共有サービスおよび管理サービスでの複数のEssbase 21cサーバーの管理
ここでは、Shared ServicesおよびEssbase Administration Services (EAS Lite)で複数のEssbaseインスタンスを管理する方法について説明します。
オプションとして、サイトのEssbaseとアイデンティティ・プロバイダの構成が必要な場合は、次を実行できます。
- 1つのShared Servicesインスタンス内に複数のEssbaseサーバーを登録します
- Essbase Administration Services (EAS Lite)で、すべてのEssbaseサーバーをまとめて管理します
ノート:
次の事項は、1つのEPM Shared Servicesインスタンスで複数のEssbaseサーバーを管理できるように構成する場合にのみ当てはまります。
- この構成は、独立デプロイメントでのみサポートされます(OCIのMarketplaceデプロイメントではサポートされません)。
- Shared Services Consoleからのフィルタ割当てとLCM操作はサポートされません。
- Essbaseサーバーのアンインストール後には、EPMレジストリからEssbaseのエントリを消去する必要があります。そのようにしないと、削除したEssbaseClusterのエントリがShared Services Consoleに残ります。
重要: 開始前に、すべてのステップを確認しておいてください。単一のShared Servicesインスタンスで複数のEssbaseサーバーを構成する場合は、再構成が必要になり、パッチのロールバックはできません。
ワークフローの選択
この構成でデプロイするには、次のいずれかのワークフローを選択します。
- Essbase 21cを初めてインストールします。「Oracle Essbaseのインストール」を参照してください。
- Essbaseのサービスを停止します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。
- Essbase 21.1または21.2のベース・インストールを使用する場合は、OPatchツールを使用して、少なくとも21.2.1.0.0パッチにアップグレードします。「パッチと復元」を参照してください。21.3以降を使用している場合は、パッチを適用する必要はありません。
- 構成を実行して、複数のEssbaseサーバーをShared ServicesおよびEAS Liteに登録します(後述の手順を参照)。
- オプションで、すべてのサーバーに一元化されたSmart View URLからアクセスするようにEssbaseを設定します。複数のEssbaseサーバーへのSmart Viewからのアクセスに関する項を参照してください。
または
- Essbase 21.1または21.2のベース・インストールを使用する場合は、既存のアプリケーションをバックアップします。Essbaseのバックアップと復元を参照してください。
- バックアップに加え、再構成後に再インポートできるように、アプリケーションのLCMエクスポートを実行します。
- Essbaseのサービスを停止します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。
- Essbase 21.1または21.2のベース・インストールを使用する場合は、OPatchツールを使用して21.2.1.0.0パッチを適用します。「パッチと復元」を参照してください。21.3以降を使用している場合は、パッチを適用する必要はありません。
- 構成を実行して、複数のEssbaseサーバーをShared ServicesおよびEAS Liteに登録します(後述の手順を参照)。
- オプションで、すべてのサーバーに一元化されたSmart View URLからアクセスするようにEssbaseを設定します。複数のEssbaseサーバーへのSmart Viewからのアクセスに関する項を参照してください。
複数のEssbaseサーバーを1つのEPM Shared Servicesのインスタンスに登録するには、次のステップを実行します。
- 前述したワークフロー(選択したもの)のステップ1から4を実行します。このステップは、使用するすべてのEssbaseサーバー・インスタンスごとに繰り返します。
- 最初のEssbaseサーバー・インストールでは、
<Oracle_Home>/essbase/bin
に移動し、構成ツールconfig.sh
(またはconfig.bat
)を実行します。ツールの詳細は、Oracle Essbaseの構成を参照してください。 - 「アイデンティティ・プロバイダ」というラベルが付いた構成ページで、EPM Shared Servicesアイデンティティ・プロバイダの有効化をクリックして、EPMシステム変数EPM_ORACLE_HOMEおよびEPM_ORACLE_INSTANCEのパス位置を指定します。
-
オプションで(引き続き「アイデンティティ・プロバイダ」画面で)、Shared Servicesに登録するEssbaseサーバーの名前を指定します。名前を省略した場合、EssbaseCluster-1 (またはEssbaseCluster-n)という名前が構成によって付けられます。
- 残りの構成タスクを完了します。結果として、この構成によって、EssbaseサーバーがEssbaseCluster-1として(またはオプションで指定した名前として)Shared Servicesに登録されます。注意: これは、単一のEssbaseサーバーであり、実際にはクラスタではありません。
- 2番目のEssbaseサーバーに対して構成を実行します。このとき、最初に指示したものと同じEPMシステムの場所を指定します。結果として、この構成によって、2番目のEssbaseサーバーがEssbaseCluster-2として(またはオプションで指定した名前として)Shared Servicesに登録されます。
- その他のすべてのEssbaseサーバーに同じ方法で構成を続けます。
- LCMインポートを使用して、すべてのアプリケーションを再インポートします。
ノート
-
21.2.xまたは21.3.xを使用して複数のEssbaseインスタンスをShared Servicesに登録していて、それらの名前を変更する場合(たとえば、EssbaseCluster-1、EssbaseCluster-2などのかわりに使用するカスタム名を作成する場合)、リリース21.4にアップグレードし、
<Oracle_Home>/essbase/bin
のEssbaseデプロイメント構成ツールconfig.sh
(またはconfig.bat
)を使用して各インスタンスを再構成する必要があります。構成ツールの「アイデンティティ・プロバイダ」画面で、Shared Servicesに登録するカスタム名を選択できます。 -
既知の問題: Shared Services Consoleの「アプリケーション・グループ」で、登録解除されたEssbaseClusterのアプリケーション名をダブルクリックした場合、メッセージ
EPMLCM-13000: 「現在サービスを使用できません。」
が返されます。
複数のEssbaseサーバーを1つのEssbase Administration Services (EAS Lite)に登録するには、次のステップを実行します。
- 前述したワークフロー(選択したもの)のステップ1から3を実行します。このステップは、使用するすべてのEssbaseインスタンスごとに繰り返します。
- Essbaseサーバー・インストール環境のいずれかで、<Oracle_Home>/essbase/binに移動して構成を実行します。「Oracle Essbaseの構成」を参照してください。
- WebLogicサーバー・ポートというラベルの付いた構成ページで、EASの有効化を選択します。
- 残りの構成タスクを完了します。結果として、このEssbaseサーバーでEAS Liteが使用できるようになります。
- EAS Liteにアクセスして使用するための手順を完了します。Essbase Administration Services Liteの使用を参照してください。この構成を使用すると、その他のEssbaseサーバーを追加できない、削除できない、接続できないという制限がなくなります。
- セキュアなEssbaseポート(HTTPS)を使用している場合は、「Essbaseへの外部証明書の追加」を参照してください。
- その他のEssbaseサーバーをEAS Liteに追加する場合は、Essbaseサーバーのエンタープライズ・ビューへの追加に関する項を参照してください。
検出URLのホスト指定形式を使用する必要があります。
https://wl_managed_server_host:wl_managed_server_port/essbase/agent
要素の説明
wl_managed_server_hostは、EssbaseサーバーのWebLogic管理対象サーバー・ホスト名です。
wl_managed_server_portは、EssbaseサーバーのWebLogic管理対象サーバー・ポートです。
Essbaseサーバーのアンインストール後には、EPMレジストリからEssbaseのエントリを消去する必要があります。そのようにしないと、削除したEssbaseClusterのエントリがShared Services Consoleに残ります。
EPMレジストリをクリーニングするには、次のステップを実行します。
- <EPM_ORACLE_INSTANCE>/bin/に移動します。
- タイプがCLUSTERのコンポーネントをリストします。
./epmsys_registry.sh view CLUSTER
- 対象のEssbaseサーバー名のクラスタID (例: EssbaseCluster-1)と、その子のIDをメモします。
- 該当するIDのコンポーネントを削除します。
./epmsys_registry.sh deletecomponent \#componentID
- タイプがAPPLICATIONの子コンポーネントごとに、IDの拡張子.ESBまたは.ESBAPPを.instanceに置換することで対応するファイルを削除します。
例:
子ID: Sample_EssbaseCluster-1_1.ESBAPP
子ID: Analytic Servers:EssbaseCluster-1:1.ESB
タイプ: APPLICATION
./epmsys_registry.sh removefile SYSTEM9/ESSBASE_PRODUCT/@'Analytic Servers:EssbaseCluster-1:1.instance'
タイプ: APPLICATION
./epmsys_registry.sh removefile SYSTEM9/ESSBASE_PRODUCT/@'Sample_EssbaseCluster-1_1.instance'
- タイプがPROJECTのコンポーネントをリストします。
./epmsys_registry.sh view PROJECT
- 該当するIDのコンポーネントを削除します。
./epmsys_registry.sh deletecomponent \#componentID
- タイプがPROVIDER_SERVICES_WEB_APPのコンポーネントをリストします。
./epmsys_registry.sh view PROVIDER_SERVICES_WEB_APP
- 対象のEssbaseインスタンスとinstance_homeおよびlocalhost_nameが一致するコンポーネントのIDをメモして、そのコンポーネントを削除します。
-
Essbase Administration Services (EAS Lite)が構成されている場合は、タイプがADMIN_SERVICES_WEB_APPのコンポーネントをリストします。
./epmsys_registry.sh view ADMIN_SERVICES_WEB_APP
- 対象のEssbaseインスタンスとinstance_homeおよびlocalhost_nameが一致するコンポーネントのIDをメモして、そのコンポーネントを削除します。