3.2.2 Oracleコンテキストの理解
Oracleコンテキストの下にあるエントリは、ディレクトリ・ネーミングなど、ディレクトリで利用可能な様々な機能をサポートしています。
図3-8で、エントリdb1
とsales
はcn=OracleContext
の下にあります。このエントリは、Oracleコンテキストと呼ばれる特殊なRDNです。
ディレクトリの構成時にデフォルトのOracleコンテキストを設定します。クライアントは、このOracleコンテキストをデフォルトの場所として使用し、このディレクトリ・サーバー内で接続識別子を検索します。Oracle Internet Directoryでは、DNがdn:cn=OracleContext
であれば、DITのルートにあるOracleコンテキストがアイデンティティ管理レルムにあるデフォルトのOracleコンテキストをポイントします。アイデンティティ管理レルムは、同じ管理ポリシーに基づいて集められたアイデンティティです。このOracleコンテキストは、レルムOracleコンテキストと呼ばれます。別のOracleコンテキストを使用するように設定されていないかぎり、クライアントはこのレルム固有のOracleコンテキストを使用します。
デフォルトのOracleコンテキストは、接続文字列に影響を与えます。たとえば、クライアントがdb1
とsales
のエントリに頻繁にアクセスする必要がある場合、デフォルトとして適切なOracleコンテキストは、dc=jp,dc=example,dc=com
などになります。クライアントのディレクトリ・エントリが、サービスの存在するディレクトリ・エントリと一致しない場合、クライアントは、エントリの完全修飾名を接続文字列で指定する必要があります。詳細は、「ディレクトリ・ネーミングを使用したクライアントの接続」を参照してください。
ノート:
接続文字列で、RDN cn=OracleContext
を明示的に指定する必要はありません。