ディスク・グループの互換性
この項では、ディスク・グループの互換性について説明します。内容は次のとおりです。
ディスク・グループの互換性の概要
ディスク・グループの互換性設定を拡張すると、上位のリリースで使用可能なOracle ASMの新機能を使用できます。たとえば、ディスク・グループ互換性属性が19.0
に設定されたディスク・グループは、Oracle ASM 19cの機能を利用できます。互換性属性設定の組合せに対して使用可能な機能の詳細は、表4-4を参照してください。
互換性を決定するディスク・グループ属性は、COMPATIBLE.ASM
、COMPATIBLE.RDBMS
およびCOMPATIBLE.ADVM
です。COMPATIBLE.ASM
属性設定はOracle ASMインスタンス・タイプについて、COMPATIBLE.RDBMS
属性設定はデータベース・インスタンス・タイプについて、システムで使用可能なOracle Databaseの最小ソフトウェア・バージョン番号を決定します。たとえば、Oracle ASMの互換性設定が19.0
で、RDBMSの互換性が12.2.0.1
に設定されている場合、Oracle ASMソフトウェア・バージョンは19.0
以上、Oracle Databaseクライアント・ソフトウェア・バージョンは12.2.0.1
以上である必要があります。COMPATIBLE.ADVM
属性は、Oracle ASM Dynamic Volume Manager機能がボリュームをディスク・グループに作成できるかどうかを決定します。
ディスク・グループを作成する際に、CREATE
DISKGROUP
SQL文でディスク・グループの互換性属性設定を指定できます。ALTER
DISKGROUP
SQL文は、既存のディスク・グループのcompatible属性設定を更新できます。互換性属性設定の有効な組合せの例は、表4-3を参照してください。
ディスク・グループ属性をASMCMD setattr
コマンドで設定および更新することもできます。ASMCMD setattr
コマンドの詳細は、「setattr」を参照してください。
ノート:
-
ディスク・グループの互換性設定により、使用する環境でOracle ASMの最新機能を使用できるかどうかが決まります。
-
ディスク・グループの互換性設定は、拡張のみ可能です。下位の互換性設定に戻すことはできません。詳細は、ディスク・グループの互換性の復元に関する項を参照してください。
-
COMPATIBLE.ASM
属性は、他のディスク・グループの互換性属性を拡張する前に拡張する必要があります。また、その値は他のディスク・グループの互換性属性の値以上である必要があります。
ディスク・グループの互換性属性
ディスク・グループの互換性属性は、Oracle ASMインスタンスおよびデータベース・インスタンスのディスク・グループの互換性設定を指定します。
-
COMPATIBLE.ASM
-
COMPATIBLE.RDBMS
-
COMPATIBLE.ADVM
ノート:
Oracle ASMバージョン12.2.0.1以降のOracle ASMディスク・グループ属性の最小設定とデフォルト設定は次のとおりです。
-
EXTERNAL
、NORMAL
、およびHIGH
の冗長性のディスク・グループでは、COMPATIBLE.ASM
=11.2.0.2
およびCOMPATIBLE.RDBMS
=10.1
-
FLEX
およびEXTENDED
のディスク・グループでは、COMPATIBLE.ASM
=12.2.0.1
およびCOMPATIBLE.RDBMS
=12.2.0.1
Oracle ASMディスク・グループ属性のデフォルト値と最小値は、SQL*Plusを使用してディスク・グループを作成する場合に存在します。ASMCAなどの他のユーティリティでは、ディスク・グループの作成時に異なるデフォルト値が使用される可能性がありますが、Oracle ASMディスク・グループ属性の最小値は同じです。
COMPATIBLE.ASM
COMPATIBLE
.ASM
ディスク・グループ属性の値により、ディスク・グループを使用できるOracle ASMインスタンスの最小ソフトウェア・バージョンが決まります。この設定は、ディスク上のOracle ASMメタデータのデータ構造の形式にも影響します。他のファイル内容の形式は、Oracle ASM Dynamic Volume Manager (Oracle ADVM)およびデータベース・インスタンスによって決まります。
COMPATIBLE.RDBMS
COMPATIBLE.RDBMS
ディスク・グループ属性の値により、ディスク・グループを使用できるデータベース・インスタンスのCOMPATIBLE
データベース初期化パラメータの最小設定が決まります。COMPATIBLE
.RDBMS
属性を設定する前に、そのディスク・グループにアクセスするすべてのデータベースで、COMPATIBLE
初期化パラメータの値がCOMPATIBLE
.RDBMS
の新しい設定値以上に設定されていることを確認します。
たとえば、データベースのCOMPATIBLE
初期化パラメータが12.2
に設定されている場合、COMPATIBLE.RDBMS
は10.1
から12.2
の任意の値に設定できます。データベースのCOMPATIBLE
初期化パラメータが19.0
に設定されている場合、COMPATIBLE.RDBMS
は10.1
から19.0
の任意の値に設定できます。
ノート:
データベース初期化パラメータCOMPATIBLE
を使用すると、新しいリリースのOracle Databaseを使用できる一方で、以前のリリースの下位互換性も同時に保証されます。COMPATIBLE
初期化パラメータの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』を参照してください。
COMPATIBLE.ADVM
COMPATIBLE.ADVM
ディスク・グループ属性の値により、ディスク・グループにOracle ADVMボリュームを含めることができるかどうかが決まります。この値は11.2
以上に設定する必要があります。この属性を設定する前に、COMPATIBLE.ASM
値が11.2
以上である必要があります。また、サポートする環境にOracle ADVMボリューム・ドライバをロードしておく必要があります。
COMPATIBLE.ADVM
属性のデフォルト値は、Oracle ASMリリースのレベルによって決まります。
関連項目:
Oracle ACFSとOracle ADVMの詳細は、『Oracle Advanced Cluster File System管理者ガイド』
ディスク・グループの互換性属性の設定
この項では、ディスク・グループの互換性属性の設定と、CREATE
DISKGROUP
またはALTER
DISKGROUP
SQL文を使用して属性値を設定する方法について説明します。
この項の内容は次のとおりです。
ディスク・グループの互換性設定は、Oracle ASMコマンドライン・ユーティリティ(ASMCMD)およびOracle ASMコンフィギュレーション・アシスタント(ASMCA)を使用しても設定できます。「ASMCAによるOracle ASMの管理」および「ASMCMDによるOracle ASMの管理」を参照してください。
ノート:
ディスク・グループの互換性属性の値を拡張する操作は、元に戻すことができません。ディスク・グループの互換性を戻す方法を参照してください。
関連項目:
ディスク・グループの互換性に関するSQL文の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』を参照してください。
互換性属性設定の有効な組合せ
ディスク・グループ属性の値を設定する場合は、Oracle Databaseの有効なリリース番号の少なくともメジャー・バージョンとマイナー・バージョンを指定します。たとえば、互換性を12.2
または19.0
のように指定できます。欠落しているバージョン番号の数字はゼロとみなされます。
属性設定の組合せに対して使用可能なOracle ASM機能は、「ディスク・グループの互換性属性設定により使用可能になる機能」を参照してください。
表4-3に、ディスク・グループの互換性属性の有効な組合せと、各組合せについてOracle ASMインスタンスとデータベース・インスタンスの有効なバージョンを示します。
表4-3 ディスク・グループの互換性属性設定の例
COMPATIBLE.ASM | COMPATIBLE.RDBMS | COMPATIBLE.ADVM | Oracle ASMインスタンスのバージョン | RDBMSインスタンスCOMPATIBLE設定 |
---|---|---|---|---|
12.1 |
12.1 |
12.1 |
>= 12.1 |
>= 12.1 |
12.2 |
12.1 |
12.2 |
>= 12.2 |
>= 12.1 |
18.0 |
18.0 |
18.0 |
>= 18.0 |
>= 18.0 |
19.0 |
19.0 |
19.0 |
>=19.0 |
>=19.0 |
21.0 |
21.0 |
21.0 |
>=21.0 |
>=21.0 |
次に、Oracle ASMとデータベースのリリースで考えられる組合せの一部を示します。
-
データベースのリリースはOracle Database 11gリリース2 (11.2) (データベース初期化パラメータ
COMPATIBLE
は11.2
に設定)、Oracle ASMのリリースはOracle ASM 11gリリース2 (11.2)。ディスク・グループのCOMPATIBLE.ASM
とCOMPATIBLE.RDBMS
のディスク・グループ属性は10.2
に設定されています。Oracle ASMのディスク・グループ機能は、Oracle Database 10gリリース2 (10.2)でも有効です。
-
データベースのリリースはOracle Database 10gリリース1 (10.1)、Oracle ASMのリリースは11.2。ディスク・グループの
COMPATIBLE.ASM
は11.2
に、COMPATIBLE.RDBMS
は10.1
に設定されています。 -
データベースのリリースはOracle Database 12cリリース2 (12.2) (データベース初期化パラメータ
COMPATIBLE
は12.2
に設定)、Oracle ASMのリリースはOracle ASM 12cリリース2 (12.2)。ディスク・グループの互換性属性はすべて12.2
に設定されています。
ドメイン・サービス・クラスタ内のOracle ASMおよびメンバー・クラスタ内のOracle Databaseの構成
ノート:
Oracle Grid Infrastructure 21c以降、Oracleクラスタ・ドメイン・アーキテクチャの一部であるメンバー・クラスタはサポート対象外になりました。ただし、ドメイン・サービス・クラスタでは、Oracle Grid Infrastructure 21cより前のリリースでのメンバー・クラスタが引き続きサポートされます。
ノート:
Oracle Grid Infrastructure 21c以降では、Oracleクラスタ・ドメイン・アーキテクチャに含まれるドメイン・サービス・クラスタ(DSC)は非推奨となっており、将来のリリースではサポート対象外となる可能性があります。
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)バージョン19.1で実行されているOracle ASMまたはOracle IOServerは、バージョン12.2および19.1のメンバー・クラスタで実行されているOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureをサポートします。
ドメイン・サービス・クラスタ(DSC)バージョン12.2で実行されているOracle ASMまたはOracle IOServerは、バージョン12.2および19.1のメンバー・クラスタで実行されているOracle DatabaseおよびOracle Grid Infrastructureをサポートします。
Oracle Databaseインスタンスのバージョンは、同一クラスタ内のOracle ASMのバージョン以下である必要があります。ただし、異なるクラスタからデータベース・インスタンスが接続されている場合には、この要件は厳格に実施されません。
互換性属性によるCREATE DISKGROUPの使用
ディスク・グループを作成する際に、CREATE
DISKGROUP
文を使用してディスク・グループの互換性設定を指定できます。
次の例では、標準冗長性のディスク・グループdata1
を作成します。このディスク・グループのOracle ASMの互換性は19.0
に設定され、RDBMSの互換性はデフォルト(COMPATIBLE.RDBMS
のデフォルトは19.0
以下)に設定されています。
CREATE DISKGROUP data1 DISK '/dev/sd*' ATTRIBUTE 'compatible.asm' = '19.0';
次の例では、ASM、RDBMSおよびADVMの互換性が19.0
に設定された標準冗長性のディスク・グループdata2
を作成します。
CREATE DISKGROUP data2 DISK '/dev/sd*' ATTRIBUTE 'compatible.asm' = '19.0', 'compatible.rdbms' = '19.0', 'compatible.advm' = '19.0';
互換性属性によるALTER DISKGROUPの使用
ディスク・グループを作成した後に、ALTER
DISK
GROUP
SQL文を使用して、互換性属性を変更できます。ALTER
DISK
GROUP
SQL文を使用すると、変更をコミットする前に、指定のディスク・グループの互換性を拡張できます。
ALTER
DISKGROUP
を実行する場合、互換性を拡張してもデータベースおよびファイル・システムのアクセスが低下しないように、影響を受けるデータベースとファイル・システムをすべてオンラインにする必要があります。ディスク・グループの互換性を拡張する際は、COMPATIBLE
.RDBMS
またはCOMPATIBLE.ADVM
属性の前にCOMPATIBLE
.ASM
属性を拡張して、必ず表4-3に示したcompatible属性設定の有効な組合せにしてください。1つのALTER
DISKGROUP
文で拡張できる互換性属性は1つのみです。
次の例では、ディスク・グループdata3
のOracle ASMの互換性を19.0
に拡張します。data3
ディスク・グループにアクセスするには、Oracle ASMインスタンスがOracle ASM 19c以上である必要があります。
ALTER DISKGROUP data3 SET ATTRIBUTE 'compatible.asm' = '19.0';
次の例では、ディスク・グループdata3
のCOMPATIBLE.RDBMS
およびCOMPATIBLE.ADVM
互換性属性を10.0
に拡張します。この例では、COMPATIBLE.ASM
の値が19.0
に設定されていることを前提としています。
ALTER DISKGROUP data3 SET ATTRIBUTE 'compatible.rdbms' = '19.0', ALTER DISKGROUP data3 SET ATTRIBUTE 'compatible.advm' = '19.0';
互換性属性設定の表示
ディスク・グループの互換性設定は、V$ASM_ATTRIBUTE
ビューに表示できます。しかし、COMPATIBLE.ASM
値が10.1
に設定されている場合、V$ASM_ATTRIBUTE
ビューには1行も表示されません。かわりに、COMPATIBLE.ASM
およびCOMPATIBLE.RDBMS
のディスク・グループの互換性属性の値を、V$ASM_DISKGROUP
ビューのCOMPATIBILITY列とDATABASE_COMPATIBILITY
列で確認できます。
ディスク・グループの互換性属性は、ASMCMDコマンドlsattr
を使用して表示することもできます。
関連項目:
-
V$ASM_ATTRIBUTE
ビューの問合せの例は、例6-1 -
ASMCMD
lsattr
コマンドの詳細は、「lsattr」 -
ディスク・グループ属性の詳細は、『Oracle Database SQL言語リファレンス』
-
V$ASM_DISKGROUP
およびV$ASM_ATTRIBUTE
動的パフォーマンス・ビューの詳細は、『Oracle Databaseリファレンス』
ディスク・グループの互換性を戻す方法
ディスク・グループの互換性を元の値に戻すことはできません。かわりに、新しいディスク・グループを作成する必要があります。
ディスク・グループの互換性属性の値を拡張する操作は、元に戻すことができません。ディスク・グループの互換性設定を拡張すると、値を以前の設定に戻すことができません。以前の値に戻すには、古い互換性属性設定で新しいディスク・グループを作成し、そのディスク・グループに含まれていたデータベース・ファイルを新しいディスク・グループにリストアする必要があります。
新しいディスク・グループを古い互換性属性設定に戻すと、Oracle ASMの最新機能は使用できなくなります。たとえば、ディスク・グループの互換性を11.2より前の値に戻した場合、Oracle ACFS機能は使用できません。
たとえば、ディスク・グループを以前の互換性設定に戻すには、次の手順を実行します。
-
Oracle ASM SPFILEがディスク・グループにある場合は、そのディスク・グループから移動します。
-
SQL*Plusを使用してOracle ASMインスタンスに接続します。
-
ファイル・システムにPFILEを作成します。
たとえば:
SQL> CREATE PFILE '$ORACLE_HOME/dbs/asmspfile.ora' FROM SPFILE;
-
-
OCRおよび投票ファイルがディスク・グループにある場合は、そのディスク・グループから移動します。
-
保存が必要なファイルをすべてバックアップします。
-
データベース・ファイルをバックアップします。
-
Oracle ACFSファイル・システムがディスク・グループのOracle ADVMボリュームにマウントされる場合、ファイル・システムのオペレーティング・システム・ファイルをバックアップするか、ファイル・システムのマウント・ポイント以外の場所にコピーする必要があります。
-
-
SQL
CREATE
DISKGROUP
を使用してディスク・グループ属性の設定に以前の値を指定し、新しいディスク・グループを作成します。 -
ALTER
DATABASE
MOVE
DATAFILE
SQL文またはRecovery Manager (RMAN)のいずれかを使用して、新しく作成されたディスク・グループにデータベース・ファイルを移動またはリストアします。 -
ディスク・グループの互換性設定が拡張されたディスク・グループとその内容を削除するには、SQL
DROP
DISKGROUP
INCLUDING
CONTENTS
を使用してそのディスク・グループを削除します。このSQL文により、Oracle ACFSファイル・システムとその内容も削除されます。
関連項目:
-
ディスク・グループの作成の詳細は、「ディスク・グループの作成について」
-
ディスク・グループ間でのデータファイルの移動については、「ALTER DATABASEを使用したディスク・グループ間のデータファイルの移動」
-
RMANを使用したデータベース・ファイルの移動の詳細は、「RMANを使用したOracle ASMディスク・グループ間でのデータファイルの移動」
-
ディスク・グループの削除の詳細は、「ディスク・グループの削除」
-
OCRおよび投票ファイルの管理の詳細は、『Oracle Clusterware管理およびデプロイメント・ガイド』
-
ALTER
DATABASE
MOVE
DATAFILE
SQL文を使用してOracle ASMディスク・グループ間でデータファイルを移動する方法の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』
ディスク・グループの互換性属性設定により使用可能になる機能
このトピックでは、ディスク・グループの互換性属性設定の有効な組合せによって使用可能になるOracle ASM機能を説明します。
次の一覧は、ディスク・グループの互換性属性設定の有効な組合せによって使用可能になるOracle ASM機能に適用されます。
-
COMPATIBLE.ASM
の値は常に、COMPATIBLE.RDBMS
およびCOMPATIBLE.ADVM
の値以上である必要があります。 -
Oracle Grid Infrastructure 12.2.0.1ソフトウェア以降の
COMPATIBLE.ASM
の最小設定は11.2.0.2
です。 -
該当なしとは、属性の設定がその機能に影響を及ぼさないことを意味します。
-
次の表に明示的にリストされていないOracle ASM機能については、ディスク・グループの互換性属性設定を拡張する必要はありません。
-
次の表に示すオペレーティング・システムによって明示的に特定されるOracle ASM機能は、関連するディスク・グループ属性設定をはじめ、そのオペレーティング・システムで使用可能になります。
-
Oracle ASM 11g リリース2 (11.2.0.3)をLinuxで初回使用時に暗号化を設定する場合、またはLinux上でOracle ASM 11g リリース2 (11.2.0.3)へのソフトウェアのアップグレードに伴って、暗号化パラメータを変更または新しいボリュームの暗号化キーを作成する必要がある場合、ディスク・グループ互換性の属性
ASM
およびADVM
は、11.2.0.3
以上に設定する必要があります。 -
Oracle ACFSでは、Oracle Databaseデータファイル、制御ファイル、オンラインREDOログ、アーカイブREDOログ・ファイル、フラッシュバック・ログ、RMANバックアップおよびOracle Data Pumpダンプ・ファイル・セットの暗号化またはレプリケーションはサポートされません。
-
Oracle Exadataストレージ上のOracle ACFSは、Oracle Grid Infrastructure 12.1.0.2 (Linux上)以上でサポートされます。
-
データベースの
COMPATIBLE
初期化パラメータの最小要件がある場合もあります。
表4-4 ディスク・グループの互換性属性設定により使用可能になるOracle ASM機能
関連項目:
-
ディスク・グループの互換性設定によって有効になるOracle ACFS機能については、『Oracle Advanced Cluster File System管理者ガイド』
-
Oracle ACFSとOracle ADVMの詳細(制限事項など)、およびOracle ACFSファイル・システムでのデータ・ファイルの格納については、『Oracle Advanced Cluster File System管理者ガイド』
-
リバランス処理と
ASM_POWER_LIMIT
初期化パラメータの詳細は、「ASM_POWER_LIMIT」
ディスク・グループの互換性を設定する際の考慮事項
ディスク・グループの互換性を拡張すると、Oracle Databaseの以前のリリースでは大きすぎて管理できないファイルを作成できます。
たとえば、レプリケート・サイトではこれらの大きなファイルを管理するには引き続き以前のリリースのソフトウェアを使用できないため、ファイル・サイズの制限に注意する必要があります。ディスク・グループの互換性設定は、すべてのレプリケート環境に対して同じにする必要があります。
表4-5に、AU_SIZE
ディスク・グループ属性が1 MBに設定されている場合に、複数のCOMPATIBLE.RDBMS
設定でサポートされるOracle ASMの最大ファイル・サイズを示します。表は、Oracle Database 10gでは、外部冗長性の場合ファイル・サイズは最大で16TBまでしかサポートできないことを示しています。COMPATIBILE.RDBMS
属性を11.1
以上に拡張すると、ファイルを16TBより大きくすることができます。ただし、サイズが大きくなり、障害時リカバリ・サイトのCOMPATIBLE.RDBMS
ディスク・グループ設定がそのサイズと互換性がない場合は、レプリケートされた障害時リカバリ・サイトでファイルを使用できなくなります。
表4-5 AU_SIZEを1MBに設定したディスク・グループに対するOracle ASMの最大ファイル・サイズ
冗長性 | COMPATIBLE.RDBMS >= 12.2 |
---|---|
外部 |
255 TB |
標準 |
93 TB |
高 |
62 TB |
表4-6に、AU_SIZE
ディスク・グループ属性が4 MBに設定されている場合に、複数のCOMPATIBLE.RDBMS
設定でサポートされるOracle ASMの最大ファイル・サイズを示します。
表4-6 AU_SIZEを4 MBに設定したディスク・グループに対するOracle ASMの最大ファイル・サイズ
冗長性 | COMPATIBLE.RDBMS >= 12.2 |
---|---|
外部 |
1022 TB |
標準 |
1022 TB |
高 |
998 TB |
関連項目:
-
Oracle ASMのストレージ・サイズの詳細は、「Oracle ASMストレージの制限」
-
データベースの互換性の詳細は、『Oracle Databaseアップグレード・ガイド』を参照
-
COMPATIBLE
初期化パラメータと不可逆の互換性については、『Oracle Database管理者ガイド』 -
COMPATIBLE
初期化パラメータについては、『Oracle Databaseリファレンス』