2.10.2 Exadata X8以前のデータベース・サーバーのスナップショット・ベースのバックアップの作成 - パーティションをカスタマイズしていない場合

この手順は、スナップショット・ベースのバックアップを取得する方法を示しています。手順で示す値は、例です。

元の出荷時の構成からデータベース・サーバー・パーティションをカスタマイズしていない場合、この項の手順を使用してバックアップを作成し、そのバックアップを使用してデータベース・サーバーをリストアします。

ノート:

  • リカバリ手順により、出荷時の名前およびサイズを含む正確なパーティションがリストアされます。パーティションを少しでも変更した場合、この手順は使用できません。変更には、サイズや名前の変更、パーティションの追加または削除が含まれます。

  • rootユーザーとして、すべてのステップを実行する必要があります。

  1. バックアップの保存先を準備します。

    書込み可能な大きいNFSの場所を指定できます。NFSの場所は、バックアップ・ファイルの保存に十分な大きさである必要があります。カスタマイズされていないパーティションの場合は、145GBで十分です。

    1. NFS共有のマウント・ポイントを作成します。
      mkdir -p /root/tar
    2. NFSの場所をマウントします。

      次のコマンドで、ip_addressはNFSサーバーのIPアドレス、nfs_locationはNFSの場所です。

      mount -t nfs -o rw,intr,soft,proto=tcp,nolock
      ip_address:/nfs_location/ /root/tar
      
  2. / (ルート)および/u01のディレクトリのスナップショット・ベースのバックアップを作成します。
    1. ルート・ディレクトリにroot_snapという名前のスナップショットを作成します。

      次の例ではLVDbSys1が使用されていますが、imageinfoの出力に基づく値を使用する必要があります。アクティブ・イメージがLVDbSys2にある場合、コマンドはlvcreate -L1G -s -c 32K -n root_snap /dev/VGExaDb/LVDbSys2になります。

      lvcreate -L1G -s -c 32K -n root_snap /dev/VGExaDb/LVDbSys1
    2. スナップショットにラベルを付けます。
      e2label /dev/VGExaDb/root_snap DBSYS_SNAP
      
    3. / (ルート)および/u01ディレクトリのファイル・システム・タイプを確認します。
      • Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.1.0以降を実行しているInfiniBandネットワーク・ファブリック・ベースのサーバーでは、ext4ファイル・システム・タイプを使用します。
      • 12.1.2.1.0以前のリリースのOracle Exadata System Softwareを実行しているInfiniBandネットワーク・ファブリック・ベースのサーバーでは、ext3ファイル・システム・タイプを使用します。
      • Oracle Exadata System Softwareリリース12.1.2.1.0以降に更新されたExadata X5以前のサーバー・モデルも、ext3ファイル・システム・タイプを使用します。
      # mount -l
      /dev/mapper/VGExaDb-LVDbSys1 on / type ext4 (rw) [DBSYS]
      ...
      
    4. スナップショットをマウントします。

      次のmountコマンドでは、filesystem_type_of_root_directoryが前のステップで決定したファイル・システム・タイプのプレースホルダになります。

      mkdir /root/mnt
      mount /dev/VGExaDb/root_snap /root/mnt -t filesystem_type_of_root_directory
    5. /u01ディレクトリにu01_snapという名前のスナップショットを作成します。
      lvcreate -L5G -s -c 32K -n u01_snap /dev/VGExaDb/LVDbOra1
    6. スナップショットにラベルを付けます。
      e2label /dev/VGExaDb/u01_snap DBORA_SNAP
    7. スナップショットをマウントします。

      次のmountコマンドでは、filesystem_type_of_u01_directoryが前述のステップ2.cで決定したファイル・システム・タイプのプレースホルダになります。

      mkdir -p /root/mnt/u01
      mount /dev/VGExaDb/u01_snap /root/mnt/u01 -t filesystem_type_of_u01_directory
    8. バックアップのディレクトリに変更します。
      cd /root/mnt
    9. 次のいずれかのコマンドを使用して、バックアップ・ファイルを作成します。
      • システムにNFSマウント・ポイントがない場合:

        # tar -pjcvf /root/tar/mybackup.tar.bz2 * /boot --exclude \
        tar/mybackup.tar.bz2 > /tmp/backup_tar.stdout 2> /tmp/backup_tar.stderr
      • システムにNFSマウント・ポイントがある場合:

        次のコマンドのnfs_mount_pointsは、NFSマウント・ポイントです。マウント・ポイントを除外すると、大きいファイルと長いバックアップ時間が生成できなくなります。

        # tar -pjcvf /root/tar/mybackup.tar.bz2 * /boot --exclude \
        tar/mybackup.tar.bz2 --exclude nfs_mount_points >         \
        /tmp/backup_tar.stdout 2> /tmp/backup_tar.stderr
    10. /tmp/backup_tar.stderrファイルをチェックして、重大なエラーがないかを確認します。
      オープン・ソケットのアーカイブの失敗に関するエラーおよび他の同様のエラーは無視できます。
  3. スナップショットをアンマウントし、/ (ルート)および/u01ディレクトリのスナップショットを削除します。
    cd /
    umount /root/mnt/u01
    umount /root/mnt
    /bin/rm -rf /root/mnt
    lvremove /dev/VGExaDb/u01_snap
    lvremove /dev/VGExaDb/root_snap
  4. NFS共有をアンマウントします。
    umount /root/tar