


    リポジトリ作成ユーティリティが前提条件をグローバルに確認します。

  6. 「コンポーネントの選択」ページで、次のようにします。


    「コンポーネントの選択」ページで、新しい接頭辞を作成するか既存の接頭辞を入力し、すべてのコンポーネントに対してスキーマを含めることを選択する

    1. ESS21Cのような、新しい接頭辞を作成します。接頭辞はデータベースで一意にする必要があります。

    2. すべてのコンポーネントに対してスキーマを作成することを選択します。Essbaseが前提条件で指示されたとおりにインストールされていない場合、Oracle EssbaseおよびEssbaseのスキーマは表示されません。

    3. 「次へ」をクリックします。

  7. 「スキーマ・パスワード」ページで、スキーマのパスワード(1つの共有パスワード)を入力します。「次へ」をクリックします。

  8. 「表領域のマップ」ページで、表領域を確認して「次へ」をクリックします。

  9. 「OK」をクリックして、リポジトリ・データベース内での新しい表領域の作成を承認します。

  10. 要約ページを確認します。オプションで「レスポンス・ファイルの保存」をクリックし、メタデータを保存して、再利用できるようします。「作成」をクリックします。

  11. リポジトリ作成ユーティリティが、リポジトリへのスキーマのロードを完了するまで待機します。

  12. 完了の要約を確認します。すべてのコンポーネントのステータスが成功の場合は「閉じる」をクリックし、それ以外の場合はすべての問題に対応します。

  13. Essbaseおよびプラットフォーム・コンポーネントのスキーマの事前作成が完了しました。これでEssbaseを構成する準備ができました。

スキーマを削除するには

Essbaseをアンインストールした後にリポジトリ(スキーマ)を削除したりEssbaseをクリーン・アップしたりする必要がある場合は、この同じユーティリティを使用します。「EssbaseのRCUスキーマの削除」を参照してください。