25 AHF EXAchkコンプライアンス標準
この章では、Autonomous Health Framework (AHF)を使用したEnterprise Managerによって管理されるExadata Engineered SystemsのAHF EXAchkコンプライアンス標準について説明します。
AHF EXAchkコンプライアンス標準について
Oracle AHF EXAchkは、Exadataのソフトウェアおよびハードウェア・コンポーネントのスタックに対応した軽量で非侵入型のヘルス・チェック・フレームワークです。Enterprise Managerは、Exadata Systemのコンポーネントおよびデータベース・インスタンスごとに、全体的なヘルス・モニタリング、自動リスク識別、問題の事前通知について一連のコンプライアンス標準と関連するコントロールを提供します。
- Oracle Enterprise Manager 13リリース5更新3 (13.5.0.3)は、Exadata Engineered Systemsのために、Oracle Autonomous Health Framework (AHF) EXAchkを統合しています。
- Oracle Enterprise Manager 13リリース5更新6 (13.5.0.6)は、仮想Exadata Engineered Systemsのために、Oracle Autonomous Health Framework (AHF) EXAchkを統合しています。
- Oracle Enterprise Manager 13リリース5更新12 (13.5.0.12)は、Exadata Cloud@Customer (ExaCC)ターゲットのために、Oracle Autonomous Health Framework (AHF) EXAchkを統合しています。
AHF EXAchk標準は、すぐに使用できます。AHFの更新時には、関連するEXAchkコンプライアンス標準が対応するバージョンに自動的に更新されます。
AHF EXAchkの詳細は、Autonomous Health Frameworkを参照してください。
AHF EXAchkコンプライアンス標準の前提条件
- 監視対象のターゲットに、Autonomous Health Framework (AHF)の最新バージョンをインストールする必要があります。AHF EXAchkのインストールの詳細は、『Oracle Autonomous Health Frameworkチェックおよび診断ユーザーズ・ガイド』のOracle Autonomous Health Frameworkのインストールおよびアップグレードを参照してください。
- Enterprise Managerエージェントの最新バージョンがコンピュート・ノードにインストールされていることを確認します。
- オンプレミスExadataの場合、Enterprise Managerエージェントはバージョン13.5.0.3以降である必要があります。
- 仮想Exadataの場合、Enterprise Managerエージェントはバージョン13.5.0.6以降である必要があります。
- Exadata Cloud@Customer (ExaCC)の場合、Enterprise Managerエージェントはバージョン13.5.0.12以降である必要があります。
- 最新バージョンのEnterprise Managerがインストールされていることを確認します。
- オンプレミスExadataの場合、Enterprise Managerはバージョン13.5.0.3以降である必要があります。
- 仮想Exadataの場合、Enterprise Managerはバージョン13.5.0.6以降である必要があります。
- Exadata Cloud @Customer (ExaCC)の場合、Enterprise Managerはバージョン13.5.0.12以降である必要があります。
ノート:
AHF EXAchkコンプライアンス標準は、ORAchk HealthchecksプラグインがインストールされているEnterprise Managerデプロイメントでは機能しません。AHF EXAchkコンプライアンス標準が正しく機能するように、次の事項を確認してください。- ORAchk Healthchecksプラグインを使用するExadataのシステムやコンポーネントの関連付けを解除します。
- ORAchk Healthchecksプラグインを完全に削除します。プライグインの削除の詳細は、Oracle Enterprise Manager管理者ガイドのプラグインのアンデプロイを参照してください
Oracle Engineered SystemのOracle Exadataインフラストラクチャ
Oracle Exadata Database Machine
関連付けする場合は、「AHF EXAchk標準へのExadataコンポーネントの関連付け」の手順を実行し、Oracle Exadata Database Machineでターゲットをフィルタし、標準のOracle Engineered SystemのAHF EXAchkシステムのベスト・プラクティスを選択して「関連付け」をクリックします。関連付けると、残りの標準はリンクされているすべてのターゲットに自動的に関連付けられます。
AHF EXAchk (Exadataヘルス・チェック)標準は包括的な診断スキャンを提供し、Oracle Exadata Database Machineとそのコンポーネント内の潜在的な問題を特定して、最高のパフォーマンスおよび信頼性を確保します。システム構成、パフォーマンス・メトリックおよびベスト・プラクティスの推奨事項に関する詳細なインサイトを利用することで、AHF EXAchkは、管理者がExadata環境を積極的に管理および最適化できるようにします。
クリティカルな脆弱性を自動的に検出してレポートする機能により、AHF EXAchkは、Oracle Exadata Database Machineのセキュリティ状態を大幅に強化します。管理者は、実用的なインテリジェンスを利用して、セキュリティ上の懸念に迅速に対処し、機密データを保護して、厳格な規制基準へのコンプライアンスを維持できるようになります。
Oracle Exadata Database Infrastructure
ExaCCおよびExaCS Exadataインフラストラクチャ・システムのターゲットをOracle Engineered SystemのAHF EXAchk Exadataインフラストラクチャのベスト・プラクティスのコンプライアンス標準に関連付けることをお薦めします。この標準は、すべてのOracle Exadataインフラストラクチャ・コンポーネントとそのコンプライアンス標準を網羅しています。これによって、Exadataインフラストラクチャ内のすべてのコンポーネントをコンプライアンス管理で適切に管理します。
また、オンプレミスの物理および仮想Oracle Exadata Database Machineシステムのターゲットを、Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkシステムのベスト・プラクティスのコンプライアンス標準に関連付けることをお薦めします。この標準はエンジニアド・システム内のすべてのOracle Exadata物理および仮想システムを網羅しており、それらはコンプライアンス管理で適切に管理されます。
AHF EXAchk標準は、Oracle Exadata Cloud at Customer (EXACC)およびExadata Cloud Service (EXaCS)全体で詳細な診断および積極的なヘルス・チェックを提供し、潜在的なシステムの脆弱性およびパフォーマンスのボトルネックを事前に特定して緩和します。包括的なチェックとベスト・プラクティスを利用することで、EXACCやEXaCSなどのOracle Exadataデータベース・インフラストラクチャのシームレスな統合と最適なパフォーマンスを保証し、それにより、クラウド環境およびオンプレミス環境における信頼性、スケーラビリティ、セキュリティが向上します。
AHF EXAchkコンポーネント標準
次に、Exadataコンポーネント標準のリストを示します。
Exachk HTMLレポートには、Enterprise Manager Complianceルール・レポート違反とは異なるルール重大度値が含まれています。これらの変更を考慮すると、「エンジニアド・システム」タブは他の「コンプライアンス」タブとは動作が異なります。エンジニアド・システムでは、クリティカルな違反が1つあっても、ターゲットを非準拠として報告します。
コンポーネント/ターゲットの名前 | Exadataコンポーネント標準の名前 | 説明 |
---|---|---|
Oracle Exadata Database Machine | AHF EXAchk - Oracle Engineered Systemに関するシステムのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのシステムのベスト・プラクティス。
このコンプライアンス標準では、すべてのExadataコンポーネント間のバージョンの統一性をチェックします。
|
Oracle Exadataインフラストラクチャ | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk Exadataインフラストラクチャのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのExadataインフラストラクチャ(ExaCCおよびExaCS)のベスト・プラクティス。 |
データベース・インスタンス | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkデータベース・インスタンスのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのシングル・インスタンス・データベースのベスト・プラクティス。 |
クラスタ・データベース | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkクラスタ・データベースのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのクラスタ・データベースのベスト・プラクティス。 |
Oracleホーム | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk Oracleホームのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのOracleホームのベスト・プラクティス。 |
ホスト | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkホストのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのホストのベスト・プラクティス。 |
クラスタ | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkクラスタのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのクラスタのベスト・プラクティス。 |
クラスタASM | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk ASMクラスタのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのクラスタASMのベスト・プラクティス。 |
Oracle Exadata Storage Server | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkストレージ・サーバーのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのストレージ・サーバーのベスト・プラクティス。 |
Oracle Infinibandスイッチ | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk Infinibandスイッチのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのInfinibandスイッチのベスト・プラクティス。 |
自動ストレージ管理 | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk自動ストレージ管理のベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についての自動ストレージ管理のベスト・プラクティス。 |
Oracle高可用性サービス | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk高可用性サービスのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についての高可用性サービスのベスト・プラクティス。 |
システム・インフラストラクチャ・スイッチ/RoCE | Oracle Engineered SystemのAHF EXAchkシステム・インフラストラクチャ・スイッチのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についてのシステム・インフラストラクチャ・スイッチのベスト・プラクティス。 |
Oracle VMインスタンス |
Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk仮想サーバーのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についての仮想サーバーのベスト・プラクティス。 |
Oracle Virtual Platform |
Oracle Engineered SystemのAHF EXAchk仮想プラットフォームのベスト・プラクティス | Oracle Engineered Systemの構成チェック、全体的な状態監視、自動リスクの識別および問題の事前通知についての仮想プラットフォームのベスト・プラクティス。 |
Exachk | Enterprise Manager |
---|---|
クリティカル | クリティカル |
失敗 | 警告 |
警告 | マイナー警告 |
情報 | マイナー警告 |
ターゲットにクリティカル標準が少なくとも1つある場合、ターゲットは非コンプライアンスとしてレポートされます。
AHF EXAchk標準へのExadataコンポーネントの関連付け
- 「エンタープライズ」メニューから「コンプライアンス」を選択し、「ライブラリ」を選択します。
- 「コンプライアンス標準」タブを選択して、EXAchk標準を選択します。
- 監視するExadataコンポーネント・ターゲットを選択して、「ターゲットの関連付け」をクリックします。
- 「追加」をクリックして、監視するターゲットを選択します。ターゲットは、セレクタ・ダイアログを閉じると表内に表示されます。
- 「OK」をクリックして、アソシエーションの保存を確定します。
- デプロイメントとその後の構成収集が発生すると、次の3つの方法のいずれかでEXAchk標準の結果を表示できます:
- 「エンタープライズ」メニューからナビゲートし、「コンプライアンス」、「ダッシュボード」の順に選択します。コンプライアンス・ダッシュボードには、専用の「エンジニアド・システム」タブがあります。コンプライアンス・ダッシュボードの詳細は、『Oracle Enterprise Managerデータベース・ライフサイクル・マネージメント管理者ガイド』のコンプライアンス・ダッシュボードについてを参照してください。
- 「エンタープライズ」メニューからナビゲートし、「コンプライアンス」、「結果」の順に選択します。「コンプライアンス結果」ページで、確認するコンプライアンス標準を選択し、「詳細の表示」をクリックします。
- 各Exadataターゲットのホーム・ページ内では、コンプライアンス結果を使用できます。表示するには、「ターゲット」にナビゲートし、「システム」を選択して、表示するターゲットをクリックします。結果は「コンプライアンス・サマリー」セクションの下に表示されます。
AHF EXAchkコンプライアンス標準の既知の問題
初回または初期コンプライアンス・スコアがすべてのターゲットの100%を示す
AHF EXAchkコンプライアンス標準が正しく構成されていることを確認するには、いくつかの方法があります:- 「ターゲット」ドロップダウン・メニューに移動して、「Exadata」を選択します。使用可能なターゲットのリストで、トラブルシューティングするプライマリの「DBマシン」を見つけて、「詳細」をクリックします。プライマリ・コンピュート・ノードの「ホスト」ターゲットを見つけて選択します。「ホスト」、「構成」の順に移動して、「最新」を選択します。AHF EXAchkメタデータ構成メタデータをクリックします。これにより、ホスト・ターゲットにインストールされているAHFバージョンが示されます。このバージョンは、「コンプライアンス・ライブラリ」内のバージョン以前になっている必要があります。
- 「ターゲット」ドロップダウン・メニューに移動して、「Exadata」を選択します。使用可能なターゲットのリストで、トラブルシューティングするプライマリの「DBマシン」を見つけて、「詳細」をクリックします。プライマリ・コンピュート・ノードの「ホスト」ターゲットを見つけて選択します。「ホスト」、「構成」の順に移動して、「最新」を選択します。AHF EXAchk結果の構成をクリックして、「場所」をクリックします。
- 資格証明がないというエラーが表示された場合は、モニタリング資格証明を構成します。
- このウィンドウに示されるエラーと説明により、トラブルシューティングが容易になります。
- 結果が空白の場合は、AHF EXAchkデータが各Exadataターゲットによって24時間ごとに送信されます。このデータは、各ターゲットから到着したときに管理サーバーによって中央ストアに収集されます。コンプライアンス評価は、その時点で中央ストアにある使用可能な最新のAHF EXAchkデータを参照することで、4時間ごとに実行されます。
- AHF EXAchkコンプライアンス評価は4時間ごとに実行されます。ジョブが正常に実行されていることを確認するには、「エンタープライズ」に移動して、「ジョブ」、「アクティビティ」の順にクリックします。COMPLIANCE_RE_EVAL_EXACHKを検索して、クリックします。新しいウィンドウが開いて、どのターゲットにどの標準が関連付けられているかが表示されます。何もない場合や見つからない場合は、ターゲットを標準に再関連付けします。
オンボーディング後にEXAchkコンプライアンスが表示されない
EXAchkには、1日を通して異なるリフレッシュ間隔で実行される基礎となるジョブがいくつかあります。これにより、EXAchkコンプライアンスでExadataの遅延が発生する可能性があります。データ収集では、次のジョブを実行する必要があります:- EXAchkコンプライアンス・ツールには、特定の時間に残りのジョブ実行スケジュールとは別の独自のジョブ実行スケジュールがあります。
- EM構成拡張ジョブは、24時間のリフレッシュ間隔ごとに1回実行され、その間にEXAchkの結果が使用されます。
- EMエージェント・コンプライアンス収集ジョブは、24時間ごとに1回実行されます。このサービスは、構成拡張によって処理された結果をリポジトリに送信します。
- OMSジョブは、新しい結果を求めて4時間ごとに実行され、検出されるとEXAchkルール結果に変換されます。
図25-1 EXAchkプロセス・カレンダ
