3 コネクタの構成
コネクタの有効化または無効化
「管理コネクタ」ページから、コネクタを選択し、「有効化」または「無効化」のいずれかをクリックすることで、コネクタを有効または無効にできます。 コネクタが無効化されると、ステータス列の下に赤い十字アイコンが表示されます。 デフォルトでは、コネクタ・インスタンスは構成されるとすぐに有効になります。
ノート:
チケット発行操作には、有効なコネクタのみを使用できます。
一般設定の指定
次の各項では、様々な構成項目の指定方法について説明します。
接続設定
HP Service Managerコネクタは、Service Manager Web層を介して提供されるWebサービスを使用してService Managerサーバーと通信します。 すべてのフィールドが必須です。
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Webサービス・エンドポイント - createTicket、updateTicketおよびgetTicket操作に対してコールするWebサービス・エンドポイントのURL。Service Manager WebサービスURLの形式は、次のとおりです。
http://[Hostname]:13080/sc62server/ws
ほとんどの場合は、[Hostname]をWeb層が配置されているサーバーのホスト名またはIPアドレスに置き換えることのみが必要になります。 ポート番号はデフォルトで13080に設定されるため、Web層で使用されるポートを変更した場合にのみ、ポート番号を変更する必要があります。 それ以外に変更が必要になる可能性があるのは、プロトコルのみです。 SSLを使用する場合は、プロトコルをhttpからhttpsに変更する必要があります。
ノート:
SSLを使用してEnterprise ManagerとService Managerの間の通信を暗号化する場合は、HTTPS用SSLの有効化のEnterprise Managerへのアダプタ証明書のインポートを参照してください。
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Service Managerのユーザー名 - HP Service Manager WebサービスでサポートされているHTTP Basic認証用のユーザー名を指定します。 このユーザー名は、HP Service Managerでのチケットの作成、更新および問合せを実行するための適切な権限/ロールを持っている必要があります。 コネクタを介して作成されたすべてのチケットが、このユーザー・アカウントで生成されます。
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Service Managerのパスワード - Service Managerのユーザー名フィールドで指定されたユーザーに関連付けられているパスワードを指定します。
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チケット番号 - 構成内容の保存時に接続をテストするために、有効なチケット番号を入力します。
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正しいWebサービス・エンドポイントを指定し、有効なチケット番号を入力した場合、「OK」をクリックすると「管理コネクタ」ページに次のメッセージが表示されます。
接続テストは成功しました。 構成は保存されました。
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以前にコネクタ構成を保存しておらず、間違ったWebサービス・エンドポイントまたは無効なチケット番号を入力した場合は、「OK」をクリックすると「管理コネクタ」ページに次のメッセージが表示されます。
接続テストに失敗しました。 構成は保存されました。
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以前にコネクタ構成を保存しており、間違ったWebサービス・エンドポイントまたは無効なチケット番号を入力した場合は、「OK」をクリックすると「管理コネクタ」ページに次のメッセージが表示されます。
接続テストに失敗しました。 構成は保存されませんでした。
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Webコンソールの設定
コネクタによって、インシデントのコンテキスト内でEnterprise Managerによって作成されたHP Service Managerチケットへのリンクが提供されるようにするには、Webコンソールの設定が必要です。 この機能を使用するには、HP Service Managerでの構成変更が必要になります。 詳細は、HP Service Manager Webコンソールの構成を参照してください。
この機能を有効にするには、次のWebコンソールの設定を指定します。
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Webコンソールの有効化 - このボックスを選択すると、Enterprise Managerからコンテキスト内でHP Service Managerのチケット・ページを起動できるようになります。
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Webサーバー - コネクタがHP Service Managerでインシデントにアクセスする際に、Web層に接続するために使用するWebサーバー情報を指定します。 次の形式を使用して値を設定します。
<hostname>:<port>/<tier>
ここで、<hostname>はWeb層サーバー・マシンのホスト名またはIPアドレス、<port>はWeb層がサポートするように構成されているポート、<tier>はWebサービス層の名前です。 ポートのデフォルト値は8080で、Web層のデフォルト名はsm7です。
フィールドのサンプル値は、次のとおりです。
10.2.1.110:8080/sm7
猶予期間
管理者は、猶予期間の有効と無効を切り替えたり、その値を構成したりできます。 デフォルトでは、猶予期間は無効になっています。 詳細は、猶予期間を参照してください。 この設定は、HP Service Managerコネクタによって処理されるすべてのインシデントに適用されます。
再試行
「再試行」オプションを有効化および無効化し、その間隔値を構成できます。 デフォルトでは、「再試行」は無効になっています。 詳細は、再試行を参照してください。 この設定は、HP Service Managerコネクタによって処理されるすべてのインシデントに適用されます。
チケット・テンプレートの使用
Enterprise Managerでコネクタ・インスタンスが作成されると、関連付けられたテンプレートすべてをチケットの作成または更新操作に使用できるようになります。 自動チケット発行の場合は、インシデント・ルールの作成時に選択されたチケット・テンプレートに基づいて通知メソッドが作成されます。 手動チケット発行の場合は、図3-3に示すように、Enterprise Managerコンソールからチケットを作成するときにチケット・テンプレートを選択します。
図3-3 条件付きアクションの追加

HP Service Managerコネクタごとに2つのデフォルト・テンプレートがあります。 HP Service Manager 9コネクタのデフォルト・テンプレートは次のとおりです。
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ServiceManager_9_Default_Incident_AutoClose.xsl
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ServiceManager_9_Default_Incident.xsl
ヒント:
これらのテンプレートの詳細は、あらかじめ用意されているHP Service Managerテンプレートを参照してください。
チケット・テンプレートの追加
カスタム・テンプレートを作成する場合、チケット・テンプレートがEnterprise Managerで認識されるためには、その前にチケット・テンプレートを追加する必要があります。 新しいカスタム・テンプレートごとに、emctlに対する実行権限およびチケット・テンプレートの読取り権限を持つユーザーとして、次のemctl register_template connectorコマンドを実行します。
$ORACLE_HOME/bin/emctl register_template connector -t <template.xsl> -repos_pwd <reposPassword> -cname <connectorName> -iname <internalName> -tname <templateName> -ttype 2 [-d <description>]
各要素の意味は次のとおりです。
<template.xsl>は、テンプレート・ファイルのフルパス名です。
<reposPassword>は、Enterprise Managerのルート(SYSMAN)のパスワードです。
<connectorName>は、コネクタ・インスタンスの作成のステップ3でインストールされたコネクタ・インスタンスの名前です。
<internalName>は、テンプレートに使用する内部名です。
<templateName>は、テンプレートに表示される名前です。
<description>は、テンプレートの説明です。
たとえば、次のコマンドでは、HP Service Manager 9コネクタ・インスタンスを使用して、コネクタ・インスタンスの新しいアウトバウンド・テンプレート(newTemplate.xsl)を追加します。
emctl register_template connector -t /home/oracle/custom_templates/template.xml -repos_pwd sysmanpass -cname "HPSM 9" -iname "newTemplate" -tname "New Template" -ttype 2 -d "Demo template"
テンプレート・コードの表示
テンプレート・コードを表示するには、次の手順を実行します。
- コネクタ・インスタンスを選択し、「管理コネクタの構成」ページに移動します。
- 「テンプレート」タブを選択します。
- テンプレート名をクリックするか、「表示」をクリックしてテンプレートのXSLTコードを表示します。
チケット・テンプレートはXSLT形式です。 コードを理解するには、XSLTの基礎知識が必要です。
テンプレートの削除
テンプレートを削除するには、次の手順を実行します。
- コネクタ・インスタンスを選択し、「管理コネクタの構成」ページに移動します。
- 「テンプレート」タブを選択します。
- テンプレートを選択し、「削除」をクリックします。
- 「はい」をクリックして、削除操作を確定します。
ノート:
削除するテンプレートにインシデント・ルールが関連付けられている場合は、削除後、この特定のインシデント・ルールに対するチケット発行が機能しなくなります。
テンプレートの編集
ノート:
テンプレートの編集機能は、Oracle Enterprise Managerリリース12.1.0.2以降で使用できます。
- コネクタ・インスタンスを選択し、「管理コネクタの構成」ページに移動します。
- 「テンプレート」タブを選択します。
- テンプレートを選択し、「編集」をクリックします。
- 必要に応じて「説明」および「テンプレート・コンテンツ」フィールドを編集し、「保存」をクリックします。
チケット・テンプレートが自動的に登録されます。 登録されたテンプレートを保存すると、リポジトリ内でこのテンプレートが更新されます。
テンプレートのリストア
テンプレートを編集またはカスタマイズした後で、必要に応じて次のステップを実行し、以前のデフォルト・コンテンツにリストアできます。
ノート:
リストア機能は、Oracle Enterprise Managerリリース12.1.0.2以降で使用できます。
編集またはカスタマイズした、あらかじめ用意されているテンプレートをデフォルト値にリストアできます。 (emctl register_templateコマンドを使用して)作成した新規テンプレートはリストアできません。
- コネクタ・インスタンスを選択し、「管理コネクタの構成」ページに移動します。
- 「テンプレート」タブを選択します。
- テンプレートを選択し、「リストア」をクリックします。
- リストアするには、表示される確認ページで「はい」をクリックします。
HP Service Manager Webコンソールの構成
Webコンソールでは、HP Service Managerの代替ビューが提供されます。 HP Service Managerクライアント(スタンドアロン・アプリケーション)またはWebアプリケーションのいずれかを使用して、インシデントを管理できます。 これらのいずれの方法でも、コネクタ統合が可能です。
Enterprise Manager内にHP Service Managerチケットへのリンクを作成する場合は、HP Service Managerでの構成変更が必要になります。
HP Service Manager Webコンソールを構成するには:
ヒント:
詳細は、Service Managerクライアントのヘルプ・コンテンツで「Generating Web Tier URL Queries」の項を参照してください。
ノート:
生成されるチケットURLには、URL文字列に含める必要がある、チケットIDなどのパラメータが必要です。 これには、URLセキュリティがオフになっている必要があります。 場合によっては、セキュリティ・チームが、チケットURLを使用してEnterprise Managerから直接HP Service Managerチケットにアクセスする必要性をリスクが上回っていないかを評価する必要があります。 URLを使用してチケットにアクセスする場合でも、HP Service Managerではユーザー認証が必要です。
Enterprise ManagerとHP Service Managerの間のナビゲート
コネクタの構成後、Enterprise ManagerおよびHP Service Managerコンソールからインシデントにアクセスします。 次の各項では、各コンソール間の切替え方法について説明します。
Enterprise ManagerからHP Service Managerへのナビゲート
Enterprise ManagerからHP Service Managerにナビゲートするには:
ノート:
HP Service Manager Webコンソールを使用していない場合は、Webコンソールの設定で説明されている「Webコンソール機能の有効化」オプションの選択を解除して、チケットIDがプレーン・テキストで表示されるようにします。 そうしない場合、これは機能しないリンクとして表示されます。
図3-5 インシデントの詳細
