1 コネクタの概要
コネクタにより生成されたチケットには、Enterprise Managerインシデントに関連する情報が含まれ、これにはヘルプデスク・アナリストがインシデントを解決するためのEnterprise Managerの診断および解決機能を利用できる、Enterprise Managerコンソールへのリンクが含まれています。 Enterprise Mangerでは、チケットID、チケット・ステータス、およびHP Service Managerコンソールへのリンクが、インシデントのコンテキストに表示されます。 これによりEnterprise Manager管理者にはチケット・ステータス情報と、チケットにすばやくアクセスする簡単な方法が提供されます。
次の各項では、HP Service Managerコネクタを使用する前に理解しておく必要がある様々なHP Service Managerコネクタの概念および要件について説明します。
チケットの自動発行
チケットの自動発行とは、Enterprise Managerでルールに一致した場合に、自動的にチケットを作成または更新することです。 基礎となるイベントまたはインシデント属性の変更に対してチケットをオープン/更新する必要がある一連のイベントまたはインシデント・ルールを定義できます。 たとえば、イベントの重大度を「警告」から「クリティカル」に変更すると、関連するチケットが更新されます。
関連項目:
『Oracle Enterprise Manager管理者ガイド』の「インシデント管理」の章。
チケットがオープンされた後、基礎となるイベントの重大度の変更など、インシデント属性または基礎となるイベント属性が更新されるたびに、チケットが更新されます。 Enterprise Managerでインシデントがクリアされると、チケットが更新され、オプションでHP Service Managerに移動してチケットをクローズできます。
関連項目:
チケットの手動発行
Enterprise Managerコンソールから、Enterprise Managerのオープン・インシデントに基づいて、HP Service Managerチケットを手動でオープンできます。 HP Service Managerコネクタでは、インシデントと選択されたチケット・テンプレートに基づいて、チケットに詳細が移入されます。
チケット・テンプレート
チケット・テンプレートは、HP Service Managerにリクエストを送信する前に、Enterprise Managerのインシデントをチケットの形式に変換するためのXML変換スタイルシートです。 チケット・テンプレートは、Enterprise Managerインシデントとそれに関連付けられているイベント属性を、HP Service Managerのチケット属性にマッピングする方法を指定します。
これらのテンプレートにより、Enterprise Managerインシデントの各属性をService Managerチケットのフィールドへどのように移入するかが指定されます。 つまり、チケット・テンプレートはEnterprise ManagerインシデントのフィールドからService Managerインシデントのフィールドへのマッピングに使用します。
チケットの自動発行では、ルールの設定中に、構成されているコネクタを選択し、テンプレート・リストからチケット・テンプレートを選択します。 選択されたチケット・テンプレートは、チケット発行リクエストをHP Service Managerに送信するときに使用されます。 手動チケット発行の場合は、チケット作成リクエストを発行する前に、コネクタ・インスタンスとチケット・テンプレートを選択する必要があります。
猶予期間
猶予期間を使用すると、同じイベントが再発生するために頻繁に作成されるインシデントに対し、多数のチケットが作成されることを防止できます。
繰り返し発生するインシデントについて猶予期間を設定すると、その期間中は、同じインシデントが再発生しても新しいチケットはオープンされず、そのインシデントに対応する既存のチケットが更新(または再オープン)されていきます。
たとえば、インシデントがトリガーされ、対応するチケットがオープンされたとします。 猶予期間が1時間で、インシデントが午前10時にクリアされた場合、午前11時(猶予期間である1時間の経過後)より前であれば、同じインシデントが再トリガーされても新しいチケットは作成されず、そのインシデントに対して最初に作成されたチケットが更新または再オープンされます。
再試行
コネクタ構成ページの「再試行」セクションでは、失敗したチケット発行リクエストを構成可能な有効期限内に再試行する必要があるかどうかを指定できます。
「再試行」オプションを有効化すると、リクエストが初めて失敗した場合にチケット発行リクエストを再送信するかどうか、およびその期間の経過後に再試行を中止する期間を指定できるようになります。 Enterprise Managerでは、リクエストが成功するか、再試行間隔が経過するまで、2分ごとに再試行します。
サポートされるバージョン
このコネクタでは、次のバージョンのOracle Enterprise ManagerおよびHP Service Managerがサポートされています。
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Oracle Enterprise Manager Cloud Control 12c リリース12.1.0.2.0以上のバージョン
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HP Service Manager 9.x
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Microfocus Service Manager 9.7 Codeless
前提条件
HP Service Managerコネクタを使用する前に、次の前提条件が満たされていることを確認してください。
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Service Manager 9サービス層がインストールされ、構成されています。
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Service Manager 9コンソールがインストールされ、構成されています。 URLコネクタ・フレームワーク・オプションが選択されている場合は、Service Manager Webコンソールをインストールして構成する必要があります。 中間層をインストールするには、HP Service Manager 9 Web層のインストレーション・ガイドを参照してください。 Webコンソールを構成するには、HP Service Manager Webコンソールの構成を参照してください。