1 TimesTenインスタンスの構成ファイル

TimesTenインスタンスの構成ファイルには、TimesTenインスタンスの構成属性とその値が含まれています。timesten.confファイルは、timesten_home/conf/timesten.confにあります。構成ファイルの各行は、1つname=valueペアで構成されています。

次の表に、すべてのTimesTen構成属性、説明、デフォルト値およびデータ型を示します。

一部の構成属性には、対応する接続属性があります。それらについては、データベースDSN定義で接続属性を設定するとサーバーtimesten.confファイルの構成属性の設定をオーバーライドできます。同様に、クライアントtimesten.confファイルの構成属性の設定は、クライアントDSN定義または接続文字列で接続属性を設定することでオーバーライドできます。

名前 説明 値またはデータ型

admin_uid

必須

インスタンス管理者のOS uid番号。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、変更できません。

デフォルト: なし

整数

admin_user

必須

インスタンス・ホーム・ディレクトリのOS所有者と一致するインスタンス管理者のOSユーザー名。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、変更できません。

デフォルト: なし

文字列

allow_network_files

オプション

NFSマウントされたシステムでのデータ・アクセスが許可されているかどうかを示します。

Linux x86およびSolarisの場合は、NFSマウントされたシステム上のチェックポイントおよびトランザクション・ログ・ファイルにアクセスできます。

TimesTenは、Linux x86およびSolaris以外のプラットフォームではこの属性を無視します。

  • 1は、TimesTenシステムがNFSマウントされたシステム間でデータにアクセスできることを示します。

  • 0は、TimesTenシステムがNFSマウントされたシステム間でデータにアクセスできないことを示します。

デフォルト: 0

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』「NFSでマウントされたシステムをチェックポイント・ファイルおよびトランザクション・ログ・ファイル用に使用」を参照してください。

1または0

client_cipher_suitesおよびserver_cipher_suites

オプション

Transport Layer Securityに使用できる暗号スイートをリストします。

クライアント/サーバー接続にTLSを使用するには、クライアントのtimesten.confファイルでclient_cipher_suitesを設定し、サーバーのtimesten.confファイルでserver_cipher_suitesを設定します。

デフォルト: なし

server_cipher_suitesは、次の方法で設定することもできます:
  • TimesTen Classicの場合は、ttInstanceCreateコマンドの-serverCipherSuitesオプション。
  • TimesTen Scaleoutの場合は、ttGridAdmin gridCreateコマンドの-serverCipherSuitesオプション。

ノート:

TimesTen Classicの場合は、client_cipher_suitesserver_cipher_suitesの設定に、CipherSuites接続属性を使用することもできます。

TLSを使用するには、サーバーおよびクライアント設定に1つ以上の共通スイートが含まれている必要があります。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。

文字列

client_only

オプション

インスタンスがクライアント専用かどうかを示します。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、変更できません。

デフォルト: No

YesまたはNo

client_walletおよび server_wallet

オプション

ウォレット・ディレクトリ(生成された証明書が存在するディレクトリ)への完全修飾パスを指定します。

デフォルト: なし

詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。

パス名

daemon_log_snippet_interval_in_mins

オプション

クリティカル・イベントに対するデーモン・ログ収集の期間。期間の粒度は分単位です。最小値は1分です。

デフォルト: 10

整数

daemon_port

必須

このインスタンスのTimesTenデーモンがリスニングする、有効なTCPポート番号。

クライアントのみのインスタンスの場合、TimesTenはこの属性を無視します。

デフォルト: 6624

数値

db_fips_140

オプション

TimesTenプロセス間の対称暗号化にFIPS 140-2モードを有効にするかどうかを指定します。指定すると、暗号化の提供に使用できるFIPS検証済バージョンの暗号化ライブラリが使用されます。

  • 1 (FIPS)は、対称暗号化にFIPS 140-2モードが有効になっていることを示します。

  • 0 (非FIPS)は、対称暗号化にFIPS 140-2モードが無効になっていることを示します。

ノート

  • FIPSモードを指定したときに、ライブラリが存在しないと、デーモンは起動されません。
  • db_fips_140の値は、各プロセスの開始時に読み取られます。
  • デーモンの実行中に値を変更した場合、その変更はデーモンの再起動まで有効になりません。
  • デーモンの実行中に値を変更した場合、その変更は変更後に開始された新しいプロセスに影響します(たとえば、ttIsql操作の実行)。

デフォルト: 0

1または0

enable_policy_inactive

オプション

1は、失敗が多すぎてデータベースを自動的にロードできない場合には、TimesTenがデータベースを「policy inactive」モードにすることを示します。これはデフォルトです。

0は、RAMポリシーがAlwaysManualInUseのいずれかであることを示します。

デフォルト: 1

詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』「RAMポリシーの指定」を参照してください。

1または0

enableipv6

オプション

IPv6をサポートするかどうかを示します。1はサポートされることを意味し、0はサポートされないことを意味します。

デフォルト: 1

1または0

facility

オプション

デーモン・ログがsyslogに送信される場合、使用する機能。

nameに指定できる値は、authcrondaemonlocal0-local7lprmailnewsuserまたはuucpです。

デフォルト: なし

文字列

group_name

必須

インスタンス管理者のプライマリ・グループ名。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、変更できません。

デフォルト: なし

文字列

hostname

必須

インスタンスのOSホスト名。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、変更できません。

デフォルト: なし

文字列

instance_guid

必須

グローバルに一意のIDで、他のどのインスタンスのIDとも異なることが保証されます。

このIDは、インスタンスの作成中に、TimesTenによって追加されます。

デフォルト: なし

文字列

instance_name

必須

TimesTenインスタンスの名前。1から255文字のASCII名。

クライアントのみのインスタンスの場合、この属性はオプションです。

デフォルト: instance1

文字列

listen_addrおよび

listen_6_addr

オプション

listen_addrは、TimesTenデーモンおよびサーバーがリスニングするIPv4アドレスを示します。

listen_6_addrは、TimesTenデーモンおよびサーバーがリスニングするIPv6アドレスを示します。

デフォルトでは、TimesTenはIPv6をサポートしています。

デフォルト: なし

文字列

max_conns_per_server

オプション

TimesTenサーバーのクライアント/サーバー接続の最大数。

これは、MaxConnsPerServer接続属性で設定することもできます。

デフォルト: 1

整数

max_subs

オプション

TimesTenが生成するサブデーモンの最大数。

TimesTenメイン・デーモンは、必要に応じてサブデーモンを動的に生成します。

デフォルト: 50

整数

max_support_log_files

オプション

TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。

この属性では、保持するデーモン・ログ・ファイルの最大数を指定します。

デフォルト: 10

整数

max_support_log_size_mb

オプション

TimesTenデーモンのログ・ファイルの最大サイズ(MB単位)。

デフォルト: 100 MB

整数

max_user_log_files

オプション

TimesTenメイン・デーモンは、指定されたサイズに達すると自動的にファイルを入れ替えます。

この属性では、保持するユーザー・ログ・ファイルの最大数を指定します。

デフォルト: 10

整数

max_user_log_size_mb

オプション

TimesTenデーモンのユーザー・ログ・ファイルの最大サイズ(MB単位)。

デフォルト: 10 MB

整数

min_subs

オプション

TimesTenが生成するサブデーモンの最小数。

TimesTenメイン・デーモンは、必要に応じてサブデーモンを動的に生成します。

デフォルト: 4

整数

noserverlog

オプション

クライアント・アプリケーションとの間の接続と切断のロギングをオンまたはオフにします。

1は、ロギングがオンであることを示します。

0は、ロギングがオフであることを示します。

デフォルト: 1

1または0

openssl_path

オプション

OpenSSLライブラリが存在する完全修飾ディレクトリ・パスを指定します。

この属性に値を指定しない場合、TimesTenは、デフォルトで使用されるOpenSSLライブラリ(存在する場合)を使用します。

デフォルト: なし

文字列

replication_cipher_suite

オプション

レプリケーション・エージェントとの間の通信の暗号化に使用される暗号スイート。この設定は、レプリケーションにTLSを使用している場合に必要です。

レプリケーションのTLS属性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』「TimesTenレプリケーション用のTransport Layer Security」を参照してください。

デフォルト: なし

文字列

replication_ssl_mandatory

オプション

TimesTenインスタンス間で一貫性のあるTLS構成を持つ必要があるかどうか(具体的には、replication_cipher_suiteおよびreplication_wallet設定によりTLSが構成されているかどうか、および指定されている暗号スイート)を指定します。現在のインスタンスとレプリケーションピア間に不一致があると、TimesTenの動作は次のように決定されます。:

  • 1は、すべてのインスタンスで設定が同じでないかぎり、レプリケーションを続行できないことを示します。

  • 0は、レプリケーション・エージェント間の通信にTLSが使用されないことを示します。

デフォルト: 1

1または0

replication_wallet

オプション

ウォレット・ディレクトリ(生成した証明書を配置したディレクトリ)へのパスを指定します。この設定は、レプリケーションにTLSを使用している場合に必要です。どのTimesTenインスタンスにも同じ場所とディレクトリ名を使用することをお薦めします。

デフォルト: なし

パス名

server_encryption

オプション

これは暗号化フラグです。有効な値は、次のとおりです:

  • accepted: 必要に応じて、またはクライアントからのリクエストに応じて、暗号化されたセッションを有効にします。それ以外の場合は暗号化されていないセッションを使用します(デフォルト)。

  • rejected: 暗号化されていないセッションを要求します。(サーバーが暗号化をサポートしていない場合、TimesTenは、これがサーバー上の設定であるかのように動作します。)クライアントが暗号化を必要とする場合、接続は拒否されます。

  • requested: クライアントで許可されている場合は暗号化されたセッションをリクエストします(クライアントでrejected以外の設定が使用されている場合)。それ以外の場合は暗号化されていないセッションを使用します。

  • required: 暗号化されたセッションを要求します。クライアントが暗号化を拒否している場合、接続を拒否します。

デフォルト: Accepted

server_encryptionは、次の方法で設定することもできます:
  • TimesTen Classicの場合は、ttInstanceCreateコマンドの-serverEncryptionオプション。
  • TimesTen Classicの場合は、Encryption接続属性。
  • TimesTen Scaleoutの場合は、ttGridAdmin gridCreateコマンドの-serverEncryptionオプション。

ノート:

Transport Layer Securityを使用するには、サーバーとクライアントの設定に互換性があることが必要です。設定の互換性の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイド』「TimesTen Client/Server用のTransport Layer Security」を参照してください。

文字列

server_pool

オプション

TimesTenサーバーが事前に生成して予約プールに保持するプロセスの数。

指定しない場合、プロセスは事前に生成されません。

デフォルト: なし

整数

server_port

オプション

このインスタンスでサーバーを実行する場合は、このインスタンスでTimesTenサーバーがリスニングする有効なTCPポート番号。

デフォルト: 6625

数値

servers_per_dsn

オプション

クライアント/サーバー実装のためのDSNごとのサーバーの数。

この値は、サーバーDSNのServersPerDSN属性で設定され、変更可能です。

デフォルト: 1

整数

server_stack_size

オプション

クライアント/サーバーのスタック・サイズ(KB単位)。

これは、ServerStackSize接続属性で設定することもできます。

デフォルト: 768 KB

整数

show_date

オプション

すべてのデーモン・ログとユーザー・ログのエントリに日付を付加するかどうかを示します。

1は、ユーザー・ログ・ファイルおよびデーモン・ログ・ファイルのすべてのレコードに日付を付加することを示します。

0は、ユーザー・ログ・ファイルおよびデーモン・ログ・ファイルのすべてのレコードに日付を付加しないことを示します。

デフォルト: 1

1または0

snmp_conf_path

オプション

snmp.confファイルとsnmp.local.confファイルが存在する可能性のある、コロンで区切られた完全修飾ディレクトリ・パスをリストします。

デフォルト: なし

パス名

snmp_trap

オプション

snmptrapユーティリティが存在する完全修飾ディレクトリ・パスを指定します。

この属性に値を指定しない場合、TimesTenはSNMPトラップの生成を試行しません。

デフォルト: なし

パス名

snmp_trap_dests

オプション

SNMPトラップの宛先をスペースで区切ってリストします。

各宛先には、トランスポート指定子とトランスポート・アドレスが含まれている必要があります。トランスポート指定子またはポート番号が指定されていない場合、snmptrapはデフォルトudpおよび161をそれぞれ使用します。

宛先は、次のように指定できます。

  • [udp:]hostname[:port]または

    [udp:]IPv4-address[:port]

  • udp6:hostname[:port]

    udp6:IPv6-address:portまたは

    upd6:'['IPv6-address']'[:port]

  • dtlsudp:hostname[:port]または

    dtlsudp:IPv4-address[:port]

  • tcp:hostname[:port]または

    tcp:IPv4-address[:port]

  • tcp6:hostname[:port]

    tcp6:IPv6-address:portまたは

    tcp6:'['IPv6-address']'[:port]

  • tlstcp:hostname[:port]または

    tlstcp:IPv4-address[:port]

  • unix:pathname

デフォルト: なし

文字列

snmp_trap_opts

オプション

snmptrapユーティリティに渡されるオプションをリストします。

snmptrapユーティリティでサポートされるオプションの詳細は、snmpcmdおよびsnmptrapのマニュアル・ページを参照してください。

デフォルト: なし

文字列

snmp_version

オプション

使用するSNMPバージョンを指定します。

デフォルト: 3

12または3

ssl_client_authentication

オプション

TLSクライアント認証が必要か(設定1)不要か(設定0)を指定します。

デフォルト: 0

クライアント認証を使用する場合、サーバーはクライアントから提示されたアイデンティティを検証し、クライアント・ウォレット内のアイデンティティ(公開キーまたは秘密キー)を要求します。クライアント認証の設定にかかわらず、サーバー認証が実行され、クライアントがサーバーを検証します。詳細は、Oracle TimesTen In-Memory Databaseセキュリティ・ガイドTimesTen Client/ServerのTransport Layer Securityに関する項を参照してください。

1または0

ssl_fips_140

オプション

クライアント/サーバー接続とレプリケーション接続の両方にFIPS 140-2モードの暗号化を有効にするかどうかを指定します。指定すると、暗号化の提供に使用できるFIPS検証済バージョンの暗号化ライブラリが使用されます。

  • 1は、クライアント/サーバーとレプリケーションの接続にFIPS 140-2モードの暗号化が有効になっていることを示します。

  • 0は、クライアント/サーバーとレプリケーションの接続にFIPS 140-2モードの暗号化が無効になっていることを示します。

ノート

  • FIPS 140-2モードの暗号化を使用するには、その接続のクライアント側とサーバー側の両方で暗号化を有効にする必要があります。
  • 接続の両端で暗号化または暗号化解除を実施する必要があります。ただし、単一のデータベースへのクライアント/サーバー接続に暗号化された接続と暗号化されていない接続を混在させることができます。
  • TimesTen Scaleoutでは、クライアント/サーバー接続のFIPS 140-2モード暗号化はサポートされていません。

デフォルト: 0

1または0

supportlog

オプション

TimesTenデーモン・ログ・ファイルの場所。

デフォルト: timesten_home/diag/ttmesg.log

文字列

timesten_release

オプション

インスタンス・ホームを作成して、インスタンス・ホームを使用できるTimesTenリリースの番号。

デフォルト: インストールされたTimesTenのリリース番号

数値

tns_admin

オプション

TimesTenキャッシュ環境で、TimesTenがOracleデータベースと通信できるようにするTNS_ADMIN設定を含むディレクトリ。

この属性はTimesTenキャッシュ環境でのみ必須です。

このエントリはttInstanceCreateユーティリティによって追加され、ttInstanceModifyユーティリティを使用して変更できます。

デフォルト: なし

パス名

userlog

オプション

TimesTenデーモンのユーザー・ログ・ファイルの場所。

デフォルト: timesten_home/diag/tterrors.log

文字列

TimesTen Classicでは、これらの値は、インスタンスを作成するときに、様々なTimesTenユーティリティまたは接続属性を使用して、またはこのファイルを編集することによって変更できます。このファイルを編集して値を変更する方法の詳細は、『Oracle TimesTen In-Memory Databaseオペレーション・ガイド』「TimesTenデーモンの処理」を参照してください。

TimesTen Scaleoutでこのファイルの値を変更するには、ttGridAdmin instanceConfigImportコマンドを使用します。詳細は、「インスタンス構成属性のインポート(instanceConfigImport)」を参照してください。構成ファイルを手動で編集しないでください。