TEXT

EssbaseのTEXTレポート・ライター・コマンドは、レポートの新しい行にテキストやその他の情報を挿入します。

表示するテキスト(text)と一緒に、テキストを開始する文字の位置(charPosition)を指定します。TEXTコマンドには、charPositionおよびtext引数を複数セット指定できます。

テキスト以外に、このコマンドはレポートにキーワードに基づいた特別な情報を挿入するためにも使用できます。これらのキーワードは先頭を"*"にして正確に入力する必要があります。たとえば、現在の日付と時間、ページ番号、ユーザー名やアプリケーションなどの情報を表示できます。

次のリストは、キーワードと関連する表示情報を表します。

  • APPNAME: アプリケーションの名前

  • ARBOR: バージョン情報

  • CALC: 計算行のすべてまたはその一部。オプションで、CALCキーワードに整数を含めて、表示するデータ列を指定できます。たとえば、{TEXT 25 "*CALC 2""TotSales"}と指定すると、計算済行TotSalesの列2の値が文字位置25から、列2に現在設定されている列フォーマットを使用して表示されます。

    ノート:

    名前列は許可されません。

  • COLHDR number1 number2: 現在のデフォルト見出しから列見出しメンバーが表示されます。どの列ヘッダー・メンバーの行を表示するか、および行のどのメンバーをキーワードの後に配置するかを指定できます。

    number1には列メンバーの行が選択され、number2にはその行内のメンバーが選択されます。*COLHDRまたは*COLHDRだけをnumber1に指定すると、列見出しメンバーを同じ行の別のテキストに結合できません。さらに、number1number2の両方を指定しないかぎり、テキストの位置は無視されます(ヘッダー行は、既存のデータ列の設定に自動的に揃えられます)。たとえば、*COLHDR 2とすると、データ列の通常の配置に、列見出しメンバーの2つ目の行が表示されます。*COLHDR 2 5とした場合は、列見出しメンバーの2つ目の行の5つ目の列メンバーが表示されます。このコマンドは、通常、SUPHEADINGまたはSUPCOLHEADINGと一緒に使用されます。

    number1number2の両方を使用した場合を考えます。

    TEXT 25 "*COLHDR 2 3"

    列メンバーの2つ目の行にある列見出し範囲の3つ目のメンバーが、位置25から表示されます。

    通常、対称レポートの最初のレベル以降にあるすべての列見出し行には、メンバーの同じ範囲で構成される繰返しグループがあります。

    指定されたnumber2は、繰返しメンバーの基本グループのメンバーを参照します。たとえば、Qtr1、Qtr2およびQtr3が2つ目のレベルの列見出しで繰り返される基本グループの場合、number2の値の範囲は1から3になります。このグループが2または3回繰り返されても、number2の範囲が6または9に増えることはありません。この例で、number2を3より大きくすると、計算済列ヘッダーへのアクセスを試行していると解釈されます。

    計算済列ヘッダーには、*COLHDRオプションを使用してもアクセスできます。たとえば、レポートに3つの計算済行がある場合、計算済行名の特定のレベルにアクセスするために使用するnumber2では、その見出しレベルのプライマリ列ヘッダー・グループ含まれるメンバーの数に依存します。2つ目の列見出しの行に3つのメンバー(Qtr1、Qtr2およびQtr3)が含まれていた前の例では、2つ目のレベルの計算済行見出しには、4、5または6に設定したnumber2を使用してアクセスできます(行名列が1つだけであると想定します)。繰返しになりますが、Qtr1、Qtr2およびQtr3が列見出し行で何回繰り返されるかは関係ありません。プライマリ列ヘッダー・グループの3つのメンバーしか存在しません。

    たとえば、最初の定義済計算列がYTD~PCT~TOTALの場合、2つ目のレベルのヘッダーPCTは、TEXT 10 "*COLHDR 2 4"と指定することで出力されます。ここでも、レベル2のプライマリ列見出しグループにはメンバーが3つあり、行名ディメンションが1つだけであると仮定します。列の番号付けの詳細は、ORDERを参照してください。

    ORDERコマンドは、ヘッダーを選択するパラメータには影響を与えません。number2の値は、ORDERまたはFIXCOLUMNSを使用した列の順序変更や切捨てには関係なく、列の元の順序に基づいています。

  • COLHDRFULLは、列見出しの下線と1行のスキップが含まれる、完全な列見出しです。このキーワードでは位置は無視され(ヘッダーと下線は、現在設定されているデータ列に対して自動的に調整されます)、同じ行にある他のテキストとは結合できません。

  • CURRENCYは、CURRENCYコマンドを使用してレポートの時点でデータ値がどの通貨に換算されたかを示す通貨換算ラベルです。通常SUPCURHEADINGと一緒に使用します。

  • DATAは、データ行を表示するために使用します。コマンドに列指定子が含まれない場合、文字の位置から始まるすべてのデータが表示されます。列番号が含まれている場合、その列だけが表示されます。前述の*CALCを参照してください。

  • DATEは、レポートが生成された日付です。

  • DATETIMEでは、レポートが生成された日付の後に時間が示されます。

  • DBNAMEは、アプリケーション内のデータベースの名前です。

  • EDATEは、欧州(dd/mm/yy)形式の日付です。

  • EDATETIMEでは、欧州(dd/mm/yy)形式の日付の後に時間が示されます。時間は24時間形式で、14:35:02のように時間:分:秒で表されます。

  • MACHINEは、Essbaseサーバーを実行しているコンピュータのネットワーク名です。

  • PAGEHDR number: デフォルトのページ・メンバー見出しが表示されます。numberは、キーワードに続いて表示する特定のページ・メンバーを示します。ページ・メンバーのテキストは、numberが指定されている場合のみ、同じ行にある他のテキストと結合できます。たとえば、TEXT C *PAGEHDR 2では、現在のデフォルト・ページ見出しに含まれるページ見出しメンバーの2つ目のページ・メンバーのみが表示されます。通常、SUPHEADINGまたはSUPPAGEHEADINGと一緒に使用します。

  • PAGENO: 現在のページのページ番号。

  • PAGESTRING: 先頭にPage:が付いたページ番号。

  • TIME: レポートが生成された時間。

  • TIMEDATE: レポートが生成された日付が後ろに続く時間。

  • TIMEEDATE: 欧州形式(dd/mm/yy)の日付が続く時間。

  • USERNAME: レポートを生成しているユーザーの名前。

構文

{TEXT charPosition "text " [ charPosition "text" ... ]}

パラメータ

charPosition

次のtext引数で指定されているテキストが開始される、行の中の文字の位置。charPositionとテキストのセットを複数指定できる場合、連続するcharPositionは昇順になっている必要はありません。2つのテキスト文字列の位置が重なる場合は、最後のテキストが最初のテキストを上書きします。最後のテキストはcharPositionによってではなく、TEXT文の左から右の順番によって決まります。

text

レポートに追加するテキスト。カンマ、タブおよび複数のスペースは無視されます。最大長: 500文字。

ノート

  • TEXTは出力コマンドです。

  • charPositionは、ゼロ以上の整数か、文字C(中央揃え)である必要があります。(charPositionをゼロとして指定した場合、行は左マージンで開始されます。)charPositionの値を指定する必要があります。

  • TEXTでは、textに指定したテキストは折り返されません。

  • * (アスタリスク)文字を使用して、*CALCや*TIMEのようにレポート・キーワードを追加できます。無効なキーワードの前に*が付いている場合、Essbaseではその後のテキストが表示されます。

{ STARTHEADING
TEXT   1 "Prepared by:"       
      14 "*USERNAME"        
       C "My Report"       
      65 "*PAGESTRING" 
TEXT  65 "*DATE" 
SKIP  
ENDHEADING }
<PAGE (Measures)
Sales
<ASYM
<COLUMN (Scenario, Year)
Actual Budget
Jan Feb
<ROW (Product, Market)
<ACCOFF
"100-10"
"200-10"
"East"
"300-10"
"400-10"

{ SKIP 2 "Prepared by: " 18 "*USERNAME" }
{ TEXT 2 "Server Version: " 18 "*ARBOR" }
{ TEXT 2 "Application: " 18 "*APPNAME" }
{ TEXT 2 "Database: " 18 "*DBNAME" }
!

前述のレポート・スクリプトの例では、次のレポートが生成されます:

 Prepared by: admin                 My Report                 Page: 1
                                                                 11/08/24

                                        Sales 

                                    Actual   Budget 
                                       Jan      Feb 
                                  ======== ======== 

300-10           East                  999      770 
400-10           East                  562      580 


  Server Version: Release 21.7.0 (ESB21.7.0.0.0)
  Application:    Sample
  Database:       Basic