12.2.1 RPMインストールの使用

ダウンロードしたRPMファイルを実行して、Oracle Graph Serverをインストールできます。

12.2.1.1 Oracle Graph Serverのインストールの前提条件

Oracle Graph Serverをインストールするには、システムが特定の前提条件を満たしている必要があります。

Oracle Graph Serverをインストールするための前提条件は次のとおりです。
  • 次のシステム要件を満たしていることを確認してください。
    • Oracle Linux 7または8 x64、あるいはRedHatなどの同様のLinuxディストリビューション

      ノート:

      Oracle Linux 8で機械学習アルゴリズムを実行する(「グラフ用の機械学習ライブラリ(PgxML)の使用」)には、システムにcompat-libgfortran-48を追加でインストールする必要があります:

      sudo yum install compat-libgfortran-48

    • Oracle JDK 8、JDK 11またはJDK 17

      ノート:

      • Open JDKに不具合があるため、次のOracle JDKバージョンは使用しないようにすることをお薦めします。
        • JDK 11.0.9
        • JDK 11.0.10
        • JDK 11.0.11
        • JDK 11.0.12

        詳細は、このノートを参照してください。

      • PGXアルゴリズムAPIを使用したカスタム・グラフ・アルゴリズムのコンパイルは、Oracle JDK 17ではサポートされていません。
  • 次のコマンドを実行して、グラフ・サーバーのインストール済バージョンがすでにあるかどうかを確認します。
    sudo rpm -q oracle-graph
    [sudo] password for oracle: 
    oracle-graph-23.1.0-0.x86_64

    インストールがすでに存在する場合は、グラフ・サーバーのインストールでエラーがスローされる可能性があります。その場合は、「Oracle Graph Serverのアップグレード」を参照して、新しいバージョンにアップグレードします。

12.2.1.2 Oracle Graph Serverのインストール

Oracle Graph Serverをスタンドアロン・モードでインストールする場合のインストール・ステップは、次のとおりです。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、RPMコマンドライン・ユーティリティを使用してRPMファイルをインストールします。
    sudo rpm -i oracle-graph-<version>.rpm

    <version>は、ダウンロードしたバージョンを表します。(たとえば: oracle-graph-23.1.0.x86_64.rpm)

    .rpmファイルはグラフ・サーバーです。

    RPMファイルのインストール時には、次のインストール後のステップが実行されます。
  2. rootとして、またはsudoを使用して、サーバー・インストールの使用を許可されているオペレーティング・システム・ユーザーをオペレーティング・システム・グループoraclegraphに追加します。たとえば:
    usermod -a -G oraclegraph <graphuser>
    これによって、指定されたグラフ・ユーザーがグループoraclegraphに追加されます。

    この処理を有効にするには、<graphuser>がログアウトしてから再度ログインする必要があることに注意してください。

  3. <graphuser>として、データベース認証のためのグラフ・サーバーの準備のステップに従って/etc/oracle/graph下のファイルを変更し、サーバーを構成します。
  4. ユーザーの認証および認可の説明に従って、グラフ・サーバーに接続するデータベース・ユーザーに対して認証が有効になっていることを確認します。
  5. rootユーザーとして、またはsudoを使用して、次のコマンドを実行することによりグラフ・サーバー(PGX)を起動します。
    sudo systemctl start pgx
次のコマンドを実行すると、グラフ・サーバーが起動したかどうかを確認できます。
systemctl status pgx
  • グラフ・サーバーが正常に起動した場合、レスポンスは次のように表示されます。
    ● pgx.service - Oracle Graph In-Memory Server
       Loaded: loaded (/etc/systemd/system/pgx.service; disabled; vendor preset: disabled)
       Active: active (running) since Wed 2021-01-27 10:06:06 EST; 33s ago
     Main PID: 32127 (bash)
       CGroup: /system.slice/pgx.service
               ├─32127 /bin/bash start-server
               └─32176 java -Dlogback.configurationFile=/etc/oracle/graph/logback-server.xml -Doracle.jdbc.fanEnabled=false -cp /opt/oracle/graph/pgx/bin/../../pgx/server/lib/jackson-databind...

    これで、グラフ・サーバーでリクエストを受け入れる準備が整いました。

  • グラフ・サーバーが起動していない場合は、/var/log/oracle/graphにあるログ・ファイルでエラーを確認する必要があります。さらに、次のコマンドを実行して、systemdエラーを表示することもできます。
    sudo journalctl -u pgx.service 

特定のユースケースでは、次のような追加のインストール操作が必要になります。

Oracle WebLogic ServerまたはApache Tomcatでグラフ・サーバーをデプロイする手順は、次を参照してください。

ロード・バランサの背後にグラフ・サーバーをデプロイすることもできます。詳細は、ロード・バランサの背後でのOracle Graph Serverのデプロイを参照してください。

12.2.1.3 Oracle Graph Serverのアンインストール

グラフ・サーバーをアンインストールするには、まず既存のグラフ・サーバー・バージョンを必ず停止します。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して次のコマンドを実行します。
    sudo rpm -e oracle-graph

12.2.1.4 Oracle Graph Serverのアップグレード

グラフ・サーバーをアップグレードするには、まず既存のグラフ・サーバー・バージョンを必ず停止します。その後、新しいRPMファイルを引数として指定して次のコマンドを実行できます。
  1. rootユーザーとして、またはsudoを使用して次のコマンドを実行します。
    sudo rpm -U oracle-graph-23.1.0.x86_64.rpm