Essbaseリポジトリ・データベース・スキーマのパスワードのリセット

Essbaseリポジトリ・データベース・スキーマ(RCU)のパスワードが期限切れになった場合は、Essbaseを使用する前に、そのパスワードを変更し、サービスを再起動する必要があります。

Essbaseに関する問題が期限切れのRCUパスワードによって発生しているかどうかを判断するには、

  1. <ドメイン・ホーム>/servers/<Essbase-Managed-Server-Name>/logsに移動します。

    <ドメイン・ホーム>、およびこのトピックで示されているその他のパス/場所の変数については、Essbaseプラットフォームの各環境の場所を参照してください。

    Linuxの例:

    cd <Domain Root>/essbase_domain/servers/essbase_server1/logs

    Windowsの例:

    chdir <Domain Root>\essbase_domain\servers\essbase_server1\logs
  2. ログ・ファイル<Essbase-Managed-Server-Name>.outで、Oracle Databaseのパスワードに関するエラーを確認します。

    Linuxの例:

    cat essbase_server1.out | grep password

    Windowsで、そのログ・ファイルを開き、passwordを検索します。

    次のようなエラーが見つかった場合は、期限切れのRCUパスワードを更新する必要がある可能性があります。

    Attempt to connect to OCI failed. [ORA-28002: the password will expire within 3 days

期限切れのRCUパスワードを更新するには、次のようにします。

  1. スキーマ名の接頭辞を見つけます(構成中に作成された、rcu.log内で見つけることができます)。例として、スキーマ接頭辞がABC123であるとします。

  2. Oracle SQL Developerなどのクライアント・ツールを使用して、他のユーザーのパスワードを変更する権限がある管理ユーザーとして接続し、RCUスキーマ・データベースにログインします。

  3. 次のSQL文を実行することで、RCUスキーマのロックを解除します。次の例では、サンプル・パスワードを、RCUスキーマの期限切れのパスワードと置き換えます。

    ALTER USER ABC123_MDS IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_IAU IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_IAU_APPEND IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_IAU_VIEWER IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_OPSS IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_STB IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_WLS IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_WLS_RUNTIME IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
    ALTER USER ABC123_ESSBASE IDENTIFIED BY PPAASSWW ACCOUNT UNLOCK;
  4. Essbaseサーバー・マシンにSSHを使用して、サーバー(AdminServerを含むすべてのサーバー)を停止します。

    Linuxの例:

    <Domain Home>/esstools/bin/stop.sh

    Windowsの例:

    <Domain Home>\esstools\bin\stop.cmd
  5. 実行中のJavaプロセスがある場合は、そのプロセスを停止します。Javaプロセスが実行されているかどうかを確認するには、WindowsまたはLinuxでタスク・マネージャを使用し、プロセス・リストを表示します。

    Linuxの例:

    ps -eaf | grep javaI
  6. <ドメイン・ホーム>に移動し、Javaポリシー・ストア・ファイルjps-config.xmlの場所を見つけます。

    Linuxの例:

    cd <Domain Root>/essbase_domain
    find . -name jps-config.xml

    返されるファイル・パスは次のとおりです: <ドメイン・ホーム>/config/fmwconfig/jps-config.xml

    Windowsの例:

    chdir <Domain Root>\essbase_domain
    dir "jps-config.xml" /s

    返されるファイル・パスは次のとおりです: <ドメイン・ホーム>\config\fmwconfig\jps-config.xml

  7. <ORACLE_HOME>/oracle_common/common/binにあるWebLogic Scripting Toolを実行します。

    Linuxの例:

    <ORACLE_HOME>/oracle_common/common/bin/wlst.sh

    Windowsの例:

    <ORACLE_HOME>\oracle_common\common\bin\wlst.cmd
  8. wls:/offline>プロンプトで、ブート・ストラップの資格証明を更新し、引数(Javaポリシー・ストアへのパス、OPSSスキーマ名および新しいRCUスキーマ・パスワード)を指定します。

    なお、ここに示したPPAASSW2は、新しいRCUスキーマ・パスワードの例です。

    Linuxの例:

    modifyBootStrapCredential(jpsConfigFile='<Domain Root>/essbase_domain/config/fmwconfig/jps-config.xml',username='ABC123_OPSS',password='PPAASSW2')

    Windowsの例:

    modifyBootStrapCredential(jpsConfigFile='<Domain Root>\essbase_domain\config\fmwconfig\jps-config.xml',username='ABC123_OPSS',password='PPAASSW2')

    次に示す警告が表示されますが、無視して構いません。

    WARNING: Bootstrap services are used by OPSS internally and clients should never need to directly read/write bootstrap credentials. If required, use Wlst or configuration management interfaces.
  9. Essbase管理サーバーを起動します。

    Linuxの例:

    <Domain Home>/esstools/bin/start.sh -i AdminServer

    Windowsの例:

    <Domain Home>\esstools\bin\start.cmd -i AdminServer

    サーバーの停止、開始および確認」を参照してください。

  10. WebLogic管理者として、WebLogicサーバー管理コンソール(http(s)://<hostname>:<admin server port>/console)にログインし、すべてのデータ・ソース・パスワードを新しいパスワードで更新します。すべてのスキーマに同じパスワードを使用できます。

    1. WebLogicコンソールで、「ドメイン構造」の下の、「サービス」>「データ・ソース」に移動します。


      essbase_domain >「サービス」>「データ・ソース」が展開されている、WebLogicコンソールの「ドメイン構造」セクション。

    2. 「チェンジ・センター」で、「ロックして編集」をクリックします。


      「ロックして編集」ボタンを使用可能な、WebLogicコンソールの「チェンジ・センター」セクション。

    3. 表内のデータ・ソースごとに、データ・ソース名をクリックし、「接続プール」タブをクリックし、「パスワード」フィールドと「パスワードの確認」フィールドを新しいパスワードで更新し、「保存」をクリックします。

    4. すべてのデータ・ソース・パスワードを更新し保存したら、「チェンジ・センター」で「変更のアクティブ化」をクリックします。


      「変更のアクティブ化」ボタンを使用可能な、WebLogicコンソールの「チェンジ・センター」セクション。

    5. WebLogicコンソールからログアウトします。

  11. Essbaseサーバー・マシンにSSHを使用して、<ORACLE_HOME>/oracle_common/common/binにあるWebLogicスクリプト・ツールをもう一度実行します。

    Linuxの例:

    <ORACLE_HOME>/oracle_common/common/bin/wlst.sh

    Windowsの例:

    <ORACLE_HOME>\oracle_common\common\bin\wlst.cmd
  12. wls:/offline>のプロンプトで、WLSTのconnectを使用してAdminServerにログインします。

    セキュア(TLS/SSL)モードの例:

    connect('WLuser','WLpasswd','t3s://hostname.example.com:7001')

    非TLSモードの例:

    connect('WLuser','WLpasswd','t3://hostname.example.com:7001')
  13. wls:/essbase_domain/serverConfig/>のプロンプトで、WLSTのupdateCredを使用し、新しいパスワードを指定して、Essbaseスキーマ・ユーザーABC123_ESSBASEの資格証明を更新します。

    例:

    updateCred(map='oracle.essbase',key='datasource.essbase',user='ABC123_ESSBASE',password='PPAASSW2')
  14. AdminServerへの接続を切断します。

    例:

    disconnect()
  15. WebLogic Scripting Toolを終了します。

    例:

    exit()
  16. Essbaseサーバー・マシンにSSHを使用し、すべてのEssbaseサービスを停止して再起動します。サーバーの停止、開始および確認を参照してください。

  17. Essbaseにログインできることを確認します。